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みなさん初めまして!セーフィー新卒2期生の髙橋です。セーフィーは、クラウド録画サービスを提供している会社です。
2024年3月まで私は大学で言語学を学びながら、約9ヶ月間セーフィーの研究チームでインターンをしていました。このチームでは、映像に付加価値を見い出し、新しいソリューションを生み出すために、クラウドカメラを活用したさまざまな研究を行っています。
今回は、研究チームのインターン生の中で主に私が担当していたオフィスプロジェクトについてご紹介させていただきます。
【プロジェクトメンバー】
noteは2部構成となっており、タイトルは以下の通りです。
・(本編)【オフィス移転/増床のお悩み解決!】クラウドカメラ×AIで進化し続けるオフィスへ
・(番外編)非エンジニアのインターン生がSafieAPIを使って1ヶ月でシステム作ってみた
本編ではこの取り組みの背景や具体的にやってきたことについてお話しします!
本記事は、
- セーフィーに少し興味がある就活生
- セーフィーでインターンをしてみようか悩んでいる大学生
- オフィス移転や増床の会議にお悩みの総務の方
といった方々に向けて書きました。少しでも参考になるようにとセーフィーオフィスの実情を赤裸々に書きましたので、楽しみながら読んでいただけたら幸いです!
なぜオフィスにカメラをつけたのか?きっかけは総務の悩みだった
セーフィーは2023年7月、五反田から大崎へオフィスを移転しました。以前のオフィスは、全社員分の座席数がないことや、異なる建物や階に部署が分散しており、偶発的な交流が減っていることが問題でした。そのため新しいオフィスへの移転は、全員が出社可能な座席数を確保し、全部署を一つのフロアに集めてコミュニケーションを向上させることを目的としました。
オフィスの移転や増床に向けては、総務と経営層の間で何度も議論が行われました。その際に以下のような大きな課題がありました。
- 出退勤記録や在籍人数などの定量データだけでは情報が足りず、最適な席配置やレイアウトが決められない
- 社員からの要望が一部の声なのか全体の声なのか判断できない
- 経営層と総務、社員の間で最適なレイアウトの認識のずれが生じており、なかなか会議が進まない
これらの課題を解消するには、オフィスの利用状況を適切に把握し意思決定を行うことが重要だと感じました。
※課題イメージ 感覚的な会話で進まない議論
そこで、次の移転/増床や適切なレイアウト変更に向けて、映像を用いて解決できないかと考えプロジェクトを開始することになりました。
なぜセーフィーが取り組むのか
従来、オフィスの利用状況を把握する手法としては、定性面では社員アンケート、定量面では出退勤データなどがあります。これらの手法はある程度オフィスの現状を把握できる一方で、アンケートを全員に回答してもらわなければならない、出社割合がわかっても座席のレイアウトが適切かどうかはわからないなどの課題があります。
そこで、セーフィーのクラウドカメラを用いることで
【定性面】映像を用いて実態を適切に把握でき、会議の際に共通認識を持たせられる
【定量面】AI機能を用いて利用人数のデータを取得できる
また、従来手法と組み合わせることで、より説得力のあるデータとして活用することができるのではないかと考え、今回こちらの課題に取り組むこととしました。
また、セーフィーは「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げており、家から街までをデータ化し、人々の意思決定をより豊かにしていくことを目指しています。”オフィスにカメラを設置し、映像データを元にレイアウトなどの意思決定を行う”今回の取り組みはまさにセーフィーのビジョンと一致していると思ったのです!
