最近、パブリックテクノロジーズ(以下、パブテク)に興味を持ってくださる方から、「女性はどんな働き方をしているのですか?」という質問をいただくことが増えてきました。
そこで今回は、パブテクの立ち上げ期、まだ女性社員がほとんどいなかった頃から働いてきたメンバーの一人であるバナード 海里さんにお話を伺いました。
地方自治体向けスーパーアプリ「パブテク」の営業を務めながら、新しいメンバーのオンボーディングなどにも積極的に取り組むバナードさん。
入社の経緯から、今の仕事のやりがい、そして女性としての働き方まで、お話を伺いました。
事業本部 パブテクチーム / バナード 海里さん
目次
- 当たり前の暮らしを守りたい。地域の交通課題の“元栓”に向き合う理由
- 自治体と一緒に地域に向き合い続ける。パブテク営業の仕事のやりがい
- 自分らしく働き続けるために。女性として考えるキャリアと働き方
当たり前の暮らしを守りたい。
地域の交通課題の“元栓”に向き合う理由
── まずは、これまでのご経歴を教えてください。
バナードさん:
私は大分県の出身で、田舎の地域で育ちました。最寄りの駅やバス停に行くのにも20分以上かかるような場所です。
祖父は免許を返納していて、バス停まで歩くのも大変なので、私や母が仕事終わりに迎えに行くような生活をしていました。世の中の流れによって、これまで当たり前だった暮らしが続けられなくなっている人がいる。そのことを身近に感じ、そうした人たちの助けになる仕事がしたいと思うようになりました。
そんな思いから、大学時代は社会福祉に興味を持ち、関連するインターンにも参加していました。その中で、個別のサービスを提供するだけではなく、もっと根本的な仕組みの部分(= 元栓)から関わることが必要なのではないかと感じるようになったんです。
そこで、当時インターンでお世話になっていた先輩の紹介でパブテクに出会い、インターンとして参画し、その後入社しました。
——現在は、どのような仕事を担当されているのでしょうか。
バナードさん:
現在はパブテクチームで営業を担当しています。
「パブテク」は、地域住民の利便性向上と自治体業務の効率化を目的とした、地方自治体向けのスーパーアプリです。さまざまな機能がありますが、特に公共交通分野に強みがあり、私は主にAI配車システムを活用した予約型のデマンド交通や公共ライドシェアなどの提案を担当しています。
営業といっても、導入に向けて単にシステムを提案するだけではありません。事前の調査やデータ分析、自治体や交通事業者など関係者との調整も含めて関わり、地域の移動の仕組みそのものをどう設計するか、という部分に向き合っています。
── インターンの頃から関わっていたとのことですが、当時はどんな経験をされましたか。
バナードさん:
私がインターンとして関わり始めた頃は、ちょうど事業の立ち上げ期でした。まだ案件も多くない時期で、チームとして一つひとつ丁寧に実績を作っていく段階でした。
私はインターンだったのでできることは限られていましたが、先輩方の動きを間近で見ることができました。アクセラレーションプログラムへの参加や、小さな実績の積み重ねが信頼につながり、気づけばさまざまなところから声をかけてもらえるようになっていく。
その過程を近くで見られたのは、とても勉強になりました。
自治体と一緒に地域に向き合い続ける。
パブテク営業の仕事のやりがい
── 普段の業務では、どんなことを大事にしていますか。
バナードさん:
スタートアップなので、組織や役割が常に変化します。だからこそ、自分がやりたいことに手を挙げることも大事ですが、「自分ができること」にも積極的に手を挙げていくことが大切だと感じています。
私はインターンの頃から会社の立ち上げを見てきたこともあって、最近はオンボーディングにも積極的に関わっています。これまでの会社の経緯や仕事の進め方を知っているからこそ、新しく入ってきたメンバーがスムーズにキャッチアップできるようにサポートできればと思い、自分から手を挙げました。
——最近、本当にいろんなところで見かけるようになりましたよね。
