2月17日に「My Inspire High Award 2024 全国大会」が開催され、同アワードの審査員として、Public Affairs(行政や大学との連携を担当)の貴船が参加しました。
「My Inspire High Award 2024 全国大会」とは
世界とつながる探究的な学びを手軽に教室で実践できる、10代向けのプログラム「Inspire High」の一環として行われたアワードです。「Inspire High」の参加者は、年間を通じて様々な「問い」に向き合っており、1年間の学びの集大成として開催されたのが、今回の「My Inspire High Award 2024 全国大会」です。
自分自身の問いを設定し、そのきっかけとなる「My Story」を考え、問いについてのリサーチやロールモデルの選定などを通して、新たに考えたいアウトプットのテーマやアイデアまでをまとめた探究活動を、プログラムに参加している全国の10代から公募。
今回は約2,500人からエントリーがあり、その中から厳しい書類選考を通過した14名が、オンライン開催の全国大会に集結。審査員に向けて、プレゼンテーションを行いました。
個性豊かな「問い」がたくさんありました!
全国大会出場のみなさんから寄せられた問いは、どれも個性豊かなものばかりでした。
- AIと仲良くなるには?
- Yakushima Islandってなんか変じゃない?
- スーパーマーケットで回収されたキャベツ外葉は廃棄されているの?
- なぜ、好きなことにいつかは飽きるの?
- なぜ議会への関心が低いのか?
- なぜ人は他人と違うところがあってもそれをなかなか誇れないのか?
- 家族とは何か
- 外国人が日本のテーブルマナーに驚く理由は?
- 孤独は敵なのか?
- 世の中の流行はどのようにして生まれるのか
- 正義って存在するの?
- 他者と自分、対立を防ぐには?
- 本当の『悪者』って何?
- 老いることは不幸なこと?
これらの問いを「オーナーシップ」「オリジナリティ」「ディープネス」「クリエイティビティ」「インスパイアリング」の5つの視点をもとに、評価を行い、その中からウォンテッドリー賞に選出したのは、森珠貴さんの「老いることは不幸なこと?」でした。
発表の中では、病気になってしまった祖母を見ていて生じた「老い」に対する考え方の変容について語っておられて、大変興味深く聞かせてもらいました。
審査員を務めた貴船からは、以下のようなコメントをさせていただきました。
森さんを選ばせていただいた理由は2つあります。1点目はご自身の中から生まれた問いに真摯に向き合われていた点です。ご自身のおばあさまが病気になられて、元気がなくなってしまったというところに目を向けられて、そこから今回のテーマを設定されていたので、ご自身の強い思いが入ったテーマ設定になっていました。眼の前の物事が自分にとってはハッピーとは言い難いものでも、そこから問いを見つけられて向き合ってこられた森さんの心の強さは尊敬に値するものだと思っています。
2点目は問いを深めるための工夫や、他者へ新たな気づきを与える視点を見つけていた点です。発表の最後にご自身でも「老いに対する考え方は、今までの自分の考えと180度変わった」というふうにおっしゃっていましたが、それは「老いる勇気」や「アイヌ民族」の事例から学ぶだけでなく、実際に元介護スタッフさんにインタビューしたからこそ気づけた視点なのではないかと思います。特に「老いることは幸せの価値観の変化」という視点は、森さんの同世代の高校生にとってはきっと新鮮なもので、驚きや発見をもたらしてくれたと思います。
最後に森さんは「高校生という多感な時期で今感じられる幸福感はきっと多くある」とおっしゃっていましたが、私自身の高校時代を振り返っても、当時の温かい思い出や人間関係が今の自分を作ってくれていると思っています。これからも幸福感をたくさん感じられるような素敵な高校生活を送ってくださいね。
審査員を務めてみて
出場者のみなさんの問いは、身の回りにあるモノやコトに興味や関心を持っているからこそ生まれてきたものばかりでした。今回の発表では、その問いに対して、どうすれば答えを導き出せるか試行錯誤されてきた跡がしっかりと現れていて、感動すると共に、私も負けていられないと、大いに刺激をもらいました。これからも高校生のみなさんが発見に満ちた生活を送られることを願っています。
ウォンテッドリーでは今後も「シゴトでココロオドル」ためのきっかけを多くの方々にお届けできるよう、イベント登壇を積極的に行なってまいります!