── UTのアナリティクスエンジニアを孤立させない、バディ制度とシャッフルランチ
クライアント先に深く入り込んで働くエンジニアにとって、社内の仲間と顔を合わせる時間は、とても貴重なものです。
UNCOVER TRUTH(以下UT)のアナリティクスエンジニア(以下、AE)は、クライアント先でデータ活用を支える仕事。月曜から木曜は常駐先で稼働し、金曜は全社員が本社に出社して、メンバー同士が顔を合わせる日にあてています。それでも、常駐中心の働き方では、社内とのつながりが薄くなりやすい——そんな一面もあります。
それでも、UTのAEユニットには、支え合う関係が自然と根づいています。その理由が、新入社員に伴走する「ウェルカムバディ制度」と、部署を超えてつながる「シャッフルランチ」。今回は、AEユニットのリーダー・松原健太さんと、HRサポート(研修担当)を担う宮洋治郎さんに、その中身を聞きました。
まずはお二人の自己紹介から
— 簡単に自己紹介をお願いします。お名前、AEユニットでの役割、入社時期、前職のバックグラウンドを。
松原:アナリティクスエンジニアユニットでリーダーをしている、松原健太です。入社は2022年11月。キャリアの大半は小売業で、GMSやファストファッションなど、ずっと現場を渡り歩いてきました。
宮:宮洋治郎です。AEユニットではHRサポートとして、主に研修生の育成を担当しています。入社は2022年7月。前職は大手キャリアの営業販売のSVをしてました、ラーメン屋で働いていた経験もあり、少し変わった職歴です。
アナリティクスエンジニアを一言で言うと?
— ユニット名でもある「アナリティクスエンジニア」という職種を、一言で表すとどんな仕事ですか?
松原:翻訳者ですかね。ビジネス側とエンジニア側の間に立つ、仲介役。そう思ってもらえると嬉しいです。
ビジネスの言葉とエンジニアの言葉を橋渡しし、データを使って意思決定を前に進める。それがUTのAEの役割です。そして、その多くはクライアント先への常駐という形で行われます。
常駐という働き方の、光と影
— UTのAEは基本的に常駐で、クライアント先には一人で入ることが多いですよね。この働き方の面白さと、裏側にある「一人になりやすさ」を教えてください。
宮:面白さで言うと、常駐先のデータの流れが見えることですね。相手の会社が今どんな施策をしようとしていて、どんな検証をしようとしているのか。それを手元のリアルなデータで見られるのは、すごくいいところです。クライアントと直接お話しするので、関係性ができてくると仕事もいっそうしやすくなります。
宮:逆に一人になりやすさで言うと、基本は常駐先で作業するので、社内でのコミュニケーションが減ることですね。その案件に入っているのは自分だけ、ということも多いので、相談相手がすぐそばにいない。孤立しやすくはなってしまうな、というところはありますね。
この「構造的に孤立しやすい」という事実を、解消するために用意しているのが次に紹介する2つの仕組みです。
ウェルカムバディ制度 ── 「少し先を歩く先輩」が伴走する
— ウェルカムバディ制度とは、どんな制度ですか? そして、どうして始まったのでしょう。
松原: 2年ほど前までは、新人の立ち上がりを一部の面倒見のいいメンバーが個人の力で支えている状態だったんです。教えることも、悩み相談も、その人頼み。ただ、人数が増えていく中で、特定の誰かに頼る体制では立ち行かなくなってきた。だったら、そのサポート役を仕組みとして社内から生み出せないか。そう考えて生まれたのが、リーダーではなく『少し先を歩いている先輩=バディ』が伴走する、この制度です。
松原: あえてリーダーではなく少し先の先輩にしたのには理由があって、いちばんは、先輩自身にとっても学びになるからです。人に教えたり、自分の中にあるものをアウトプットしたりすることは、実は教える側の勉強になる。新人をサポートする経験が、そのまま先輩自身の成長につながるんです。実際、『バディをやりたい』と自分から言ってくれる人もいますし、この人にちょっと課題を与えたいな、という狙いで、こちらから指名することもありますね。
— バディの組み合わせは、どうやって決めているんですか?
