株式会社ポジティブドリームパーソンズ(以下、PDP)では、入社から10年を迎えたメンバーを「エバンジェリスト(伝道者)」と称し、その歩みと功績を讃える文化があります。今回は、2015年に入社した同期3名がエバンジェリストとして登場。 普段から“ぜんちゃん(財前)・なべちゃん(渡邊)・ちーちゃん(伊藤)”と呼び合う3人に、これまでの歩みを振り返ってもらいました。 悩んだ日々、支えてくれた仲間、変わっていった価値観——。10年という月日を経た今だからこそ語れる想いのうちを紐解きます。
プロフィール
▪財前 弘治(写真左上)…2015年新卒でPDPに入社。『ホテルモントレ ラ・スール大阪』ウェディングチームでゼネラルマネージャーを務める。
▪渡邊 柚香(写真中央下)…2015年新卒でPDPに入社。入社前にユース(アルバイト)メンバーとしての経験があり、PDPとは12~13年の付き合い。『旧軽井沢KIKYOキュリオコレクションbyヒルトン』のウェディング部門でユニットマネージャーを務める。
▪伊藤 千邦(写真右上)…2015年新卒でPDPに入社。現在は『SCAPES THE SUITE』にて、11年目のウェディングプランナーとして活躍中。社内グランプリ「感動グランプリ!!」ファイナリスト多数進出、2023度には総合準グランプリを受賞。
「仲間」への恩返しこそが原動力
——— 入社してから10年。それぞれにいろいろな出来事があったと思いますが、改めて今どんな気持ちですか?特に思い出す瞬間や、節目ならではの実感があれば教えてください。
伊藤:あっという間だったと感じています。思い出すのは、入社1,2年目の辛かった時期ですね。やっと月3件ほどパーティーの担当を持てるようになった時期に当時の会場からスケープスに異動となり、一気に担当数が増えたのですが、それと同時にミスも重なってしまったことが続きました。ただひたすらに働いて、お客様へのお詫び対応が立て続けに発生した時期もありましたね。
渡邊:私も同じころがとても大変でした。当時トレーナーとしてお世話になった方がとにかく厳しくて。私自身、若さゆえの尖りもあったので、喧嘩をしてしまった経験があります。
伊藤:(喧嘩のエピソードに対して)察してはいたので、何かあったのだと当時は思っていましたが、詳細は今はじめて知りました。なべちゃんとはスケープスにいた時期がちょうど入れ違いで、なべちゃんが軽井沢に異動したタイミングで私がスケープスに入りました。お互い同じ先輩にお世話になりましたが、本当に大変なことも多かったです。
財前:僕も2~3年目の頃に辞めようと思っていました。ストレスで手の皮がむけるくらい。ですが、成長させてもらえる環境があるということに気づいてからは挑戦することが増えましたね。そこからはあまり辛いと感じることはなかったかもしれません。
——— みなさんそれぞれ挫折を経験していたんですね。そこから現在に至るまで、続けてこられた原動力は何だったのでしょうか。自分を支えた想いやきっかけを教えてください。
渡邊:私は3つありますね。
一つ目は喧嘩してしまった先輩を見返したいという、負けず嫌いな気持ち。二つ目はユース時代にお世話になった方へ、恩返しがまだできていないという気持ち。三つ目は軽井沢への異動の話があり、軽井沢の環境や考え方に新しい発見があったから。この3つが重なって、続けていくうちに楽しさが見えてくるようになりました。
伊藤:私は、お客様を幸せにしたいという気持ちがあったことと、忙しい中私を育ててくれた方への恩返しがしたいという思いでここまで続けました。
財前:僕も同じで、当時育ててもらった方への恩返しです。辞めたいと思ったことがあり退職の相談をしたこともありました。ですが、どんなときも親身になってくれて、引き留めてくれました。
