前回のストーリーでは、当社の経営理念、ビジョン、ミッションに関してお話させていただきましたが、今回は経営理念の想い、ビジョン・ミッションを実現すべく奮闘してきた中での迷走や失敗を正直にお伝えできたらと思います。
経営理念
「一人一人が使命感と責任感をもって、活き活きと業務に従事し、
社業を通じ、社会の健全な発展に大いに貢献する組織であり続ける」
私はこの前半のメンバーに対する思いと後半の社会に提供する価値を取り決めた経営理念が好きですし、この想いをまさに実現したいと思い、創業し、経営理念として掲げたはずなのに、残念ながら私はこの経営理念に沿った経営が出来てはいませんでした。
当社は超高齢社会問題を持続可能な形で解決することを目指しています。
すなわち、医療・介護といった「保険事業」ではなく、それと補完し合う保険以外のサービスを「自費ビジネス」として提供するということでここまで事業を進めてきました。
そして、ビジネスドメイン自体は現在も揺らいでいません。
ただ、その事業展開の動機の第一が経営理念に掲げている「社会の健全な発展」であったか?・・というと、いま振り返ると、恥ずかしながらそうではありませんでした。
では何が私の原動力だったのか?
それは、「売上を伸ばしたい」「他の経営者に負けたくない」「出来る経営者に見られたい」という自身に向いたものが多くを占めていました。
また、一緒に働いてくれているメンバーに対しても、会社が成長することで、成長機会を提供し、ビジネスパーソンとして成長していく事こそが、「 メンバーに取っての最大の幸福 」なのだと自分本位な視点を持ち、その結果優秀なメンバーであればあるほど、過度の重圧がかかっていたと思います。
この様な言行不一致もあり、当初は順調に伸びていた売上が10億で横這いとなり、メンバーの多くが離脱していきました。
当初は売上が伸びない、メンバーが去っていく原因を外的なものに求めており、自分の言行不一致だと言うことに気付きませんでしたが(気付いていないのは私だけで、皆は知っておりました)、メンバーの率直な指摘により、ようやく理解することが出来ました。
※この辺りは、ロバート・キーガン教授が提唱した「免疫マップ」という手法を社内研修としても取り入れて実施する事で、自分自身も組織も大きく変わるきっかけとなりました。
改めて、自身がやってきたこと(単なる売上の拡大)と本当にやりたいこと(社会課題の解決とメンバーの幸福度の最大化)が違うということを認識し、経営理念に沿った経営をするように意識をしてから、メンバーの躍動感が全く変わりましたし、多くのメンバーが定着してくれ、結果的に売上も拡大していきました。
そして何より今は経営がとても楽しいのです。
「一人一人が使命感と責任感をもって、活き活きと業務に従事し、
社業を通じ、社会の健全な発展に大いに貢献する組織であり続ける」
この経営理念を大切にし、今後も歩み続けていきます。