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貯めた知見を生かして「OMO型納会」を行ったら、新しい可能性に出会いました

NEW STANDARD社では、毎月社内メンバーが集まって開催される「LFMP(Last Friday Meetup Party)」という納会や、メンバーが交代制で週3回、社員全員分のランチをつくる自炊文化など、リアルでのコミュニケーションを重視して企業カルチャーやグルーヴ感を醸成してきました。

参考記事:スタートアップで 最も大切なのは「グルーヴ」だ
参考記事:「自炊ランチ文化」が組織にもたらす3つのメリット

しかし、新型コロナウイルス感染症によりリモートワークを中心とした働き方にシフトするなか、それらの実施が難しくなりました。そこで新しく始めたことの一つが、オンラインとオフラインを融合させた「OMO型納会」です。

今回は、オンラインでの配信ノウハウを活かしたグルーヴ感の醸成や、そのためのコンテンツ企画について、代表の久志尚太郎、配信・運営を担当する寺田と山路が語りました。

グルーヴ醸成の秘訣は、
アジェンダセッティング

──オンラインに移行したLFMPでは、どんなコンテンツを企画したんですか?

久志:8月末のLFMPでは「OMO型夏祭り」と称して、ラジオ体操、スイカ割り、盆踊りをやりました。これで開催3回目ですが、リアルでのLFMPを凌ぐくらいのグルーヴ感が醸成できてきている気がします。

その秘訣は、アジェンダセッティングです。オフィスで開催していたときは、リアルの場のエネルギーがあるから甘えてしまってたんですよ。テーマに合わせた料理企画を中心に、集まって飲んで食べて喋れば成立していたけれど、オンラインの場合は料理という一大コンテンツがなくなってしまった。事前に設定したアジェンダに沿った、コンテンツの企画と運営準備が肝になりました。

──たしかにオンライン飲み会もオフラインのノリだと盛り上がらないですよね。かなり企画を練る必要があるというか。

久志:そうなんです。会議も同じですよね。オンラインへの移行は、それなりに形にはなるけど、質が落ちたり価値を代替できていないことも多い。

OMO型納会のためにコンテンツを練って役割を分担すると、NEW STANDARD社のメンバーそれぞれが当事者になるので、「No Spectator(傍観者になるな)」という弊社のBI(Behavior Identity)を体現する場にもなったんです。

具体的に何をしているかというと、毎月1回90分、主に「乾杯→コンテンツ3つ→オンライン一本締め」といった流れで進みます。全体のコンセプトとアジェンダは僕が設定して、乾杯を含めたそれぞれのコンテンツの企画・実施は、交代制で全メンバーで担当を回しています。

ラジオ体操や現場中継、オンラインワークショップの実施など、それぞれがオンラインの機能を駆使しながら個性を発揮する企画のクオリティが高く、かなり盛り上がりますね。そして、これらのコンテンツ設計と同じくらい重要になるのが配信です。

業務とのシナジーを生む、オンラインイベント運営

山路:寺田とふたりで、オープンからイベント開催までDJ配信をしてフロアをゆるゆると盛り上げたり、発表やディスカッションのときもコンテンツに合わせて曲選びをします。その他にも、コンテンツに合わせた演出ができるようにツールを導入したりと、オンラインイベント運営として包括的に担当しています。

寺田:いつも久志から無茶ぶりされて、なんとか配信環境を整えて、開催にこぎつけていますね。

久志:ふたりが最初にリアルタイムのオンライン配信を担当したのは、大正製薬「リポビタンD」とタッグを組んだ、「ファイトU25!! リポD オンライン・アカデミー」だったよね。

寺田:そうですね。僕のNEW STANDARD社での仕事は動画の制作や編集、技術まわりなので機械には強い方ですが、コロナ禍以前はオンライン配信などの業務は担当していませんでした。大正製薬の案件やイベントスペース&カフェ「BPM」のイベント運営を通じて、ノウハウを溜めましたね。

いまでは、納会で実験したことが次の案件で活きたりと、業務とのシナジーもあります。たとえば、ZOOMでのDJ配信や、マイクをハックして喋っている声からどうやって音楽にスムーズに切り替えるかとか、そのためのシステムさえ作ることができれば次の案件で使える武器のひとつになるんです。

参考記事:これからのブランドが若年層と共創するべき価値とは?


──配信面で難しいのはどんなポイントなんですか?

山路:ZOOMの仕様がその都度変わるので、つねに想定どおりに動くかというチェックが求められますね。また、ZOOMのブレイクアウトルームの機能ひとつをとっても、細かい運営ノウハウが溜まっていくんです。参加者の部屋を分ける際に、なかなか数十人を事前の表通りに分けるのが難しかったりする。そこで名前の表記ルールをローマ字順にして部屋を振り分けるとか、具体的なノウハウが蓄積されます。

寺田:最初のOMO型納会は6月の開催だったのですが、会社に来ている人とリモートの人が混在する環境での開催でした。その際に会社のテーブルに4人座っていて、ひとりだけオンラインだと話すのが難しかったりするじゃないですか。一方、会議室に5人いてオンラインからの参加が3名とかでも話が2グループに分かれてしまう。

そこで、オンラインにA会議室をつくり、オンラインの人はそこに参加。オフラインの人も会社にある同じ名前のA会議室で各々がパソコンを開く。すると、バーチャル上のA会議室に全員が揃い、リアルに近いかたちで会話ができるんですよね。このような、オンラインとオフラインを自然に繋ぐコミュニケーション設計は運営において常に心がけています。

参加者の「主体性」と「個性」を引き出すオンライン環境

──「OMO型納会」だからこその面白さってどこにありますか?

山路:毎回全メンバーが持ち回りで企画を担当するので、普段は業務上で接点のない人の個性が見えてきて楽しいですよね。特に乾杯の時間は「そんな一面あったんだ!」と驚くことが多いです。

久志:リアルで開催していたときから、最後に必ず一本締めをするんですが、オンラインだと絶対にズレるんです。それが2020年っぽくていいですよね。逆にズレを増幅するような難しい一本締めをやったりしています(笑)。

寺田:オンラインだと数十人の前に立っている感覚がないので、緊張せずに発言できるのが良いですよね。それにチャットだと全員に対して発言できるので、個性が出やすい。リアルで開催されていたときよりも、参加者の主体性も増しているので一体感はむしろ強まっていると思います。

久志:本当にそう。これからも全員参加のイベントは特にオンラインで開催したほうがいいと思う。週1回の全社定例も、オンラインのほうがクオリティが高くなっている。つまり、リアルでやらないほうが良いことが、増えているんです。パソコンをつけて、みんながつながっていることのほうが自然であり、これがスタンダードになっていくかもしれませんよね。

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