こんにちは!株式会社アクルの採用担当です。
今回は、当社が提供する不正検知・認証システム「ASUKA」の誕生と成長のストーリーを紹介します。プロダクト立ち上げ当時の挑戦や背景、学びを振り返りつつ、現在の進化や今後の展望もお伝えします。
新規事業プロジェクトが始まるまで
アクルでは、2016年の創業以来、決済業界における課題の一つであるクレジットカード決済の不正利用を減らすため、自社でソリューション開発に取り組んでいました。特に被害が大きいチャージバック対策に注力しており、EC事業者やカード加盟店向けのツールとして「ASUKA」を開発しました。
従来型の不正対策は、3-Dセキュアなどエンドユーザーに追加パスワードを求める方式や、導入費用が高く運用が大変なシステムが多く、ECサイト側で対策ができないケースも少なくありませんでした。
「既存の方法では不正利用を防ぎきれない」—この課題に向き合い、従来のシステムの欠点を補完する形でASUKAの開発が始まったのです。
ファーストクライアントとの挑戦
ASUKAのベータ版は、旅行系ECサイトを運営するエアプラス社に導入されました。当時はまだ認証機能も今のように整っておらず、不正利用を減らせるか手探りの状況でした。
従来型のシステムは旅行業界では費用や運用面で適合せず、即時決済系の加盟店にはほとんど導入が難しい状況でした。ASUKAは、そうした課題に対応するために、CPO栗田のアイディアから生まれた独自の認証システムを採用。エンジニアとの協議の結果、開発工数も抑えつつ効果的な仕組みを作ることができました。
このアイデアは、不正利用の被害に遭ったお客様に聞いてみると、海外発行カードやプリペイドカードの不正利用ケースが多かったので、それらの要素をうまく組み込むことで不正と被害を減らせるのではないか、と考えていたものが実現したのです。
ターニングポイント:エアトリ社での導入
次の大きな挑戦は、エアトリ社(旧エボラブルアジア社)での導入です。当時、同社では不正利用が目立っており、カード会社や決済代行会社も注目する状況でした。導入のプレッシャーは大きかったものの、運用面でのアドバイスやチェック用のツールを提供することで、サイト内の不正利用やチャージバックを減らすことに成功しました。
この実績がASUKAの信頼を高め、営業トークでも活用できるケーススタディとなりました。初期のベータ版では実績が少なかったため、営業時に「実績はまだありません」と答えるしかなかった状況から、大きな進展です。
さらなる成長と認知拡大
その後、大手企業でもASUKAが導入され、国内の旅行・物販系ECサイトで徐々に認知されるようになりました。特に、WIT Japanというイベントに代表が登壇し、旅行業界における不正利用、チャージバック対策について話をしたこともきっかけになり、旅行系加盟店からの相談や問い合わせが増えていきました。
その後は、チャージバック保証サービスを軸に収益を支えてきた中で、ASUKAは新たな事業の柱としての位置付けを確立しました。決済代行会社やカード会社からも「ASUKA最強」と評価され、業界内での信用度も向上しています。
ASUKAのネーミングと仕組み
ASUKAという名前は、代表の近藤の案がもとになっています。日本っぽい名前がいいということで「アスカ」。これに他のメンバーも賛同し、後付けですが、「Akuru Social Utility Key Assessment」と意味を当て浸透しました。サービス名決定の背景にも、社内のチームワークと柔軟な議論が反映されています。
出典:Wit Japan & North Asia 2018
ASUKAの仕組みは、怪しいユーザーの認証をするというのが特徴で、従来型の不正検知システムでは届かない課題を解決することが実現できました。さらに、導入する加盟店が増えることで不正情報が集まり、既存顧客のセキュリティレベルも向上するという好循環が生まれています。
ASUKAの仕組みについて、こちらの記事も併せてご覧ください。https://www.wantedly.com/companies/akuru-inc/post_articles/1002434
現在の進化と未来への展望
現在、ASUKAは旅行系だけでなく、物販ECやアパレル系加盟店への導入も進んでいます。EMV3Dセキュアの必須化がアナウンスされチャージバックによる被害が減ることから利用者の数が減ることを危惧していましたが、パートナー通じての問い合わせや紹介による導入も着実に増えています。、そういった背景もあり、ASUKA-3DSなど、ASUKAの周辺機能の開発も日々進めています。
目指すのは、業界における不正対策の常識を変え、加盟店の課題を本質的に解決することです。ASUKAはまだ完成ではなく、さらなる改良や新機能の追加を通じて、EC・決済業界全体の課題解決に挑戦しています。
一緒に挑戦しませんか?
ASUKAの誕生から現在までのストーリーをご紹介しましたが、これはまだ始まりに過ぎません。アクルでは、EC・決済業界の課題を本質的に解決する新規事業の強化や、新たなサービスの立ち上げに向けて採用を強化しています。
私たちと一緒に、ASUKAや新規プロダクトを通じて業界の未来を変えていけるチャレンジ精神を持った方の応募をお待ちしています!