新卒学生の就職活動において、大学のキャリアセンターは重要な役割を担っています。一方で、多様化する学生のニーズや変化の激しい採用市場に対応するため、新卒エージェントとの連携を模索する大学も増えています。
私たちSpiristarが提供する新卒エージェントサービス「CAREER COLLEGE」は、単に学生と企業を繋ぐだけでなく、大学のキャリアセンターと深く連携し、「学校・企業・学生」の三位一体での就職支援モデルを関西エリアを中心に展開。
「CAREER COLLEGE」の事業内容はこちらの記事をチェック！
今回は、実際に「CAREER COLLEGE」を導入いただいている関西外国語大学キャリアセンターの大家様、山形様と、当社代表の松本による対談を実施しました。大学が新卒エージェントと連携する意義や、Spiristarとの協働によって生まれる価値、そして学生支援の未来について語り合います。
大家様（関西外国語大学 キャリアセンター）
キャリアセンター事務部長、外国語学部教授、キャリアセンター長を兼務。リクルートにてリクナビ編集長や新卒事業の責任者、執行役員などを歴任。採用と大学教育に関する豊富な知見と産学連携の経験を活かし、大学のキャリア支援に変革をもたらすべく尽力。学生の主体的なキャリア選択を重視し、既存の枠にとらわれない施策を推進している。
山形様（関西外国語大学 キャリアセンター）
キャリアセンターにて、就職活動を行う学年（大学3・4年生、短期大学部2年生）の支援チームを率いる。自身も人材業界での勤務経験があり、その視点を活かしながら、ガイダンスの企画・実施、学生の活動状況モニタリング、個別アプローチなどを担当。学生一人ひとりに寄り添ったサポートを実践している。
松本 光司（株式会社Spiristar 代表取締役）
人材系メガベンチャーにて若くして営業責任者や支店長を歴任後、株式会社Spiristarを設立。新卒エージェントサービス「CAREER COLLEGE」を中心に、大学・専門学校との連携を通じた新しい就職支援の形を追求。「新しい未来へ、明日が楽しみになる社会を」をミッションに掲げ、学生・学校・企業の三方良しを目指す。
大家様（以下敬称略）：我々キャリアセンターの一番の目的は、学生一人ひとりが自立して、自分の意思でキャリアを決めていくこと。究極的には、学生が誰かに頼らずとも自ら考え、行動できるようになるのが理想です。
山形様（以下敬称略）：はい。しかし、現実には多くの学生が就職活動の進め方に悩んでいます。特に3年生には、ガイダンスを通じて就職活動の全体像や準備を伝えています。また、大手就職情報サイトとも連携し、学生の活動状況を把握しながら、動きが鈍い学生には個別にアプローチすることも重要です。
大家：理想を掲げつつ、目の前の学生に必要な情報を提供し、自立を促す具体的な支援を行う。その成果を測る指標として、量的には「実就職率」を重視しています。未決定のまま卒業してしまう学生を一人でも減らしたいですね。
山形：4年生に対しては、個々の状況に合わせた支援が中心です。内定を得られていない学生には、我々だけでなく、エージェントの方々とも連携し、企業との具体的なマッチング機会を増やすことを目指しています。
大家：加えて、本学は外国語大学ですので、やはりグローバルに活躍できる人材を育てたい。海外に拠点がある、あるいは業務で語学力を活かせるような「グローバル企業」への就職を後押ししたいと考えています。「大手」という括りではなく、採用選考の突破が難しい企業へのチャレンジも支援していきたいですね。
大家：そうですね、大学としては、学生を預ける新卒エージェントとの連携にはネガティブな印象が少なからずある為、慎重にならざるを得ない側面があります。過去には様々な事例も耳にしますので、学生の安全やキャリア選択の自由を守るため、どうしても信頼性や実績を重視し、結果的に大手企業との連携が中心になる傾向はありますね。
山形：私も当初は新卒エージェントとの連携には慎重な考えを持っていました。ただ、本学には多様な学生がおり、特に卒業時期が夏期の学生もいるためキャリアセンターだけではサポートしきれない部分も出てきます。学生にとって選択肢が増えること自体は有益だと考えるようになりました。
山形：松本さんとはSpiristar立ち上げられてすぐのタイミングから面識があり、大学側の懸念を理解した上で、学生のために何ができるか一緒に企画を練っていました。
本格的な連携の始まりは、IT業界に特化した小規模な合同説明会（ミニ合説）を一緒に企画・開催したことです。その際、企画段階から非常に丁寧に関わってくださり、当日の運営もスムーズでした。参加した学生からも「説明が分かりやすかった」「個別に相談に乗ってもらえた」といったポジティブな声が多く、イベント後、Spiristarさんの紹介で就職しなかった学生に対しても、親身になって進路相談に乗ってくれていたと聞きました。そうした利益度外視とも言える学生への真摯な向き合い方を見て、ここなら学生を安心して任せられると感じたのが、私としては大きな決め手でしたね。
大家：山形がそうやって彼らの仕事ぶりを間近で見て、「信頼できる」と強く推薦してくれたことが、私にとっても連携を決断する上で非常に大きかったです。私は長年人材業界にいましたが、それでもやはり大学として新卒エージェントを選ぶ際は慎重になります。山形の太鼓判があったからこそ、大手以外では異例とも言える深い連携に踏み切れた。加えて、彼らの「機動力」と「柔軟性」も魅力でした。
大家：ええ。キャリアセンターのアドバイスだけでは、学生が実際に行動に移すまでタイムラグが生じがちです。その点、Spiristarさんは相談から具体的なアクションへの橋渡しが非常にスムーズ。
