このシリーズでは、株式会社シナジーの社員や役員にインタビューを行い、
「シナジーってどんな人がいるの?」
「ぶっちゃけどんな仕事してるの?」
「シナジーに決めた理由は?」
などなど、赤裸々に話してもらいます!
シナジーの雰囲気や歩み、社風などを知っていただければ幸いです!
今回は、前回に引き続きミッションやシナジーの価値観について樽本社長に話を聞きました!
ーシナジーのミッションは「あらゆる人と組織に、元気のきっかけを創り出す」。そしてパーパス(存在意義・志)は「ぐっとくるを、もっと。」になったのですよね。
樽本:ミッションを咀嚼してよりわかりやすく伝えるため、「ぐっとくる会社を、もっと。」というブランドメッセージを掲げていました。
しかし、2022年にシナジーの過去の歴史や我々の事業を行う根幹を振り返り、グループ全体のパーパスとして「ぐっとくるを、もっと。」に改定しました。
ー”ぐっとくる”対象は会社・他社に限らない、ということですね。
樽本:そうです。私たちは自社でも他社でも、”ぐっとくる”会社や人を増やしたい。そのために事業を行っていく、ということです。
”ぐっとくる”の解釈は自由に捉えてもらってよくて、「魅力的」や「惹かれる」など、さまざまな可能性があると思っています。
ーこれらのミッションやパーパスを達成するために、どういった方針で動いているのか、もう少し具体的にお伺いしたいです。
樽本:そうですね。私達は現在「中小企業のかかりつけ医」を目指して事業をすすめています。中小企業の魅力を引き出していこうとしたときに、具体的なイメージとして近いのは「医者だな」と思ったんです。
病院に行くと、まずヒアリングをされますよね。そして、どこに問題があるかを調べるために、ちょっとした検査をする。問診や検査を経て、診断結果が出たら「こうやって直しましょう」と治療をしていきます。
「かかりつけ医」と言っているのは、いつでも気軽に相談・診察してもらうことができる身近な存在がイメージにぴったりだからです。
地域で気軽に頼ってもらい、課題を発見して、適切な処置をしていける立場を目指しています。自分たちで対応しきれない分野に関しては、より適切な機関を紹介することもありますしね。
ー御用聞き…ではないですが、企業さんが「ちょっと悩んでるな〜」みたいな時に頼ってもらえる存在、というのはすごくイメージしやすいですね。
樽本:良いコンセプトだと思います。中小企業の病巣を見つける。本人が気付いてないことにも仮説を立てて検査をする。
そして企業の悩みや問題点について、最終的には課題の解決に向けて的確にアプローチする。心と身体が元気になることで生まれてくる魅力がありますからね。
「中小企業のかかりつけ医になる」ために、社員には「聴く力、診る力、治す力」の3つの力を高めてほしいと思っています。
ーそれぞれ、どんな力を指すのでしょうか?
樽本:まずは”聴く力”についてです。医者であれば「問診」に当たる部分ですね。相手に興味を持ち、気軽に相談してもらい、頭を回転させながら相手のことを知る。
●採用につながらない原因は?(採用コンサル)
●派遣スタッフの悩みの本質は何か?(労働者派遣)
●施工の内容や回数にご満足いただけているか?(ビルメンテナンス)
●警備士が安全に警備するために何ができるか?(警備)
などなど、いろんなことを聞かなければなりません。そして、それをカルテに残していく。そうして企業や社長のことをきちんと知る必要があります。
ー2つめの「診る力」とは?
樽本:医者であれば「検査」「診断」に当たる部分ですね。ヒアリングをした上で、実際の原因がどこにあるのか、どんな解決策があるのか、そして自分たちが解決できることなのか判断することも必要になります。
「診る」の具体例でいうと、たとえば採用メディアやホームページの数字を解析したり、情報の鮮度を確認したり。
アナログなところでいくと、社員が昼休憩が取れる場所の環境はどうかとか、オフィスやトイレがどうなってるか?など、かなり細かく確認します。
企業のお困りごとに関して原因・解決法を見つけていくためには、ノウハウ・経験が必要です。
ー3つめの「治す力」は分かりやすい言葉かもしれませんが、詳しくお聞きしてもよいでしょうか。
樽本:デジタル・アナログ両面から病巣を抽出して自分たちで治せるか判断した後は、実際に治療のために動かなければなりません。また、病巣がたくさんあっても、一気に全ての治療を行うことは難しい場合が多いです。
解決していくべき問題の中には、緊急度は低いけれど重要度は高い、っていうようなものも多いですからね。
「こういう状態が寛解ですよ」というイメージを提示して、優先順位をつけて取り組む中身を決めていく。寄り添いながら一緒に治療方法を模索し、段階的に改善していく。
ただ「治せれば良い」のではなくて、ストーリーを作って取り組んでいく事が大事です。元気な心と身体を手にして、どうなっていきたいか?の部分ですね。
そこを「御社であれば、この箇所を改善していって、こういうビジョンを描いていきましょう」という風にストーリーを提示できることも必要です。
ーなるほど。まさに「地域のかかりつけ医」という言葉がぴったり当てはまる内容でした。
樽本:課題に寄り添って、社員のような立ち位置で一緒に取り組ませていただくのが私達のスタンスです。手間隙かかるけれど、寄り添って提案して治していきましょう、という在り方で取り組んでいきたいですね。
ー今後の採用に関していうと、シナジーの求める人材像としては、今まで話していたようなコンサルができる人、ということなのでしょうか?
