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「デザイナーに寄り添って話を聞きたい」デザイナーインタビュー

ゲームグロース部で部長代行としてチームをけん引する山田は、2Dデザイナー出身です。今も現場でプレイヤーとして活躍しつつ、後進の育成をしています。「私は“外に向かってグイグイ行くぞ!”ってタイプじゃないんです」と言いつつも、ある局面では「プレッシャーを感じない」そうで……? 仕事をするうえで大切にしていることを教えてもらいました(取材 2022年12月)

式姫Projectに惹かれて入社

ーー 2017年に新卒のデザイナーとして入社されていますよね。アピリッツを選んだ理由を教えてください

アピリッツの自社IP「式姫Project」に惹かれたことが一番の理由でした。就職活動中に企業研究の一環で式姫のポータルサイトを見たり実際にゲームをプレイしていたのですが、他ではあまり類を見ない筆タッチの特徴的なイラストや、ドット絵、それから華やかなドット絵のアニメーションに魅せられてしまい……。すっかり式姫Projectのファンになりました。今も変わらず大好きで大切な作品です。

アピリッツに入社して、式姫Projectのチームに配属されました。大好きな式姫とお仕事で関わることができたのは、とても幸せな体験でした。今開発中の新作も、いちファンとしてドキドキしながら楽しみに待っています。

ーー 女性管理職が増えてきていますよね。アピリッツのゲーム開発の現場は働きやすい環境だと感じますか?

働きやすいです。とくにデザイナー職の方は温厚で優しい人がとても多いなと思います。

新卒からずーっとアピリッツにいるので「他社と比べてココがいい!」っていう特徴は、私からはちょっと言えないんですが、フレックスタイム制を活用すると通院もしやすいですし、育児休業や産休制度を取得している人を多く見かけます。男性の育児休業も最近は増えていますし、いい環境だなと感じます。

性別によって働き方や仕事内容に差を感じたこともないので、私にとって働きやすい会社です。

―― 入社してすぐの頃と現在とを比べて、何か変化はありますか?

入社したばかりの頃は、自分が新人だったこともあって、先輩に声をかけるのに勇気がいりました。社内の雰囲気もすこし緊張感があったような気がします。

今は、社内は程よく柔らかい雰囲気になったかなと思いますし、自分でも積極的に動くようになりました。

―― 積極的に動くようになったきっかけは?

デザイン業務の管理を任されるようになったからです。デザイン制作の最後のゴーサインを出すのが私の役目になりました。もともと社員にチャレンジをさせてどんどん任せる社風ですし、任されたからには、もうやるしかなかった(笑) 最初は不安でたまらなかったです。

「雑な仕事」はユーザーに必ず伝わる

―― 「最終判断を自分で出さないといけない」ことにプレッシャーを感じる人も少なからずいますよね

いますね。ただ、私は自分で責任を負って最終判断を下すこと自体は、しんどくなかったんです。大学生のとき、フリーランスのイラストレーターとして活動していたので「自分の制作物がユーザーの目に触れる」ことに慣れていたのもあるのかもしれません。

それに、ユーザーがゲームに没入できるよう、粗のないグラフィックを制作することはデザイナーにとって大切なことだと思っています。だから、そこは責任持ってちゃんとやろう、って思って動いていました。雑な仕事はユーザーに必ず伝わってしまうものですし、あってはいけないことなので……。

―― デザインの管理をしながら自分でもプレイヤーとしてデザインの仕事をしていますよね。最初から両立はできましたか?

最初は難しかったです。チェックだけをずっと続けていたら1日が終わってしまって「自分が作業する時間が取れない……!」って焦ったこともありました。この時期は精神的にしんどかったです。絵をチェックするスキルや「デザインを見る目」が成長している実感はあったけれど、じゃあ自分の絵の技術はどうなんだろう、上がったかな、ちゃんと自分でも作れるのかなって不安でした。

アピリッツの広報キャラクター「山田アイコ」は山田がデザインしました(だからアイコの名字も山田なのかも?)

―― その「管理職兼デザイナー」としての不安や葛藤はどうやって克服したのでしょう?

毎日デザインの管理業務をやっていくうちに、少しずつ慣れて、効率化できるようになりました。作業を少しずつメンバーに振り分けて、自分でもデザインをしてみたり。

それに、人のアウトプットを見るのは、基本的にとても好きなんです。「そのアプローチは思いつかなかったな」など、日々刺激を受けています。

あと、社会人になってからもプライベートでの制作はずっと続けてきました。これも精神衛生上、すごく効果的だったと思います。社会人になると、個人で制作する人は減っちゃうんですが、趣味の制作は続けたほうがいいです。とくにデザインを仕事にする人にはオススメします。

そしてなにより、私が今こうしてがんばれているのは、いいメンバーに恵まれて励まされてきたことも大きいです。私が別のプロジェクトに異動するときに、私の仕事を引き継いでくれた新卒デザイナーの鈴木もすごく頑張ってくれたと思います。

デザイナー同士でどんな話をする?

ーー 山田さんのマネージャーとしての面について、教えてください。アピリッツでは1on1の文化がありますよね、どんなことを伝えていますか?

まずは、どんな対話の場でも「私はあなたの味方だ」とわかってもらえるように努めています。これは私が実際に本心から思っていることなので、伝わっているといいなといつも思います。

私自身、怒られたりキツい態度をとられるのが昔からすごく苦手なんです(笑) だからこそ自分が伝える側になった今は、やわらかな物腰を心がけています。

最近の1on1では、将来のキャリアプランや、それを実現するためにどうすればいいかといった目標の話をすることが多いです。私はアピリッツでの勤続年数が長いですし、今までの経験がメンバーと話をする上で役に立っていますね。

―― 2Dデザイナー出身の管理職として、どんな話をしていますか?

2Dデザイナーに求められていることは、今も昔も変化はあまりないかもしれません。正社員であれば、アセットの品質管理やディレクション能力は必要です。そしてエフェクトやモーションなど、イラスト以外で強みになるスキルを持つことが求められています。

たとえば、UI/UXができる2Dデザイナーは市場価値が高いです。とはいえ、2Dデザイナーになりたい人のモチベーションって、最初は「イラストがうまくなりたい!」だったりするんですよね。私もそうです。でも、絵だけを書いている社員はいません。イラスト以外の強みを持つ必要があります。だから好奇心強い人が生き残れる。

入社当時は、とにかくいろんな分野の業務を振ってもらいました。そこでスキルを身につけられてよかったなと思います。新しいことを覚えるのが大好きなんです。

―― 「正社員のデザイナーになるには?」といった相談も受けますか?

受けます。相談へのアドバイスとして、まずはプロジェクトへの貢献意欲や、いろんなソフトを扱えることが大切だよと伝えています。あとは、先程もお話ししたように、好奇心を持って仕事に取り組んでほしいです。

―― ゲームグロース部をどんなふうに引っ張っていきたいですか?

デザイナーに寄り添って、適切な評価や配置ができる管理職になりたいです。デザイナー出身の管理職は今はまだ少ないので、まずは私がそこを担いたいなと思います。

部長代行になってからは、現場でプレイヤーとして活躍しつつ、2Dデザイナーの育成に力を入れるようになりました。最近の1on1では、2Dデザイナーとじっくり話す機会がとても増えて、デザイナー同士で話すからこそできることについて考えるようになりました。

打ち明けてもらった悩みに耳を傾けて、力になれることがあると信じています。だから「私はあなたの味方だ」ってわかってもらうことは、私にとってとても大切なことなんです。

そうやってまずは内部の環境をよりよくすることに力を尽くしていきたいです。

―― ありがとうございました!

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