今回は、ROC取締役COOの岡本さんにお話を伺いました。
ご自身の前職でのご経験、現在のROCに在籍するメンバー、そして経営者として日々関わるさまざまな企業の方々を通じて見えてきた"「成長が止まらない人」の頭の中"に共通する3つの視点について語っていただきます。
──「やるべきことが見えている人」とは
石井:今日は「立場がどんどん上がっていく人」について、岡本さんにお話を伺いたいと思います。実際に前の会社やROCで多くのメンバーを見てきた中で、どんな人がステップアップしていくと感じますか?
一つ目は「やるべきことが見えている人」ですね。自分の役割や、会社の中で求められていることをしっかり捉えられている人は強いです。「やりたいことをする人」と「やるべきことが見えている人」を比べた時、圧倒的に成長スピードが早く、結果を残してくれるのは「やるべきことが見えている人」です。
理由はシンプルで、「やるべきこと」は組織やクライアントにとっての課題や必要な業務に直結しているからです。そこにしっかり向き合うことで、自然と必要なスキルや視点が身につき、周囲からの信頼も得られ、任される業務の幅が広がっていくと思います。
一方で、「やりたいこと」だけを優先していると、課題解決や成果とズレたアウトプットになってしまうことも少なくないと思います。だからこそ、まずはやるべきことに真摯に取り組み、その中でやりたいことの幅を広げていく、この順番がスキルやキャリアを築いていく上で大事だと思っています。
石井:やるべきことが見えているって具体的にどういう状態ですか?
たとえば「今この仕事が何のためにあるのか」「誰にどう影響するのか」っていう背景を理解して動ける人です。
サッカーで例えると、「試合でゴールを決めたい」という思いだけが先行して、シュート練習ばかりに時間を費やしている人がいるとします。ですが、実際にゴールを決めるためには、体力の向上、正確なパス、守備の意識、そしてチーム全体の戦術理解といった“やるべきこと”を一つひとつ丁寧に積み重ねていくことが欠かせないです。
目立つ成果だけを追いかけるのではなく、地道な努力こそが本番で結果を出すための最短ルートなのだと思います。
石井:岡本さんもやるべきことが見えていましたか?
今は経営・人事・コーポレート・現場・セールスと、本当に幅広い業務に携わらせてもらっていますが、正直、ROCにジョインした当初は、ここまで多岐にわたる仕事をするとは思っていませんでした(笑)。もちろん、まだまだ道半ばではあるのですが…。
当時は、ディレクターやセールス、現場とセールスをつなぐプロジェクトコーディネーターなどを兼任していて、「どうすれば会社が良くなるか」「クライアントにより貢献できるか」という視点で、自分が“今やるべきこと”を考えて動いていました。
そうやって一つひとつの業務に向き合う中で、少しずつ業務の領域も広がっていって、気づけば今のような立場になっていました。
正直、もしあの頃「人事をやりたい!」とか「法務の知識を身につけたい!」みたいに、“やりたいこと”を優先していたら、できる立場にはいなかったと思うんです。でも、当時は目の前の“やるべきこと”にただひたすら向き合っていて。それを地道に続けてきたからこそ、今はそういった業務にも携われる立場になれたのかなと感じています。
「あー今日の朝ご飯も美味しかった」と言ってる食後のピース
ピース・・・岡本さんの飼っている猫ちゃん。今回はインタビュー画像がないので、ピースくんをお楽しみください。
──「逆算」こそが一番の近道
石井:二つ目の視点についても教えてください!
