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コロナ期のSES市場はこういう感じでした。(これ書いた時期は2020年7月中旬)

ネタと言うよりも、自分が忘れない様に書いておこう的なやつ。
起きたことと、それがIT業界にどう跳ねたとかかな。

1.まず、時系列

・1月

6日  武漢で肺炎発生
14日  WHOが新型コロナウイルスを確認
30日  WHOが国際的な緊急事態を宣言


・2月

3日  例のクルーズ船が横浜に。
23日  イタリアで多数の感染者が。
27日  小中学校が臨時休校になる?

この辺までは、世間でもヤベーなと言う感覚が濃くなりつつ。とはいえ、世界ではまだ『アジア人こっちくんな!』的な感じで、日本国内も封じ込めに成功できるのかどうか!? みたいな段階だったのだが。
月末付近では、トイレットペーパーの買い占めなど、ちょっと恥ずかしい事態も発生する。

IT業界的には、3月末の契約終了の時期が近い為、営業さんとエンジニアのリーダー格が必死こいて動いているときである。オリンピック終了後の不況が予想されていたため、ここでそこそこの規模感に育つプロジェクトに3末のリーダー格をスライドさせていく動きが重視されていた時期となる。


・3月

9日  イタリアにてロックダウン措置
11日  WHOは新型コロナウイルスのパンデミックを宣言
13日  アメリカ大統領が国家非常事態宣言
22日  NY州内外出禁止令
24日  オリンピックの延期が決定
28日  NY・NJ・CT州から州外への移動禁止令
29日  志村けん 死去

見ての通り、国外でも急速で新型コロナウイルス感染が拡大。国内ではいまいち現実感・危機感のない状態が続いていたが、志村けん死去のあたりから本格的に国民総対コロナモードに移行。
なお、買い占めによりマスクが無い・・・。

ITの営業的には、1年の勝ち負けが決まり得る時期にこんなことになってた訳で、結構シャレになっていない。3月の後半には、案件決定までのスピードが鈍ったり、決まりづらいなどの現象が発生していた。
3月末付近は発注側の手続きや異動なども絡み、どのくらいがコロナの影響であったのかは、微妙なところ。



・4月

1日  政府がマスク配る宣言
7日  7都道府県に緊急事態宣言
    臨時閣議にて、108兆円規模の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定。
16日  緊急事態宣言が全国に拡大
18日  国内の感染者が1万人越え

経済へのダメージを覚悟して、日本中が引きこもりモードに入りつつ、同時に圧倒的巨額の予算を見せて、ダメージを抑えつつ、経済に反発回復する余力を持たせる作戦。ついでにマスク配って転売屋を潰す。と言う感じ。緊急事態宣言後も徐々に感染者は増えていくのだが、後半には成果も見えてきて・・・。みたいな状態。

ITでは、リモートワーク可能なプロジェクトが一斉にリモート開発に。実際に、開発現場のビル内でコロナ感染者が発生したりもして、バシンと開発ストップになったり。開発ストップ中の期間、外注をキープしている訳なのだけど、その金は誰が持つのかとか、いろいろモメたタイミング。

SES営業視点では、前半戦で勝負を決める必要があった月。
現場からすれば調達をしても、開発が止まってただのコストになる可能性があり、また、リモートOKだとしても、リモート開発させる為の環境が無ければ稼働はできず。それを用意するのは発注者側(持ち込みじゃ危険すぎる)であったりして、調達の足が止まっていったものと思われる。決まったと思わせておいて、『やっぱ無し』とか、数週間も保留されるなどの事態が多発。

受託開発界隈は、仕事があったようなのだけど、超小型のPHP案件などばかりで、実際にどの程度受注確率があったのかは不明。ゼロではなかったが、外部のPHPエンジニアには仕事は流れてこなかった。

なお、対新規顧客のアポイントはほとんど入らず。打合せもWebミーティングに移行していく事になる。




・5月

4日  緊急事態宣言が5/31まで延長される。
25日  緊急事態宣言解除

GWで増えるかなーと思っていたけれど、さほど爆発的には増えず。かなり感染者数が減っていく。これ以上引っ張ってもリアル店舗勢が全滅するという事もあり、月末付近で緊急事態宣言が解除となる。