バナードさん:
そうですね(笑)。もちろん、すべてを一人でできるわけではありません。周囲にヘルプをお願いすることもありますし、「やってみないか」と提案してもらうこともあります。そうした経験も含めて、自分の力に変えていきたいと思っています。
——営業の仕事の中で、特に大変だったことは何ですか。
バナードさん:
一番大変なのは、やはりプロポーザルの企画提案ですね。
時間をかけて自治体の方と「どうしたら地域がよくなるか」を一緒に考える、その集大成がプロポーザルだと思っています。これまで集めてきた情報や議論を丁寧に拾い上げて、一つの提案として形にしていく作業です。
しかも、他の事業者さんもいる中で、どうやってパブテクの思いや技術を伝えるかを考えなければいけない。プレッシャーも大きい仕事です。
ただ、その準備の過程でチーム全体を巻き込みながら作っていくのは楽しい部分でもあります。これまでの議論や現地で得た情報を思い出しながら、「どうすれば一番伝わるか」を考えていく作業でもあり、やりがいも大きいです。
——最初からうまくできていたわけではないですよね。
バナードさん:
そうですね(笑)。入社して1年くらいはよく怒られていました。特にスケジュール管理はたくさん指導してもらいました。
プロポーザルって、一日遅れるだけでもその後の作業がどんどんずれていってしまうんですよね。自分一人で作るものではなく、他のメンバーにも協力してもらわないと質が上がらないので、多くの人を巻き込めるように、全体を見ながらスケジュールを引いて、日々オンタイムで進めていくことが大事なのだと学びました。
もちろん当時はやり直しも多く苦戦しましたが、その経験があったからこそ、今はできることも増えてきました。今、仕事が楽しいと思えているのは、その時にたくさん指導してもらったおかげだと思っています。
——営業として、やりがいを感じるのはどんな瞬間ですか。
バナードさん:
法人営業と少し違うのは、案件のサイクルが一年単位で進んでいくことが多い点です。自治体と接点をつくり、提案をして、その内容で予算を取れるように調整し、最終的に案件として受託する。そうした流れを、年間を通してご一緒していく仕事だと思っています。
また、営業の役割は企画を立ち上げるところまでで、最終的に形にしていくのは運用のチームになります。
だからこそ、「企画が実現できそうだ」と感じる瞬間だけでなく、日々のコミュニケーションの中で自治体の担当者の方に「これ、やりたかったんだよ」「いてくれて助かった」と言っていただけた時が、とても嬉しいですね。
自治体の担当者さんは、公共交通だけを担当しているわけではなく、複数の業務を兼務されていることが多いんです。本当は取り組みたいことがあっても、日々の業務に追われて手が回らないことも少なくありません。
そんな中、私たちがお手伝いすることで、担当者さんが「本当はやりたかったこと」を実現するきっかけになれたと感じられると、この仕事をやっていてよかったと思います。
自分らしく働き続けるために。
女性として考えるキャリアと働き方
── 最近、パブテクに興味を持ってくださる女性の方から、「女性の働き方」について質問をいただくことが増えてきました。パブテクで働く中で、どのように感じていますか。
バナードさん:
実は私は、もともと女性特有の体調不良がかなり重くて、学生の頃は早退する日も多くありました。なので、社会人になってからの働き方については、正直少し不安もありました。
ただ、パブテクは働き方の柔軟性が高い会社だと感じています。私は週3日出社・週2日リモートという形を基本にしていて、出社の日は社内メンバーと顔を合わせてコミュニケーションを取る時間にして、リモートの日は自治体の方との打ち合わせを入れるようにしています。
フレックス制度もあるので、体調や予定に合わせて調整できるのもありがたいですね。お子さんがいるメンバーもいますし、病院に行きたいときなども柔軟に対応しやすい環境だと思います。
——入社当初は、女性社員が少なかったですよね。不安はなかったですか?
