皆さん、こんにちは。アディッシュで戦略方面を担当している小原です。先月、経路検索サービス「駅すぱあと」で有名なヴァル研究所さんと弊社子会社のアディッシュプラスが業務提携しました!業務提携の内容については、プレスリリースでも配信させていただきましたが、
このブログでは、もう少し背景的な内容をお伝えしたいです。
ところで、MaaSってなに?
さて、MaaSという言葉、ご存知でしょうか?最近、ちょいちょい出てくるワードではあるのですが、これが素晴らしい取り組みでして。Mobility as a Serviceを略してMaaSといっているのですが、Wikipediaから引っぱってくると、
運営主体を問わず、情報通信技術を活用することにより自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念。
なんか難しくて分かりづらいので、具体的にしてみます。
例えば、自宅からある美術館に行きたい場合の交通手段を考えてみます。
・最寄りの駅まで歩いて移動し、
・電車に乗って美術館の最寄り駅まで移動し、
・最後はバスに乗って美術館到着
あたりでしょうか。
この場合、私たちがしたいことは「美術館への移動」という、たったひとつのことなのですが、利用している交通サービスは電車とバスの2つです。
で、最近では移動手段が増えています。カーシェアとか、ライドシェアとか、シェアサイクリングとかですね。
これらも組み合わせて「1つの移動」を考えた場合、どうなるでしょうか。。例えば、先ほどの例だと・最寄りのシェアサイクリングまで歩いて移動し、
・シェアサイクリングで駅まで移動し、
・電車に乗って美術館の最寄り駅まで移動し、
・最後はライドシェアで美術館到着
となったりします。
移動手段が増えたことで、組み合わせが急に増えることになります。
美術館に行こう!とした場合、今までは電車とバスだけだったのが、ほかにも様々な移動サービスを考慮したルートが提案されるようになるということです。
だからどうしたって?
となると思うのですが、大事なのはここかからです。
そもそも、電車やバスを日本中あまねく整備するのって大変なんですよね。人口が少ない市町村の場合、人があまり住んでいないエリアまで交通機関を整備するのは財政上も大変です。仮に整備されていたとしても、住民が少なくなれば廃止せざるをえないという判断はどうしても出てきてしまいます。
一方、皆さんがそのエリアに住んでいたとしたら、たまったもんじゃありませんよね。
交通機関が廃止されてしまえば、高い金額を支払ってタクシーを利用するか、自動車で移動することになりますが、高齢者ドライバーも昨今話題になるとおり、いつまでも自動車に乗っていられるわけではないですよね。
人口減少が進む中で、過疎地の問題はどんどん大きくなります。どうしたものでしょうか。。
このような背景から、私は、移動の課題は生活と大きく連動していると捉えています。
そこで、です。
もしライドシェアのような新しい交通サービスが利用できるようになれば、それらを活用して移動することができるようになります。さらに言えば、それらの交通サービスを組み合わせることで、電車やバスで生活していたよりも様々なエリアへ移動できるようになるのです。
MaaSの世界観は「移動を1つのサービスに」
とはいえ、複数の交通サービスを組み合わせるとなると、煩雑になることも出てきます。ルートを調べるのも面倒ですし、移動が増える分、決済も都度しなければならない。
そこで、ルート検索の統合だけでなく、決済も1つにまとめちゃおうよ、というのが、もう一段階進んだMaaSです。海外だと、どの交通サービスの組み合わせを使って何回移動しようと、同じ金額を払えばOKという、月額性の事例もあります。
こうなると、これまでよりも多い、複数の交通サービスを利用していても、”1つの移動サービス”を利用しているかんじになってきますよね。
これが、MaaSが意味する「移動を1つのサービスに」という世界観なのです。
MaaSの広がりによって新たに発生する課題は?
もしこのような、複数の交通サービスが統合されたサービス(以下、「プラットフォーム」と呼んでみます)を利用することになったら、気になることが出てきませんか?
ひとつひとつの交通サービスは、それぞれの企業が提供しているものです。それをひとつにまとめてプラットフォームにした場合、何か困ったことが起きたらどこに問い合わせをすればよいのでしょうか。乗ろうと思っていたカーシェアがない!車はあったけど動かない!というとき、カーシェアの提供会社に聞けばいいのか、それらを統合しているプラットフォームに聞けばよいのか。
通常のサービスのカスタマーサポートであれば、プラットフォームが対応することになるかと思いますが、複数の交通サービスが連動したMaaSではそこが曖昧になり、そして対応する難易度が高い部分となります。
一緒にチャレンジしませんか?
ここからは、ヴァル研究所さんと提携させていただいた背景と私たちの思いです。
弊社はこれまで、新しいテクノロジーや仕組みが発展することによって生じる新たな課題を解決したいという思いで事業を展開してきました。
例えば、インターネットに誰もが書き込めるようになったことで新たに生まれたネットいじめという社会課題に対して事業を立ち上げました。例えば、Fintechにみる新たな決済手段が誕生したことで生まれた不正決済監視のニーズに対してサービスを提供しています。
同じように、MaaSの分野においても発生しうる新たな課題に対して、MaaS向けカスタマーサポートの構築にチャレンジしたい。今回はMaaSについてお伝えしましたが、今後新たに生まれる領域に対して、弊社のミッションである「つながりを常によろこびに」を実現していきたい。
私たちは、そんな思いで事業をつくっています。