UDSでは、個性を活かし“自由に”働いているメンバーが多い。何がきっかけで自由を求め、どう自由を表現しているのか。
今回紹介するのは、ホテルマネジメント事業部 ONSEN RYOKAN 由縁 新宿(以下、由縁 新宿)の松本 光(まつもと ひかる)。現在はフロント業務に加え、イベント企画や広報担当を担っている。新卒から6年間、由縁 新宿で走り続けている理由を聞きました。
働く人たちと、空気感に魅了されて
──これまでの経歴を教えてください。
2019年の新卒でUDSに入社。由縁 新宿に配属され、現在6年目になります。学生時代の飲食店やアパレルなどのアルバイトの経験から、就職するなら接客業がいい、と就職活動の軸として決めていました。
──新卒からずっと由縁 新宿なんですね。UDSとの出会いを教えてください。
就活の際に、接客業をメインに探していることを知った友人が、「ホテルの運営をやっていて、松本さんに合いそうな会社がある」と紹介してくれました。
その時はおしゃれなホテルを運営している会社だなくらいの印象で説明会に参加したんですけど、説明会に行ったらもうどうしても入りたくなくなっちゃったんです。面接の前に内覧させてください、と自分からお願いして都内の拠点を巡ったりと、もうここにしか入らないってずっと思ってましたね。
──すごい熱量!説明会で心つかまれちゃいましたね。
そうなんです、とにかく説明会の雰囲気が良くて。印象に残っていることは、社員と社長との距離感ですかね。説明会の司会進行が、新卒2年目の方でとても緊張されていて。それを当時の社長がフォローしながら進めていたところが印象に残ってます。
あと、ホテル運営で活躍中の三人の先輩方の話を聞くことが出来たんですけど、ホテルで働くことのやりがいや、今後のビジョンをはっきりと語れる姿がすごくかっこよく、なによりみなさんがとても楽しそうだったんです。ホテルで働きたいというよりは、この会社で、この方たちと働きたい!と感じたことが一番のポイントだったと思います。
──入社後はどんなお仕事が待っていましたか?
チェックインチェックアウトなどのフロント業務はもちろん、一通りの業務を覚えたあとは、口コミの向上チームにいれてもらいました。接客がしたくて入社しているので、サービス向上について考える時間は楽しかったですね。
SNSの担当もやらせてもらって、由縁ブランドについて先輩に教えていただきつつ、由縁 新宿の良さを伝える為にと、自分なりに投稿内容を考えていました。そこから由縁 新宿の広報担当として対外的なメディア対応や、イベントの企画なども任せていただいています。
また、地域との繋がりがある先輩に付いて、一緒にまちのイベントや集まりに出させてもらったりと、関わりが増えていき、今は地域のチームでリーダーを務めさせてもらっています。
──まちとの関わりは、具体的にどういう関係なんですか?
由縁 新宿は目の前の通りが「医大通り」という商店会になっていて、こちらの商店会との繋がりがあります。お店の方と協力してイベントや相互送客の仕組みを作ってみたり、「番衆町町会」にも入っているので、毎年お正月の餅つき大会を当館で実施したりと、近隣のまちとの繋がりはとても大切にしています。
そして、このまちを楽しんでいただくための施策を地域のみなさんと一緒に考えています。具体的な事例だと、商店会のみなさんと近隣のお店を紹介し回遊してもらえるような観光マップを作って各店舗に設置しました。自分のおすすめのお店を紹介して、そこに行ってもらえるのも嬉しいですし、まちにもゲストにとっても、いい取り組みだったんじゃないかなと思っています。
──6年間でいろんな担当をされてきたんですね。入社前とのギャップはありましたか?
ホテルの仕事って、チェックイン・チェックアウトのイメージしか無かったんですけど、イベントの企画やSNS運用など、現場で企画をして実行することが多くて驚きました。何より、まちとの関わりがこんなにあるとは思ってなかったので嬉しい驚きがありましたね。色んな事にチャレンジできそうな環境でわくわくしましたし、ポジティブなギャップしか無かったです。
自動チェックインの導入で、ゲストと会話の時間が増えた
──接客について教えてください。大切にしていることはなんですか。
大切にしていることは、ゲストから何かリクエストがあった時に、初めから絶対にノーとは言わないことです。難しいリクエストも正直たくさんあるんですけど、できる方法をまずは探しますね。入社当時の支配人に教わったポリシーで、そこはずっと大切にしたいなと思っています。
例えば、朝食は毎日枠が決まっていて、今日は満席だとわかっていても、もしリクエストがあれば、最初から「今日はいっぱいです」と断ることはせず、追加できるタイミングがあるかどうかをレストランの方と相談をします。もし無理だったとしても、ゲストが連泊の方なら翌日以降の空きも確認して「この日ならOK」と提案したり、ランチのご案内をしたりと、要望に対してベストな方法を探すようにしています。
──何とかしようとしてくれるのってうれしいですよね。コミュニケーションで意識していることもありますか?
