「一歩先」を行くことが、ときに最も難しい。それでも私たちは、その道を選び続ける。
Web行動データの解析、CDP(Customer Data Platform)の構築、そして最新のAI活用。UNCOVER TRUTHが手掛ける事業は、常に業界の最先端を走っています。しかし、未開の地を切り拓く道のりは決して平坦ではありません。なぜUNCOVER TRUTHは「一歩先」の挑戦にこだわり続けるのでしょうか。
今回、UNCOVER TRUTHの取締役COOである小畑陽一さんに、その理由を深く掘り下げてお話を伺いました。彼のキャリアは、まさに挑戦と成長の連続。AIが急速に進化する今、私たちはどんな「価値」を生み出し、どう「はたらく」喜びを感じられるのか。小畑さんの視点から、そのヒントを探ります。
まずは、小畑さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
前職ではエムティーアイで14年半、モバイルマーケティングに深く携わりました。会社がルナルナやmusic.jpなどのコンテンツビジネスで急成長を遂げる中、BtoB新規事業の立ち上げメンバーとなりました。SaaS型プロダクトによる企業のモバイルマーケティング支援を行い、国内トップシェアを誇るサービスまで成長させることができました。金融機関やECなどミッションクリティカルな分野を開拓し、EC業界では売上トップ100社中の50社以上で導入されるなど、エンタープライズマーケットでは日本企業で最初に成功したSaaSではないでしょうか。事業責任者として組織と事業規模を成長させた経験は、現在の私の基盤となっています。
UNCOVER TRUTHへの参画はどのようなきっかけで、決め手は何だったのでしょうか?
UNCOVER TRUTHへの参画は、前職の知人からの紹介がきっかけでした。代表の石川と飲みに行った際に、僕が手がけたBtoB事業の成功談に熱心に耳を傾けてくれた石川が、「一緒にやろうよ!」と熱烈に誘ってくれたんです。
決め手は石川の「しつこさ」でしたね(笑)。彼の「一緒に働きたい」という強い気持ちがひしひしと伝わってきて、それが何より嬉しかった。当時、何社かオファーがある中で、ある上場間近の企業との最終面談直前に石川から呼び出され、「うちに入って失敗したとしても、小畑さんの価値が変わるわけないでしょ?もう、うちで良いじゃないですか!」と、ロジック度外視の逆ギレをされたんです(笑)。それがなぜか妙に面白くて、その場で心が決まりました。
立ち上げたばかりで何もかもが手探りの状態。まさに出来立てほやほやの会社でしたが、その未完成さが逆にたまらなく魅力的でした。ちなみに、入社してみたら前職と同じビルの別のフロアにオフィスがあったんですよ。まさか、まさか同じビル内で転職するとは夢にも思いませんでしたね(笑)。
UNCOVER TRUTHの事業内容と、COOとしての小畑さんの役割を教えてください。
「UNCOVER TRUTHは、テクノロジーとコンサルティングの力で、企業のビジネスを支援するパートナーです。商品やサービスのCX(顧客体験)を最適化し、より良い顧客体験を提供することを目指しています。
僕が参画した当初は、Web解析業界の先端を走るヒートマップツール「USERDIVE」を主力商材としていました。USERDIVEは先進的であったものの、一般企業にとっては専門性が高く、その理解/活用促進や導入支援の体制が十分に追いついていませんでした。」
マーケットが未成熟な時期において、私たちは自走を前提としたサービス設計を採用していましたが、需要側と供給側のリテラシーの乖離が喫緊の課題となっていました。
加えて、月額5万円程度〜という価格設定も課題でした。たとえ100社に導入しても月商は500万円にしかならず、事業規模の拡大が見込めませんでした。
しかし、USERDIVEが安価であるのには理由がありました。創業時、石川は「大好きなインターネットの世界を便利にしたい」という強い想いから、どんな規模の会社でも導入可能な価格にUSERDIVEを設定しました。それは、世界中のWebサイトがより使いやすく改善されることを目指してのことだったのです。
USERDIVEは時代の先端を行くがゆえに、使いこなせる企業が限定され、単価が安いという問題を抱えていました。僕の最初の仕事は、この問題の本質を整理し、戦略的な立て直しを行うことでした。前職のSaaS事業で培った、ツールと人的サービスを組み合わせた高付加価値サービスの設計経験を活かし、この問題解決にあたります。
この課題を解決する答えが「小川卓」の参画でした。当時僕らの知る限りで日本一のWebサイト分析改善のプロといえば小川さんでした。彼を招き入れるため、石川と私は新宿の焼き鳥屋で延々と説得したのを覚えています。これが僕らの最高の仕事だったかもしれないですね(笑。
小川さんの分析メソッドを弊社の強みとし、当時数万円で販売していたSaaS商売は、分析コンサルティングサービスも加えることで、1社あたり50万〜100万円の顧客単価を目指すモデルへと転換を図りました。
Web分析から始まった弊社の事業は、顧客理解を深める中で、オンラインだけでなくオフラインまで含めた統合的なデータ活用の重要性に気づきました。
