「他の子はできているのに、なんであなたはできないの?」
そんなフレーズを耳にしたことがある人、実際に言われたことがある人は少なくないだろう。
さらに、子どもの時に自分が言われていたことを、親になって口癖のように言ってしまうというのも、よく聞く話だ。
テストの点が低くて、他の子よりも鉄棒ができなくて、他の子よりも絵が下手で……
さまざまな場面で、人と比較されながらも子どもたちは成長していく。
けれど、他人のことを気にすることなく、夢中になれる何かを多くの子どもは持っているのではないだろうか。例えば、昆虫が好きだったら、昆虫の本を読んだり、虫採りを楽しんだり。漫画好きだったら、漫画を読み漁ったり、自分でも絵を描いてみたり。
でも大抵は、「そんな昆虫の本なんか読んでないで勉強しなさい」「そんなお絵描きより勉強しなさい」と言われてしまう。
多くの人は「勉強」イコール「学校での学習」と捉えがちだ。無意識のうちに、学校で出された宿題をすること、学校での成績をよくすることが全ての環境に身を置いてしまっている。
その結果、多くの人たちは「学校での成績がいいことが良いことで、自分が好きなことは良くないこと」「勉強できる人が頭のいい人」といった考えになる。
小学校から高校までの12年間、多くの時間を費やしてきた5教科を主体とした勉強は、大学への受験のためであり、世の中に出て自分がやりたいことへの勉強ではないことに、社会に出て初めて気づかされる。
僕が子どもだった頃の話だが、いまも同じではないだろうか?
もちろん、全てを否定しているわけではない。
学校で学ぶことのなかには、日々の生活において役に立つ知識や、必要性の高い考え方もなかにはある。複雑な数式や化学式が必要な人もいるだろう。
医者を志す者など、大学を出ることで開ける道もあるだろう。
しかし一律に、勉強、宿題、成績によるモノサシで人の良し悪しを判断し、それだけしか評価軸がないことは大きな問題だろう。
社会人になれば、さまざまな年代の、さまざまな人種の、さまざまな考えを持った、多様な人たちと仕事をする。
また職業にしても、何万、何十万、何百万もの選択肢があり、さらに未来には今では想定できないような職業が多く存在していることだろう。
そんな多様性がある世界の中において、数百万人の子どもを、ほぼ全て同じ内容で教育し、同じ「良い子」の型にはめ込んでいく。
その方が違和感たっぷりだ。
だからこそ、私たちの取り組みには意味があると感じている。
SEKAIとは自分の「世界、価値観」を示している。
自分の好きなことにとことん向き合い、学びを深めることで自分の世界を作り出してほしいという気持ちで「SEKAISHA」という社名をつけた。
多くの子どもたちに、学校の成績など社会の期待、他人の評価などの“他人の世界”を生きるのではなく、“じぶんの SEKAI(世界)”に自信を持って生きてほしいのだ。
例えば、「車が大好き。車のことを考えることが楽しい。」そう思う子がいるとしたら、車に関する知識、車に携わる職業などもっともっと本人の興味を深掘りしていくような講義を用意するつもりだ。
そして受講者の興味の数だけ講義を増やすつもりだ。将来的に何万、何十万になるかは不明だが、子どもたちの思いに寄り添って、講義の幅や種類を広げていこうと思う。
今、学校生活の中で、「自分なんて価値があるのか?」「自分はおかしいのかな」「何で自分はできないんだろう」といった思いを抱えている人はいないだろうか。
私は、本来、人の数だけ興味や個性があり、人と違うことこそが普通なのだと思う。だから自信を持って、自分の好きなものをとことん興味の赴くままに、大いに学んでいってほしい。
こんな方針を掲げているので、 SEKAISHAに入った子どもは学校の勉強を一切やらなくなるかもしれない。SEKAISHAで“しっかりと自分で考える”という意識が芽生えた子どもたちは、自分の将来にとって“それをやる意義があるのか”しっかり納得した説明がなければ勉強に後ろ向きになるかもしれない。
それこそ、一律に管理できない、個性溢れる子どもになるかもしれない。
ただ漫然と机に座らせて、勉強をしなさい、強制させることは、もう通用しなくなるかもしれない。
そのかわりに、他人の評価ではない、自分が好きなものを好きと言える。自分という人間は必ず世の中で必要とされている、尊い個人だと感じられる。
“他人のSEKAI”ではなく、“じぶんのSEKAI”を大いに主張していける。
そんな未来を創り出していくことだろう。
みんな違って、みんないいのだ。
個性豊かな多様な世界の実現に、SEKAISHAは取り組みます。
佐藤がSEKAISHAを立ち上げるに至った創業ストーリはこちら!
【前編】
「もしも自分が小学生の時にSEKAISHAがあったら」 僕の原体験から創業に至るまで
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【後編】
あなたは何のために勉強する?これまでの勉強と、これからの“じぶんのSEKAI“を作る勉強の違い
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