あとは、関西が地元なので、友人が関西に多く、かつての野球部仲間が僕のいる会場で結婚式を挙げてくれることが多いです。そこでみんな口を揃えて「天職だな、働き過ぎだけどな」と言ってくれるのですが、それが嬉しくて。この仕事と環境を大事にしなければと思っていたら、いつの間にか10年が経っていました。
転機がくれた気づきと成長
▷ホテルモントレ ラ・スール大阪 ゼネラルマネージャー・財前 弘治
——— 仕事の向き合い方や自分のスタンスが変わった“転機”はありましたか?そのときの気づきや印象に残っている出来事を教えてください。
渡邊:軽井沢に異動して3年目くらいのころ、お客様からクレームをいただくことが増えてしまい、繁忙期になると対応が追い付かないこともありました。大変だったそのころ、直属のマネージャーだった方がとても人情を大切にする方で、「どうしてそうなってしまうのだろうね」と向き合ってくれたことがありました。クレームの原因探しではなく、どう働きたいか、何を大事にしていきたいかを一緒に考えてくれました。自分の中でも色々なものが整理されて、その後トラブルが起きることも減り、自分自身でしっかり対応できるようになりましたね。その上司には感謝しています。
伊藤:自分ではあまり思ってないのですが、よく言われるのは後輩としての期間が長かった私が、先輩になった時かなと思います。しばらく後輩がいない期間も長かったです。ですが、自分が先輩になってから「伊藤は成長したね」と言われるようになりましたし、任されることも多くなりましたね。でも今でも末っ子ポジションで、皆がお姉ちゃんお兄ちゃんのような感じで助けてもらっています。
財前:ちーちゃんは本当に人に愛され助けられ生きている人だよね。
伊藤:そうだね、本当に助けられています。後輩もお姉ちゃんのように頼っています(笑)
財前:僕はマネージャーになったタイミングですかね。コロナ禍でユニットマネージャーになったことからはじまり、本当に色々な人に支えてもらって今があります。こうして頑張っているのは“人”が理由なので、自分もそういうマネージャーであり続けたいと思います。伊藤さんじゃないけど、マネージャーになったときはメンバーのみんなに「みんなが笑って働けるように僕も一緒に笑うし、どんな時もみんなを照らす太陽のような存在になる」と宣言しましたね。
渡邊:ぜんちゃんの名前は昔から色々なところで聞くので、チームはもちろん、先陣を切って多方面で頑張っているのだろうなって印象あるな。
お互いの挑戦がくれる勇気と学び
▷旧軽井沢KIKYOキュリオコレクションbyヒルトン ユニットマネージャー・渡邊 柚香
——— 同期として10年、それぞれ違う道を歩んできた中で、お互いの存在をどう感じていましたか?
渡邊:私たちの代は、あんまり「ライバル」って感じではなかったと思いますね。それぞれが自分の場所で頑張っていて、たまに集まった時に、わーっと話して刺激を受ける感じでしたね。私自身も、ライバル視とかはあんまりしてなかったです。
財前:僕はマネージャーになりたいと言い続けていましたね。同期の中でも、自分より早くマネージャーになった優秀な人たちがたくさんいて、その人たちがどんどん辞めていって、気づけば自分が残っていたというか。
伊藤:各々が自分を持っていて、尊重しあえる関係性だなと思います。
財前:そうだね。たとえばちーちゃんらしくいてくれるのって、「後輩が辞めずに続けていられる環境をつくっているな」と思えるし、それをちゃんと認め合える世代なんのだと思います。
渡邊:私はどちらかというと、自分はスペシャリストの方が合っていると思っていました。しかし去年いろいろなタイミングが重なって、自分にないものを見つけたい、得意ではないことにもチャレンジしたい。「今選ばなかったらこの先マネージャーになることはないかも」と思い、挑戦することを選びました。
財前:僕はマネージャーになりたいと言い続けていましたね。実際になってみて、求められることの水準を引き上げていかなくてはならないし、メンバーも導いていかなければならないので、毎日何を発信しようか悩みながら過ごしています。これまで指導してくださった上司のように、自分にも何ができるか考えています。