Web分析を専門としているアナリストたちのデータ解析能力を最大限に活かす好機と捉えました。そこで、彼らの専門知識を結集し、Webデータとリアル店舗などのデータを統合的に扱う「CDP(Customer Data Platform)」事業へと大きく舵を切ったのです。
当時、CDP市場はまだ未成熟で多くの苦労がありましたが、私たちはこの分野の先駆者として市場を開拓する道を選び、顧客データの統合活用という新たな価値創造に挑戦しました。
COOとしての僕自身の主要ミッションは、会社の将来を見据えた戦略策定です。会社の戦略が誤れば、社員が日々の業務に誇りを持てなくなってしまうと強く認識しています。そのため、常にみんなが「一歩先」「半歩先」のマーケットで価値の高い人材として成長できる環境を整え、弊社のプロダクトが最新テクノロジーで常に市場に価値を提供し続けられるよう、具体的な方針を示していくことが、会社の経営層のミッションであり僕自身のミッションだと考えています。
これまで担当されたクライアントとの印象的なエピソードがあれば教えてください。
UNCOVER TRUTHのビジネスは、一言で言えば「人と人との信頼関係」の上に成り立っています。僕自身の経験からも、多くのクライアントとの出会いと信頼が、UNCOVER TRUTHの成長を後押ししてくれました。
入社当初、前職でお世話になっていたお客様にご挨拶に伺った際、いきなりこんな言葉をいただきました。「おばっちゃんが行った会社なら、間違いないでしょ。まだ何も聞いてないけど、一緒にやろうよ」と。サービスの説明も、価格の話もまだしていない段階でのこの言葉は、本当に感動しましたし、僕とお客様の間に築かれていた揺るぎない信頼関係の証だと感じました。
ちょうどその頃、弊社は小川卓さんを迎え、ツール販売主体のSaaSモデルから、「ツール×コンサルティング」へとサービスを進化させているタイミングでした。人の力で価値を最大化する方向へ舵を切った、その最初のクライアントが、まさにその方でした。その後、チームで苦労を重ねながらも成果を出し、最終的には「事例にしていいよ」という言葉までもらえましたね。社名は伏せますが、世界的にも有名な企業様で、まさに会社の転機となるような仕事となりました。
そのほかにも、信頼のリレーのようなエピソードがたくさんあるんです。
例えば、あるCMO(最高マーケティング責任者)の方は、大手スーパーから大手フードチェーン、そして別の大手スーパーへと転職される度に、弊社に相談をいただき、プロジェクトを何度もご一緒させてもらいました。
また、僕が20代半ばの頃からの付き合いがある別の方(Bさん)は、転職前から「新天地での最初のプロジェクトを一緒に成功させたい」と相談をいただき、共に準備を重ねてスタートダッシュに成功。その後も複数の企業で継続的にタッグを組んでいます。さらには当時は彼の部下であったデータアナリストが、今では弊社のリーダーとして活躍しています。大事な自分の後輩を紹介してくれるほどの信頼関係を築けたことは大きな財産です。
もうひとつエピソードをご紹介します。ある大型カンファレンスの会場で、マーケティング業界の重鎮と呼ばれる別の方(Cさん)が、こう紹介してくれました。
「小畑さんの会社、高いけど(笑)いい仕事するんだよね〜」
この「信頼の言葉」こそが何よりの営業ツールであり、私たちの誇りだと胸を張れます。こんなにも温かみのあるご紹介を言ってもらえるような会社になりました。もちろん奢ることなく、これからも期待に応えられるように成長し続けたいと思いますし、これらの信頼や期待は僕たちの事業成長へのモチベーションになっていることは言うまでもありません。
『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』や新刊『CDPのつくり方』など、書籍執筆に込めた想いを教えてください。
これまで2冊の書籍を執筆しました。特に『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』は、未成熟なCDP市場で「市場に巻き込まれるのではなく、市場の基準や定義を創る側になりたい」という想いがありました。
もう一つの目的は、社内ノウハウの「型化」です。書籍執筆をきっかけに、社内の業務オペレーションやノウハウを体系化することができました。「教えることは学ぶこと」というドラッカーの言葉通り、書籍というアウトプットを通じて、僕自身も会社全体も知識の体系が深く定着したんです。
新刊『CDPのつくり方』は、GA4とBigQueryを活用したCDP構築にフォーカスしています。GA4で取得したWeb行動データをGoogleのデータベース(BigQuery)でCDP化する内容です。共著者にはWeb分析の第一人者である小川卓さんとGoogleデータベースの著名なエンジニアである柳井隆道さんにお力添えいただきました。
これらの書籍を通じて、多くの企業の課題解決のお役に立ちたいですね。もちろんお仕事の問い合わせを増やしたのもあります。実際、前著の出版後には非常に多くのお問い合わせいただけるようになりました。書籍には、専門家としての信頼を生み出し、「話を聞いてみよう」と思わせる大きなパワーがあると実感しています。
