「クラスで1番になれることは何?そのリターンは?」
愛知県・名古屋の出身です。父・母・弟・そして犬と、のびのび過ごした幼少期でしたが、ちょっと変わった両親の影響は大きかったかもしれないですね。中学生の時に「やりたいことはないけど、勉強もしたくない~」とじたばたしていたら、父に突然「クラスで1番になれそうなことと、それぞれ1番になったときのリターンって何だと思う?」と問いかけられて。勉強、スポーツ、芸術など、自分なりに確率と実現値を考えた結果、「勉強をがんばるのは効率いいのかも?」となりました(笑)こんな家庭だったので、一方的に「〇〇をしなさい」みたいなことは言われたことがなくて、やりたいことは何でもやらせてくれましたね。とても自由、でもどこか現実的な、面白いバランスの家庭に恵まれたなぁと思います。
大学では社会学を専攻。インドでのインターンシップをきっかけに投資銀行へ
大学進学を機に上京しました。専攻は「社会学」。社会階級や宗教の役割に関心があったんですよね。人が最初に属した環境がその後の選択肢を左右するのであれば、その社会構造を知りたいと思ったし、それを宗教がどう救済できるんだろうかという問いを持っていました。「今ある社会の仕組を理解して、解きほぐしていくこと」には今も昔も関心が強いのかもしれません。
在学中のもう一つのテーマが、海外経験。大学生で初めて海外旅行を経験して、人々の多様性とエネルギ-に圧倒されました。大学3年生の時には、インターンシップのためにインドに渡航し、欧米や日本の企業に投資アドバイスを行う会社で働かせてもらいました。あの経験はその後のキャリア観に大きな影響を与えましたね。同僚のインド人は海外経験豊富でみな洗練されていたんですが、胸に秘めるアグレッシブさと、努力に裏打ちされたプライドがひしひしと伝わってきて、「将来こういう人たちと戦える自分でありたい!」と強く感じました。現地の大学生との交流もできて、とにかく面白かったです!
(衣装もそろえて、現地のヒンドゥー教のお祭り(Navratri)に参加)
もう少しインターンを続けたい気持ちもありましたが、「新卒」だから飛びこめる世界もあると思ったので、帰国して就職活動をすることにしました。就活時の基準は「性別に関係なくたくさん挑戦させてもらえて、その後のキャリア基盤を築ける場所」。女性ということもあり、「人生のフェーズや人生の優先順位が変わったときに、求めるものを得られる自分でいたい」という思いがあったのかなと思います。
最終的には三菱UFJモルガン・スタンレー証券に内定をいただき、投資銀行部門で働き始めることに決めました。投資銀行という伝統的金融でありながら、会社としてはリーマンショック後まさに統合したばかりのタイミングだったので、当時はある種のカオスさがあったところが自分に合っていたのかもしれません。ここなでら、日本の伝統的企業の礼儀作法も、外資系の効率的な提案セオリーも、攻めも、守りも、ぎゅっと濃縮した経験をさせてもらえるのではないかと、ワクワクしましたね。具体的なキャリアパスのイメージがあったわけではなく、不安もありましたが、「ここで頑張って、インドの同僚に負けない実力をつけるんだ!」と強く思ったのを覚えています。
怒涛の日々の中で掴んだ、アメリカMBA留学
私の配属先はDCM(債権引受部門)で、主に上場企業の社債発行による資金調達をお手伝いするチームでした。お客様の資金調達額は100億円単位、時には1,000億円単位と、途方もない額でしたが、1年目2年目と早い段階からお客様への提案も担当させてもらえたのは、とても恵まれていたなと思います。面倒見のいい素敵な先輩方に囲まれて、毎日お祭りみたいな日々でしたね。様々な業種、様々な国のお客様を担当させてもらう中で、金融が持つ普遍的な「企業経営を支える役割」への興味も深まっていきました。
(普段は精一杯働いてお休みで海外旅行に。会社同期(写真左)は今も大切な同志。)
同時に興味を持ったのが社員に開かれた「海外留学制度」。経営について、金融について、どこかでちゃんと学びたかったし、海外暮らしも一度経験してみたかった。「この先、いつ自分を取り巻く環境が変わり、やりたいことができなくなるかわからない。なのでよいと感じたことはできるときに全部挑戦したい!」そんな単純な思いでしたが、サポートに恵まれて、社会人5年目で米国ペンシルベニア大学のウォートン・スクールに留学することになりました。
留学先では様々な学びがありましたが、特に影響を受けたのは「リーダーシップは後天的に会得できる」というウォートン・スクールの考え方です。例えば、国籍、出生地、家族などは最初に決まるものですが、その後にどこに所属し、どんな価値観やモノの見方に触れるかで、人生って変わりますよね。後天的な経験や出会いを豊かにしていくことで、人生の選択肢は広がっていく。そして、自分がこれからどう生きるかが、まわりのこれからの人生にも影響を与えていく。仕事から離れ、各国から集まった多様なクラスメイトと2年間を過ごす中で、そんなことを改めて考えるようになりました。
(1年目を密に過ごしたLearning Team。課題提出のために、誰かの家に集まって夜を明かしたのは良い思い出。)
2年の留学を終えて、戻った先は三菱UFJフィナンシャル・グループ CFO室