ただがむしゃらに頑張るのではなく、「目標から逆算して、今やるべきことを見極められる力」もとても大切だと思っています。がむしゃらに頑張ることってもちろん大事なんですけど、それだけだと空回りしてしまうこともあると思うんです。
たとえば野球で「ホームランを打ちたい!」っていう目標があったとして、ひたすらバットを振り続けるだけじゃ限界がありますよね。
まずはしっかり体を鍛えて、スイングのフォームを見直して、球種の見極めもできるようになって…って、一見遠回りに見えるような基礎の積み重ねが、実は一番の近道だったりします。
それと同じで、何かを実現したいのであれば、まずはその目標から逆算して「今、自分は何をすべきか?」を考えることがすごく大切だと思っています。そういう思考を持っている人は、やっぱり周囲からも信頼されやすいですよね。「この人はちゃんと考えて動いてるな」って感じるので。
Q.なるほど!今日はよくスポーツで例えてますね(笑)
それは無視してくだい(笑)
「いつまで寝とんねん」って目で訴えかけるピース
──「伝え方がうまい人」は重宝される
石井:最後の視点についても教えてください!
最後にもう一つ。「伝え方がうまい人」です。自分の考えを整理して、人に伝わる言葉で説明できる人は、どんな役割でも重宝されますし、キャリアを築いたり、立場を上げていくには絶対必要な力です。
どんなに素晴らしいアイデアや考えを持っていても、それをうまく伝えられないと、周りには伝わらないんです。自分の考えを整理して、相手にわかりやすい言葉で説明できる力は、どんな役割でも本当に重要です。
よく“橋”に例えられることがありますが、例えば、自分の中にどれだけ立派なアイデアや想いがあったとしても、それだけではまだ“自分の島”の中にあるだけ。相手にそれを届けるためには、しっかりとした“橋”=伝える力が必要です。
もしその橋がぐらぐらだったり、途中で途切れていたら、どんなに素晴らしいアイデアでも、相手にはたどり着きません。逆に、シンプルでも安定した橋があれば、相手は安心して受け取りに来てくれる。伝え方がうまい人って、その橋をちゃんと設計して、相手が渡りやすいように整えているんですよね。
自分の考えやアイデアがどんなに優れていても、それをしっかり整理して、相手にわかりやすく伝える力がなければ、周りはその価値・重要性に気づかないんです。
伝え方がうまい人は、どんな状況でも重宝されますし、後輩教育も得意な傾向にあります。キャリアを積むうえでも、スキルアップするためにも、成果を出すためにも絶対に必要なスキルだと感じています。
石井:伝え方が上手になるにはどうすればいいですか?
まず、自分の考えや意図をしっかり整理できていないと、それを他の人に伝えることはできません。何かを説明する時に「これも言いたい」「あれも伝えたい」と、情報があふれてしまうと、聞き手は混乱します。考えを整理し、伝えるべきポイントを明確にすることが、第一歩です。
次に、「相手の立場を理解すること」が大切です。自分が伝えたいことをそのまま伝えるのではなく、相手が理解しやすいように伝える工夫をする必要があります。例えば、専門的な内容を話す時は、相手の知識レベルに合わせて言葉を選ぶことが求められます。
あと、例えが上手な人は、「伝え方上手いな」と思います。伝え方が上手な人は、相手がどのように受け取るかを常に意識しているんだなと思います。
さらに、「練習とフィードバック」を繰り返すことです。伝え方は一朝一夕に習得できるものではなく、繰り返し実践する中で改善されていきます。例えば、プレゼンテーションや会話の後にフィードバックをもらい、自分の伝え方がどうだったのかを客観的に見直すことが、スキルを向上させるためには欠かせません。
まず自分がしっかりと理解し、整理し、相手に合わせた方法で伝えることが大切です。こうした積み重ねが、伝える力を自然と向上させるのだと思います。
石井:岡本さんが見ていると、そういった特徴を持ってる人って、やっぱり伸びてるなって感じるんですね。
やるべきことを見極めて、目標から逆算して動ける人って、それだけでもすごく信頼されます。そこに加えて、自分の考えをちゃんと言語化して、周囲にわかりやすく伝えられる人は、本当に強いと思います。
この3つが揃っている人って、やっぱりどんな組織でも必要とされますし、結果的に内部的にも外部的にも“上に上がっていく人”なんですよね。自然と求められるような存在になる、そんな印象があります。
石井:とても納得感のあるお話でした!ありがとうございました。
「風呂場で倒れてへんかな」って心配になってるピース