このシリーズでは、株式会社シナジーの社員にインタビューを行い、
「シナジーってどんな人がいるの?」
「ぶっちゃけどんな仕事してるの?」
「シナジーに決めた理由は?」
などなど、赤裸々に話してもらいます!シナジーの雰囲気や歩み、社風などを知っていただければ幸いです!
今回は代表取締役である樽本社長に、人生の歩み方についてお話いただきました。
──今って、一社どこかに就職してしまえば安泰ってこともないし、「どういう風に生きていこうかな」って迷っている人も大勢いると思うんです。樽本陽輔さんだったら、そういう人に、どんな風に声をかけますか?
樽本:僕、自分の子どもが今ちょうど二十歳なんですよ。この間、人生相談をされたんですが「何していいかわかんない」って言うんです。
そこでまず伝えたのは「この国ではそう簡単には死なないよ」ということです。
「人も優しいし、こんなに平和でそこそこに暮らせる国はない。もしも死ぬまで何も見つからなかったとしても、それなりにハッピーに生きられると思うよ」と。
だから、やりたいことが見つからないから悲観的な人生だと思う必要はないんじゃないの、と子どもにも会社の若い子たちにも言ってます。
ただ1個だけ明確に言えることは、人は人によって変わるということです。誰と過ごすかが、人生を決めると思っています。
例えば、僕は今の奥さんと出会って少しはまともになれた気がします(笑)。あと本が嫌いだった僕に手を差し伸べてくれた、中学の国語の先生のおかげで読書が大好きになって、生きる指針を見つけることができました。
一般的に社会に出る時に「就職」って言葉が使われますよね。でも厳密に言うと、大半の人は「就社」をしているんです。「職」を選んでいるわけではなくて、「会社」を選んでいる。
一部の人たち、例えばプロ野球選手とか棋士・サッカー選手のようなプロの人達だけが、「就職」をしていると言えます。
でも僕が提案したいのは、「就人(しゅうじん)」です。
──「就人」ですか。もう少し詳しく教えてください!
樽本:職や会社に就くのではなく「人に就く」という考え方を持てば、選択肢が広がるんじゃないかな、という提案です。迷った時に、誰の側にいたいかを選択する。
「何をするかじゃなくて、誰と過ごすか」を大切にすることが、人生ですごく大切だと考えています。
僕の人生も、明確に何かをやろうと思ってここまできたわけではありません。でも誰かに就いて何かをしていることで、間違いなく化学反応が起きてるんです。
だから、やっぱり良くも悪くも出会いですよ。
縁を大事にしていけば間違いなく悪い方には行かないし、縁を蔑ろにしていると人生は悪い方向に行きます。
なるべく、その環境で一緒にいることになる人たちが、どんな人たちかを知るようにしてほしいですね。
その上で、「この人の側で働きたいな」って思える環境が見えてくれてくれば、学生にとっては明確に選択できます。そういう選び方をしてほしいなと思います。
生まれてくる時も死ぬ時も、人はひとりです。だけど、生まれてから死ぬまでの間で、どんな旅をするのかが人生なんです。
その旅路がどうなるかに影響するのは、誰と過ごすかによって変わっていくものではないか、と僕は思うんです。
人というのは無意識なところで他人の影響を受けます。つまり環境ですよね。生きていく環境が、その人を良くも悪くもしていくので。
──どこで何をするかにフォーカスするのではなく、どんな人と過ごすか、環境を選ぶ方法もあるよ、ということですね。
樽本:「誰と過ごすか」を真剣に考えることが、自分で自分の人生を健全に彩ることになるので、とてつもなく大事じゃないかな。
「何をするか」にフォーカスしすぎると、周りに「誰がいるか」が見えにくくなって、結果的に人生から彩を消すことになるんじゃないかと思います。
極論、並外れた贅沢をしたいのでなければ、「お金を得たい」「何かを必ずしたい」という欲よりも「自分の一緒に過ごしたい人と幸せに暮らせるために、自分は何をするか」を考えた方が良いと、僕は学ばせてもらいました。
若い人に伝えたいのは、「生まれてきたこと自体が特別で、私たちはみんな選ばれて生まれてきている」ということ。
それから、自分の子どもにも伝えたのですが、「人間、できやしないことは、できやしない」んです。でも、できることは必ずあります。自分にとっては大したことないことでも、周りの人からしたら特別なことかもしれない。
だからこそ「あなたの側にいる人が誰か」が重要になってくるんです。
──自分の「特別さ」に気づかせてくれる人や、それを活かして関わろうとしてくれる人の存在は、大事ですね。
樽本:出会う人みんなに好かれる必要はなくて、自分の意思で誰と過ごしたいかを決めればいいんです。
人生長く生きていれば、必ずお別れする時があります。
でも、お別れするまでの間は、その人との縁を楽しむ。そして、離れていく縁も「そういうもんなんだ」と受け止めることができれば、また新しい縁が生まれていく。
だから精一杯生きている内に、その「縁を大切にする」考え方さえしっかり持って生きていれば、人生どうにかなるんだと思うんですよね。
これからドンドンドンドン予測不可能な時代になっていくから、未来予想図なんて明確に描けないと思うんです。
それでも自分と自分の周りの人の未来に関しては、希望をシェアし合うってことはできるんじゃないかなと思っています。
そういう希望の光で、お互いを照らし合えればいいんじゃないでしょうか
──自分の周りにいる人と、希望の光で照らし合える、ですか。
樽本:世の中の大半の人が「名も無き人」です。社会で特別インパクトを残せなかったとしても、人知れず頑張ってる存在があって、この世の中は成り立っている。
そんな「名も無きちっぽけな存在かもしれないけど、誰かの特別である」こと。これがとてつもなく大事なんだと思っています。
だから夢はなくてもいいけど、側にいる誰かを希望の光で照らし続けるために、一生懸命生きることが大事になるんです。
たぶん仕事ってそういうことなんです。誰かが困ったり悩んでいるときに、なんらかの言葉や方法によって、その人の未来に小さな希望を届ける行為じゃないかな。
僕はそういう気持ちで、「じゃあ自分にはどういうことができるかな」と考えながら知識を深めたりとか、考え方を深めたりしています。
それはどんなジャンルでも一緒だと思います。スポーツもそうだし、音楽の世界もそう。
人が人を想うこと、「思いを馳せる」ってことが、一番大事なことなんじゃないでしょうか。
──何者かにならなくても、誰かにとって希望の光であり続ければ良い。とっても勇気をもらえる言葉だと思います。
樽本:ダメダメだった昔の僕と、そこから改心した僕。その両方が混ざり合って、今の僕があります。
ある意味ちょっと異端児で、決して優等生ではない人生。
うちのお袋も実家に帰るたびに「あんたよくここまで来れたね」と、笑いながら言ってます。
でも、そういう僕だから多分人の痛みや苦しみに寄り添い、勇気づけることができるのかなと思います。
僕だからこそ、できることが絶対にあると信じて、日々を過ごしています。
まさに今の多様性のあるチームを考えた時に、僕だったら乗り越えられるんじゃないかと、自画自賛して終わりたいと思います(笑)
──樽本さんの人生観や、仕事観を垣間見ることができました。ありがとうございました!