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※掲載内容は2024年5月時点の情報です。
GOが展開するプロダクトは、インターネットの世界だけでは完結しません。私たちの技術は、“移動”というリアルな世界と接続することで、初めて価値を発揮します。
リアルな世界において、主にタクシー事業者様に向けた技術的なサポートをしているのがフィールドエンジニアたちです。
ITやスタートアップの企業ではあまり耳馴染みのないフィールドエンジニアという職種。GOならではのポジションとして、どのような役割を担っているのでしょうか。
フィールドエンジニアの飯沼と、フィールドエンジニアにとって“社内バディ”である渉外担当・栃倉に話を聞きました。
飯沼 亮宏
IoT本部プロダクト推進部 FE1グループ グループマネージャー
新卒で飲食業界へ。もともとクルマが好きだったこともあり、心機一転カーシェアリングサービスを手がける企業へ転職。その後、「普段運転をしない人でも安心安全に移動ができるように」という想いで2019年4月JapanTaxiへ入社。現在に至る。
栃倉 総一
渉外本部 渉外2部
飲食業界の接客業を経て、営業職へ転身。2011年、東日本大震災をきっかけに日本交通へ。営業所への配属となり、ハイヤーのドライバーや管理業務を経験する。その後、グループ転職という形で、GOのルーツであるJapanTaxiへ。以来、渉外担当としてタクシー事業者様と向き合い続けている。
目次
- 「GOのフィールドエンジニア」ってどんな仕事?
- “絶対大丈夫”がない世界だからこそ
- フィールドエンジニアにとって技術的な知見や経験よりも大切なこと
- 不具合が起こる前に解決できる集団へ
「GOのフィールドエンジニア」ってどんな仕事?
ーフィールドエンジニアの仕事について教えてください。
IoT本部プロダクト推進部 FEグループ グループマネージャー 飯沼
飯沼:大きく分けて3つあります。1つ目はご契約いただいたタクシー事業者様にGOの製品の取り付けや使い方のご案内をすること。
2つ目は、製品をお使いいただくなかで発生した不具合の解決。現地を訪問したり、お電話でサポートしたりしています。
3つ目は、ハードウェアが最新の状態で稼働していることをモニタリングする業務です。もし、あるタクシーのアプリケーションのバージョンが古いまま動いていることを見つけたら、何かお問い合わせいただいてから対応するのではなく、バージョンアップや端末の交換をこちらから相談することも。安定的に稼働できるように主体的に働きかけています。
ー渉外の仕事についても教えてください。
渉外本部 渉外2部 栃倉
栃倉:いわゆる営業をイメージしていただければ問題ないと思います。とはいえ、新規開拓していくというよりも、タクシー事業者様とGOの窓口になるような役割に近いかもしれません。納品したハードウェアに何か不具合が発生した際などは、まずは私たちが対応しています。
ーフィールドエンジニアと渉外の関わり方についても教えてください。
栃倉:我々がタクシー事業者様にアプローチして、新たにハードウェアなどの契約をいただいてからフィールドエンジニアに引き継ぎます。
飯沼:引き継ぎ後は、まずハードウェアを納品します。その後、私たちフィールドエンジニアがタクシー事業者様を訪問して、整備士の方に「こういうふうに取り付けてください」とセットアップ作業までを担当します。
ー整備士の方とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?
飯沼:専門用語ではなく、相手の方に伝わりやすい言い回しや言葉を選ぶことですね。整備のプロとはいえ、GOの車載機を扱うことは初めてなので、必ず電源が入った状態で「ここでこの画面を押してください」と一緒に操作しながら覚えていただくようにしています。
私たちが使い慣れている用語でも、相手にとっては馴染みのない言葉だったりするので、できるだけ嚙み砕いてお話しするようにしています。コミュニケーションを取りながらおおよその感覚は掴めてくるので、整備士の方に伝わりやすい言葉をチョイスするように心がけていますね。
ーやり甲斐を感じるのはどのようなときですか?
飯沼:ハードウェアの搭載を喜んでいただく瞬間ですね。GOの製品に期待して、導入を心待ちにしてくださっている事業者様もいらっしゃるので、実際に取り付けて動き出すととても喜んでもらえます。
また、稼働後に起きてしまった不具合を解決したときも達成感を得られます。もちろん不具合自体は起こるべきではないのですが、「助かったよ」「ありがとう」と直接声をかけていただけるとやり甲斐を感じます。
“絶対大丈夫”がない世界だからこそ
ー起きてしまった不具合対応について詳しく教えてください。
飯沼:渉外やカスタマーサポート、フィールドエンジニアに直接問い合わせが入るケースもありますが、不具合が起きてしまった場合、タクシー事業者様から連絡をいただきます。その連絡を受けたらフィールドエンジニアがお電話して状況を把握します。
軽微な不具合であれば電話で解決できるのですが、技術的に難しそうなものだと、事業者様も不安を感じてしまうことも。そういうときは、渉外と一緒に訪問して、お詫びしつつ、コトの経緯を確認しています。
栃倉:機械を扱っている以上、不具合を絶対起こさないことは不可能ですからね。迅速に沈静化できるのはフィールドエンジニアと渉外だけなので、まずは対応の優先順位を決めます。
最優先で対応すべきはタクシーが営業できない状況を解消すること。同時に、乗客のお客さまへの対応も必要ですよね。
タクシー事業者様の精神的な部分をケアしながら安定的にタクシーの営業ができるように支援するのが私たちの仕事ですが、今後の対応を技術的な知見を交えて説明するのはフィールドエンジニアでなければできません。渉外だけで判断することは難しいので、フィールドエンジニアに真っ先に相談しています。
ーちなみに、電話で解決できるケースと現地へ行くケースはどのくらいの割合なのでしょうか?
