恵比寿の焚き火BAR「CityCamp」、セブンイレブンにも展開される「OFF COLA
」を取り扱うCityCamp社を経営危機から立て直し、半年で売上5〜6倍にした男が、次に選んだのは社員20人の不動産ベンチャーだった。 取締役COOのばっちさんに、これまでの歩みと「なぜ、ないけんぼーいずを選んだのか」を聞いてみた。
目次
「COOですがやってることは、ほぼ社長です」
――まず、ないけんぼーいずでの役割を教えてください。
ばっち:取締役COO、いわゆる副社長のポジションです。経営戦略から組織、マーケティング、営業など、会社全体の意思決定をかなり広く担っています。感覚としては「社長の実現したい未来を、経営の仕組みに落とし込む役割」に近いですね。
――中島さんに意思決定を任せるのではなく?
ばっち:はい。中島には、日々の細かな意思決定以上に、彼にしかない“感覚”や、得意な外交・発信に集中してほしいと思っています。
起業家は大きくは天才型と理論型に分かれると思っていて、中島は完全に天才型。理屈では説明しきれないけど、感覚が飛び抜けている。その感覚こそが、他の誰にも真似できない独自性を生むんです。だったら、それを縛るのはもったいない。
だから役割を明確に分けています。”表の顔”は彼にしかなれないから、中島にはどんどん外に出てもらう。一方で、組織づくりや数値管理、事業オペレーションなど、経営の裏側は僕が大きく担っています。 「気づいたら裏は全部俺の城やで」って冗談で言っていますけど(笑)、それくらいの覚悟で中島の背中を預かっているってことです。
どん底の20代。「無能すぎて病んだ」
――経歴を伺うと、20代に"闇期"があったそうですね。
ばっち:簡単に言うと、無能すぎて病んだんですよ。
当時の僕は、自身のビジネスパーソンとしての能力と環境のレベル=求められるレベルに大きな乖離があり、、仕事ができなさすぎて身体を壊し、精神を病んで休職しました。、そして最後には、逃げるように蒸発してしまったんです。今思うと、本当に恥ずべきことをしてしまったと、大きな反省をしています。
蒸発してからは、Airbnbで1泊900円の牢獄みたいな不衛生なドミトリーを借りて、そこに1ヶ月いました。最終的にはお金も尽きて、電気ケトルそうめんを茹でて食べる生活でした。今振り返っても超地獄でしたね。
――そこからどう復活したんですか?
ばっち:大学の先輩からの連絡がきっかけでした。久しぶりに会ったら「最近独立してさ、一緒に事業やらへん?」って誘ってくれました。当時は「もう再起できないんだろうな」と諦めかけていた時期だったので、二つ返事で「やってみたい」と言いました。、実際にやってみると、自分の裁量だけで事業を前に進めることがあまりに楽しくて、始めてから1週間で前の会社に「ごめんなさい、辞めさせてください。」と伝えました。
その先輩の会社にフルコミットしたのが、僕の本当の社会人1年目ですね。
復活のきっかけとなった恩人と当時のばっちさん
前職CityCampを半年で売上5〜6倍にするまで
――前職のCityCampには、どういう経緯で?
ばっち:コロナ真っ只中で時間があった頃、CityCamp代表の松池がInstagramのストーリーズで「新規事業の責任者をやってくれる人いませんか」って募集していたんです。切実な願いのような感じで書かれていたので、「ちょっと話聞くよ」って会いに行ったのがきっかけです。
今だから言えますが、実は入った直後、聞いていた話と会社の実態が全然違うことが分かりました。新規事業をやるつもりで入ったのに、既存事業のBAR事業、クラフトコーラの事業が赤字でキャッシュがもうすぐ尽きるような状況で、新規事業どころではなかったんです。最初は離れようかとも考えましたが、当時の松池が本当に苦しそうで、少し自分の病んでいた時期と重なる部分もありました。自分自身も人に救われて今があったので、「今度は自分が力になりたい」と思って残り、立て直しを目指しました。
――そこから、どう立て直したんですか?
ばっち:CityCampはもともと会員制のバーでした。それをまずやめて、イベントスペースにしたんです。
CityCampのある恵比寿って、経営者やインフルエンサー、コミュニティを持ってる人が多い街なんですよ。僕と代表の友達にもそのような人たちが多かったのもあり、彼らに「無料でいいから使ってくれ」と声をかけました。その代わり、1日店長としてお客さんを呼んでもらう。参加費は1人3,000〜4,000円(飲み放題込み)、売上の一部は主催してくれた人に還元する。この仕組みが当たって、半年で売上は5〜6倍になり、黒字に転換しました。
とはいえ現場は泥臭くて、片っ端から知り合いに連絡したり、営業中は人件費を抑えるために代表とバーに立って2人でお酒を作ったり、やれることはなんでもやりました。実は僕、飲食店で働いたことなかったので、注文が入ったらその場でカクテルの作り方をググって「作れます」って顔でやってました。(笑)
――中島さんも実は一時期スタッフとして働いていたとか。
ばっち:そうなんです。お客さんが増えてスタッフが足りなくなって、ストーリーズで「バイトしに来て」って呼んだら友達が何人か来てくれた。その中に、中島もいました。(笑)
なぜ、ないけんぼーいずだったのか
――CityCampを離れるとき、他にも選択肢があったのでは?