4月にくらべ、市況感はやや悪化しつつも、Javaなどの案件数・技術者数が多いものから相場感ができてきて、混乱の度合いは減ってきた。しかし、まだ応募者多数の状態は続く。1名募集に30名応募などは甘いレベルで、ロースキルOKの話などは数百名の応募総数となる。
その中でも逆張りで未経験採用を敢行するSES会社も登場。一発逆転の急速成長にbetする。

SES営業は、待機中の人員を絶対にこの5月の中で決める必要があった。みな、本当にヤバいのは、『契約の1クール終了時期・6末』であるとわかっていたからだ。


・6月

緊急事態宣言の解除はあったものの、すでに多くのエンドでの上期の予算は変更されてしまっているらしく、人数を減らした状態で開発が進んでいく。一部、リモートワークや開発ストップの影響で炎上した案件の火消し的な仕事も出てきてはいたが、それが世の中を充足させる事は無かった。
発注者側は、抱えている人材を選別し、商流やスキル・人格に問題を抱えている人員を積極的に契約終了していくモードに。そんな6末終了組が市場に参入。熾烈な競争が行われることになる。


・7月(これ書いてるのは7/22)

やはり大規模な増員と言う物は少なく、多くが待機のまま7月を迎える事となった。
6月時点では相場もできていて、優秀層は終了を回避。またはあっさりと次案件に参画していく。高齢で平場勝負となれば厳しい面もあるが、そうはいってもなんだかんだ決まる。
また、ようやく広告系に仕事が戻り、PHPのエンジニアが決まりだす。
市場に残っている人材には、若干の売れ残り感が漂い出してはきた。だいたい下記の様な条件。

・経験が浅い
・年齢に見合ったスキルを持っていない。
・技術特性的に、保守フェーズが少ない。
・個人事業主である
・金額が高い。




2.世間でおきたこと

4月段階で、普通のPGの案件に100名くらいの応募者が殺到するとかクレイジーすぎる。とにかく、増員枠を抑えない事には仕事が決まらなかった。会社と会社の関係性で勝負が決まった面も大きかったのではなかろうか。

その流れの中で、一番ワリを食ったのは個人事業主だったと思う。市場を流れている経歴書のレベルが高いのはだいたい個人事業主で、発注サイド・営業サイドの優先順位を露骨に感じられた。ちょっと面倒そうな性格の人も多かったのかもしれない。また、彼らの多くは単価が高すぎた。無理をしない人や、営業的な情報を得られていない人もいただろうが、一番は【単価が乗っかりすぎ】だったのだろう。エージェントは広告費も高くつくビジネスだしな・・・。それでは、その金額に見合う実績の人でなくてはリリースされる危険も高まると言う物だ。

現場内では他社の人材を排除し、自社のメンバーを残すという戦いが発生する。そののちに、他社の人材を排除して空いた穴に、自社経由の人材をアサインするという荒業まで登場し始める。
こういう戦いが、PG層・個人事業主層にとって、さらに不利に働いた可能性はある。


言語・職種ごとでの有利不利を久しぶりに見た。
一旦、広告が止まったので、PHPは苦しかっただろう。実際、かなりレベル高い層でも調達できた。今はもう広告の仕事が出てきているので、一息付けたはず。 なお、職歴偽装も特に多かった言語である。(見分けつきやすかっただけかも)

人員の母数の多いJavaはいよいよ詰むかと思われたが、そこそこの規模で予算組まれている既存プロジェクトや、そもそも稼働中のシステムが多い事が功を奏し、経験者層であれば何とかなった模様。(それでも決定しないロースキル層の数は一番多いんじゃないかな)

スマホアプリ勢もだいぶマシで、SwiftやKotlinの経験者は総経験3年(内、対象の言語が1年とか)あれば、だいたい決まった印象。その下の層は思ったよりも待機していた。

Ruby・Pythonについては、正直あまり影響は感じられなかった。もともとレガシーRailsの保守を想定したフルスタックエンジニアの募集が多い領域なので難易度も高く、追っかける気にはならなかったのと、Pythonに至っては人材も案件もあまり多くは無いので、観測範囲に入らなかった。(機械学習やりたい的な若き個人事業主の待機はたくさん見たけど、アレは例外としたい。)