飯沼:人数構成もあるので地域によって違いますが……関東圏だと電話が7割、訪問が3割ぐらいですね。1日あたりの問い合わせ件数は、すべて合わせて6〜8件ぐらいです。
ー印象に残っている出来事はありますか?
栃倉:“配線ねじねじ事件”ですかね(笑)。
飯沼:ありましたねぇ……。冬場の乾燥していた時期に、お客さまが電子マネー決済をしようと広告タブレットのタッチパネルに指を触れたとき、静電気でノイズが走って交通系ICでの決済だけができなくなってしまって。
決済機能は売り上げに直結するため、急いで渉外と一緒に現地へ行って、一時的な復旧をしました。広告タブレットを分解して基盤内の配線をねじねじするとノイズが乗らずに決済できることがわかったので、通称“配線ねじねじ事件”です。
最終的にはハードウェアのチームで解決方法を見つけてくれたのですが、僕らには「配線をねじる」しか方法がなかったんですよね……。
栃倉:結構ドキドキしましたよね。こういった不具合自体が起こるべきではないのは大前提なのですが、誤解を恐れずにいうと、その対応をしている時間は非常に刺激的です。
飯沼:緊急性も高いし、緊張感もありますからね。
フィールドエンジニアにとって技術的な知見や経験よりも大切なこと
ーフィールドエンジニアと渉外の関係性についても教えてください。
栃倉:心から信頼しています。技術的な部分は完全にフィールドエンジニアに任せています。非常にフラットな関係性ですよね。
飯沼:そうですね。渉外メンバーが全国の事業者様と契約してきてくれて初めて私たちの出番が生まれます。なので、私たちも全幅の信頼を置いています。
栃倉:契約後の稼働スタートを喜ぶのも一緒ですし、お詫びするときも一緒ですからね。
飯沼:そうそう(笑)。
ーフィールドエンジニアという仕事は“GOならでは”という印象ですが、どういう方ならチャレンジできそうですか?
飯沼:もちろん自動車整備の資格があれば理想ですが、それよりも相手の困りごとをヒアリングできたり、相手に伝わりやすい言葉を選んで説明できたり……技術的な部分よりもコミュニケーションの部分が大事な仕事です。
あとは、何か問題が起きても受け身ではなく、能動的にアウトプットできる方が活躍できている印象です。たとえばタクシー事業者様から「端末の電源が入らない」と連絡が入ったときに「はい、わかりました」と対応するのではなく、電源が入らない原因を会話のなかから探っていけるような。
「どういう状況で電源が入らなくなったのか」を具体的にヒアリングする力が求められる仕事です。
ー技術面はいかがですか?
飯沼:私も文系の大学出身ですし、技術的な要素は研修でおおよそカバーできます。
ー渉外としてはどういう方と一緒に働きたいですか?
栃倉:緊張感を拾ってくれる方というか、問題解決に責任を感じてくれる方ですね。たとえばプログラム上の問題など明らかに責任の範疇外の不具合であっても、他人事ではなく自分ごととして対応していける方とは、社内でも同じ空気を吸っていけるように思います。
今一緒に働いているフィールドエンジニアは、みんな本当にプロフェッショナルなんですよ。タクシー事業者様にとっても、私たちがあれこれ言葉で説明するよりも、「エンジニアから連絡させます」のひと言が何よりの安心材料になるので。本当に頼っています。
ー社内からの信頼を感じる場面は多いですか?
飯沼:ありがたいことに多いです。事業者様からの問い合わせに対して、自分たちで解決できたときに社内からも感謝されることが自分たちのモチベーションです。
あとは、開発サイドとやり取りする際に現場での課題を伝えると次世代では解決されていることもあって。私たちの声をきっかけにより良いものが開発されることもおもしろいです。
不具合が起こる前に解決できる集団へ
ー現在はどのようなメンバーが活躍しているのでしょうか?
飯沼:個性的なメンバーが活躍しています。ディーラーで整備士だった者、工場でロボットアームのプログラミングをやっていた者、家庭用EVの充電器を設置していた者……かなり多岐にわたっていると思います。
メンバー間でコミュニケーションをとることで知らないことを知るきっかけになったり、不具合に対して専門性の高いメンバーに任せることで問題解決できたり、バックグラウンドが多彩なので多様性もあるのではないでしょうか。
ーみなさんのモチベーションはいかがでしょうか?
飯沼:モチベーションの源泉もさまざまです。問題解決できることにモチベーションを感じていたり、自分の技術が活用できることにモチベーションを感じていたり……次世代のハードウェアがリリースされることで新しい技術を身につけることにやり甲斐を感じているメンバーもいます。それぞれ違いがあって興味深いですよ。
ー今後の展望についても教えてください。
飯沼:大きく分けて2つあります。1つは引き続き渉外と連携をとりながら、新規・既存問わずタクシー事業様への技術的サポートをしていきたい。
もう1つは先ほどもお伝えしましたが、能動的に働きかけていくことです。やはり「問題が起きてから動き始める」のではなく、積極的にタクシー事業者様とコミュニケーションを取りながら、不具合が起きる前に防げるような動きをとっていきたいですね。人数が増えれば、能動的なアプローチもしやすくなっていくはずですから。
ー栃倉さんからフィールドエンジニアへの期待はありますか?
栃倉:絶対に動きを鈍化させてはいけない組織なんですよね。自分たちも含めて、常に最前線で、タクシー事業者様とコミュニケーションを取りながら、GOという会社のなかで最もトガった部署でいてほしい。
開発側にも現場から生の声を伝えていって、より良いプロダクトが生み出されるように働きかけていきたいと思います。