バナードさん:
そうなんです。私が入社した時は、女性社員が一人だけで、その方も産休中でした。
ただ、私はもともと「何をやりたいか」「どこに関わりたいか」という軸で仕事を選んでいたので、女性の割合はあまり気にしていませんでした。最近は女性メンバーも増えてきて、やっぱり落ち着く部分はありますね。
それだけでなく、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーがジョインしてくれているので、子育てとの両立やご家族の事情など、いろいろな働き方や人生観が会社の仕組みに少しずつ反映されてきていると感じます。
生理休暇や産休・育休の制度も整ってきていますし、まずは体調を優先するという雰囲気があることが、結果的に女性の働きやすさにもつながっているのではないかと思います。
——女性としてはキャリアプランに悩む方も少なくないと思います。これからのキャリアについては、どのように考えていますか。
バナードさん:
最近結婚をして、将来のことをよく考えるようになりました。出産などを考えると、どうしてもブランクは生まれやすいですよね。だからこそ、その前後で自分が何をしていくのかはよく考えています。
ただ、すべてを先に決められるものでもないとも感じています。
私自身は、将来については、必ずしも「役員やリーダーになりたい」と明確に決めているわけではありません。ただ、チームを率いる立場になるにしても、そうでないにしても、任された企画や、ともに働くメンバーに対して責任を背負えるような人にはなっていきたいと思っています。
パブテクには、自分のキャリアや可能性について相談できる相手がたくさんいます。リーダーを目指すのか、個人として専門性を広げていくのか。そういったことをフラットに相談できる環境があるのは、とてもありがたいと感じていますね。
——改めて、バナードさんがこの仕事を続けていくうえで、どんな思いがモチベーションになっていますか。
バナードさん:
一番大きいのは、やはり地域の支えになる仕事がしたいという思いです。
地方では、私の祖父のように、免許返納などで移動手段がなくなり、生活そのものが難しくなる方もいます。そうした状況を見てきたからこそ、公共交通の課題を根本から解決したいという思いがあります。
ただ、公共交通の問題は交通だけで解決できるものではないとも感じています。地域の暮らしや制度、まちのあり方とも深くつながっているからです。
パブテクは、単に交通のサービスを提供するだけではなく、DXなども含めてまちづくり全体に関わり、提案している会社です。そうした視点があるからこそ、公共交通の課題にも、より根本的なところから向き合えるのではないかと思っています。
この業界も競合が増えてきていますが、その中でもパブテクを知ってくださる方が増えているのは、これまで積み上げてきた実績と、まちづくり全体に向き合う姿勢が少しずつ信頼につながっているからだと感じています。
私自身も、パブテクという仕組みを通して、これからも地域に価値を届け続けていきたいと思っていますし、それが今のモチベーションになっています。
── 最後に、この記事を読んでパブテクの仕事に興味を持ってくださった方へメッセージをお願いします。
バナードさん:
私は、構造を変えることで誰かの助けになりたいと思っている人にとって、パブテクの仕事はとても相性がいいのではないかと思っています。
公共交通の課題もそうですが、地域の課題は、個別のサービスだけでは解決できないことも多いですよね。仕組みそのものをどう変えていくか、というところに関わりたい人にとっては、とても面白い仕事だと思います。
パブテクはスタートアップなので、大企業ではなかなか着手できないようなケースにも挑戦しています。社会の実態に近いところで仕事ができるのも、この会社の特徴だと思います。
もちろん、変化はとても大きいですし、レジリエンスも求められる環境だと思います。ただ、それはワークライフバランスをないがしろにするという意味ではありません。限られた時間の中でどう最大のパフォーマンスを出すかを考えながら、チームで取り組んでいる会社だと思っています。
そうした環境を面白いと感じる方と、一緒に働けたら嬉しいです。
——バナードさん、ありがとうございました。