小畑さんの著書『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』
小畑さんが仕事をする上で、最もやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?また、この仕事の面白さ、難しさ、魅力を教えてください。
やりがいは、一歩先のテクノロジーを扱い、日本のトップ企業が持つデータを分析できる点ですね。アナリスト、プロマネ、エンジニア、皆が最高に高度な仕事ができる環境です。データ好きには「日本を代表する企業のダイナミックなデータが見れるんだ」というくらい価値があり、これほど質の高いビッグデータに触れる機会はなかなかありません。
一方、難しさは「一歩先を行きすぎること」。未来が見えていても、アクセルを踏むタイミングを誤ると、苦労ばかりで売上が上がらないこともあります。技術的な先行と収益化のバランスが最も難しく、答えがないからこそ、常にチャレンジし続けるしかありません。
UNCOVER TRUTHで働く魅力は、社員が皆すでに「一歩先」を経験していること。AIで仕事が代替されても、さらに「もう一歩先」にチャレンジし、事業に合わせて自らも成長できる。これは個人にとって非常に価値のある経験だと思います。弊社では「今やっていることを陳腐化させる」ことを重視しています。成功のジレンマに悩むのではなく、今日の価値を陳腐化するほどのイノベーションを目指します。AIに代替されるなら、新しい価値を探しに行く。私たちは常に成長を求め、リスキリングが当たり前の時代に、同じことを3年も続けていたらダメだという前提で生きています。
今後のUNCOVER TRUTHはどこを目指し、どんな方と未来を創りたいですか?
UNCOVER TRUTHは、AIの進化を未来への羅針盤と捉え、積極的に活用していきます。ちょうど今月から、解析ツールにAIを搭載し、データ分析をより直感的でパワフルなものに変革します。さらにこれからはCDP(Customer Data Platform)のシステム構築や、複雑な統合データの領域においても、AIで最先端のデータ活用を牽引していきます。これらはすべて、私たちにとっての大きな挑戦です。
最後に、「人」の話をさせてください。僕自身のキャリアを振り返ると、本当に人に恵まれ、信頼できる仲間と挑戦的な仕事ができたからこそ、「想定外の成功体験」を積み重ね、仕事が心から面白いと思えるようになりました。そんなエピソードで締めくくりたいと思います。
仕事が幸せになる方程式は、「最先端」×「未知への挑戦」×「若手エース」=「将来の仲間」だと考えています。
かつて、モバイルマーケティング黎明期の「ガラケー時代」、僕は大手企業の若手エースたちと共に最先端を駆け抜けました。当時、真剣に仕事に取り組んだ方々が今、業界のキーパーソンとして活躍されているのを見て、この方程式がUNCOVER TRUTHでも再現できると確信しました。
「モバイルを制するものが市場を制する」と言われた当時の状況は、現在の「DX」と同じ文脈です。コトラーが提唱した「Digitize or Die」が象徴するように、あらゆる大企業はデジタル戦略の推進に次世代の成長を託しています。当時のモバイル時代も、現在のDXと同様に「絶対やるべきことは決まっている」ものの、具体的な「解がない状態」でした。そのため、新領域の推進者には、先端事情をキャッチアップできる柔軟な思考を持つ若手が抜擢され、会社の将来を託される「エース」となりました。
そうです。この「最先端で未知への挑戦に抜擢」され、将来を託されるエースこそ、まさに弊社がDX支援で向き合っている方々なんです。つまり、弊社で働くみんなにとっては、いまクライアントに真剣に向き合うことで、一緒に高みを目指す「将来の仲間」を創っているようなものだと思っています。
弊社は「一歩先」「半歩先」の最先端領域にチャレンジするからこそ、この方程式に当てはまる環境が得られるのだと気が付きました。
UNCOVER TRUTHは、規模こそ大手ではありません。しかし、その分、社員一人ひとりが「個」として大きな信頼を築き、それが経験値や成長角度に直結します。最先端の技術に挑み、各クライアント企業のエース人材と向き合い、共に成功を掴み、その信頼を積み重ねていく。顧客と共に、私たち自身のキャリアも大きく成長させていく。そんな環境が、ここにはあります。この大きなチャンスに果敢にチャレンジしたいと思ってもらえる人と一緒に働きたいと思っています。自分の手で幸せな将来を手繰り寄せたいですよね。
AIの進化が仕事の常識を塗り替える今、私たちはデータ分析の未来を切り開き、社会に貢献し続けます。そして、この変革の最前線で、「変化を楽しみ、自らも成長したい」と願う方にとって、UNCOVER TRUTHは最適なフィールドとなるでしょう。UNCOVER TRUTHで、このキャリアの成功方程式を描くことが可能です。
編集後記
小畑さんの言葉から、UNCOVER TRUTHが一歩先を行く挑戦をし続け、人と人との信頼を何より大切にする企業であることが伝わってきました。常に変化を楽しみ、自らも成長を求める方にとって、まさにUNCOVER TRUTHは最高の舞台となるでしょう。