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【薬剤師】メディカルジェネラリストを育てる理由

一般的に聞かない職種・概念だが、我々はメディカルジェネラリストを「医療と介護に関わる生活領域の中で、どこでも誰とでも働け、 あらゆる角度から価値を提供するスキルを持った人材」と定義している。

要は、我々はどこでも誰とでも働けるスキルを持った「自立した」人材を育成することを目指いしている。

自立する力をなぜ身に付ける必要があるのか。それは自立する力を得ることで、自分で自分の人生をコントロールし、自分らしく、自己実現をしやすいと考えているからだ。

自立=独立とは限らない。組織に所属している人でも自立している人はいる。そして自立した人材はもれなく専門性を持っているが、それ以外に重要なスキルも持ち合わせている。それは「人間力」だ。

Google(Alphabet社)を代表とする様々なクリエイティブな会社であっても、自身が持つ複数の専門性を発揮する力以外にも、全く異なる別の専門性を持った人材と繋がる力が必要と説いており、私はそれを人間力だと考えている。

メディカルジェネラリストを育成することで、その先に何があるのか

そんな、どこでも誰とでも働けるスキルを持った人材が活躍できるフィールドを用意したいというのが、人材育成の先に見ているものになる。

矛盾するが、どこでも誰とでも働けるスキルを持った人材を確保したい会社は多いだろうが、恐らく従来の組織の論理がまだ続くことを前提とすると、そういった人材は閉塞感をもってすぐに組織離脱してしまうだろう。

そこで、そういった人材が自立したスキルを存分に発揮できるフィールドを用意し、人によっては組織に所属しつつも、そういったフィールドで別活動をできるようにする。別活動とは簡単に言うと副業だ。

世間一般的には認めつつある副業も、古い体質である薬局業界の組織が副業を認めるとは思えない。という声が聞こえてきそうだ。それはその通り、事実だ。普通にやっていてもそれは無理だ。

ただ逆説的にも考えて欲しい。優秀な人材が組織の内側から外の世界に出ていくのではなく、外の世界にいる優秀な人材を組織に迎え入れる。迎え入れるとなると、外での活動を認めざるを得ない。外での活動を認める柔軟な施策をとらないと、優秀な人材は確保できない。隣の会社はそういった施策をとって、優秀な人材を確保している。このままでは・・・。と採用市場の価値観と競争基準を塗り替えたい。

残念ながら、全ての薬剤師がこういったスキルを持つ必要はないと考えており、全員が全員を同じ方向に向かわせようとも思っていない。ある特定の層が、自分らしく、自由という責任をもって、自己実現をしてもらえればいいと思っている。(自由は権利ではなく、責任だと思っている)

やりたいと思った人が、責任を持ってやればいい。ただそれだけのこと。チャレンジングだが、チャレンジした対価として、収入と社会的な評価が、従来の薬剤師よりも高くなることは間違いない。なぜならバッシングが続く旧来組織の論理に従った仕事をするのではなく、目の前にいる人のニーズを満たすために仕事をするので、どちらが誰のために、何のために仕事をして、価値が生まれるのかは一目瞭然だ。

話しは戻るが、どこでも誰とでも働けるスキルを持った人材を増やすことが最終的な目的ではない。

最終的には薬局のシェリングエコノミー化を実現したい。

過疎地・僻地・在宅医療の領域を中心に、一つひとつの薬局・それらに所属する薬剤師が、薬局の機器・在庫などのハード面の都合、薬剤師の拘束時間・シフト人数・外来対応などのソフト面の都合などの障壁を越えて、自分が守りたい人を、最大限自分ができることを、薬剤師として行いつつ、副業を含め他にやりたいことがあれば、時間と稼ぎも自分でコントロールする。またその副業も目の前の患者に提供できるサービスになるかもしれない。そういったことを個々で実現できれば、会社に縛られることなく、自分らしく、自由という責任をもって、自己実現できるのではないかと考えている。

それを実現するためには、先にハード面のシェアエコ化ではなく、ソフト面である人材育成が必要だと考えた。なぜならば、いくら便利なものを作っても、使う人がいなければ、無駄に終わるからだ。
ITの技術やMeetupもそうだ。いいものを作れば誰かが買う・使う、とりあえず集まれば何かが生まれる・何かしてもらえる、という大量生産・大量消費時代のままのプロダクトアウト的な発想はしたくない。

さらにそういった人材育成とシェアエコ化には、大きな社会的役割を持たせられるとも考えている。それは災害などの緊急時対応だ。
どこでも誰とでも働けるスキルは、災害などの緊急時にも何が必要かを自ら考えてコミュニケーションを取り、状況に応じてリーダーシップを発揮してプレーイングマネージャーを担ったり、リーダーがいればオペレーションに徹したり、災害時拠点病院と地域薬剤師会や地域薬局とのコーディネーターを担ったりすることも想定している。
シェアエコ化された薬局は、基本的にクラウドシステムによる在庫管理を前提としてるため、どこに何があるか、最寄り拠点がつぶれても、一番近いところにはどういった在庫がどの位あるのかなど、IT化させたハード面、そしてシェアエコを利用しあって横に繋がっている薬剤師たちと、被災地外の遠隔からも含めて連携ができるのではないかと考えている。

これらが我々が目指すもので、メディカルジェネラリストを育てる理由。そしてそういったものが少しでも実現することで、人口減少する中でも今後の日本を支える若い人たちの指針や希望、将来を選ぶ選択肢になればと。

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