Claude Code Pluginで「思考」をチームに配った話
Photo by Lysander Yuen on Unsplash
ウォンテッドリー CTOの安間です。
AIツールの導入が進む中で、私の仕事の進め方を説明する機会が増えました。
進め方や考え方をまずは模倣してもらうためにもGeminiのGemやClaude Code Pluginを利用して、日常業務に取り組んでもらっています。これによって、仕事の品質が安定し、生産性が向上しています。
AIをただ使うだけでなく、学びの対象として使って欲しいと考えています。今回は、Claude Codeのプラグインを自作し、自分の思考プロセスをそのままAIに渡す仕組みを作りました。
目次
Claude Codeのプラグインとは
なぜ自作しようと思ったのか
作ったもの:2つのスキル
1. /tech-research:tech-research — 技術調査
2. /tech-research:competitor-research — 競合調査
作ってみてわかったこと
最後に
Claude Codeのプラグインとは
Claude Codeには、チームや個人が独自のワークフローを「スキル」として定義し、/コマンド名 で呼び出せる仕組みがあります。
仕組みはシンプルで、Markdownファイル(SKILL.md)に「どう考えて、どう動くか」を自然言語で書くだけです。Claude Codeがそのファイルを読み込み、指示された通りに思考・行動してくれます。プログラミングの知識は不要で、後に紹介するようにMarkdownすらも書かなくても作ることができます。
ウォンテッドリーでは社内用のプラグインリポジトリを運用しており、作ったプラグインをチーム全体で共有できる仕組みを整えています。
チームメンバーはこれだけでインストールできます。
claude plugin install tech-research@xxx-xxxなぜ自作しようと思ったのか
たとえば、競合サービスの動向を調べるとき、技術選定を行うとき、私は毎回、無意識に同じワークフローを頭の中で組み立てています。今までは、調査を一緒に行う人/調査を依頼する人に、進め方を説明しながら、一部の仕事をお願いして進めていました。
指示を出す時に以下のようなことをやっています。
- 対象領域を絞り、競合調査を実施する
- 競合の会社を優先度順に並べる
- 取得する情報ソースを決定する
- 機能・価格・戦略の軸で整理する
- 事実と推測を区別しながら記録する
- 「自社との比較」で結論を出す
これらの一連の進め方を、SKILL.mdに記載して、どのように考えて進めるかを明文化しました。
作ったもの:2つのスキル
今回作ったのは tech-research というプラグインで、2種類のスキルを提供しています。
plugins/tech-research/
├── .claude-plugin/
│ └── plugin.json # プラグイン設定
├── README.md # このファイル
└── skills/
├── tech-research/
│ └── SKILL.md # 技術調査スキル定義
└── competitor-research/
└── SKILL.md # 競合調査スキル定義(優先調査企業リスト内包)1. /tech-research:tech-research — 技術調査
技術選定・アーキテクチャ比較・OSS調査・セキュリティリスク調査など、エンジニアリング領域の調査を構造化して行うスキルです。調査の種別を指定できます。
- selection:技術・ライブラリの採用判断
- comparison:複数の技術を比較して最適解を選ぶ
- oss:OSSのライセンス・メンテナンス状況を調べる
- security:セキュリティリスクと対策を整理する
- trend:技術トレンド・エコシステムの動向を把握する
- architecture:アーキテクチャパターンを比較・設計する
2. /tech-research:competitor-research — 競合調査
HR-Tech・採用サービス領域に特化した競合調査スキルです。
最大の特徴は、優先調査企業リスト(Tier 1〜3)をスキルの中に組み込んでいる点です。
- Tier 1(最優先・常時ウォッチ)
- Tier 2(定期調査)
- Tier 3(指定時調査)
/tech-research:competitor-research と打つだけで、Tier 1全社を機能比較で調査し始めます。引数で調査対象・深さ・比較軸を自由に切り替えられます。
以前は競合調査をまとめるのにとても時間がかかっていました。スキルを作成しておくことで、何倍ものスピードで調査を完了することができるようになり、かつ、並行して作業を進めることができるようになりました。
作ってみてわかったこと
SKILL.mdを書く作業よりも、どのように自分がやっているのかを振り返り、自分の思考を構造化するところが大切でした。SKILL.mdを簡単に作成したい場合には、インタラクティブに指示を出して満足な結果を得たセッションで、「/skill-creator」を使って作成することができます(使い方は説明もあるので、色々な文献に記載されているので、そちらをご覧ください)。もっと簡易的にするならば、「これまでの調査のプロセスをまとめてPluginにして」とClaude Codeに依頼することで作成することもできます。
頭の中にある判断基準・優先順位・見落としやすい観点を、SKILL.mdという形式で外部化する。そうすることで、個人の知見がチームの資産になります。また、思考の抜け漏れも見つけることができます。
最後に
組織の中でのAI活用は、AIツールを渡しただけでは進みません。
実際の仕事の進め方・ワークフローなどを構造化して、AIに渡していくことになります。ワークフローを作成する時には、それぞれの処理では、Input / Outputを明確にして、どのような品質レベルにするのかを定義していくことが大切です。
ウォンテッドリーでは、こうしたAI活用の試行錯誤を開発チームのみならず全社で実施し続けています。「AIとどう一緒に働くか」に関心のある方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか。