バリュエンスでは、社員の可能性を引き出し、より強くしなやかな組織をつくっていくことを目的に、マネジメント力の強化に取り組んでいます。このコーナーでは、エンゲージメントが高い組織やメンバーの育成に力を入れているマネージャー層にフォーカスして、参考になるマネジメントスキルやアイデアを共有していきたいと思います。
バリュエンス的ナイス・マネジメント【Field Edition】
今回は特別編として、日々、店舗の最前線でチームをけん引しているエリアマネージャーに注目。現場で培った実践知やマネジメントの工夫を通じて、「伴走型マネジメント」を体現するリアルな声をお届けします。社員の成長を支援する職場風土とあわせて、バリュエンスらしいマネジメントのかたちを探っていきます。
土江さんプロフィール
バリュエンスジャパン株式会社 営業本部 第二営業課 エリアマネージャー 土江 真由
キャリア :2018年7月入社
バリュエンスの好きなところ :個性豊かで刺激的なメンバーに囲まれて働けるところ
好きなバリューマインド:思いやる、共に創る。
------------------------------------------------
―バリュエンスでのご経歴を教えてください。
土江|入社後はまず、「なんぼや」のバリューデザイナーとして約2年間、買取業務の経験を積みました。その後、副店長を1年、店長を1年務め、そこからエリアマネージャーに。今のポジションになって、だいたい2年半ほど経ちました。
―店長からエリアマネージャーになって、どんな変化がありましたか?
土江|そうですね、店長の時は「みんなで頑張ろう!」という気持ちを前面に出して、わりと近い距離感でメンバーと接していたんです。でもエリアマネージャーになってからは、複数の店舗をまとめる立場として、自分の言葉一つでチーム全体の空気が変わることもあると感じました。だからこそ、言葉の選び方は以前より慎重になりましたし、常に前向きな姿勢を意識するようになりました。
言葉がチームの空気をつくる—信頼の起点は“共感”から
―丁寧なコミュニケーションがチームの安心感につながっているんですね。では、「なんぼや」でマネジメントをする上で、特に大事にしていることは何ですか?
土江|一番大事にしているのは「共感」です。人って自分の意見を否定されると、それ以上何も言いたくなくなってしまうと思うんですよね。だからまずは、相手の言葉を否定せずに受け止めること。その上で、必要なことはしっかり伝えるようにしています。甘やかすだけじゃなくて、ちゃんと「指導」をする。そこはメリハリをつけながら、信頼関係を築くことを意識しています。
― 相手の気持ちを尊重した上で、伝えるべきことはきちんと伝える。その姿勢が、信頼につながっているんですね。
土江|そうですね。例えば、メンバーの前では、なるべくネガティブなことは言わないようにしています。不安や迷いを感じているメンバーには、まずはその気持ちを引き出してから、前向きなアドバイスとして伝えるようにしています。たとえメンバーの意見がネガティブだったとしても、間違っていなければ否定はしません。大事なのは、「その気持ち、分かるよ」って受け止めることだと思っています。
―まさに「伴走型」ですね。そうしたスタイルには、何か影響を受けた人や経験があるのでしょうか?
土江|「どうせ働くなら楽しく働きたい」っていう想いが私の原点です。ありがたいことに、バリューデザイナーとして配属された当時の上司や周りのメンバーも、同じように“楽しく働く”という価値観を大切にしている人たちばかりでした。自然と、そういう空気の中でシゴトをすることが自分にとっての“当たり前”になっていきました。その頃、「こんな上司になりたいな」って直感的に感じた先輩の姿が、今の自分のマネジメントスタイルにすごく影響を与えていると思います。
理念は押しつけず、日常に“にじませる”伝え方
―会社の理念や、営業本部の「あるべき姿」をエリアでどう共有しているのかも気になります。何か伝え方で工夫されていることなどありますか?
