ハードウェアからアプリケーションに至るまで、全社ITシステムの内製化に挑むシャープ。その中で、“全システムの橋渡し役”としてネットワーク~ミドルウェアの領域を担っているのが、『ソリューションサービスグループ』です。広範囲におよぶITライフサイクルをいかに回しているのか、求める人物像も含めて部長の森田さんに詳しく聞きました。
巨大組織の全システムを内製化する。その挑戦に興味が湧いた
シャープに入社したのは2023年1月のこと。それまでは20数年間、外資系の大手ベンダー企業でインフラ構築チームのマネジメントに携わっていました。実は、シャープIT部門を率いる関部長は前職の先輩エンジニア。以前から、「シャープのIT改革に力を貸してほしい」との声掛けをいただいていましたが、正直な話、私は事業会社で働くことにあまり関心がありませんでした。
気持ちが動いたのは、「これまでと違う景色を見られるかもしれない」と思い始めたからです。個別のクライアントへシステムを提供するのでなく、自分がつくったものを自分の会社で使う“内製”とは一体どんなものなのか興味が湧いてきたと言ってもいいでしょう。しかも手掛けるのは、世界にネットワークをもつグローバル企業全社のシステム。そこに挑む価値は充分にあるのではと考え、転職に踏み切りました。
私は今、シャープ全社のDX化に取り組む『ITソリューション推進部』にて、ソリューションサービス部門を任されています。ミッションは、 “OSからミドルウェアのITライフサイクルを全て管理し、シャープ全社のユーザーにインフラサービスを提供する”こと。自社運営のデータセンター部門と、ERP推進などのアプリ部門とをつなぐ立ち位置で、ネットワークや情報セキュリティも含めたインフラの構築を幅広く担っています。
生成AIによるサポートデスクの自動化など、改革は着々と進行中
ひとことに「ミドルウェア」といっても、領域は非常に広いもの。基幹系システムやデータベース、ウェブサーバーも作れば、PCやスマートフォンなどの端末管理やそれらをつなぐドメインシステムも管理します。設計・構築するだけでなく、運用・保守まで手掛けるところが前職のベンダーと異なる点ですね。このライフサイクルを、いかに効率よくシンプルに回せるかが最大の課題です。
というのも、私たちが挑んでいるのはITの完全内製化。運用・保守には膨大な作業量が求められるため、自動化・DX化を全力で進めていく必要があるのです。
そのひとつが、サポートデスクの自動化。これまでもサポートポータルを活用していましたが、振り分けられた問い合わせに対応するだけでも多くの人手が必要でした。そこで導入したのが、生成AIを取り入れたチャットボットです。問い合わせに対し、より精度の高い返信が可能となるため、運用効率が格段に向上する。その仕組みづくりを着々と進めています。
また、部門としてはBCP対策として「OS/ミドルウェアの広域冗長化」にも力を入れています。すでに自社データセンターでは、関西と関東2つのセンターの広域冗長化が進められており、そこに対応して私たちもアプリケーションとのつなぎとしてしっかりと対策を立てていく必要があるのです。たとえば、データベースのデータをどう同期するのか、業務をどう再開できるのかなど様々な議論をしながら、設計に落とし込んでいる段階です。
いずれにしても、目指すべきは「ユーザー向けの品質を上げていく」こと!何をつくるにせよ、拠点関係者たちに説明会を開き、ユーザーの生の意見を受け止めながら、「使いやすい、あって良かった」と評価されるシステムづくりを目指しています。
ITエンジニアとして、視野もスキルの幅も広がる場所
ここでの仕事は、ITエンジニアとしての視野を大きく広げてくれると思いますね。ネットワークからミドルウェアという幅広い領域を管理しているため、あらゆることを学べます。基幹系のシステムはもちろんのこと、メールやチャットといったコミュニケーション系システムやネットワークシステムも手掛けます。セキュリティシステムに関してもニーズは増すばかり。あらゆる分野で最新システムの重要度はさらに増していくでしょう。つまり、何にでも関われる環境。興味があればどんどんチャレンジできるということです。
もうひとつ、“インフラとアプリケーションとの間”という立ち位置も魅力の一つです。結局、ミドルウェアをつくるには両方とつながる必要がありますから、データセンターのインフラエンジニアとも、アプリや開発部門のエンジニアとも話ができる。全体を見渡せる環境で、システムのアーキテクチャを把握できるというメリットがあります。
もちろんそこにはコミュニケーション力が不可欠ですが、積極的に動くほど視野はどんどん広がっていく。知識量も確実に増していきます。将来的にシステムアーキテクトを目指したい方にとっても、恵まれた環境だと言えるでしょう。
自分でつくったシステムを、シャープ全社に提供するという醍醐味
エンジニアにとって、シャープ全社のITを提供できるというのは、かなり面白いことだと思います。もちろん壁に当たることは日常茶飯事。説明会ではユーザーから厳しい意見をいただくこともあります。でもそれを含めて、チャレンジングな仕事はやりがいも大きいものです。率直な意見に対して真摯に対応した結果、こんなシステムが欲しかったと感謝の言葉をいただくこともあります。担当者はものすごく嬉しいでしょうし、モチベーションもグッと上がると思います。
スケールの大きな仕事の中で、私自身が目標として掲げているのは、やはり「自動化」と「効率化」。今後クラウドを使ったハイブリッド化は進めていきますが、内製でやっていく上では如何せんスピード感が追い付かない時がある。そこをいかにクリアしていくかが課題ですね。設計・構築・運用・保守、すべてのレイヤーを効率化・標準化することで、システムの提供スピードを上げていき、全社各事業部のユーザーに満足いただけるシステムづくりを進めたいと考えています。
キャリア採用に期待大!チャンスはすぐそこにある
ITソリューション推進部は、エンジニアの半数近くが20代という若い組織。私たちソリューションサービス部門も圧倒的に20代が多く、30代のエンジニアは数えるほどです。だからこそ、今必要なのは若手を率いてくれるリーダー人材。新たなプロジェクトが次々と立ち上がっていますから、条件を満たす方であれば、すぐにでもチームを任せたいですね。
入社後、即“エース”になれるといっても言い過ぎではありません。実際、新卒入社3年目の若手がPMに抜擢され活躍しているほどですから、経験ある方であればなおさらのこと。力を存分に発揮できるポジションを、すぐにでも掴んでいただきたいものです。特に、ミドルウェアの領域で運用保守などを経験されている方は、ITのライフサイクルをある程度俯瞰で見ることができると思うので、我々の部門に向いているかもしれません。大いに期待したいですね。
求める人物像は、新しいことを楽しめるチャレンジャー
とにかく守備範囲が広い部門なので、いろんなことに興味を持てる人ほど成長できます。中でも、ITのレイヤー全体に興味がある人は伸びるはず。サーバーの知識がなくてもインフラのエンジニアが教えてくれますし、アプリケーションや開発についてもいくらでも学べますから。私たちは、インフラとアプリケーションのつなぎ役でもあるので、どんどん新しい知識を吸収して全体を見渡せるエンジニアを目指していただきたいものです。
最後に、転職経験者である私自身が感じたことをお伝えします。
新しい職場に変わることは誰でも不安なものですが、シャープに関しては大丈夫です!実は入社前は、「歴史ある会社だから、外から入った者に冷たそう」という勝手な先入観があったのですが、そんなことは全くなし。皆さんとても優しく親切にしてくださり、「早く仲間として馴染めるように」という気遣いを肌で感じました。
また、ITソリューション推進部は「全社システムを内製化する」という一大プロジェクトを推し進めている真っ最中。ひとつの目標に向かってみんなが挑む“一体感”があります。その目標を成し遂げるために、各部門にミッションがあり、ひとつひとつクリアしていく面白さ。このやりがいある仕事をぜひ一緒に担っていきましょう!
※記事内の部門名、役職名、内容はインタビュー当時ならびに掲載当時のものです。
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