株式会社Another works代表 / 日経COMEMO KOLの大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しています。
「ベンチャー企業って、キラキラしてて自由で楽しそう!」
「年齢関係なく昇進できるチャンスがある!」
そんなイメージを持っている方、多いかもしれません。今回はベンチャー経営者としてよく質問をいただく「ベンチャー企業に向いている人とは?」をテーマに5つの特徴でまとめていきます。
ベンチャーに向いている人の特徴5選
1. ベンチャー=キラキラの幻想を抱いていない
まず最初に、ベンチャー企業はドラマや映画のようなキラキラした世界ばかりではありません。『トリリオンゲーム』のような大逆転劇もドラマの中だからこそ。
もちろん、魅力的なオフィスや自由な雰囲気もありますが、現実はもっと泥臭く、大義を実現するために何でも挑戦する、成果のために必死に行動する、それがベンチャーのリアルです。この幻想を抱いたまま入社すると、ギャップに苦しむことになります。だからこそ外面的な魅力だけでなく、泥臭い仕事や地道な努力も厭わない覚悟があるかが重要です。
また、ベンチャーは発展途上という側面からも会社ごとの色が大きく変わります。そのため、入社前はオンライン面接だけでなく、可能なら対面でオフィスに行ってみることをお勧めします。写真だけでは分からない会社のリアルな雰囲気を感じ取れるはずです。「少しオフィス見学させてください!」と伝えるのも、熱意として伝わるため一石二鳥です。
個人的にはいきなりベンチャーに転職する前に、まずは複業で関わってみる「複業転職」という考え方もおすすめです。まずは複業で正社員と共に仕事してみることで会社のリアルを知ることができ、「思ってたのと違った」というミスマッチを確実に減らすことができるのです。
2. 肩書きや年齢を気にしない
特にベンチャー企業では年齢や前職の肩書に関係なく、成果に応じたポジション配置が行われます。年下上司のチームに配属されることも珍しくないため、年齢関係なく教えてもらう姿勢を持てるかが重要です。
また、前職や大手企業でのスキルや肩書きが、そのままベンチャーで活きるとは限りません。規模や業種が違えば、必ず同じ成果を再現できるとは限らないためです。「前の会社では責任者を務めていたので、入社時からマネージャー職を希望します」というパラシュート人事は通用しにくいことが多いのです。
だからこそ、まずは現場を知り、メンバーから学ぶ姿勢が大切です。年下や新卒メンバーが積み上げてきた経験や知識を尊重できない人は、チームに馴染めず、結果的に活躍できない傾向にあります。
3. 「教えてください」が素直に言える(=謙虚さがある)
ベンチャーでは、変化が激しく、常に新しいことを学ぶ必要があります。たとえ年下や学生に向けてであっても、知らないことは素直に「教えてください」と言える謙虚さが、成長の鍵を握ります。
特に注意したいのは、プライドのベクトルです。私はプライドは持つべきだと考えています。常に自信もプライドのない人にはチャンスは巡ってきません。しかし、プライドは自分に向けるべきであって、他者に向けてはならないと考えています。
- 他者へ向いたプライド:「あの人のせいで・・」「環境のせいで・・・」など自分を守り、他責にしてしまう
- 自分へ向いたプライド:「自分の・・がダメだった」「もっと・・で成長したい」と自責思考と向上心を持っている
余談ですが、採用基準で「謙虚さ」を挙げる企業は多いですが、自社にとっての「謙虚さ」とは具体的にどういう行動なのか、言語化しておくことがおすすめです。Another worksでは「教えてくださいが言えること」をその一つと定義しています。
4. 会社の歴史や文化を大切にできる
ベンチャーはより会社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を重視し、採用はもちろん事業推進や日々の業務に落とし込まれています。もし、どんなに条件が良く、自分に合った職種だとしてもMVVに共感できなければなかなか成果を出すことができません。
また、「前職ではこうやっていたので、今のやり方を辞めて・・すべきです!」と入社すぐに伝えてしまうのも、ベンチャーでうまくいかない人の典型的なパターンです。
どんな会社にも、そこに至るまでの歴史があり、独自の文化やルールがあります。一見非効率に見えることにも、そうなった理由や背景が必ず存在するのです。まずは、なぜそうなっているのか?という歴史や文化を理解しする姿勢が重要です。その上で、「こういう課題があるので、新しい文化(やり方)を作りませんか?」と提案できる人は、会社にとって非常にありがたい存在です。
5. 「素」を出せる
ベンチャーは、良くも悪くも人と人との距離が近い環境です。10名の組織であれば、常に同じメンバーで業務を進めていくことになります。部署異動をしたとしても、同じフロアで仕事をするケースもあります。
面接で自分の「素」を出せずに入社してしまうと、本来の自分と違うキャラクターを演じ続けなくてはならず、本人にとっても周囲にとっても不幸になってしまいます。
「本当は一人が好きだけど、輪に入らないと嫌われるかも…」
「ワイワイした飲み会が多いけど、本当はそんなタイプじゃない…」
そんな風に自分を押し殺して働くのは辛いですよね。素の自分を出しても受け入れてもらえる環境か、自分自身がその環境で自然体でいられるか、これは非常に重要なポイントです。
これらは、私が6年以上ベンチャー経営をしてきた中で、強く感じていることです。もちろん、これが全てではありませんが、ベンチャー企業への転職や就職を考えている方は、ぜひ自分自身に当てはめて考えてみてください。
Another worksでは、新卒・経験者・学生インターンを積極的に採用中です!少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度お話ししましょう!