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今回、インタビューに応じてくださったのは、開発の最前線に携わっているお二人、PdM(プロダクトマネージャー)の村上さん、エンジニアの岡本さんです。
経理AIエージェント開発とは何か、PdMの仕事、TOKIUMでのエンジニアの仕事とは何か、TOKIUMならではの仕事に対するやりがいや面白さなど、お二人の想いに迫りました!
ぜひ最後までご覧ください!
【プロフィール】
村上雅一(むらかみ まさかず)
2017年にフューチャー株式会社に入社し、ウォーターフォール開発(要件定義、設計から開発、リリース後の運用まで)を幅広く経験。多種多様な業界のクライアント経験を持つ。
TOKIUMには電子帳簿保存プロダクトのプロダクトマネージャーとして入社し、現在は、経理AIエージェントのひとつであるTOKIUM AI請求照合のプロダクトマネージャーを務める。
岡本匡弘(おかもと まさひろ)
大学時代から複数社でエンジニアインターンを経験し、新卒で株式会社エニグモに入社。約3年半にわたり、アパレルECの出品者向け機能の開発を担当。
TOKIUM入社後は、TOKIUMインボイスのUI刷新、TOKIUM電子帳簿保存のパフォーマンス改善・機能開発を経て、現在は「TOKIUM AI請求照合」と「AIエージェントの共通機能の開発」に携わる。
目次
「経理AIエージェント」開発の面白さと難しさ
TOKIUMだからこそ得られる成長とやりがい
未来の仲間へのメッセージ
現在のお2人の業務を教えてください。
村上:現在はTOKIUM電子帳簿保存、AIエージェントのAI請求照合のプロダクトマネージャーを務め、顧客からの要望を吸い上げ、要件定義を行い、開発チームと連携して、機能に落とし込む役割を担っています。
岡本:エンジニアとして、AI請求照合とAIエージェントの共通機能開発に携わっており、チームでの技術選定、設計、開発、DevOpsなどを主導しています。加えて、新卒メンバーのメンターを担当しており、技術的な指導だけでなく、社会人としての成長もサポートしています。
TOKIUM AI請求照合とは、どのようなサービスですか?
村上:TOKIUM AI請求照合は、発注書と請求書のデータを、CSVでアップロードし、金額や日付、取引先名など様々な条件で、データを突合する機能です。金額が一致しない場合は「金額が間違っている」と表示したり、該当する発注書が見つからない場合は「見つかりませんでした」と表示したりすることで、手作業で行っていた照合を一目で確認できるようにしました。
「経理AIエージェント」開発の面白さと難しさ
ーTOKIUMがTOKIUM AI請求照合の開発を始めた理由は何ですか?
村上:そうですね。TOKIUM AI請求照合の開発を始めた理由は、経理部の担当者が、請求書の承認前に、発注書と請求書の内容を突合する作業に多くの時間を費やしているという課題がありました。特に月末月初は多忙です。この手作業を自動化し、時間を創出することを目的に「TOKIUM AI請求照合」の開発を始めました。
ーなるほど。目的は明確ですが、
これまでのSaaS開発と比べて、AIエージェント開発の最も難易度の高い技術的な壁はどのようなところにありましたか?
岡本:最も難しかったのは「正解がない」ことです。これまでのSaaS開発には、ある程度のベストプラクティスが存在し、Google検索や専門書で、ある程度の答えにたどり着くことができました。
しかし、AIエージェントにはまだ確立された方法論がありません(2025年9月現在の見解)。ユーザーがどういった行動をするか、どのようなプロンプトを入力するかなど、未知の要素が多く、試行錯誤の連続です。
Googleで検索しても、AIに聞いても答えが見つからないため、チーム単独で考えるのではなく、チーム横断で議論を重ねながら進めています。
村上:僕は、ユーザーとのコミュニケーションに難しさを感じました。「AIはなんでもできるんでしょ?」という期待に応えるのが難しい場合もあります。特に、経理領域はミスが許されないため、精度が求められます。
そこで、AIが苦手とする正確なルール付けが必要な照合機能は、あえてSaaS的なアプローチで構築しました。一方で、AIが得意とする「部分的な一致」や「あいまいな検索」が必要な機能は、AIを活用するなど、それぞれの特性に合わせて最適な技術選択を使い分けています。
ーAIエージェント開発は、未知の領域だからこその難しさがあるんですね。一方で、開発中に「これは!」と思った技術的ブレイクスルーや、忘れられない失敗談があれば教えてください。その経験から、何を学びましたか?