宮:案件ごとに機械的に組むのではなく、研修を見ていて、その人の持ち味や、これから伸ばしていけそうなところを確認したうえで、『この先輩となら補い合えそうだな』と思う組み合わせにしていることが多いですね。『この案件だからこのバディ』という決め方はあえてしていません。
— 新入社員側、既存メンバー側、それぞれにあった課題も教えてください。
宮:バディ制度は、新入社員一人に対して先輩がバディとして一定期間サポートする制度です。新入社員が安心して業務を始められて、早く組織に馴染める環境をつくりたい、というのがひとつ。もうひとつは、サポートする側にとってもリーダーシップを積む良い機会になる、というところです。
宮:新入社員側の課題としては、同期がいないときの心細さや、気軽に相談できる相手がいないこと。案件に入ると、基本は自分一人で頑張ることになるので、実践的なスキルへの不安もあります。既存メンバー側の課題は、リーダーに教育・フォローが集中してしまうこと。逆に言えば、リーダー以外のメンバーがリーダーシップを経験する機会が少なかった、ということでもあります。
— プロジェクトリーダーとバディの役割は、どう違うんでしょう?
宮:リーダーは、いわゆる『What(何をするか)』を解決する役割です。クライアントの意図、データの定義、案件をどう進めていくか。一方でバディは、ゴールにたどり着くためのSQLの書き方とか、本当に細かい点の部分を支えます。リーダーと一緒に進める中で『実は分からない』と思っていても、時間的に言い出しづらいこともある。そういうとき、『分からないって言っていいんだよ』『ヘルプを出していいんだよ』と言える第三者。それがバディです。失敗やエラーを恐れずに挑戦できるマインドを支える、心理的安全性の担保みたいな役割ですね。
リーダーが全体の地図を描き、その道のりで生まれる小さなつまずきをバディと一緒に解消していく。安心して挑戦できる環境を整えています。
— 具体的には、どんなことをしているんですか?
宮:大きく3つあります。研修期間毎日書いている日報 、モクモク会、そして週次の30分ミーティングです。
宮:モクモク会は、バディである先輩も常駐で稼働しているので、なかなか時間を割けない。でも相談を受けられないと制度として意味がない。そこで、Google Meetを研修生とバディの先輩がカメラオフでつなぎっぱなしにして、二人とも自分の作業をするんです。研修生が分からないことがあったら、そのときすぐに質問する。ずっとつないでおいて、必要なときだけ声をかける、という形ですね。
松原:付き合いたてのカップルが、とりあえず通話つなぎっぱなしにしてるみたいな(笑)。試験勉強のときに、とりあえずLINEだけつないでおく、みたいな感覚に近いかもしれません。
宮:週次ミーティングは逆にオフライン推奨で、二人とも顔を出して話します。今の案件のことや、研修の相談を、その時間だけに集中して話してもらう。顔出しのお悩み相談コーナー、みたいなイメージですね。
— バディはどれくらいの期間続くんですか?
宮:大体3ヶ月ですね。研修で実案件に近い課題をやる段階でバディを組みます。その後、独り立ちし実際の案件に入り1ヶ月くらい経ったら、双方の合意で解消しています。もし技術的なフォローや相談がまだ必要なら延長もできますが、正直、今のところ延長した人はいないです。『もう一人でいろいろできます』となって解消するケースがほとんどです。その先も二人で話したければ、それはもう二人にお任せ、気軽に相談できる関係性も十分に構築できているという形になっています。
シャッフルランチ ── ただ仲良くなるだけじゃない
— バディが終わったあとも、シャッフルランチがありますよね。どういう狙いで始まったんですか?
松原:ランチは、私が入社した2022年からある大事な文化です。みんなで休憩がてら仲良くなろうぜ、という場ですね。ただ仲良くなるだけじゃなくて、その中で質問や悩み相談ができて、先輩が話を聞いてくれる。とにかく知り合いを増やす、という大事な場になっています。
松原:これは他の制度も含めて『正の連鎖』なんです。第一世代が『何でも聞いて』と言って育ったら、その人が第二世代の親になったとき、『新人は先輩が助けるものだよね』と自然になっていく。新人を心温かく受け入れて、みんなで育っていきましょう、という文化を大事にしたいんです。
気軽に話せる関係があれば、仕事の質問もしやすくなり、一人で抱え込みにくくなる。シャッフルランチは、その入り口になっています。
— 運用の仕方も、いかにもUTらしいと聞きました。
宮:今はGoogleカレンダーの招待に参加ボタンを押してもらうと、スクリプトが自動でグループ分けをして、ランチに参加するメンバー宛にSlack通知まで送ってくれます。
松原:この自動化は去年くらいから始めました。今はアナリスト、アナリティクスエンジニア、データエンジニア(開発メイン)の3チーム全体でやっています。グループ分けは完全ランダムです。参加者を人力で組むのではなく、スクリプトで自動的に。データを扱う会社ならではの運用にしています。(笑)
— お二人自身も参加していて、印象的だった会話はありますか?
