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「ANAグランドスタッフ」×「ISSEY MIYAKE販売員」経験者が語る「モノ」以上の付加価値の付け方とは?

土屋鞄の販売スタッフとして活躍する渋谷店の久礼(右)と日本橋店の小島(左)。前職ではANAのグランドスタッフとラグジュアリーブランドの販売員を経験した後、土屋鞄に転職した2人は前職でどんなキャリアを重ね、土屋鞄で生かしていったのか、インタビューしました。

ー前職のキャリアと土屋鞄に転職したきっかけ、理由を教えてください。


(@pakutaso.com)

久礼:前職はANAのグランドスタッフとして約1年間勤務しておりました。ホスピタリティはもちろんのこと、背景は安全、安心がベースとしてあり、1分1秒を争う仕事でした。非常にやりがいを感じていたのですが、それ故にお客さま1人ひとりに向き合うことが難しく、お客さまと何かをつくりあげたい、記憶に残るようなことをしたい、という思いがあったので転職を決意しました。

土屋鞄はものづくりを大切にしていると同時に、人も大切にしている印象が当時からあったんです。その時の私はまだキャリアが浅かったので、転職エージェントを頼るよりは自分の力で見つけていくしかないと思い、入社前に首都圏に限り、ありとあらゆる土屋鞄の店舗を巡店していったんです(笑)

実際に店頭に立つスタッフに話を聞いてみたり、自分の転職のことも話したりしました。その時、すごく親身になって話を聞いてくださる方が多く、ここのスタッフとなら気持ちよく働けるなと、と確信に変わったので、入社を決めました。


小島:僕はアパレルブランドのISSEY MIYAKEに約9年間従事していました。当時インバウンドの影響で好調だったのもあり、海外のお客さまのファンも多くいらっしゃいましたね。世界に誇るブランドだったので、お客さまの期待に応え、カッコ良くいなければという緊張感のある現場で、長く勤められたことは僕にとって財産です。

コロナ禍で自分のキャリアをどうしようかと考えた時に、高単価商材を販売するスキルをつけたかったのもあり、外資系のラグジュアリーブランドに転職しました。富裕層向けのブランドだったので、売上の規模がとてつもなかったですし、勉強になることも多かったのですが、数字を負うことに疲弊してしまい、転職を決意しました。

出会いは、ファッションの専門学校時代の旧友に紹介してもらった転職エージェントから土屋鞄を紹介してもらったのがきっかけです。偶然にもそのエージェントが、過去にもISSEY MIYAKEの時の僕の上司を、土屋鞄へ紹介していたり、友人の奥さんが働いてたりと、強くご縁を感じました。あとは直感的にISSEY MIYAKEとマインドが似てるんじゃないかと思ったのが入社のきっかけです。

名刺は保証書ー経験したからこそのホスピタリティ



ー前職と土屋鞄の異なる点、また前職の経験が土屋鞄で役立ったエピソードはありますか?

小島:前職はラグジュアリーブランドだったので、富裕層が多く、「嗜好品としての接客」というのが僕の中ではずっとありました。服や小物もワンシーズン毎に変わるサイクルだったので、リピートに繋がりやすかったのですが、土屋鞄の鞄は丈夫で1個あれば壊れないですし、リピートしていただくことが非常に難しいとは感じています。
そんな中、土屋鞄のミッション・ビジョン・バリュー+スピリット(以下、MVV+S)が去年策定され、始めは「なんでこんな多いの!?」と思ってたんですが、その中でも自分に合致するものがあるんですよね。



(2021年4月に策定された土屋鞄製造所のMVV+S)

特に自分にリンクするのは「ギブそしてギブ」。お客さまに買っていただけるからこそ僕たちは存在していて。製品のことを届けるだけではなく職人の思いやお客さまの生活を、どれだけ豊かになるのかを想像してそれを伝えることが僕たちの使命だと思っています。でなければ自動販売機でもいい。お客さまが鞄を持つと、どう有意義な生活になるのか、一緒にイメージを膨らませられるような接客を心がけています。

個人的に取り組んでいることは、前職のクセもあって自分の担当したお客さまには必ず名刺をお渡ししています。名刺は保証書のようなものですし、お客さまとの出会いは一期一会。自分ないし日本橋店を覚えていただきたい、繋がりを切らないようにしていきたい思いから(名刺を)お渡ししているんですよね。


久礼:入社当時はお客さまの納得する製品を探し出すのにいっぱいいっぱいで、正直前職との繋がりを持つところまでには至らなかったです。
最初はそれに苦労したのですが、堅苦しく自分を狭めるのではなく、前職でも大切にしていた「お客さまと会話を楽しむ」というところに着目して、一緒に掘り出していくというところにフォーカスし製品の知識が増えていった時にようやく今の形になっていきました。慣れてきた頃に前職で頑張ってきた「ホスピタリティ」の部分をスタッフに落とし込むことで、前職で学んできたことと今できることを段々と繋げることができたかな、と思います。

日々の経験の積み重ねをカタチに

ー例えばどんな風にホスピタリティの部分をスタッフに落とし込んでいったんですか?

久礼:ANAの時に良い仕事をしたら互いにカードを送り合う文化が根付いていました。そこからヒントを得て、私が所属する渋谷店に「ありがとう」の気持ちをカードで送り合う「ThanksCard」を普及、浸透させました。褒める文化はあるようで少し曖昧だった部分を可視化し、それぞれのいいところを認めあうことで団結力、士気が上がったなと思います。そのおかげもあって、社内で行っている表彰制度「ベストプラクティスアワード」で全店舗中、見事グランプリを受賞することができました。
他店舗でも(ThanksCardを)実施している声を聞くと、ただやるだけでなく、皆がしっかりやる意味を噛み砕いて、付加価値をつけられているのを見て、実施して本当によかったなと実感します。


(渋谷店から始まった感謝を伝え合う「ThanksCard」制度)

小島:日本橋店では店舗の構造上、お客さまへの製品のご案内とメンテナンスの接客が分断されてしまうのが課題としてありました。そこで、「メンテナンスのチーム接客」を発足し、複数がワンチームで接客できるようなシステムをつくりました。例えば、1人が接客をしている間にもう1人が隣でお客さまの製品をメンテナンスするといった意識的に取り組んでいた結果、購入率が目標値を上回る結果となり、上々なのではないでしょうか。

ー今後チャレンジしていきたい領域はありますか?

小島:前職からずっと販売をしてきたのもあり、単純に売ることに自信があります。ただ僕はアウトプットがとてつもなく下手なので(笑)自分の中でイメージは持てても人にノウハウを教えることを養っていかないといけないですね。販売員の経験を生かしてセールストレーナーのような、販売員育成のシステムを構築していっても面白いんじゃないかと思います。

土屋鞄はチャレンジすることに制限がなく、WEB社内報もコミュニケーションツールも発達していて、すごく風通しがいい。入社した当初はいい意味でカルチャーショックでしたね。

久礼:私はファッションと連携したご案内をスタッフへの落とし込み、という施策を目下の目標としています。渋谷店に訪れる年齢層は他の店舗よりも低く、渋谷店独特のカルチャーがあります。スタッフが忙しい中でも気軽にインプットできるような資料をつくりました。お客さまに信頼される販売スタッフになるためにも、勤務年数に頼らない知識のムラ解消に重きをおいて取り組んでおります。

土屋鞄は、自分でチャレンジしたいことは割と形になりやすいですし、チャレンジに制限がないからこそ「土屋鞄の働いている私」というのが言語化しやすく客観視しやすいところがすごくいいな、と思いますね。


[Text&Photo by Ogihara Saya]

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