意外だったのはC#勢の苦戦。そこそこのレベルの人材でも苦戦していた様子。VB.Netも同様だが、こちらは以前から細っていたので納得はできる。

インフラはさほど苦戦はしていないのではないかと推測されるが、案件のハードルは明らかに上がっている。実際どのようなものだったのかは、界隈の人にいずれ聞いてみたい。

新規の予算に依存するコンサルファーム界隈は大変だったみたいだ。こちらもファーム周辺への営業活動をいったん断念するレベルで仕事が無い。その余波もあってか、外部のコンサルやPMOも仕事が無い状態になる。こちらはエンジニアに比べ、だいぶ深刻である。(ただし、ベンダー側の仕事はあるので、PM寄りの経歴の人は仕事が決まる。)

分析ベンダーも同様に大変だった模様。そもそも新型コロナ禍により影響を受けた市場、過去のデータから何を予測するのだという話であるし。使うアテの無いデータを蓄積する作業も『今必要か?』と言われると難しいところであるし。それなりに淘汰が進む展開になるカモシレナイ。


3.うちにおきたこと

・PGたちは大規模な待機を免れた。
2020は不況と言う読みだったので、2019は未経験層の採用数を絞ったというのもありましたし、もともとリーマンショックの時も、Javaは不況に強かったというのがあったので、そういう効果も期待してメインの技術に据えたという部分もありましたが。
とはいえ、30人に1名とかの競争率で契約取ってくるエンジニアも、なるべく競合が発生しない様に立ち回る営業も、半端なく気合入っていました。経営側はだいぶ助けられましたね・・・。

・機会損失はかなりデカい。
別にノーダメでは無いです。むしろかなり痛いです。
昨年から動いて、【自分達主体で開発体制を組める+競合ゼロ】と言う話を手にしたのに、そのプロダクトは開発ストップ・・・。他にも、予算を絞られて拡大できない部隊であったり、そもそもスキルアップの営業をするだけで同時に売上もアップするような段階の人員がいるのに、上期は動けませんでした・・・。 これ、2020-2021の機会損失の総額、行ってるかもしんない....。
無いものはもう無いので、また次の話を狙い続けていくしかないけれど。惜しい・・・。

・PMOはふつうに待機出た。
こりゃー上期のウチは仕事出てこないかもしんない。そういう訳で、1名は自社向け会計PKGの導入にアサイン。他のメンバーは、仕事終わると見せかけて、なんか契約期間が伸びていった。強引な増員枠の確保なども発生、やはり肉食性が高い人たちであるなと再認識。

・新規案件が無いのはとても困る。
ウチの仕事の主領域って、だいたい新規の開発予算が集まるビジネス領域だったりしまして。
近年ですと、この辺(RPA→キャッシュレス化→5G)に近い領域の新規開発案件・業務・サービス双方の中間。とかをやってた訳であります。まあ、アジャイルとか狙って動くと、そういうのが増えるんやな。
技術要素もそういう風な領域に寄っていく訳でありますが。今回のコロナ市場では新規の開発案件が無いという事態にぶつかりまして、はっきり言って苦手な領域の仕事も取らざるを得ませんでした。

・リモートワーク多すぎ
これは間接的な影響があったな。体調不良者が少数名発生。これは真面目に心配した。ヤバいと思った。(原因がリモートワークにあるとして、リモートワークを止める訳にもいかない)逆に、健康になった人間も発生。社内ではにわかに長髪勢・ヒゲ勢が発生します。
ビジネスの面では、新規で参画した案件、特に立ち上げ期の難易度が急上昇。プロジェクト内での立ち回りが難しくなった。

・社員同士が会う機会が激減
これもまた、組織で戦うと言っている会社にとっては辛い要素。さすがにこの時期にみんなで集まってクラスターでも起こしたら、TVにアホ面を晒すハメになっていただろうな・・・。

まあ、あまりいい影響は出ていませんね。状況は常に利用するものとは考えていますが。

下期の状況はまだ不透明ではありますが、ひたすらリスクを回避して停止しているだけでは他の競争相手に追い抜かれる結果を生むだけなので、リスクをある程度コントロールできるならば、リスクを取った判断を随時差し込んでいきたいと思います。

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