こんにちは!Wantedly CFOの吉田です。
前回の記事では、Wantedlyの経営管理において大事にしているコンセプトをお伝えしました。続いて、経営管理のシステムやフローがどうなっているのかお伝えしたいと思います!
経理財務
最近の流行りに乗って、経理財務を中心としたシステムやフローを図解してみました!
細かいところは省いて簡略化していますが、分かりやすく図解するのはなかなか難しいですね…。「お、気になる」と思った方も「なにこれ?おいしいの?」と思った方も是非ついてきてください。主要パートを解説します!
財務会計、預金・入出金管理
財務会計ではマネーフォワードさんのMFクラウド会計を利用しています。最大の利点である銀行口座や法人クレジットカードとの自動連携をフルに活用させてもらっています。
購買
弊社では一定額以上の購買に稟議が必要ですが、稟議の申請・承認はすべてGithub上で行っています。
購買が承認されたら、Googleフォームを通して支払いをコーポレートに依頼します。コーポレート側では、フォームで依頼された内容と稟議の結果を照合したうえで、支払いや財務会計への反映(CSVインポート)を行います。
ちなみに、Googleフォームの仕様が良くなり、フォーム内でファイルアップロードもできるようになったことで請求書のPDFを別途集める必要がなくなり、依頼者もコーポレート側もとても楽になりました(というか、この機能が入ったのでGoogleフォームを使うフローに変えました)。
G Suiteシリーズはどんどん進化していて、以前はできないと思っていたことが、いつの間にかできるようになったりするのでいつも感動しますね!
経費
経費申請はMFクラウド経費を利用しています。MFクラウド会計や後述のMFクラウド給与と連携できるのは、コーポレートの生産性向上にかなり貢献してくれています。
上記の支払依頼のフローをMFクラウド経費のワークフロー機能に切り替え、さらに連携を強めることも画策中です。
労務・給与計算
弊社では給与計算は外部の社労士さんに行って頂いているのですが、多様なツールを柔軟に受け入れて頂いていて、フローの細かな見直しにも協力頂いています。
労務管理はもはやデファクトのSmartHR、勤怠管理はジョブカン勤怠管理を利用しています。それらとデータ連携(CSVインポート含む)して、MFクラウド給与で社労士さんに給与計算をしてもらい、そのデータを財務会計側にも連携しています。
このフローにしたのも数ヶ月前ですが、それまでシートを介したやり取りでかなり複雑になっていたところがだいぶスッキリしてきました。(それでも給与計算は細かい調整が毎月発生しがちなのでなかなか大変です…!)
なお、経費申請と勤怠管理は、以前別ツールを使っていましたが、この春〜夏にかけて、それぞれMFクラウド経費とジョブカン勤怠管理に切り替えました。どちらもメンバーにとっては面倒なプロセスだとは思うのですが、以前と比べると使いやすいということで評判も上々なので一安心しています。
今後も社内のメンバーが直接使うツールは使い勝手や効率性にこだわり続けて、より良いものがあれば適宜見直しを検討していきます。
請求・債権管理
弊社の請求関係のプロセスはオペレーションチームが担ってくれています。社内システムを介した形で、請求書の発行やStripeでのカード決済の処理も概ね自動化されています。
最近はイレギュラー処理も増えてきていますが、着実に標準化しながら対応力を上げてくれていて頼もしい限りです、というか頼りまくってます!
債権管理はコーポレートとオペレーションで協力しながら行っていますが、入金確認からの消し込みなど含めてシートでの管理が中心なので効率化のためリサーチ中です。
管理会計
予実の管理など管理会計では、社内システム、MFクラウド会計、BIツールのDOMOや時にはBigQueryを叩いてデータを集めてきています。
ここはなかなかハマるツールが見つかっておらず、広大なシートを毎月更新したり、関数もりもりのシートに日々フル稼働してもらったりしている状況です。更新作業自体はそれほど重くないのですが、いろいろなデータの把握精度の向上も兼ねてブラッシュアップしていきたいところです。
開示
決算短信や有報などの開示においては、MFクラウド会計から出力して、子会社と合算して連結決算にまとめ、シート上で組替を行ったものをプロネクサスさんのシステム上で開示資料に落とし込んでいます(ここは自動化していきたい…)。
プロネクサスのシステムでセットすれば、TDnet、EDINETに開示資料がアップされ、自動的に弊社のIRページにも掲載されるようになっています。開発・設定してくれたエンジニアさん達に感謝しかないです!
