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【インタビュー企画】第11回「一度は仏門に入ろうかと」投げやりな人生から一転!社長になった樽本の人生を変えた出会いとは?

このシリーズでは、株式会社シナジーの社員や役員にインタビューを行い、

「シナジーってどんな人がいるの?」
「ぶっちゃけどんな仕事してるの?」
「シナジーに決めた理由は?」

などなど、赤裸々に話してもらいます!
シナジーの雰囲気や歩み、社風などを知っていただければ幸いです!

今回は、「20代半ばまで人生に対してどこか投げやりだった」という樽本社長に、その半生のお話を伺いました。



──樽本社長は若い頃、どういった価値観をお持ちだったんでしょうか?

樽本:僕はもともと、自分の人生に対してあまり希望が持てなかったんです。思春期にとある病気になったことが原因で、周りから避けられるようになってしまい、あらゆることに意欲を失ってしまいました。一時期は「いつ死ぬかもわからないし、将来の夢や目標を考えるのはアホらしい」とまで考えて。

ーでも、そういった気持ちのままでは「シナジーの社長」っていう現在の立ち位置にまではいかないかと。なにかキッカケがあったんですか?

27歳くらいまではフラフラしていました。身内に転職を迫られて東証一部上場企業に入社したものの、自分に合わない会社で。会社に行くのも嫌だし成果も上がらないし、自分の人生に対して「俺はいったい何をしてるんだ」と思うようになりました。最終的に、何もかもが嫌になって「寺に行って仏門に入ろう」と考えたんですよ。

── 仏 門 !それで、一度はお坊さんに…?

樽本:なりませんでした。そのことを伝えた時の親の様子を見て「本当にこのままではダメだ、変わらなくては」と強く思い、会社も辞めました。

──東証一部上場企業を辞めて、どんな修行をなさったんですか?

樽本:「これからどうしようか」と思った時にたまたま見つけたのが、京セラの稲盛和夫さんの本でした。稲盛さんの生き方や考え方に出会って、そこから彼の本を読み漁りました。しばらくバイトだけで生活しながら「生き方というものを学ぼう」と思ったところが始まりでした。稲盛さんの考え方・生き方・仕事観と出会って、希望を持てるようになったことが変化のキッカケでしたね。

──本との出会いが、樽本さんが変わっていくキッカケになったのですね。

樽本:いまだに社会人としての考え方とか、全部僕の中では稲盛さんの教えがベースにあります。サラリーマンを辞めシナジーに来て約18年になりますが、その間も何か行き詰った時は、稲盛さんの教えに立ち返るようにしています。

稲盛さんが亡くなる間際に出された「経営の12箇条」という本があるのですが、僕はずっと噛み締めるように読んで、12箇条を手帳に書き写していました。今も、手元にある手帳の中に入っています。

稲盛さんも若い時に結核を患って、自分が行きたい大学や就職先に行けずに自暴自棄になりながらも、京都の小さな工場で馬車馬のように働いて人生を切り開いた人なんですよ。若い時に病気で自分の思うようにならない人生を過ごした稲盛さんの姿が、自分と重なった部分もありました。そのこともあって、とてつもなく救われたんです。

それまで暗闇しかなかった人生に、1点の光を見出だせたように感じました。もしも稲盛さんと出会ってなかったら、まず間違いなくこのポジションにはいなかったと思います。

──最初に読んだ本は、何というタイトルだったんですか??

樽本:もう忘れてしまいました。とにかく稲盛さんの本は片っ端から読んだので…。

でも、一番心に染みたのは『生き方』というタイトルの本です。稲盛さんの著書の中で一番有名な本じゃないかな。これは皆さんにも、人生に行き詰まった時には読んでほしい一冊ですね。とても厳しくも愛のあるメッセージが詰まっているので。

──それまでの(稲盛さんの本と出会う以前の)樽本さんとはどう変わったんでしょうか?

樽本:色々あるんですけど、やっぱり小学校の時に自分が思い描いていたことを思い起こしてくれたっていうか。綺麗事ですが、「世のため人のために生きる」っていう。仏教の世界で言うと「利他心」という言葉ですね。「利他心」が大事だと、ひたすら稲盛さんはおっしゃっていて、そういうことを意識するようになりました。

──小学校の時も、他の同級生に勉強を教えて「ありがとう」って喜ばれるような体験をしていらっしゃったんですよね。

樽本:そうですね。「本当に真っ直ぐな、ピュアな気持ちから得られる喜び」みたいなものをしばらく忘れていました。だけど、学び直していくと「自分にも小さい頃の原体験としてあるじゃないか」と思い出すわけです。

そこでアイデンティティの核として、何が一番必要なことかを改めて考えてみました。すると「『人が人のために尽くす』ことが、ベースになければならない」と気付いたんです。それが結局、仕事というものの原点になる。使命であり、自分の希望にもなるのだと稲盛さんの本を読んだことで気づかされました。

──稲盛さんの本に出会って、どれくらいで「こういう風に生きていけばいいんだ」という納得できるようになったのでしょうか?

樽本:2年から3年くらいは無心に読んでいましたよ。未だに稲盛さんの足元にも及ばないし「もっと修行しないと」と思います。まだまだ心が揺れ動いているんじゃないかな、と。

でも、40歳くらいになってから「揺れ動いてもいいんだ」と思えるようになりました。どう揺れ動こうが、原点回帰じゃないけど、心の帰る場所が自分の中にあれば、そこを確認してもう一回スタートしていくみたいな。

そういった先人の知恵というか誰かの経験値は、インプットをしたとしても実際に行動できるレベルになるまでは、3年くらいかかります。頭でわかってることと、実践できることってまた違いますからね。自分の確信に近いものを得るには、小さな自分を信じることを積み重ねていかないと。

確信って「確かに信じる」って書くけど、確かさって簡単に自分の中で見出せるものではありません。でも、自分の心が変わっていくと、自分以外の周りの人が変わっていく。親や職場の同僚、周りの友達、もっと言えばお客さんもそうです。まさに鏡だなと思うんですが、周りが教えてくださるわけです。

だから、3年くらいかけて少しずつ自信をつけていきました。確信まではいかなくとも変わり始めてから25、6年でしょうか。僕は今53歳なので、ちょうど「古い樽本陽輔」と「新しい樽本陽輔」が半分半分の歳になったんですよね。

だからようやく過去の自分を捨て去って、新しくやり変えた自分が、ちょうど人生の半分くらいかなって思ってるんです。グータラだった時間が27年弱。そこからお別れして積み重ねた自分が約26年。

冷静に考えたら、古い方の自分にダメなところもいっぱいあるけど、それはそれで良かったなと思います。古い方のダメな部分があったから、今の自分を作れたという側面は結構ありますよね。明確に「過去こういうダメな部分があったから、今はこういう風な考え方になれたんだ」っていう認識はあります。

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ダメだった頃の自分も受け入れて、前進していってらっしゃる姿が素敵ですね。次回は、「新しい」樽本さんから変化の激しい現代を生きる若い世代へのメッセージをお届けします!どうぞお楽しみに!

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