村上:そうですね。ブレイクスルーとしては、コーディングエージェントの活用が挙げられます。
これがあったからこそ、今の開発スピードが実現できていると感じています。しかし、その一方で、コーディングエージェントに頼りすぎた結果、仕様の詰めが甘くなり、後から修正が大変になるという失敗も経験しました。AIに任せる部分と、人間がしっかりと仕様を詰める部分のバランスが重要だと学びました。
岡本:開発チームで言うと、当初、スプレッドシートで実現していたキー設定の仕組みをリレーショナルデータベース*で、どう表現するか、難しく考えすぎて何度も設計をやり直しました。
最終的には、ホワイトボードを使ってチームで、ユースケースやテーブル設計案を議論し、認識を揃えることで、シンプルかつ精度の高いものを作り上げることができました。特に「正解がない」AI開発においては、チームで共通認識を揃え、議論をする、密なコミュニケーションがブレイクスルーに繋がったと実感しています。
*データを行と列で構成される「テーブル(表)」の形式で管理し、複数のテーブル間を関連付けて扱うデータベースのこと。
TOKIUMだからこそ得られる成長とやりがい
ーAIエージェントの開発では、どのようなやりがいを感じられますか?
岡本:従来の開発体制にはなかったような、業務範囲の広がりにやりがいを感じています。
今回の開発で、私たちのチームでは、アプリケーション開発だけでなく、インフラ構築も担当しました。これまでのSaaS開発では、分業が普通でしたが、AIエージェントは今後のスケールを考えると、自分たちでインフラも構築した方がいいという判断になりました。
私自身、インフラ構築の経験はありませんでしたが、インフラに詳しい方が社内にいるため、レビューを受けながら挑戦することができました。TOKIUMでは、あまり経験のないことでもチャレンジさせてくれますね。
村上:僕も同じく、これまでの開発と異なり、幅広い領域で業務に携われることに面白さを感じています。
AIエージェント開発では、ユーザーの声を吸い上げるPdMと、それを形にするエンジニアの連携が不可欠です。AIエージェントは、一般的なBtoBのプロダクトとは異なり、BtoC的な側面も持ち合わせています。
例えば、利用開始に向けて導入作業を手取り足取りサポートされるのではなく、お客様が自由に利用を開始できるという点などです。
また、どのようなユーザーが、どのような使い方をするか分からないため、ユーザーの利用状況をデータで分析し、ユーザーがヘルプセンターを見なくても直感的に使えるようなUXを目指しており、離脱を防ぐための改善を日々行っています。
特にインポート段階での離脱が多い現状に対し、サンプルファイルの提供や照合設定の改善、さらには、AIが自動で照合設定を行う機能、AIがデータで間違ったものを探しに行く機能などを検討し、画面のブラッシュアップを進めています。
また、プロダクトの価値を最大限に発揮するためには、ユーザーに実際に使ってもらうことが不可欠です。
そこで、プロダクト開発だけでなく、プロダクトの認知や、売り方など、ビジネス側にも関与を強め、利用される前のユーザーへのリーチ方法を考え、これまでのプロダクトマネージャーの枠を超えた業務にも挑戦しています。
ーこの経験を通して、どのような成長を感じましたか?
村上:AIエージェントの開発を通して、より上流のプロダクトマネジメント全体に関わる視点を持つようになりました。
マーケティングや営業といった、これまでは専門部署に任せていた領域まで踏み込むことで、プロダクトをより深く理解し、ユーザーに価値を届けるための方法を多角的に考えるようになりました。
岡本:私は、どんなことでも面白がって、楽しんで取り組めるようになりました。AI開発は、まだ答えがない領域なので、予期せぬトラブルが起こることもあります。しかし、それをチームで笑いながら乗り越えることで、より楽しく開発に没頭できるようになりました。
未来の仲間へのメッセージ
ー幅広い業務から、色々な成長や視点、チームでの連携の重要性を得られたんですね。
それでは、最後にどんなPdMやエンジニアと一緒に働きたいですか?未来の仲間へのメッセージをお願いします。
岡本:自分のスキルや経験に限界を決めない人と一緒に働きたいです。新しい技術や未経験の領域にも「やってみよう」と思える人が、TOKIUMのAI開発チームでは活躍できると思います。
村上:何でも面白がれる人ですね。新しい技術に触れたい、より大きな裁量権を持ってプロジェクトを推進したいと考えている方にとって、TOKIUMは最高の環境だと思います。ぜひ、カジュアル面談や選考で、あなたのAI開発への熱意を聞かせてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
TOKIUMでは、一緒に働く仲間を募集中です!少しでもご興味ある方は、お気軽にお話しませんか?