松本：我々エージェントであれば、その場で「じゃあこの求人を見てみましょう」「担当者と話してみませんか？」と、すぐに行動を促せます。学生さんの背中を押し、一歩を踏み出すきっかけを作りやすいのが強みです。
大家：まさに、そのスピード感が大手にはない魅力でした。我々が「こんなことできないか」と相談すると、「やりましょう！」と前向きに、そして迅速に対応してくれる。結果を見ながら一緒に改善していくプロセスを共にできる。どうすればもっと良くなるかを、フラットな立場で一緒に考えてくれる、貴重なパートナーだと感じています。
山形：具体的な成果として、昨年度の実績では、Spiristarさんに面談していただいた学生116名のうち15名がSpiristarさん経由で就職を決定しました。決定率は約13%になります。我々が連携している他の大手エージェントと比較しても、この決定率は遜色なく、むしろトップクラスの実績です。
特に、接点を持っていただいた学生数で言えば、少人数の会社ながら、最大手さんに次ぐ規模でご協力いただいており、その中でこれだけの成果を出されているのは、連携の密度や質の高さを考えると特筆すべき点だと評価しています。
松本：ありがとうございます。一人ひとりの希望や適性を見極め、納得感のあるマッチングを心がけた結果だと捉えています。
大家：数字もさることながら、私が評価しているのは、彼らが「学生に本当に向き合っている」姿勢です。キャリアセンターのブースに、時々エージェントだと理解せずに相談に来る学生がいるのですが、そういう学生にも嫌な顔一つせず、丁寧に対応してくれる。
松本：たとえ自社サービス利用に繋がらなくても、出会った学生さんにとってその時間が有意義なものになるよう努めています。その積み重ねが、結果的にポジティブな口コミに繋がると信じています。
大家：まさに「学生ファースト」を行動で示している。スタッフの方も素晴らしく、学生のことをよく見ていて、「この子は口下手だから、エントリーシートを一緒に整理しましょうか」なんて、一歩踏み込んだサポートをしてくれている。大したものです（笑）。
松本：はい、現在、大きく二つの形で連携させていただいています。一つは、以前から継続している取り組みとして、キャリアセンター内に我々のアドバイザーが常駐するブースを設けていただいていることです。週に3〜4日程度、昼から夕方にかけてアドバイザーが待機し、予約制で学生さんの個別相談に応じています。
松本：もう一つが、今年度から特に力を入れている短期大学部の学生さんへの支援です。
山形：そうですね。短大生は入学してすぐに就職活動が本格化するため、個々で進めるのが難しい面があります。そこで、Spiristarさんと協力し、授業後にアドバイザーの方に待機していただき、就職希望の学生は基本的に全員一度は相談するというスキームを導入しました。
松本：はい、短期大学部の学生さんとは、授業後にクラス単位でお会いし、一人ひとりの状況に合わせた継続的なサポートを行っています。キャリアセンターのブースでお待ちする四年制大学の学生さんへの対応とはまた違った、より能動的で密な関わり方をさせていただいていますね。
大家：キャリアセンターでの個別相談に加え、短大での包括的なサポート体制。この二段構えの連携によって、学生がプロのサポートをより身近に、そして早期から受けられるようになり、非常に心強く感じています。まさに、学校とSpiristarさんが様々な形で一体となって学生を支える体制が強化されてきていると感じます。
大家：短期目標は「実就職率」のさらなる向上です。現在85%程度ですが、これを90%近くまで引き上げたい。そのためには、3年生の早期からのアクション促進が不可欠です。
山形：中長期的には、やはり「グローバル人材」の育成と輩出に力を入れたい。学内イベントなどを通じて、学生が自然とグローバルな視点を持てる環境づくりを進めています。
大家：まず、より多くの学生が「CAREER COLLEGE」という選択肢にアクセスできるようにしてほしい。彼らのサポートで救われる学生は確実にいますから、もっと多くの学生と接点を持ってほしいですね。
松本：ありがとうございます。関西外国語大学様との連携を通じて、我々自身も日々学ばせていただいています。短期大学部との取り組みは今後さらに良い形を追求していきたいですし、将来的には、学生さんの自立したキャリア選択をさらに後押しできるような、新しい価値を提供できる仕組みも構想中です。
大家：面白いですね。私は、学生のキャリア選択のあり方自体が、もっと多様化していいと思っています。今の就活は画一的な流れになりがちですが、それは大人の都合。Spiristarさんが我々と実績を作り、新卒エージェントの活用がもっと当たり前の選択肢として広がれば、学生にとっても社会にとっても良いことです。
松本：我々が目指しているのは「学校・企業・学生」の三方良しの世界です。学校は負担が軽減され、本質的な支援に注力できる。企業はマッチした意欲の高い学生と出会える。学生は納得感を持って未来を選べる。この「三方良し」の輪を全国へ広げたい。将来的には、キャリアセンター業務のDX化なども視野に入れています。
大家：究極的には、キャリアセンター業務を全部Spiristarさんに委託してもいいんじゃないか、なんて思う時もありますよ（笑）。それくらい、彼らのプロ意識と学生への想いを信頼しています。
山形：大家部長の言葉は極端ではなく、本当にそれだけ連携に手応えを感じています。これからも良きパートナーとして、学生たちの未来のために、一緒に汗を流していければと願っています。
松本：身に余るお言葉、ありがとうございます。ご期待に応えられるよう、そして「新しい未来へ、明日が楽しみになる社会」の実現に向けて、スタッフ一同、精一杯努めてまいります。