今年に入って自動チェックインが導入されて、チェックインもアウトもお客様だけで完結する流れになっているんですけど、お手伝いはもちろん、何か一言こちらから声がかけられるよう工夫はしています。
チェックイン機の横に飴を置いてるんですけど、季節によって味を変えて、「今の季節にあわせて、●●味の飴を用意しています」とか、一言かけれるようなきっかけをサービスチームで工夫をして取り組んでいます。
──ホテルでのちょっとした会話って、印象に残ったりしますよね
そうなんです。例えば「浅草」って書いてあるTシャツを着てる方がいれば、それについて話題に触れるとか。チェックインだけで終わらないように少しでも話そうとは意識しています。
自動化で浮いた時間の分、行きたいお店のリクエストをもらって調べるとか、コミュニケーションの時間は増えたと思います。単に宿泊するだけじゃなくて、ホテルのスタッフと話した事も思い出として持ち帰ってほしいなとは常々思っていますし、メンバー同士でもそういう意識でいようと目線をあわせて取り組んでいます。
──印象に残っているゲストとのエピソードが聞きたいです!
開業1年目くらいの時に、由縁 新宿を気に入って何度も来てくださるゲストがいました。そのゲストが入院してしばらく来れなくなるということを知り、入院前最後の宿泊の際に、スタッフ全員のメッセージを集めたカードと、お守りを客室にサプライズで置かせていただきました。それから数年後、元気になってまた泊まりに来てくださった時には、とても嬉しかったですね。
──素敵なエピソードですね……
あとオーストラリアから来られた方で、大きな暖簾を買ってこられ、「マイホーム」という意味の日本語を書いてくれと言われたことがあります。笑
他のスタッフにも相談して、大きな文字で「我が家」と書きました。かなり大きな暖簾だったので仕上げるのは大変だったんですけど、とても喜んでもらえたみたいで、後日お礼のポストカードが届きました。
──イレギュラーすぎる対応に驚きです。
どちらの思い出も個別のゲストのための特別な待遇ですし、通常のフロント業務もやりながらなので、本当だったらお断りする内容だと思うんですけど、何かできないか、なんとか叶えられないかな、と思い支配人にダメもとで相談しました。そんなことをやらせてもらえる環境にも本当に感謝しています。
ゲストに楽しんでもらえるためのアイデア
──由縁 新宿で、現状課題だと感じていることはありますか。
由縁 新宿は温泉露天風呂付きの大浴場が売りではあるのですが、ゲストの数に対し大浴場が狭く混雑してしまうという課題は、開業当初からあります。館の中で滞在を分散させるような工夫はみんなで考えてやっていますね。
── 実際にどんなことをやりましたか。
現在、レストランの「夏下冬上」を、夕方〜夜の時間帯のみラウンジとして利用できるよう解放し、大浴場以外でも館を楽しんでもらう環境を作っています。
新宿という立地上、外食を楽しむ方が多いのですが、ラウンジを解放している期間は立ち寄っていただける方が多くて賑わっています。夏には3日間だけ、ラウンジで縁日のイベントの企画をさせていただきました。こちらも大盛況でしたね。海外のゲストの方も多いので、かき氷など日本の夏を感じていただけたと思います。
──ホテルでの滞在も楽しんでもらえるのは嬉しいですよね。
そうですね、自分がやりたい!とアイデアを出したイベントの、お客様の反応を直接見れるのが、イベント企画の一番の醍醐味というか。滞在中の楽しい思い出の一つになれればいいなと思っています。
自分の好きな「UDS」を語れる仕事
──広報担当もやられているとか
SNSの投稿とかの管理や確認や、取材が来た時の対応を任せていただいています。サービスとはまた異なる面白さがあり、自分の「好き」を外に向けて語れるのは楽しいことだなって思いますね。
あと広報担当なので、自拠点だけでなく他の拠点のことも語れるように意識しています。例えば同じ由縁シリーズのことはもちろん、HAMACHO HOTELなど、他の拠点で開催されるイベントなどもなるべく足を運ぶようにしています。1階にあるnel CRAFT CHOCOLATE TOKYOの新作チョコレートが出たら買いに行くとか笑。昨年は、首都圏に複数あるUDS拠点を社員に紹介する拠点ツアーのファシリテーターも自ら手を上げて、社内の人にも拠点のこだわりや良さを伝える活動を行いました。
──UDSにおける、ネクストステップはなにかイメージしていますか。
由縁 新宿はもちろん大好きですけど、UDSという会社が好きで入社しているので、どこの拠点でも活躍できるような人になりたいです。あと新規開業は一度経験してみたいです。フロント業務と、企画や広報の両立は大変な時もあるけど、自分の企画で喜んでもらえているゲストの姿を見たいから、現場を離れるイメージはしていないですね。
──松本さんにとって、UDSはどんな会社ですか。
自分らしさを活かせる会社でしょうか。自分のやりたいことや、ゲストにこんな風に喜んでもらいたい、という想いを形にできる環境だと思います。「やりたい」を言葉にすることも大事で意識しているところなので、後輩メンバーやこれから入社される方にも、どんどん挑戦してほしいですね。