ばっち:はい。ありがたいことに、何社か声をかけていただいていました。ないけんぼーいずは、ちゃんと選考を受けてオファーをもらったわけではなく、中島と普通にご飯を食べていたときの会話がきっかけでした。
「次どうするの?」みたいな話になって、そこでないけんぼーいずの会社の状況を聞きました。会社の状況を聞いているうちに、「自分が入ったらもっと伸ばせそうだな」と思って、「俺だったら多分こういうことをやるかな」みたいな話をしたんです。
そしたら中島から「じゃあ、やってよ」と言われて、僕も「いいよ」と(笑)。かなり自然な流れで決まりました。
――即決に近かったんですね。何が決め手だったんですか?
ばっち:僕が会社を選ぶときに一番大事にしているのは、「自分が入ることで、その会社をどれだけ伸ばせるか」なんです。
すでに完成された会社に入って、自分の能力を10%上乗せするよりも、まだ整っていない会社に入って、仕組みを作ることで2倍、3倍にできる方が僕は面白い。
ないけんぼーいずは、まさにそういう会社でした。
――どこに可能性を感じたんですか?
ばっち:まず、事業そのものに伸びしろがあると思いました。不動産という大きな市場の中で、ないけんぼーいずには独自の集客力やブランド力が既にあった。一方で、当時はKPI管理や営業の仕組み、組織づくりなど、まだ整えられる部分がたくさんありました。
つまり、「売れるものはある。でも、それを最大化する仕組みがまだない」という状態だったんです。
僕からすると、めちゃくちゃポテンシャルがあって面白い状態でした。やるべきことを一つずつ整理して仕組みに落としていけば、まだまだ会社は伸びる。自分が入ることで、大きなレバレッジをかけられる感覚がありました。
――事業以外の部分では?
ばっち:中島の存在も大きかったですね。
彼とはもともと友人でしたが、一緒に仕事をするとなったときに改めて感じたのは、「自分にはないものを明確に持っている人だな」ということでした。
中島には、人を巻き込む力だったり、理屈だけでは説明しきれない感覚だったり、僕にはない強みがあるんですよね。
僕はどちらかというと、数字を見たり、仕組みを作ったり、合理的に物事を考えたりして、それを社員の皆さんを含めた全利害関係者に実行していただくことが得意です。社長の考えていることを解像度高く最大限理解しながら、短期的・中長期的に社長の望む状態を、全ステークホルダーを巻き込んで実現していくイメージです。
だから、似たタイプの経営者と組むよりも、中島のように自分とは全く違う強みを持った人間と組む方が、会社としてもっと大きなことができると思っています。
お互いに得意な領域が違うからこそ、自分がやるべきことも明確になる。「この人となら、自分の強みを最大限使って会社を伸ばせそうだな」と思えたのは大きかったですね。
――それが、入社の決め手だった?
ばっち:そうですね。事業の伸びしろがあって、自分の得意なことがそのまま会社の課題解決につながる。そして、一緒にやりたいと思える経営者がいる。
「ここなら、自分が入る意味がある」と思えたんです。
会社を選ぶとき、僕は肩書きや会社の規模にはあまり興味がありません。それよりも、”自分がどれだけ当事者として会社を変えられるか”の方が大事です。
ないけんぼーいずには、まだ正解が決まっていないことがたくさんありました。だからこそ、自分たちで正解を作れる。
そこに一番ワクワクしました。
入社後にやったこと。前年比238%成長の裏側
――実際、何を変えたんですか?
ばっち:かっこいい話じゃなくて、「やらないといけないことを、ちゃんとやるようにした」というだけなんです。
追うべき指標そのものを再定義しました。当時は、そもそもKPIという概念がほとんどなかったので、まずは「何を追うべきか」というところから設計し直しました。
例えば、「どこでお客様が離脱しているのか」「どの数字を改善すれば売上につながるのか」をKPIとして定義し、営業プロセスを数字で可視化していきました。
その中でも、勉強会から個別面談につながる割合を10倍にするという目標を置いて、「そのためには何を変える必要があるのか」を逆算して、集客から面談までの導線やオペレーションを一つずつ組み直していきました。
そうした抜本的な改善をいくつも積み重ねた結果、僕が入った期の売上は、前年比238%で着地しました。
――代表の中島さんから見て、ばっちさんが入社後何が変わりましたか?
