株式会社バカン / DX事業本部事業開発部協業開発チーム・プロダクトマーケティングマネージャー
山形県置賜地域における災害時の避難所運営・避難者支援に関する防災DX 避難所受付のデジタル化支援に向けた取り組み
1.背景と目的 近年激甚化している災害により全国で大きな被害が頻発している状況において、広範囲かつこれまでに経験したことのないような事象により、避難所職員の避難所開設や地域住民の避難所への避難に向かう機会が増えています。 災害時には避難所運営者が避難所を開設し、地域住民は避難所へ避難するなかで、避難所開設における ”受付” の課題として、「避難所受付に時間を要し入所に時間がかかる」「アナログな集計や報告による避難所担当者への負担」などがあげられます。 避難所受付をデジタル化する事で、避難者と自治体職員の受付時間の短縮や負担の軽減等の実証実験を実施したものとなります。 2.実証実験の概要 2024年10月に行われた防災訓練でデジタル技術を活用した訓練(受付)を以下の通り実施しました。 <訓練(受付)の内容・方法> 従来方法による紙受付とデジタル技術を活用したマイナンバーカード受付、スマートフォンアプリ※を使った受付方式にて訓練(受付)を実施。 ※バカン開発:自治体向け地域交流推進アプリ「tami tami」 ◆結果 ・受付に要す時間の比較 <米沢市> ・従来での紙受付対応時間※1:52秒/人 ・デジタル技術を活用した受付対応時間 ∟マイナンバーカード受付:38秒/人(紙受付より14秒/人の短縮) <南陽市> ・デジタル技術を活用した受付対応時間※2 ∟マイナンバーカード受付:28秒/人 <白鷹町> ・従来での紙受付対応時間※1:39秒/人 ∟紙受付を用いたデータベースへの登録※3:2分46秒/人 ・デジタル技術を活用した受付対応時間 ∟マイナンバーカード受付:21秒/人(紙受付より18秒/人の短縮) ∟QR受付:事前登録者おらず※4 ※1紙受付ではデジタル技術を活用した受付と条件を揃えるため基本4情報のみの記載とした(基本4情報:氏名、住所、性別、生年月日) ※2デジタル技術を活用した受付のみ実施した ※3紙受付とデジタル技術を活用した受付の情報を統合するため用紙からデータベースへ移管する作業時間を計測した ※4現地にてダウンロードをサポート 合計時間:9分29秒/人(内訳 事前登録時間:8分58秒、受付時間:31秒) ・職員の稼働負担の削減(避難者情報の集計・報告) 今後、課題・改善点の情報を収集し、対策等を行う予定。 ・体験を通して感じた意見 今後のシステム改善点に繋げていく 3.実証実験に参加いただいた自治体 2024年10月6日 米沢市 2024年10月20日南陽市 2024年10月27日白鷹町