目指すは、自分と向き合う社会の実現。ノックラーンCEO 福本 英にインタビュー。|株式会社ノックラーン
株式会社ノックラーンでは、社外の方にノックラーンで働くことの魅力を伝えるため、社内インタビューを実施しています。 過去の社内インタビュー記事は、以下からご覧いただけます。 ...
https://note.com/knocklearn_inc/n/nb098f316e519
株式会社ノックラーンでは、スタートアップ特化型採用支援サービス「Recboo」や人事コミュニティ「スタートアップ人事なんでも相談室」、HR業務の課題をAI×HRソリューションで解決する「AlgorHRm(アルゴエイチアール)」と、HR領域のサービスを展開しています。
この記事では、HR領域の課題解決から個々人の可能性や選択肢の追求ならびに多様な社会の創出を目指す、株式会社ノックラーン代表 福本英さんにインタビューしました!
会社を経営する上で苦労したエピソードやM&Aの選択をした理由、今後取り組んでいきたいことなど、じっくりお話を伺いました。ぜひご覧ください!
福本 英(株式会社ノックラーンCEO)
兵庫県姫路市出身。九州大学経済学部卒業後、株式会社ビズリーチ(現 Visionalグループ)に入社し、スタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングを担当したのち、株式会社ノックラーンを創業。
生成AIスタートアップのN-2期から上場までの採用全体をHead of Talent Acquisitionとして統括し、東証グロース市場上場に貢献。
HR領域にて立ち上げたRecboo事業においては、現在45社を超えるVC/CVCと提携しながらシード~シリーズDのスタートアップや上場ベンチャー企業に対して、CXO~マネージャークラスのハイレイヤー人材の採用やDeepTechスタートアップにおける研究者/エンジニアなどの採用難易度の高い職種の採用、採用体制の0→1構築などの支援を提供。
3期目の途中(2024年12月)に株式会社エアトリ(東証プライム6191)に株式売却を行い、現在エアトリ子会社代表として活動中。
プライベートでは2022年8月より富山県に移住し、現在富山と東京の2拠点生活中。趣味はスポーツ観戦、草野球、読書、休日の料理など。
・自己紹介記事はこちらから
2021年4月に、新卒で入社したビズリーチを1年1ヶ月で退社。2022年3月に会社を起業し、当初はオンライン家庭教師サービス「KnockLearn」という教育事業を行っていました。その後、大学時代のVCでのインターンや前職ビズリーチでの経験を活かし、HR事業「Recboo」を立ち上げました。
弊社では、スタートアップ企業を「新しい社会に対して、新しい価値を提供する存在」として捉えており、彼らが社会に羽ばたき、社会を変革するためには、事業を支え創り上げる「人」という要素が非常に大切だと思っています。
その理念から、スタートアップの採用を支援する「Recboo」や、スタートアップ人事の繋がりの場をつくる「スタートアップ人事なんでも相談室」を運営しています。
また人が介在しないと成り立たない業務は多くありますが、その一方で、人がやらなくても成り立つ業務も少なくありません。そういった業務をAIに頼ることで、より人間はクリエイティブな作業に時間を創出できるようになるという思いからHR業務の課題をAI×HRソリューションで解決する「AlgorHRm」のサービスも立ち上げました。
会社は東京都にありますが、私自身は富山県在住なこともあり、基本的にフルリモート・フルフレックスの会社です。
最近は社内メンバーの数も増えているので、東京などに集まって仕事をしたり、ご飯を食べたりするなど、コミュニケーションの機会も設けています。
IVS2025での1枚
創業時は私1人だった会社は、今年2025年4月に1人目正社員の永岡さんを迎え、業務委託メンバーを含めると、40名規模の組織に成長しました。
HR事業「Recboo」もありがたいことに、2023年3月に正式リリースしてから累計で30社以上の企業様に導入され、現在も多くのプロジェクトが動いています。「Recboo」は、VCと連携しながら、提携VCの投資先スタートアップを中心にサービスを提供している点が特徴なのですが、サービス開始から約2年で、現在50社以上のVCと提携しています。