監査、税務
監査法人の方や税務面でお世話になっている会計事務所の方にも、MFクラウド会計に入って直接データを見てもらえるようにしています。双方楽になると思うのでこれはオススメです。
また、先方のニーズに合わせてツールは替えていますが、上記の士業系の方々とは、基本的にGoogle DriveやDropboxでファイル共有するようにしています。メールでファイルを送り合う日々にはもう戻れません。
海外(特にシンガポール子会社)
シンガポール子会社を中心とした海外の経理財務まわりについては下記の通りです!現状は本社側ですべて管理しています。
MFクラウド会計の代わりにQuickbooksを使い、MFクラウド経費の代わりにExpensifyを使っていますが、大きな流れは国内と変わりません。Quickbooksは監査人に直接アクセスしてもらうことを推奨する仕様になっているので、国内同様にシンガポール現地の会計士の方に閲覧権限を付与しています。
ただ、Quickbooksと銀行口座の連携ができておらず、国内と比べて「ぬくもりのある手作業」が全体的に多いのが現状です。今後、展開国や子会社が増えてきた際にも柔軟に対応できるようなスケーラブルなシステム作りがこれからの課題のひとつですね。
法務
法務のシステムはこんなかんじです。会計に比べると手続きや領域の数もまだ少ないのでシンプルです。
契約内容確認・承認
弊社では、下記記事の通り、以前から契約書レビューをGithub上で行っています。この春から法務の専任者が入社しましたが、他の手法も検討した結果、このGithubを使ったプロセスは変わらず健在です。
また、稟議と同様に押印申請もGithub上で行い、各Issueでそのまま押印や郵送等の契約手続が依頼される形になっています。
契約手続
契約手続については、電子契約化を推し進めています。以前も各メンバーとのNDAの締結や個人事業主の方との業務委託契約にはクラウドサインを利用していたのですが、対法人ではこの6月からクラウドサイン利用を積極化させています。
この1年ほどで、様々な取引先や提携先との契約、一部のお客様との覚書締結など書面を交わすことが大幅に増えてきました。これは事業拡大の証でもあるので喜ばしいことなのですが、一方で契約手続にかかる負荷が他の業務を圧迫したり、締結までに時間がかかりすぎるといった問題が出てきました。
今のうちに手を打っておかないと大変…ということで、コーポレートよりむしろ書面取り交わしの多いオペレーションチームから対法人でクラウドサインを導入しました。相手方に断られたら郵送に切り替えるだけなので、ダメもとでやってみたところほとんどの取引先に受け入れて頂くことができました。
時期によっては私も製本・郵送をしていたので分かるのですが、クラウドサインを全面的に導入するようになって、郵送の手間が圧倒的に減り(体感で1ヶ月あたり20〜30時間分削減)、クラウドサインを介した契約はほぼ当日か翌日には完了するようになりました!
ちなみに海外ではHellosignを使ってみていたりしますが、国内ほどしっかりフローができていない面もあるので、今後整備していきたいところです。
契約書管理
契約書管理はなかなか決め手に欠ける状態でして契約書リストをシートで管理しています。ただ、クラウド上で確認しやすいように原本のスキャンをスキャンマンさんにお願いするようになりました。契約書管理は今後さらに改善していきたいね、と法務とも話しています。
最後に
ざざっと解説してみましたがいかがでしたでしょうか?そこそこ効率的にやれているとは思うものの、手作業や非効率な部分もまだあるので更に改善していこうとしています。事業・組織の規模に応じて求められる水準が変わってくるので、今後も現状のシステムに甘んじず、どんどんアップデートしていきます。
急ぎじゃないけど細かい単位で良くしたいな、ということもままあるので、弊社エンジニアが定期的に設けている「負債返済日」のようなものを経営管理側でもやってみても良いなと考えています。
また、目先でも、オペレーションチームを起点にRPAの波が社内に広がっているので、コーポレート側もこれから波に乗っていきたいところです。また、プロセスによってはGASによる自動化やGoogle App Makerを活用できるところもあるかもなと思っています。Stripeも単に決済するだけでなくもっと使いこなし方がありそうなのでリサーチしていきたいですし、社内で導入しているCRMと管理側の連携はまだまだなので、ここも模索していきたいと思っています。
そして、これらシステムをさらにアップデートしていくのを一緒にやりたいという方を大募集中です!また「この記事だと細かいところ分からないから、もっと詳細聞きたい」とか「うちはこうやってるよ」とか情報交換もしたい方も大歓迎です!お気軽にご応募ください!
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