セーフィーが目指す5ステップ
早速、オフィス利用率の実態を調査するため、まずは座席エリアに対象を絞り、自社プロダクトを使って総務目線で必要なデータが得られるのかを検証することにしました。
まずはカメラを設置、映像をみてみた
オフィスの天井にカメラを30台ほど設置し、映像を確認しました。
すると、このような利用実態が見えてきました。
・機器や備品が収納場所に一時的に収まらず、一見置き場のように利用されている
・昼から出社した人が座る席を探すのに苦労している
・フリー席を固定席のように長時間使用している社員さんがいる
イメージ図 映像からみてわかったこと
この事実を受け、
・収納場所を増やした方がいいのではないか
・席数が社員数に応じて適切に割り振られていないのではないか
・機器を扱う社員さんは席を固定化した方がいいのではないか
などの施策や仮説が考えられるようになりました。
一方で、総務の方が全期間の映像をみて利用状況を把握するのは膨大な時間がかかります。セーフィーカメラであれば、基本機能として動体検知や人検知という、映像の中に動きがあった時間を通知してくれる機能があります。そのため、長時間動画を見続ける必要がなくなり、映像を確認する時間が短縮されます。AI機能を有効にすると映像内の人数をカウントし、グラフで表示することができます。
そこで、座席の利用人数という定量的なデータを取ることにしました。
AIで解析してみた
Safie Oneなどの一部のセーフィーカメラはオプションを付与することで、上述したAI機能を有効にすることができます。
簡単に使い方を紹介すると、
Step1:AIが検知するエリアを設定することで...
人数をカウントしたいエリアの設定画面
Step2:グラフが出せます!
エリア内にいた人数のグラフ
このグラフを見ると、「各机の最大許容数が8人なのに対し、1日の最大利用人数は6-7人程度となっており、満員になることはない」ことが分かりました。
他の机でも同様にエリアを設定することで、事実の把握や全体の傾向を予測をすることができます。
また、これらのデータはCSVファイルとしてもダウンロードができるので、表計算ソフトやBIツールを使って好きな形に可視化することができます。
例えば、部署ごとの座席使用数をグラフ化することや混雑率などをヒートマップで表すことができます。
※イメージ図 部署ごとに利用人数を棒グラフで表示
※イメージ図 座席人数を机ごとにヒートマップで表示
このようなグラフ化により、どの部署の席数を調整すべきか、実際にどのくらい座席数が足りていないのかを定量的に把握することができるようになりました。
定量的なデータからは、
・1ヶ月間で最も利用されている時間帯でも100%を超える日はない。
・営業部は混み合っているが開発は最も利用人数が多くても50%程度などの事実が読み取れました。
映像とAIを組み合わせる
セーフィーのAI機能はグラフからワンクリックで映像を確認できるので、最も利用者数が多い時間帯はどう混み合っているのか、といったリアルな状況を振り返ることもできます。
例えば、数字上では0人となっているデータでも実際は机の上に荷物が置いてあり、座りたくても座れない状態だった、ということも映像と組み合わせることで実態を適切に捉えることができました。
これにより、セーフィーのプロダクトを用いることで意思決定に必要となる適切な材料を集められることがわかりました。
社内アンケート実施
定性面の情報も集めるためアンケートを実施しました。アンケートの主な目的は、社員目線で移転後にオフィスの課題は解決されたのか、新たに発生した課題はないか、を明らかにすることです。
※「アンケートに全員回答してもらわなければならない」という課題があることを認識していたためアンケートの回収率を高める工夫として、設問項目を厳選することや、オフィス内の自販機(社員は無料で利用可能)のラインナップ投票も付録するなどを実施しました。
アンケート結果を概観すると、移転前と比較して全体的に満足度は向上しているということがわかりました。また移転前の課題であった、
・自分ひとりで執務するスペースの数が充分に確保されていること
・日常業務には直接関わらないコミュニケーションが発生しやすい環境であること
の項目においても向上しており、移転によって課題は一定解決したことが分かりました!
一方で、細かく設問をみていくと、期待値と満足度のギャップが大きい設問に「レイアウトが満足されていない」があるということがわかりました。
何から始めよう?