米国に残ることも考えましたが、三菱UFJフィナンシャル・グループへの出向の話をいただき、帰国を決めました。尊敬する大先輩のチームで働けるということが、帰国の決め手になりましたね。その方は大企業にいながら「できない理由」には全く興味を持たない方でした。人をワクワクさせて巻き込む力、際どい意思決定を断行する力など、少しでも盗んで自分のものにしたいという気持ちが大きかったです。今でも弱気になると「あの方だったらどうやって前に進めるだろうか」と考えたりします。
着任したCFO室では、巨大な金融グループのバランスシートと向き合うチームの一員として、「億円」から「兆円」を扱うお仕事に。日本経済に大きな影響を持つ経営陣がすぐ近くにいるという稀有な環境で、よい緊張感と多くの刺激を得られる毎日でしたね。それまでは「自分が成長できるか」の優先順位が高かったのですが、会社としての意思決定に関わっていく中で、「これから自分は、どこでどんな役割を果たしたいのだろうか」という問いが徐々に大きくなっていきました。
女性として管理職を目指していく道は、実例をつくり、後輩にも背中を見せられるという意味で、会社・世間に対する貢献の一つだと、今でも思っています。自分自身にとっても、昇進・昇格という「結果」を残すことができたら、これまでの仕事に対する「証」として納得感が得られますよね。一方で、それ以上に気になったのは、自分の存在が、会社に、社会にどう還元されていくのかという点でした。言い換えると、会社がどうやって社会の役に立ちたいのか、そしてその文脈の中で自分はどんな役割を果たしたいのか、に対する納得感でしょうか。悩みましたが、私にとっては「会社のWillと自分のWillがより強く重なり、役に立っている実感が得られること」を大切にする方が、より自分に合った貢献のかたちなのかもしれない、と考えるようになりました。
Wantedlyで出会った「Willが重なる場所」
もともとOLTAについては知人から聞いたことがあったのですが、Wantedlyで記事を見かけてエントリーしました。カジュアル面談にいったとき、代表の澤岻と盛り上がって2時間があっという間に経っていたのを覚えています(笑)
もしかしたら「ファクタリング」という言葉の響きに、不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。でも、経営においては「キャッシュフローをどうするか」「タイミングを早めるか、遅らせるか」という資金調達の戦略は当然にとても重要で、OLTAのクラウドファクタリングはそのお手伝いをできるもの。資金調達のひとつとしてのファクタリングが正しく理解されているか否かの違いが、印象や、物事の見え方を左右しているのではないかと感じました。
先ほど「先天的/後天的」という話がありましたが、「知らない」という状態は後天的な要素なので、「知っている」に変えられます。OLTAのサービスは、現金メインからキャッシュレスへと移行期や、災害などが起きた時のキャッシュフロー問題に直面した企業にとって、大事な手段となり得る。だからこそ、「知らない」がゆえにビジネス危機に瀕する企業は減らしたいし、OLTAが「知られていく」フェーズで、自分が力になれることがあるのではないかとワクワクしました。
(入社翌日に参加した全社合宿でワークショップに参加しているときのひとこま)
経営企画と事業企画と財務。ひとり3役をこなすOLTAでの日々
OLTAでは経営企画として、経営計画の策定や方針決定のためのアイデア出しをしています。加えて、事業企画としてアライアンス締結のための座組の検討や、財務の在り方への提言なども行っています。OLTAは「アライアンス」がカギとなるビジネス。自分とは全く違う強みを持ったメンバーがビジネスチャンスの種を見つけてくれて、それを自分が補完しながらチームを立ち上げ、かたちにしていくのは、とても楽しいですね。チームとして成し遂げた仕事が、ダイレクトに社会に新しい価値を提供していると実感できるのは、幸せです。
また、経営陣、エンジニア、営業、人事や経理、法務など、会社を構成する人たちが一堂に会しているのも、大企業にいた私にとっては新しい「日常」です。自分にない経験や視点を持っている人と気軽に意見を交わし、新しい発見ができる面白さも、OLTAで働く醍醐味だなぁと感じています。
「誰かのために」を「チーム」で動く。試行錯誤も含めて楽しめる方とはたらきたい
OLTAは創業4年目を迎えたばかり。このフェーズならではの踏ん張りどころや、ハラハラドキドキするような意思決定シーンが、まだたくさんあります。成し遂げたいことと現状を客観視し、そのギャップを「こんな風に埋めていけるのでは?」と逆算して行動していけば、その過程で成長もちゃんとついてきます。難易度も試行錯誤も自分の糧と捉えられるタイプなら、きっと面白いと思ってもらえるタイミングです!
また、純粋に仕事を楽しめる人にも合うと思います。私、「働く=趣味と実益を兼ねる」と思っていて。仕事だからこそ得られる学びや、人との出会いってありますよね。OLTAで出来ることも、OLTAで出会える人との関係も、最終的に自分に跳ね返ってくる刺激を楽しめる方なら、フィットするのではないでしょうか。
私は「知っている」「知らない」の違いで起きる不平等を無くしていきたいですし、知ることで新しい可能性を掴んでほしい。OLTAという枠組みなら、インターネットで、仕組みで、組織で、ビジネスシーンでの不平等解決に挑戦していけると確信しています。「誰かのために」をチームで動くことに、やりがいを見出せるような方とお話できたら、嬉しいですね。