手作り自家栽培野菜プロジェクト / プロジェクトリーダー
冬の準備が「収穫の質」を決めるキクイモ栽培の裏側
キクイモは手軽に育てられる野菜という印象を持たれがちですが、実際の栽培現場では「冬の段取り」が、その後の成果を大きく左右します。春になってから動き出すのではなく、作業が落ち着く冬の時期にどこまで準備できているかが、安定した収穫につながります。 まず重要なのが、種イモの選別と管理です。発芽不良や生育のばらつきは、春の問題ではなく、冬の管理不足が原因であるケースが少なくありません。硬さがあり、傷やカビのない種イモを選び、凍結や蒸れを避けた環境で保管することで、初期生育のトラブルを防げます。これは作業効率の面でも大きなメリットになります。 次に土作りです。キクイモは適応力のある作物ですが、水はけの悪い環境では収穫量が安定しません。冬の雨のあとに畑を観察すると、排水の弱点や土質の偏りが明確になります。このタイミングで粗起こしを行い、有機物で通気性を整えて土を寝かせておくことで、春は植え付けに集中できます。pH調整も、測定を前提に必要最小限で行うことが、無駄な手戻りを防ぎます。 さらに、植える場所の設計も欠かせません。キクイモは繁殖力が強く、掘り残しが翌年の逸出につながりやすい作物です。背丈も高くなるため、隣地への日陰や越境への配慮が必要になります。冬の段階で区画を固定し、連作を避けるローテーションを考えておくことで、長期的な管理負担を減らすことができます。 冬のうちに「確認・決定・準備」を終えておけば、春は迷わず行動できます。限られた時間の中で成果を出すための、再現性の高い進め方として参考にしていただければ幸いです。 具体的な判断基準や作業手順はこちらにまとめています。 https://handmadevegetables.tokyo/?p=1538 #キクイモ栽培 #家庭菜園 #農ある暮らし #野菜づくり #冬の準備 #土作り #持続可能な農業