また2024年12月には、「Recboo」の急成長ぶりを評価いただき、東証プライム上場企業である株式会社エアトリとのM&Aを経て、エアトリグループに子会社として参画するなど、まさに激動の期間でした。
2022年3月14日に登記申請した際の1枚
会社を経営するのは本当に大変だと今でも日々感じています。私の感覚だと、だいたい3ヶ月に1回くらい「これはちょっと辛いな」「大変だな」と思う出来事が起こります。
特に印象に残っているのは、1年ほど前に「3ヶ月に1回起こるようなこと」が3つ同時に重なってしまったことです。経理やバックオフィスを支える方2名がやむを得ない事情で働けなくなった状況に加えて、未払いが発覚しました。
当時はバックオフィスの規模も大きくなかったこともあり、この件でバックオフィス業務が止まってしまい、自分自身や会社が潰れてしまうのではと感じたほどでした。しかし税理士の方に相談するなど、色々な方からの力を借り、何とか打開することができました。
これ以外にも、大変なエピソードは沢山ありますが、こういった経験を重ねる中で経営者としての厚みが出たと捉えています。
会社を経営する以上、自分ではコントロールできない要素はあると思います。それを受け入れた上で、ハプニングが起こった際にスピーディーに対応し、また事前に予測可能なことについては回避できるような手を常に先んじて打っておくことを意識しています。
会社を立ち上げた当初から「この会社を一生続けていくのか?」「どこかのタイミングでM&Aという形で他社と一緒にやっていくのか?」「あるいは上場を目指すのか?」という3つのパターンを常に考えていました。
「Recboo」の急成長を目指す中で、やはり自分たちのリソースだけでは限界があると感じていました。資本力や信頼性、あるいは自分たちが持っていない武器を持つ他社と組むことで、より大きな成長が見込めるのではないかと考え、M&Aの道を選ぶことにしました。
2024年1月から構想を具体化し始めましたが、実際に動き始めたのは6月末ごろです。それまでに、M&Aを経験したことのある知人などに話を聞きながら、M&Aに対する解像度を高めていました。
6月末からはM&A仲介会社2社に依頼し、弊社を買収したい企業を募っていただきました。その結果、7月以降に複数の候補企業からご連絡いただき、複数のTOP面談を重ねました。その結果、最終的に10月上旬に現在の親会社であるエアトリから意向表明書をいただきました。
その後、10月から11月後半にかけて、エアトリによるデューデリジェンス(詳細な企業評価)が実施されました。その評価期間を経て、2024年12月23日にエアトリグループへのM&Aが正式に決議され、M&Aが成立しました。
エアトリを選んだ理由は、大きく3つあります。
1つ目は、事業シナジーの観点です。正直、M&Aの話をいただくまではエアトリは旅行系企業のイメージが強かったので「なぜうちを買いたいと思ったのか?」と本当に疑問でした。
しかし調べていくと、エアトリはすでに約140社のスタートアップに投資をしており、また完全招待制の経営者コミュニティ「エアトリCXOサロン」を積極的に展開していることが分かりました。
エアトリCVCの投資先やエアトリCXOサロンには、弊社の顧客となり得るスタートアップの経営者が多く参加しています。こうしたエアトリのスタートアップネットワークと、弊社のHRサービスの相性は非常に良く、子会社になることでそのネットワークにサービスを積極的に提供できる可能性がある。そういった意味で、事業シナジーが明確に見えたのが1つ目の理由です。
2つ目は、上場企業であることの安心感です。エアトリは東証プライム上場企業で、これは日本に約1600社ほどしかない、最も厳格な審査を通過した企業です。そうした信頼性の高い企業から「買いたい」と正式に言っていただけたことは、経営者として非常に光栄でした。
3つ目は、企業価値の評価が一致していたことです。こちらとしても、売却を考えるにあたって「このくらいの企業価値なら」と思っていた金額感がありました。エアトリ側の提示額や評価もそれと合致していたため、納得感を持って進めることができました。
