経営陣に聞く①|オフラインの中にオンラインを!レガシー産業を変えるSaaS事業部発足 | 経営陣に聞く
みなさん初めまして。人事のヨシダです!※画面左リクリエでは今回弊社の未来を担うSaaSであるTabiqをよりスケールアップできるエンジニアを募集しています!そこで今回はTabiqの事業責任者であ...
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こんにちは!今回は、SaaS事業部で開発しているチェックインシステム「Tabiq」について、SaaS事業部を統括している橋本に話を聞きました。実は、Tabiqに関する記事は3つ目になります。今回は、特に、Tabiqの現在地やこれからの展望についてお伝えしたいと思います。
▼SaaS事業部発足
▼コロナ禍で急成長
コロナ禍で急成長を遂げたリクリエは、「日本急成長企業2022」第2位にランクインしました。その際、掲載された記事がこちら。
=Index=
・Tabiq開発のきっかけ
・他社にない特徴
・CRMとしてのデータ活用
・Tabiqが実現したいこと
・Taibiqの現在地
・これからの展望
=橋本将崇|はしもと まさたか=
1989年生まれ、東京都出身。株式会社リクリエ 取締役。大学在学時からフリーランスとしてWebサービスの受託開発を経験。 ベンチャー企業にて、ソーシャルゲーム、メディアなど自社サービスを統括しながら、人材の採用から評価までを行う。 その後、株式会社リクルートにてHR領域の事業開発として新規サービスの立ち上げを行う。
▼Tabiq開発のきっかけ
リクリエは、元々は民泊の運営代行事業をやっていましたが、当時急速に広がっていった民泊に対して法整備がなされたんです。それが、2017年6月に成立した「住宅宿泊事業法」、いわゆる民泊新法です。この法律によって、年間の提供(部屋の貸出)日数の上限が180日(泊)と制限されました。これでは、部屋の提供に関して年間半分が在庫になるようなかたちになってしまって。売上が十分に確保できずにビジネスとして成り立たないので、私たちは民泊から旅館業を必要とするホテル事業へとシフトすることにしました。
旅館業、つまりホテルを運営することにしたのですが、旅館業法や自治体の条例の定めによって様々な規制があって、例えば宿泊者の本人確認や、予約した人物と実際に来た人物が同一人物かを確認する必要がありました。これは、無人で運営していた民泊事業のスキームでは対応できないことで、無人で運営するためには遠隔で本人を確認するスキームが必要だったのです。それが、チェックインシステム「Tabiq」の開発のきっかけです。
Tabiqは、フロントにおけるチェックインやコンシェルジュ対応の電子化・オンライン対応化を実現し、無人フロントによるチェックイン業務の効率化と、複数施設の一元化ができます。
現在は、ゲスト向けのチェックインシステムだけではなく、Webアプリ、また管理者向けのシステムも開発・提供しています。
オンラインだからできるきめ細やかな対応が可能な機能を用意しています。ゲストの宿泊体験を向上する寄り添った対応ができます。
▼Tabiqの他社にはない特徴
チェックインシステムを提供している会社は、真の意味では競合ではないです。
私たちは、わかりやすくチェックインシステムと言っていますが、Tabiq自体はホテル管理システム、PMS(Property Management System)の側面もあり、その先のデータ活用が一番肝心だと思っています。どのゲストがどの部屋に何泊したかといった宿泊状況の管理や清掃状況の確認、売上管理など、そういったデータ自体が溜まっています。
もちろん私たちはSaaSとしてチェックイン・PMSを提供はしているのですが、そこのSaaSとしての機能量で勝負をするとコモディディ化はしてくるので、利用すれば利用するほど味が出てくるプロダクトを目指していきたいと思っています。
▼CRMとしてのデータ活用
宿泊業は、取得した宿泊者データをCRMとして活用しきれない部分があります。例えば、ゲストが大人2名、子ども2名の家族で宿泊する場合などでも、予約者の名前と電話番号くらいしか情報は取れないんですよね。“大人もう一人と子ども二人と来た”くらいしかわからない。予約者情報だけではCRMとして活用できない。ですので、お客様が来館して記帳していただくタイミングで、連絡のつく電話番号だったりメールアドレス、それから宿泊の目的が何か、同伴者は何人か、等々、取得する情報の適正化をやってCRMとして活用できるようにしたいなと考えています。