宮:普段あまり話さないアナリストの方と話す機会になるので、その人の人間性が知れるのが面白いです。業務での絡みはあっても、仕事に関係のない話をすることで『この人ってこういう人だったんだ』と意外な一面も知れる。そこがいいところかなと。
松原:あと、これは意図していなかったんですが、『最近こんなことに取り組んでいるんだ』とか、メンバーの様子が自然と伝わってくるんです。ちょっとした変化にも気づきやすくなる。サポートする側としても、ありがたい場だなと感じています。
交流の場であると同時に、メンバーの様子や変化にそっと気づける場にもなっている。それがシャッフルランチのもう一つの顔です。
2つの仕組みが育てた、UTの文化
— バディ制度やシャッフルランチによって、『常駐で一人だけど、ちゃんとUTのDXAの一員なんだ』という感覚が定着してきた実感はありますか?
宮:ありますね。ここ1年で入ってきたメンバーを見ていても、孤立している人は見かけないです。必ず誰かと話している、関係ができている。僕らが研修を受けた頃は人数が少なかったこともありますが、今は確実に、横のつながりや、いろんな人に相談する機会が増えているのが見えます。
松原:元々あったうちの文化に、人数の限界が出てきたんですよね。最初は部活とかサークルみたいな感じで、同じフロアにみんなで集まってご飯を食べているような感覚だった。それが常駐でフロアが分かれて、どうする、となった。そこを制度で何とかしてきた、というのがこのあたりの話だと思います。
宮:全員、居心地は良さそうですね。
— 『常駐でも孤立させない』というDXAの文化を、あえて言葉にすると何になりますか?
松原:新しく入ってくるメンバーの多くが初心者からのスタートなんです。だからこそ、先生と生徒に分かれるんじゃなくて、スクラムを組んで一緒に学んでいく。みんなで強くなろう、という距離感の近さがあるんです。上下の垣根なく自然とお互いに助け合っていますね。同じスタートラインから始めたという共通の原体験が、支え合う文化の土台になっていると感じています。
これから、そして仲間になる人へ
— AEユニットとして、これからやっていきたいことはありますか?
宮:今ある良い循環を引き継いでいくのはもちろんですが、個人的には、福岡や兵庫、大阪といった遠方のメンバーとのつながりを強くしていきたいです。どうしても距離があると関係を築くのが難しい。簡単ではないですが、メンバーを相互に行き来させるような交流ができたらいいな、と考えています。
宮:こういうカルチャー面のことを、僕らが言わなくても、メンバー自身が主体的に考えて動いてくれるんです。僕らが見えていない課題を、彼らが拾って上げてくれる。すごく助かっているところですね。
— 最後に、入社を検討している人へメッセージをお願いします。
松原:一人ひとりが自立していて、程よい距離感で支え合っている会社です。みんな『こういうことをやってみたい』という思いを持っていて、その中身は人それぞれ。『それ、私のやりたいことと近いね。一緒にやってみようか』と新しい取り組みが生まれたり、自分の得意なことで誰かを助けたり。手厚くサポートする時期もありましたが、今はみんなが自分の足で立って、対等に協力し合っています。
松原:だから、誰かに背中を押されて動くよりも、自分の中に『これをやってみたい』という気持ちを持っている人のほうが、UTには合っているかもしれません。お互いに刺激し合いながら、一緒に高め合っていける。そんな関係を楽しめる人と働けたら嬉しいです。一人で客先に向かう日も、背中にはたくさんの仲間がいる。UTのアナリティクスエンジニアは、そんな環境で働いています。自分の中に「やってみたいこと」がある人なら、ここはきっと、いきいきと成長していける場所だと思います。