土江|営業本部では今、「記憶に残る、会いたくなる存在」を「あるべき姿」として掲げているんですが、私はそれをあえて会議などのかしこまった場ではなく、日常会話の中でライトに触れるようにしています。たとえば「今の対応、お客さまの記憶に残ったと思う?」と、ちょっと冗談っぽく声をかけたりするんです。私が言うとギャグみたいに聞こえることもあるんですけど(笑)、そのくらいの方が構えずに自然体で受け取ってくれるんですよね。理念やミッションって、押しつけるんじゃなくて、本人が「こういうことか」と実感してくれることが大事だと思っています。だからこそ日々のやりとりや雑談に、さりげなく織り交ぜることで、理念や「あるべき姿」をにじませるようにしています。
―日常の中に溶け込ませているんですね。
土江|そうですね、わざわざ時間をとって話すというよりは、普段の会話の中で自然に伝えることが多いです。それに、うちの店長たちもしっかり課員に共有してくれているので、すごく助けられています。また、同じエリアにいたバリュエンサーの堀田さんが、理念やミッションに関するコミュニケーションを意図的に働きかけてくれていることも助かっています。こうした協力的なメンバーたちの力があるからこそ、理念がちゃんとエリアに根づいていくと感じています。理念やミッションの浸透・定着において大切なのは、仕組みよりも日々の関わりの中で、本人が“実感”できることだと思っています。
その人らしさをチームの力に—信頼が引き出す自発性
―強制ではなく、メンバー自身の実感を大切にされているんですね。具体的にはどのようにメンバーと関わっていますか?
土江|常にメンバーを細かく見ることはできませんが、日々のコミュニケーションの中で、「この人はどんなタイプかな?」「 何が得意なんだろう?」と自然に探るようにしています。というのも、そもそも私はチームメンバーに“興味関心”があるんです。だから、つい気になっちゃうんですよね。人ってコントロールしようとすると反発が出やすいけれど、共感して寄り添うことで、心を開いてくれてポジティブに動いてくれることが多いなと感じています。
―共感がメンバーの自発的な行動を促していくのですね。
土江|そうですね。こっちが強制するんじゃなくて、「自分も成長したい」「できることはやってみたい」という状態が理想だと思っていて。また、「この経験はあなたの成長につながる」と伝えながら、業務を任せるようにしています。正直、自分でやったほうが早いなと思うこともあるけれど、それをぐっとこらえて(笑)。でも、結果的にはその方がメンバーが成長して、自分も楽になるんですよね。
―そうやって、メンバーの自発性をうまく引き出していくんですね。逆にモチベーションが下がってしまっているメンバーには、どのように接していますか?
土江|モチベーションの源って、人によってバラバラなんですよね。だからこそ、日々の会話の中で「何があれば、この人は頑張れるのか?」を見つけるようにしています。言葉にしてくれるとは限らないので、表情や反応からも読み取っていきますし、ほかのメンバーにも話を聞いたりしています。そのうえで、その人の個性を尊重した声掛けをしていく。そうやって少しずつモチベーションを上げていくようにしています。
―一人ひとりと向き合う中で、メンバーの個性を生かすことも意識されているんですね。
土江|はい。うちのチームは10人前後とそこまで大きくないので、日々の会話でみんなの個性や、得意・不得意は自然と分かってきます。ただ理解するだけじゃなく、その強みを活かしてチームのためにやってほしいこともセットで伝えます。たとえば、「あなたは数字が取れるから、そのやり方をチームメンバーにも共有してね」と伝えると、その人自身のやりがいにもつながるし、チーム全体のパフォーマンスも上がるんです。
あとは、飲み会の時などに「あなたはもうバリュエンスの立派な一員だから、安心していいよ」みたいな声掛けもしていますね。強みを活かしてもらうには、安心して働ける土台が大事だと思っているので、自然とそういうコミュニケーションを多くとっています。
「ひとりで抱えない」からこそ、チームは強くなる
―安心して力を発揮できるような言葉がけを日常的に重ねていらっしゃるんですね。エリアマネージャーになってよかったと感じることはありますか?
土江|店長のときは、「自分が店舗の売上を上げなきゃいけない」というプレッシャーを強く感じていたんです。でも今は、複数店舗を管轄する立場として、店長に任せながら自分はサポートに回ることができるので、視野が広がったというか、少し肩の力を抜いてチーム全体を見渡せるようになりました。そういう意味では、やりやすさも感じています。
―これからエリアマネージャーになる方へのアドバイスをお願いいたします
土江|「全部自分でやろうとしなくていい」って伝えたいですね。マネージャーとして責任感を持って頑張ることは素晴らしいことだけど、大変そうにしている姿って、案外メンバーにも伝わってしまうものなんです。だからこそ、ひとりで抱え込むんじゃなくて、周りを頼ることも“マネジメントの一部”。役割を分担して、メンバーと一緒に「ワンチーム」として進んでいってほしいなと思います。
―信頼と共感を大切にした、あたたかなリーダーシップ。これからのさらなるご活躍も楽しみにしています!本日はありがとうございました!