▼Tabiqが実現したいこと
「人にしかできないおもてなしの追求」
宿泊業には、ルーチン業務と非ルーチン業務があって、ルーチン業務を完全にディスラプトしていこうという考えです。宿泊業だけではなくサービス業全般で言えることですが、業務はイレギュラーの連続です。“こんなお客様からこのようなクレームが来た”とか。そんな中でレギュラー業務は全部自動化できると思っているし、人が全部やる必要はないなと。Tabiqの開発には、人がそのイレギュラー業務、お客様へのおもてなしなど、人がやらなければならないことに集中していけるようにという思想があります。
-「Hospitality with Tech」を掲げる理由
システムによる効率化は運営者目線であって、宿泊するお客様にとっては関係のないこと。効率化はBtoBだから当たり前。そこで終わらずto Cを見ていこうと。そうでないとただの効率化で終わってしまうので、ゲスト満足をTechを使って追求していきたいという想いです。
▼Tabiqの現在地
- 現状について
TabiqはSaaSなので、パッケージ化して販売していくのが基本的な戦い方なんですが、宿泊施設などのオペレーションって型にハマりにくい。施設の特徴やプランもオペレーションも様々。その中でパッケージで売るのは難しいなと。導入してもらっても、“不満ではないけど満足ではない”といった状態でマーケットに入ってしまいそうで。
そこで、今やっているのはOEM。主に宿泊施設の運用代行業者や宿泊施設をプロデュースする会社にOEMとして提供し始めました。単純にシステムを提供してサポートするだけではなく、実際に施設の業務の中に入り込んで、どういうオペレーションなのかを分解し、それをもとにTabiqをカスタマイズして最適なかたちを提案していく。表は提供先の製品となりますが、裏側・中身はTabiqになっているというかたちですね。そうすることでブランドに沿ったオペレーション構築を実現し、クライアントがスケールしやすい事業基盤を作ることがゴールだと思っています。
- 完成度は?
完成度はまだまだです。課題はたくさんあります。
オペレーション一つとっても、ホテル運営はたくさんのステークホルダーが関わっています。ゲスト、フロントスタッフだけではなく、施設や備品を管理する業者の方、清掃業者の方など。会計の時に使いにくいとか、清掃のときに使いにくいとか。ある程度、汎用性高くつくってきてはいますが、そういったすべての方にとって使いやすくなるようにこれからもっと磨き込んでいかないといけませんね。
▼これからの展望
ホテル内部の業務効率化は引き続きチャレンジしていかないといけません。業務効率っていうと、プロフィットを産むというよりコストを削減していこうということに近いんですが、そうではなくて、やはりトップラインをどう伸ばしていこうか、どう特徴を出し売上を上げていこうか、そういうこときちんと考えてやっていかないといけません。昔と違って、施設をつくれば部屋が埋まるという時代ではないので、どう差別化していくかは大事なところになります。CRMとして、集客もでき利益を出せる。そういったことが実現できるよう、仕込みをしているところです。
また、Tabiqは、宿泊施設のチェックインシステムで終わらせるつもりはなく、いわゆるハコモノの運用のためのプラットフォームをつくりたいなと考えています。土地があって、建物があって、どう高値で売っていくかみたいな。そんな売買ゲームのようなビジネス。そんな中で、そのハコモノをどう価値や評価を上げていくか。そのためにどう利益を残していくかという観点でも、オペレーションはとても重要になるわけです。オペレーションが微妙だと、労働集約型のビジネスになり、それによって利益が下がりビジネスとして成り立たなくなる可能性もある。そのオペレーションをテックで解決することによって、ハコモノが利益を残せる仕組みをつくっていきたいという想いです。
- なぜ、「ハコモノ」と言っているのか。
私たちとしては、宿泊業だけではなく、それ以外の業界も考えているからです。特にサービス業×ハコモノで事業を展開している業種は、今後ターゲットになってくるかなと。例えば、コワーキングスペース向けにも試験的に提供していたりしました。
ただ、今は宿泊業でマーケットポジションを取っていくことが優先ですので、宿泊業以外への展開はこれからですね。
いかがでしたでしょうか。単なるチェックインシステムで終わらせず、「限りある資産を再生し新たな価値を創出する」という我々のミッション実現のために、これからもチャレンジを続けていきます。