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株式会社Another worksの取締役CDOのKim(@sagwan_kim)です。
早いもので4期目も折り返し。
先日はシリーズBの資金調達を実施し複業の社会実装に向けて大きく歩みを進めることができました。
この4年間で、CDO(Chief Design Officer)としての役割や負うべき責任は、徐々に変化してきました。
ここではその変化と、デザインの担い手として体験してきた面白さや魅力について書き記しておこうと思います。
「CDO」という役割の変遷
CDOはデザインの責任者として、プロダクトはもちろん会社におけるあらゆるアウトプット、表現、コミュニケーションルールまで「整理」し「整頓」し「適切に届け運用する」ことが主となる役割になります。
…ではあるのですが、創業期以来その役割は変化し、拡張し続けています。
それはそのまま組織におけるデザインへの解釈の深化の歴史でもあり、特に経営レイヤーから「デザイン」に対するリスペクトを得られていることは1人のデザイナーとして本当に幸福なことです。
創業期:1人目デザイナーとして
立ち上がったばかりの会社において、まず私がやるべき仕事はプロダクトを最速で立ち上げることでした。
代表の大林さん、CTOのソルくん初め、仲間と共に複業クラウドの前身となるプロダクト「Another works」の開発に明け暮れました。「サービスの差別化ポイントとして最高のUIUXデザインが必要だ」という期待に応えるべく、全体の顧客体験と細部までのこだわりを強く持ちながら開発を急ぎました。
「1人目デザイナー」として、プロダクトを作りながら調査し、必要なアウトプットを洗い出し、ビジネスモデルを設計し、マーケティング活動に必要なクリエイティブを作成する。時には営業もする。
とにかく何もないので、まずは最速で作る。作りながら考えて、検証して、また最速で作る…を繰り返す日々でした。
とにかく脳と手足を動かし続けることで、Another worksにとって必要なアセットを揃えていきました。
2期目 - 3期目:デザインの浸透と組織化
現在のデザインシステムの前身を設計し、プロダクト開発を加速させます。並行してセールス、マーケティングに関するマテリアルのテンプレートを構築。
プロダクトのリブランディングを初めとした大型のプロジェクトを遂行し、広報部門との連携も強化していきました。
デザイナーメンバーの入社と組織化を機に、スクラム開発の方法も大きく変わり(今でも試行錯誤し続けています)、より柔軟にプロダクト開発を行えるようになりました。
さらにインタビューチームを立ち上げ、ユーザーの一次情報の取得と分析する体制を整えていきました。
この期間こそがAnother worksの持つデザインのケイパビリティを拡大していった期間でした。
1人では困難であった課題にも対応できるようになり、構築した仕組みを運用することで社への浸透・アウトプットの質と量の向上に繋がっていきました。
これを可能にしてくれたのは間違いなく日々共に働いてくれているデザイナーメンバーのおかげです。
4期目 - 現在:ビジネスへの接続
一昔前は珍しくもあったCDOというポジションですが、今日では各社在籍率も上がって来ていると感じます。一方で、デザインをバックボーンに持つ人間が「会社役員」として経営層にいる環境は稀なのではないでしょうか。
当期に入り、経営メンバーとしてよりビジネスサイドのミッション達成に従事しています。
複業クラウドの深化と拡張をテーマに、複数の事業ライン(スポーツ, 自治体, 学校, 顧問人材…等)の責任者として0→1を行いながら、社のP/Lに貢献すべく開発をおこなっています。
一方で、プロダクトデザインに関する権限は少しずつデザイナーメンバーに渡し、品質と速度を緩めることなく改善し続けることができています。
複業クラウドのデザイン・その可能性
CDOとしてAnother worksの中での役割と変遷をまとめてみましたが、複業クラウドというサービス、そしてそのデザインの可能性についても触れておきたいと思います。
有難いことにサービスのUXについてユーザー様からお褒めのお言葉をいただくことがあり、デザイナーとしてこれ以上の喜びはない一方で、まだまだ磨き足りない部分も多くあります。
かつて複業クラウドにおける「理想のUX」について書いた記事からの抜粋ですがUXの型として民主化・一般認知されたドメインだからこそ、ユーザーの課題に真摯に向き合い、デザインで差別化させる必要を強く感じています。
この思考の先に、採用プラットフォームよりさらに先鋭化された「複業マッチングプラットフォーム」におけるUXの理想モデルが組みたれられると信じています。
UX的な特徴は、「採用」プラットフォームであること。そして直接契約型であることにあります。
(中略)
この十数年で大きく民主化・一般化されてきました。
「自分にとって良い仕事を探したい」というゴールを持つユーザー(求職者)と、「採用したい」というゴールを持つユーザー(採用者)、そして利用の型への認知がそれぞれ育まれて来たということです。民主化された領域だからこそ「デザイン」が差別化要因になるフェーズであると考えます。
複業マッチングプラットフォームとして目指すべき”理想のUX”についての考察 より
調和を目指して
プロダクトチームのバリューに「調和を目指して」というものがあります。
それは、
「誰かの利益が誰かの不利益に繋がる開発や施策は絶対にしない」
というルールです。
複業クラウドは双方向性のプラットフォームであり、タレント(求職者)と企業や団体(採用者)どちらのUXもより良い状態を作り続けるという姿勢や目線が欠かせません。
例えば採用者目線でタレントの★評価を可視化したい、などのアイディアが出ることはありますが、先行者優位性を生み出し新規ユーザーの利益を損ねる可能性がある限り、複業クラウドでは実装することはありません。
複業クラウドのデザイン・その可能性
一方で「複業」という概念や「複業採用」という領域はまだまだ社会に浸透していないのが現実です。
本当に採用できるのか。採用した後にどのようにパフォーマンスは出るのか。個人との直接契約は社内事例が少ない、など、多くの疑問が存在します。
私たちはそれらの課題と向き合い、一つ一つ紐解いていきます。
社会情勢の後押しもあり、必ず複業という働き方や採用のあり方が当たり前になることを確信しています。
黎明期を脱し、過渡期にある今、このドメインモデルにおける基本のサービスデザインに携わることができる環境は「非常に面白い」と自信を持って言えます。
サービスにとことん向かい続けるプロダクトチームのメンバー
変化と困難を楽しめる人へ
今、Another worksのデザインチームは最高のメンバー達に支えられています。素直で謙虚であり、学びとった知識や経験・技術をそれぞれが還元してくれます。そこには「チームで勝つ」文化があります。
人間的な性質もさることながら、一度仕事を始めれば品質には決して妥協をしないプロ集団です。
Another worksではプロダクトデザインに軸足を置きながら、マーケティング領域、デザインOps領域でそれぞれミッションを持ち、Another worksのデザインを支えてくれています。
デザインという概念や意味が日々広がり続ける中で、Another worksにおけるデザイナーの役割も少しずつ変化・拡大し続けています。
今後さらなる事業拡大に伴い、私個人としても、よりビジネスサイドを見る機会が増えていく中で、今までみていたデザインをどんどん権限移譲していければと思っています。
デザイナーとして私たちと共に未来の複業市場をデザインで切り開く、大きなチャレンジをしたい方。
変化とそれに伴う困難を楽しめる方。
そして、どうしようもなくデザインが好きな方。
ぜひまず一度、お話ししましょう。
お会いできることを楽しみにしています。