これら3つの理由から、最終的にエアトリを選ぶ決断をしました。
事業譲渡までは、HR事業「Recboo」と、教育事業「KnockLearn」「KnockLearn DIVE」という、異なる分野のサービスを展開しており、どちらも力を入れたい事業でした。
しかし現在急成長中のHR事業に取り組みながら、教育事業を急成長させるためにリソースを割くことは正直なところ難しかったです。
ただ教育事業を行うために会社を創業したというころもあり、このサービスを世の中に浸透させたいという思いは強くありました。事業譲渡であれば、より良い担い手のもと社会にサービスを浸透させることができると思い、教育事業を2025年5月30日に譲渡(事業売却)しました。
・教育事業の譲渡については、以下をご覧ください。
エアトリとのM&Aや事業譲渡を経て、2025年4月末に経営合宿を行い、Mission・Vision・Valueの見直しを行いました。
弊社のVISIONは「人々に自分と向き合うきっかけを与え続ける」、MISSIONは「自らの可能性を信じ、幅広い人生の選択肢を持つことが当たり前の世の中を創出する」です。
どちらか片方ではなく、個人と社会の両方に対するVISION/MISSIONになっており、それぞれの個人が幅広い人生の選択肢を持ち、それを受け入れてくれる社会をつくっていきたいと考えています。
改めてMission・Visionを見直したのですが、創業当初と目指したい世界は変わっていないことに気が付き、大枠の変更は行っていません。今回、日々の意思決定や行動の基準となるValueについては、現在の組織やメンバーの状況も踏まえて、よりしっくりくる内容にて再定義しました。
株式会社ノックラーンのValue:
・Mission・Vision・Valueの再設定については、以下をご覧ください。
今後、会社として取り組んでいきたいことは多くあります。
特に、中核事業である「Recboo」はもちろん、2025年5月に立ち上げた人事コミュニティ「スタートアップ人事なんでも相談室」や、HR業務の課題をAI×HRソリューションで解決する「AlgorHRm(アルゴエイチアール)」を通して、スタートアップ企業から日本を代表するようなエンタープライズ企業のHRに関する課題解決ができるように取り組んでいきたいです。
また今後、Mission/Visionの実現に向けて、相性の良い会社さんとの提携やM&Aなど、既存事業とのシナジーがあるものや、社会に必要とされているサービスであれば積極的に挑戦していきたいと考えています。
HR事業「Recboo」では、スタートアップ企業を中心にご支援しているのですが、1年後にはスタートアップ領域を採用文脈で支援するトップランナーになりたいと思っています。またエンタープライズ企業にも、弊社サービスの提供価値を広げていきたいと考えています。
また、「AlgorHRm(アルゴエイチアール)」事業に関してもこの1年間で0→1フェーズの完了まで育てていきたいと考えています。
3年後には、全体で数十億円規模の売上をつくれている状態にし、Mission/Visionの早期実現に向けて、上場も検討できるような状態にしていきたいと思っています。
東証プライム上場企業の子会社でありながら、4期目のスタートアップ企業と、おいしいところを両取りできるような非常にバランスの取れた面白いフェーズだと思っています。
まだまだ会社として整っていないことも多く、少数精鋭で1人1人の裁量権が大きい一方で、エアトリとのコネクションや信頼度をフル活用し、事業を伸ばしていけるという、攻めも守りもできる環境です。
現在、事業も拡大中で、セールスやマーケティング、デザイナー、バックオフィスなど様々なポジションを募集していますので「一緒に”個人”と”社会”の循環サイクルを創出したい」「せっかくだから面白い経験を積みたい」「HR領域に携わりたい」「スタートアップに興味がある」「大きなコトを成し遂げたい」という方がいらっしゃれば、ぜひ前向きにご検討いただければと思います!
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