社会人として10年、経営者として5年経った今、僕は原点回帰で会社に「ある施策」を取り入れた。
名刺獲得強化月間である。
とにかく、今まで知らなかった方の名刺をどれだけ獲得できるかをKPIにする、シンプルな施策。
ともすると「時代遅れだ」「意味がない」などと言われがちなこの取り組みだが、結局、TSUIDEでも取り入れてみることになった。
TSUIDEが名刺獲得強化月間を導入した理由
それは、ルールがシンプルだからだ。
そもそも僕は、ほとんどの人間はAも考えて、Bも考えて、Cも考えて…というような複雑なことはできないと考えている。
そこを、電話の数○件、商談数○件、メールの数○件など細かく設定して、契約率を計算して…などと複雑なことをしていては、何を追えばいいのかが分からなくなっていくし、「アクション数」などと設定しても「アクションの定義は?」「紹介してもらうために知人に久々!と送るのはアクション対象なのか?」など、人によって解釈がブレる。
これらを割り切って、シンプルに「名刺の数」に目標を設定すれば、いただくためにアクションもするし、商談もするし、対面で会うことにもなる。
何より、人によって解釈がブレることがないので、指示が明確になる。これは本当に大切なことだ。
ちなみに、名刺をいただく人の肩書も「決済者」などではブレる。「執行役員以上」「部長以上」などですら僕はブレると思う。とにかく人によって解釈に1mmのブレも出ないことを重要視しなければならない。
目標数の決め方
さて、「名刺獲得」をすることが決まったので目標数を決めることになったのだが、ここで事件が起こった。
一回、自分達で考えてもらおうと思い、営業のマネージャー陣3名に「名刺獲得強化月間を導入してみよう。早速、1日の目標数を決めてほしい」と連絡。
すると、彼らが翌日持ってきたプランは「3人合わせて、3枚/日」。現状の商談から成約率などのデータと、今期の売上目標を照らし合わせ、今の営業人数も考慮した結果の最適な枚数だという話だったが、これが僕の逆鱗に触れた。
「頭のいい決め方はやめろ」
僕が言った最初の言葉はこれだ。
彼らが持ってきたプランは、いかにもいい大学を出た、優秀なメンバーが持ってきそうなプランだった。
だが、組織は、そんなことでは突き抜けることはできない。
基準としなければならないのは、文字通り死ぬ気でやったら、どこまでできるか?だ。
こめかみにピストルを突きつけられて「名刺を集めてこい」と言われても、1日3枚しか集められないのか?と僕は問いたい。
おそらく本当に「名刺を集められなかったら死ぬかもしれない」という気持ちでやれば、どんな人間でも3人もいれば、1日15枚は余裕で集められるはずだ。
その3分の2でも1日10枚は集められる。だから、TSUIDEの名刺目標は1日10枚。これが僕の目標の決め方だ。
目標とは、常に全力で取り組んだという前提で、決めるべきだ。
100m走で、ウサイン・ボルトがだらだら走って練習しているだろうか?
確実に「NO」である。
決めたら死んでもやり切れ
さて、目標は、決めたあとも大切だ。
まず、名刺獲得月間を導入してからというもの、TSUIDEでは毎朝、前日に自分がいただいた名刺の数を発表するのだが、ある日、メンバーの1人が、予定していたアポがなくなったということで7枚/日しか集められなかったという。
ここまでは最悪、良しとする。(これでも良しではないが)
が、翌日彼らが朝会で会話していた目標数は10枚。これも僕も逆鱗に触れた。
なんで、昨日7枚だったのに今日10枚なのか?僕が彼らだったら「どうやったら翌日13枚を獲得できるか」しか考えないのだが、彼らは、なぜ、昨日の分を取り返そうと思わないのか?
そもそも、アポがキャンセルだった時に、他のメンバーに頭を下げて頑張ってもらうように頼んだのか?逆に、他のメンバーは助けてあげようとしたのか?他の仲間がダメだったときに助けてあげる文化や、自分がダメだったときに助けてほしいと言える文化って、普通ではないのか?
疑問がたくさん湧いてきたのだが、実は、多くの人間にとってこれは当たり前ではないのかもしれない。
だから、光通信、オープンハウス、セールスフォース、ユニクロ、楽天のような当たり前の基準が高い会社が真っ当に業績を伸ばしていく。(敬称略)
僕もこれからは、このnoteでやっているように、当たり前を言語化して、常に発信していく予定だ。
経営者の仕事は、採用とモグラ叩きだ
ちなみに、この「名刺獲得強化月間」の効果は売上に顕著に現れている。
やはり、新しい人に出会うと何かが生まれるし、本気で動いていれば、何かが変わるものなのだ。
この一連の動きを通して、改めて思ったことがある。
それは、経営者の仕事は、採用とモグラ叩きに尽きるということだ。
強いやつ(=僕が譲れない部分を大事にしている+僕よりも強くそれを徹底することができるやつ)を採用して、その人達に仕事/マネジメントを任せながら、ダメなときに叩く。それを続けていけば、どんどん穴が塞がっていく。
逆に、それができないうちからメンバーが優秀でないなどと嘆いているうちは、経営者としてまだまだなのだと思う。
僕が、モグラ叩きをする必要がない「強いやつ」の採用に何より注力したいと思う一方、それを成し遂げた際には、自分なしで伸びる組織を見て、少し寂しく思うんだろうな…とか思う今日この頃だ。
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