みなさん、こんにちは。渡邊龍一です。
このたび、Nazunaが「HRチャレンジ大賞」という素晴らしい賞をいただきました。現場を支えてくれている従業員ひとりひとり、そしてNazunaの「キャリアのあり方」に共感してくれた仲間たちのおかげです。今日はこの受賞を機に、Nazunaが取り組んできた「キャリア選択の仕組み」と、それを支える僕たちの価値観について、お話ししたいと思います。
宿泊業界に人が集まる、ちょっと不思議な理由
宿泊業界って、正直、人材不足が深刻です。働き方や待遇のイメージから「しんどい業界」と思われがちで、なかなか人が集まらない。でも、ありがたいことにNazunaには毎月たくさんの応募が来ます。なぜなのか?
その理由のひとつが「キャリアの多様性」。そしてもうひとつが、「キャリアは“与えられるもの”じゃなく、“自分で選ぶもの”だ」という考え方にあります。
キャリアは「会社が決めるもの」じゃなくて「自分で決めるもの」
一般的な会社だと、キャリアって“気づいたら決まっている”ことが多い。いわゆる年功序列。けれど僕たちは違います。Nazunaでは、入社時にまず「どんなキャリアを歩みたいか」を自分で選ぶ。そして半年ごとに、見直すタイミングを必ず設けています。
もちろん、自分で決めるって簡単じゃない。だからこそ、先輩やメンターとの面談を通じて、自分の方向性を一緒に考えていきます。
これって、ただの制度じゃなくて「会話の文化」です。キャリアを選ぶことを通して、自分の未来と向き合う。そして会社も、その意思にちゃんと応えていく。そんな関係性を大事にしています。
2つのキャリアパス「自分らしさ」で選べる道
Nazunaでは、キャリアパスを大きく2つに分けています。
■ おせっかい志向キャリア
“サービスを届ける”こと自体に、喜びややりがいを感じるタイプのキャリアです。
Nazunaでは、「私が主語の接客」を大切にしています。
多くのサービス業では、ブランドや会社が“主語”になりがちです。用意されたマニュアルや接客スタイルに則って、お客様にサービスを提供する。それが当たり前とされてきました。
けれどNazunaでは、「おせっかい」を企業文化に据えているからこそ、スタッフ一人ひとりの“想い”がサービスの中心にあります。自分自身が「こうしたい」と思ったことを、目の前のお客様のために自由に届けていい。むしろ、それが歓迎される会社です。
この考え方に共感してくれる方が、他の業界や企業から多く集まってきています。たとえば、以前テーマパークで働いていた友野さんは、会社のブランドではなく“自分の想い”を軸に働ける環境を求めてNazunaに入社。今では地域の方々やチームメンバー、お客様一人ひとりに対して、自ら考えた“おせっかい”を日々届けてくれています。その姿勢が評価され、社内表彰であるMOP(Most Osekkai Person)を受賞しました。
最近では、アルバイトから社員へとステップアップしてくれる方も増えてきました。現場で“おせっかい”の楽しさや意味を実感し、「もっと深く関わりたい」と思ってくれる。そんな人たちが自然とNazunaに残ってくれる。これは何よりの誇りです。
■ ジェネラリストキャリア
業界や経験にとらわれず、“自分の可能性を広げたい”という意欲をもった挑戦者タイプのキャリアです。
Nazunaには、サービス業とはまったく異なる業界から転職してくる方も数多くいます。
特に多いのは、大手企業でキャリアを積んできた方々。安定した環境のなかで経験を重ねてきた一方で、「年功序列の中では自分の未来が描きにくい」「もっと自分の意思で仕事を動かしたい」といった思いを抱え、次のキャリアを模索する中でNazunaに出会ってくれています。
たとえば、5月に開業した「Nazuna 箱根 宮ノ下」の支配人の羽佐さん。もともとは地方銀行に勤めていた方で、ホテル業界は未経験、英語も話せませんでした。けれど「挑戦したい」という想いを持ち、Nazunaに入社。現場で経験を積みながら、数字づくりやマネジメントといった責任ある役割を次々に担い、3年目にして箱根の支配人に抜擢されました。前職では与えられた目標に従って動く仕事が中心だった彼が、今ではチームを率い、自ら宿を成長させる存在になっています。
また、半年前に入社した櫻井さんは法人営業を9年した後、「もっと成長したい」という理由でNazunaに入社されました。大手企業の仕組みの中で過ごすうちに、自分の可能性をもっと試したいという想いが強くなったそうです。宿泊業は未経験でしたが、一から知識を身につけ、今では多店舗展開を見据えたジェネラリストとしての成長を目指して、日々奮闘しています。
“業界経験”よりも、“想いと行動”を重視する。
Nazunaでは、そんなキャリアの歩み方が歓迎され、実現できる環境があります。
なぜ、未経験でもここまで活躍できるのか?
「人が育たない」のではなく、「育つ環境を作れていない」のが原因じゃないかと僕は思っています。
役職が人をつくる、ってよく言いますよね。僕もそう思います。今の能力で足りなくても、「この人なら支配人として成長してくれる」と信じて任せる。もちろん無責任にはしません。役職ごとに必要なスキルは明確にし、段階ごとに何を身につけるかを公開しています。
そして何より、「失敗してもいい」と言える空気を大事にしています。失敗は成長の一部。失敗を許容できる環境があるからこそ、人は本気で挑戦できる。僕はそう信じています。
会話の量と質が、納得感を生む
不満って、たいてい「思ってたのと違う」から生まれますよね。会社と個人の間に“解釈のズレ”がある。でもその多くは、実は「会話不足」が原因です。
だからこそ、Nazunaでは半年ごとに必ずキャリア面談を行います。“あうんの呼吸”に頼らず、お互いの言葉でちゃんと確認し合う。そういう文化を大切にしています。
ちゃんと見て、ちゃんと選んでほしいから
僕は、会社に入るときって、少し疑ってかかるくらいがちょうどいいと思っています。特にホテル業界は「ブラックなんじゃないか」と不安を持たれることも多く、外から見ただけでは分からないことばかり。だからこそ、Nazunaではできる限り“本当の中身”を見せる努力をしています。
たとえば、noteでは全社員の紹介やイベント、社長メッセージなどを発信していて、ありのままの雰囲気をできるだけオープンにすることを心掛けています。採用過程では、面接とは別に「面談」という形でざっくばらんに話せる場を設けたり、二次選考を通過した方には実際に現場に入っていただく“現場体験”の機会を用意したりしています。
これは、こちらから一方的に情報を与えるのではなく、求職者の方自身に、ちゃんと自分の目で見て、聞いて、納得して選んでほしいからです。「面接官が言っていたこと、本当に現場でもそうなんだろうか?」「実際の働き方ってどうなんだろう?」――そうした疑問に、リアルに触れながら判断してもらえるようにしています。
僕たちにとって、採用はゴールじゃなくてスタートです。一緒に働く仲間として、同じ方向を向いて進んでいけるか。お互いに納得して「よし、ここで頑張ろう」と思えることが何より大切だと考えています。
だからもし気になるところがあれば、まずは気軽に会いに来てください。「働くって、こういう感じがいいな」と思ってもらえる会社でありたい。そう思って、僕たちは今日も“おせっかい”しています。
なNazunaは現在、京都に4つの施設を運営しており、10月には新たな宿もオープン予定です。また、関東圏の方には「Nazuna 箱根 宮ノ下」もアクセスが良く、東京からのご宿泊にも便利です。機会があれば、ぜひ一度実際の宿に足を運んでみてください。現場の空気感やスタッフの“おせっかい”を、リアルに感じていただけると思います!