伊藤:私は3年目くらいまで、社内コンテストの「感動コンテスト」を見ていても、感動の曲線を理解できず、正直「なにを言っているのだろう」と思っていました(笑)でも今見たら分かるようになってきました。挑戦していくうちに、曲線を作ること、感情を置くこと、感動タイムが面白いと思えるようになりました。今は後輩が楽しみながら感動を作ることが大変だけど面白い!と思えるようにしてあげたいなと思っていますね。
過去から未来へ―自分へのメッセージとこれからの挑戦
▷SCAPES THE SUITE ウェディングプランナー・伊藤 千邦
——— たくさんの経験を乗り越えたみなさんが、過去の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉を届けたいでしょうか。
財前:2つあって、ひとつは「遠回りはないからとりあえずやれ」と言ってやりたいです。ふたつ目は「もっと人を頼れ、そして、もっと尖れ」ですね。
マネージャーになって、異動したときにすごく感じたことです。1人でやってしまうことが多くて、もっと人に頼ればよかったなと。
あとは、今はちょっとしたことでも慎重に向き合わなければならない時代だと思うのですが、だからこそ、自分の想いや信念をちゃんと発信していくことの大切さも感じています。自分の言葉にはブレずにいたいなって思いますね。尖っている部分こそ、自分の良さでもあると思っているので。
ついてきてくれる人を本当に大事にしたいし、「やりたいことを、ちゃんと声に出して伝える」ということをたくさんしていけばよかったなと感じたので、これを伝えたいです。
渡邊:私も2つあります。当時やってきたことに悔いはないですが、かける言葉としては「もうちょっと素直になっていいよ」と「自分を大切にしなさい」です。上司と向き合うターニングポイントまでは結構しんどかったです。仕事ばかりで感性が乏しくなると、お客様の不満や不安に気づくセンサーも鈍かったなと感じます。ですが、仕事とプライベートの両立ができてくるうちに、お客様と向き合う質も高くなる。自分の気持ちにも相手の気持ちにも、素直に気づけるマインドを持てるようになれたので、仕事だけでなくプライベートも含め、自分をいたわってあげることも必要だと改めて思いましたね。
伊藤:つらかったこともたくさんあったけど、私すぐに忘れることが多くてそんなにないのですが(笑)
入社前の自分に声をかけるとしたら、「元気に生きているよ、頑張っているよ」と言いたいくらいですね(笑)いい先輩や仲間に恵まれてよかったねと伝えたいです。
——— これから挑戦してみたいことや、描いているビジョンがあれば教えてください。
財前:やりがいを感じられる組織を作りたいと思っています。この10年間で、メンバーや働く環境が支えになっていましたし、よりメンバーが働きやすい環境が整ってきていると感じています。時代に合わせて会社が変えていこうとしているからこそ、自分もマネージャーとして、そこで働く人たちのやりがいをちゃんと作ることが大事だと思っています。
メンバー1人1人と向き合ってやりがいを作っていきたいです。
渡邊:私は今軽井沢にいるからこそ、メンバーのやりがいや働きやすさも加味した上で、インバウンドも取り込みたいと思っています。しかし、まだ英語の知識などへの抵抗があるメンバーが多いのが現状です。日本や会社を問わず、ウェディングカルチャーを広く発信できるメンバーが育つような環境を作れたら嬉しいなと思っています。
伊藤:PDPを好きになってくれるお客様がいっぱいできるといいなと思っています。メンバーが楽しく働ける環境であってほしいです。
——— それぞれが違う場所で、違う道を歩んできた10年。共通していたのは、人とのつながりを大切にしながら、想いを持って挑戦を続けてきた姿でした。
これからの未来も、3人の背中は、きっと誰かの希望となっていくはずです。