「レイアウトを変更したい」とひと口に言っても、アンケートの結果を見ただけでは、
・どのようなレイアウトが適切かわからない
・椅子や机など大きな什器を移動するコストがかかる
・管理者と座席利用者の間に認識のずれがある
などの理由から実行に移すまでには、オフィス移転/増床と同様な課題が発生します。
そこでまずは、全社員に情報を提供し共通認識を作ることが大切と考え、座席の利用状況を可視化する施策を打つことにしました。
これにより、
・全社員:日々の出社や座席選びの意思決定の材料にしてもらう
・管理者:可視化することで具体的な課題を明らかにし、レイアウトの最適化の参考にする
・経営層・管理者:レイアウト議論の際に共通の認識を作る
ことができるのではないか、と思ったのです!
作ってみた
ということで、座席状況を可視化するシステムを自分自身で作ることにしました。可視化するツールはセーフィー全社員が使用しているSlackを使うことにしました。
え?システム?あれ、非エンジニアじゃなかったっけ?と思ったあなた。正解です。ここではさも簡単そうに書いていますが、実際は紆余曲折がありました。
まずはやりたいことを構成図にまとめ...
システム構成図
奮闘した末、完成したのは以下のシステムです!
Slackのチャンネルで見たいエリアを選択すると、リアルタイムのヒートマップと画像が返ってきます!
実際のSlackの画面
ありがたいことに開発してからここ1年、毎日3〜5件くらいこのチャンネルをご利用いただいております!今後もいただいた声を元にもっと使いやすくするために改善していこうと思います!
おわりに
セーフィーは2023年にオフィス移転という大きな意思決定をしました。移転後に実施したアンケートの結果からは、以前抱えていた、座席数が足りないことや他部署間でのコミュニケーションが取りづらいといった課題は解決できたことが分かりました。
一方で、カメラ映像を含むデータ(利用数などの定量データ、映像の確認・アンケートによる定性データ)から新たな課題も明らかになり、その解決に向けて現在も多角的にデータを集め、試行錯誤しています。
オフィス移転というアクションを行って終わりにせず、これからも映像を中心としたデータ収集を継続的に行い、適切な意思決定をし、進化し続けるオフィスを目指します!
オフィスに設置してあるカメラ
おまけ:就活生へのメッセージ
最後に私がこのプロジェクトを通して思ったことをここに書き記したいと思います!
セーフィーは「映像から未来をつくる」をビジョンに映像プラットフォームを目指す会社です。カメラ映像は単にオフィスで問題が発生した際の防犯や監視としての役割を持つのではなく、Slackなどの外部アプリとの連携やAIによる解析から集めたデータなどから未来のオフィスのあり方を考えられる意思決定に必要なデータでもあります。インターンで色々なサービスに触れることができ日々ワクワクしていました!
私自身は部活とバイトに明け暮れた大学生活で、暇だしやってみるか、くらいの軽い気持ちでこのインターンを始めました。Excelもsum関数くらいしかわからず、最初の頃はただ頼まれた作業をひたすらこなす日々を過ごしていました。しかし、セーフィーでのインターンを始めて9ヶ月が経った頃には、セーフィーのプロダクトの理解も進み、「次は使われていないスペースにカメラをつけ、スペースの利用方法を考え直した方がいいのではないか」と総務や経営層に提案できるくらい自分の頭で考えられるようになり、少し成長できたと思います!
今回のプロジェクトでは、もっと働きやすいオフィスにするために次は何をしようか、と総務の方々と連携しながら進めていきました。また、自社サービスを使いながら得た利用者目線での気づきや活用方法などを、営業以外にも企画や開発の方に共有する機会も作っていただけました。これらのように複数の部署の社員の方と連携しながら自社の課題を解決する過程はとてもスピード感があり、楽しく働けました。また新しいサービスを作る際のそれぞれの部署の観点も知ることができたと思います!
セーフィーでは新卒はもちろん、インターン生も募集しています!ここまで読んでくださった皆さんも、進化するオフィスで一緒に働いてみませんか?ご応募お待ちしております!