樽本:同じような人に集まってほしいというよりは、むしろ、多様な才能を集める方が良いのかなと考えています。得意なことを中心に、チームとして協力して進めるのが適切かなと。
全員が総合医になる必要はありません。外部の人材を含めて、専門医や検査機関とタイアップしていくこともあるわけですから。そもそも、コンサルティング事業以外の人材も必要ですしね。
ただ、私の中で重要だと思っている点が2点あります。
1つ目は「人に対して愛情がある」ことです。ビジネスは”恋”のようなものです。そして恋と愛は異なります。愛はメリットやデメリットで動くものじゃありませんよね。
もちろん、私達のやっていることはビジネスなんですが、シナジーでは恋愛的なアプローチではなく、”愛”のアプローチで成長していける人が望ましいかなと。
2つ目は「研究心や探究心」です。例えば趣味に没頭できる人、表面だけでなく本質まで見てみたいという掘り下げる感覚を持つ人が向いていると思います。
課題や問題を解決していくには、ロジカルな思考やエビデンスについての知見も重要です。事例や証拠をきちんとおさえて、ロジカルな世界についていけるのは一般的な事業運営にも大事なことです。
気持ちでわかることと、適切に対応していくことは別問題なので、そこはハイブリッドである必要があります。感情に流されすぎない、といいますか。
早めに治療が必要な項目なら「こんな治療、やりたくないわ」と後ろ向きな患者に対して、「一瞬痛いけど我慢してやらんとダメです」と言える人。
私が思うのはこんなところですね。
ーさまざまな企業と関わっていく上で、「あると望ましい、ベース」の部分ですね。
樽本:一人ひとり人間は違いますし、型として収められない部分もありますけどね。ある程度作業の部分を見える化して、同じような手順で企業と対峙していったとしても、そこにはドラマが展開されますから。中小企業と関わって生まれるのが「シナジー」ですしね。
中小企業の社長さんって人間力が高い人が多いから、大変だけど面白いと思いますよ。若い時に社長さんと話をする仕事って、銀行マンや保険会社の営業マンを除くと、なかなかないんじゃないでしょうか。
中小企業の社長の考えることには、魅力的なことがたくさんあるので、若い人にもっと知ってほしいですね。そうして若い人たちが将来を考える上での新しい選択肢につながってくれれば、とも思います。
ーそれでは、就活生に向けたアドバイスや、メッセージがあればお願いします!
樽本:私からあえて言うなら、人としての自分の直感を大事にしてほしいということ。そして、直感を働かせるためには人と向き合うことが大事です。「この人と一緒に過ごしたいな」って思える人を、直感で選んだら良いんじゃないかと。
前々から使ってる造語を使うと、「就社」よりも「就人(しゅうじん)」が良いと思っていて。芸事の師弟関係みたいな「この人の側で働きたい」っていうあの感覚。古いっちゃ古いけれど、今の若者にも有効な手段だと思います。
社長でなくても良いんですが、上司候補と飲みに行って人となりを知って「その人の側で働きたい」って思うのは健全な流れかな、と。年商、利益、従業員数、福利厚生など企業としてのスペックだけで判断するのはもったいない。
もちろんスペックも大事ですが、それ”だけ”で判断して幸せになるかは分からないからです。きれいな箱に入れるかどうかと、自分がそこで輝けるかは違う問題ですよね。
「自分にとって、どう相応しいか?」を確認するのはすごく大事なところです。
あとは関わる人と、できるだけ本音で関わることが大事なのかなと。逆説的に言って、企業側がそういう機会を用意することも必要ですよね。
社長と居酒屋で飲むような無礼講の場も大切であり、そこまで踏み込まないと見えてこないこともあると思うんです。
若い人には、人に就いてほしいな、と願っています。幸せになれる確率が高まる選び方ではないかなと。
ー「どういった基準で会社を選べばよいのか」と悩んでいる人にとっても、ヒントになるメッセージだと思います、ありがとうございました!