株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しており、現在、2,000社、47都道府県200自治体、10万人以上の皆様にご利用いただいています。
” AI活用は今からでも遅くない しかし、始めなければ取り残される ”
2025年5月で7期目を迎えたAnother works社、今期のテーマは「AIの社会実装」です。経営者として、そして一人のビジネスパーソンとして、AIをいかに業務で活用できるか。2025年が、この先10年,20年の成長を決める勝負の1年だと考えています。
米オープンAIの元研究者らによる未来予測「AI2027」では、2025年中にAIが自律的に作業をこなす「AIエージェント」が普及し、いずれAIが人間に変わって”交渉”までもをこなすようになると予測されています。
しかし、「AIって何から始めればいいの?」「実際にどんな場面で使えるの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回は、私が実際に経営に活用している5つのAIツールとその具体的な使い方をご紹介します。
ChatGPT:情報収集と学習の最強パートナー
まず絶対に使うべきなのがChatGPT。もちろん会社としても私個人としても課金しながら使用しています。特に皆さんにご紹介したい使用ケースは以下の2つです。
打ち合わせ前の企業・業界研究に活用
まず使っているのが打ち合わせや会食前の企業・業界研究です。打ち合わせにおいては、打ち合わせ先の企業情報や社長のプロフィールを抽出し、分かりやすくまとめることはもちろん、企業・業界の”課題”発見に活用しています。
企業や業界の最新情報を元に課題を10個抽出し、ChatGPTと会話をしながら仮説を立てていくのです。企業フェーズや業界特有の課題についてChatGPTとあらかじめ会話をすることで前提知識がインプットされ、さらに発想が広がっていくため、これだけで打ち合わせの質が大幅に向上します。
特に馴染みのない業界の方との打ち合わせでは重宝しています。分からない情報や専門用語があれば「高校生にも分かりやすく教えて!」と伝えることがコツです。スポーツやエンタメなど身近な例え話を使って説明してくれるので、理解が深まっていきます。
歴史学習で経営力を向上
また、私は日本の歴史を学ぶためにもChatGPTを活用しています。「あなたは天才的な日本史の先生です」とChatGPTに人格をインプットし、マンツーマンかつインタラクティブな歴史の授業を受けているのです。
例えば「株式ってなんで生まれたの?」「年貢制度っていつから始まったの?」といった、分かっているようで実は分からない疑問が皆さんの中にもあるはずです。今の日本経済の基盤である歴史や起源を学ぶことで、現代のビジネスにも新たな視点が生まれます。
PLAUD:オフライン会議の記録と要約を自動化
最近話題のPLAUDも重宝しています。オフライン会議や講演会での活用が特に効果的です。
自動で議事録作成・要約・ネクストアクション抽出
オフライン会議では、PLAUDで録音すると自動で発言が文字起こしされ、さらに要約やネクストアクションまで整理してくれます。
特に活用しているのが検索機能です。人間は簡単に忘れてしまうものですが、「Aさんが何を言っていたか」「Bさんがどんな宿題を出していたか」、少しのキーワードを入れること後から検索すること可能です。
議事録係の廃止
もう会議において「議事録係」を設ける必要はなくなっています。Another works社でも議事録のために会議に出席することを禁止しています。AIに任せることができることは全て任せ、本来人間がすべきことに集中するべきなのです。
AIがあることで、メモを取ることに集中して相手の話についていけなくなる心配もなくなりました。その場では話をしっかり聞き、ディスカッションをすることに集中、会議後に要約された内容を基にネクストアクション進めていくことが最短距離で最良のアウトプットにつながります。
tl;dv:オンライン会議の効率化
オンライン会議にはtl;dvを使用しています。ZoomやGoogle Meetに「もう1人の参加者」として入ってくれるイメージです。
自動要約とアジェンダ整理
会議終了後にメールで通知が来て、そこに全ての内容が整理されています。事前に「アジェンダごとに整理してください」「事実と仮説を分けてください」と指示しておくと、その通りに分類してくれます。
画面録画機能もあるため、会議をもう一度見返すことも可能です。営業の育成などでも、自分の商談を振り返る際に活用できるでしょう。オンライン会議用のAIツールはいくつかあるため、自社・自分に合った最適ツールを見つけることをおすすめします。
NotebookLM:第2の脳を作る
NotebookLMは私の「第2の大林」を作るために活用しています。
自分専用AIアシスタントの構築
NotebookLMには私がこれまでに発信してきたYouTube動画、note記事、講演内容などを全て読み込ませています。複業について、日本経済について、私がどのような意見を持っているかを学習させることで、「大林らしい回答」をするAIができあがります。
例えば、登壇やイベントで「日本経済について話したい。どのような切り口で何を伝えたらいいか?」と相談すると、私の過去の発言を踏まえた上で、最新データと組み合わせた提案をしてくれます。一般的なChatGPTだと汎用的な回答になりますが、NotebookLMなら「大林らしい」回答が得られるのが大きな違いです。
Google Gemini:動画解析の新次元
GoogleのGeminiとGoogle AI Studioも積極的に活用しています。Another works社はGoogleアカウントで統一しているため、相性が良いのも理由の一つです。
YouTube動画やPDFの高精度解析
特に優れているのが、YouTubeやPDFを読み込ませて文字起こしや要約をしてくれる機能です。Google AI StudioではYouTubeのURLからすぐに要約やまとめが抽出されます。
もはや1時間のYouTube動画を実際に1時間かけて視聴する時代は終わるかもしれません。まずAIに要約してもらい、興味のある部分だけを実際に視聴するという使い方ができます。これは本の目次を見て興味のある章から読み始めるのと同じような感覚に近付いていると感じます。
AIと仲良くなる秘訣
人間にしかできないこと・AIに任せることが明確に分かれていく時代。まずは遊ぶ感覚でAIを使い始めて、AIと仲良くなり、徐々に業務に組み込んでいくことがおすすめです。
AIを使いこなすための3つのポイント
- プライベートでも使って慣れる:まずはAIへの苦手意識をなくす
- 課題ありきで考える:自分の業務にどんな課題があるかを特定し、どうしたらAIで解決できるか考える
- AIに相談する:「どうやってAIを使えばいいですか?」とAIに聞く
特におすすめなのが「3.AIに相談する」です。自分がどのような作業をしていて、どのようなポジションで、いつも何に時間を使っているかをAIに伝えて、「どのようにAIを使って生産性を上げられますか?」と相談してみてください。自分で考え、悩むよりも、AIに発想をもらいに行く方が早いことも多くあります。皆さんもぜひ、今日からAI活用を加速させてみてください!