中島:仕組み化が大きく進みました。それまでは正直ノリと勢いと「気合い!根性!」でやっていました。(笑)感覚とか気合いにロジカルが加わった感じです。マーケもばっちがゴリゴリ動かしてくれて、反響が伸びたのは大きかったです。
僕は人の気持ちを焚きつけたりすることが得意なのですが、そこに彼のロジックが加わって、両面そろった感じです。正直、僕とばっちは全く別のキャラクターで別の性格なんですけど、奇跡的に相性がいいんですよ。
今のばっちへの期待は、優秀な仲間をどんどん会社に引き込んでくれることですね。
ばっちさんについて語る代表中島さん
外から来たCOOが見た、ないけんぼーいずのリアル
――COOとして参画するのは2社目だと思いますが、ないけんぼーいずをどう見ていますか?
ばっち:社長の中島には、この時代では少し珍しいくらいの、真っ直ぐすぎる熱さがあるんです。僕はそれを愛を込めて「気持ち悪さ」って呼んでるんですけど、その熱量が社内にすごく良い影響を与えていると思っています。
最近も本人に言いました。「俺に『キモいな』って言われへんくなったら、気をつけた方がええで」と。僕みたいな理屈で動く人間が違和感なく受け入れられるようになったら、それは”うちの尖っている独自性”が丸くなってきてる証拠だと思います。この熱さは、ないけんぼーいずが大きくなっていく中で絶対に失ってはいけない武器だと思っています。
――メンバーとの距離も近いそうですね。
ばっち:はい、20名くらいの社員数というのもあり、直接コミュニケーションを取ることも多いですね。
具体的には、入社直後から「ばっちカフェ」という1on1をやってます。仕事中や会議では、しにくい相談ってあるじゃないですか。それを拾う場です。
社長の中島と話す「社長カフェ」というのも元々あるんですけど、中島は熱い男なので、想いをまっすぐ伝えすぎちゃうところがあるんですよ(笑)。それは彼の良さでもあるのですが、それだけで解決しない悩みなどもありますし、社長相手だからこそ話しにくい悩みもあるじゃないですか。そこは僕がカバーしようかなと思ってやっています。
――マネジメントで、一番伝えていることは?
ばっち:「全部責任を引き受けます」という生き方をしているかどうか。これに尽きます。
上と下に板挟みになっている状態が、一番パフォーマンスが出ないと思っています。自分の意思100%で、正しいと思ったことを決めてやり切ることがマネジメントやリーダーとしてとても大事だと考えています。とにかく”腹を括ること”です。
僕自身、中島に許可なんて取っていないですからね。俺が全部責任を負う、と決めています。仮に自分の意思決定によって何かが崩れても、”最終的には自分が全部責任を取る”と決めているから、「黙ってついてこい」って言えるんです。
――メンバーからは、こんな声がありました。
営業マネージャー:ばっちさんが来る前は、いい意味で気合いと根性とマンパワーの組織でした。ばっちさんが入ってからは数字と根拠で考える文化が会社全体に浸透して、「OSがアップデートされた」感覚です。しかもロジック一辺倒じゃなく、人の感情へのアプローチも得意で、両面ができるのが本当にすごいなと思っています。
マーケマネージャー:ばっちさんと話すと、サウナ入った後みたいな感覚になるんですよね。頭が整理されてスッキリする。私自身はばっちさんから「自分の仕事を奪え」っていつも言われていますし、ばっちさんのように、自分の領域をどんどん広げられる存在を目指して 日々頑張っています。
ばっちさんについて語るマネージャー陣
どんな人に、来てほしいか
――最後に。ないけんぼーいずには、どんな人が合うと思いますか?
ばっち:一つは、腹を括ってやれる人。「これは自分の責任です」と言い切って、自分の意思で決めて、それをやり切れる人です。スキルは後からいくらでも身につけられますが、責任を引き受ける覚悟や在り方だけは、僕が教えられるものじゃないと思っています。
もう一つは、僕の仕事を奪いに来る人。冗談ではなくて、メンバーにも本気で言ってます。うちは毎年2〜3倍くらいのペースで伸びている会社です。ポジションも仕事も、どんどん生まれます。「与えられた仕事をやる」だけではなくて、自ら仕事を作り出したり、上の仕事を取りにいってどんどん任せられたい人にとっては、これ以上ない環境だと思います。
逆に、ルーティンワークだけをずっとしていたい人には向いていないです。同じことを繰り返して安心しきったら、成長は止まる。うちはベンチャーですし、変化することが日常なので。
今の環境で「やることはやっているのに、物足りない」と感じている人にはとても良いと思います。その物足りなさの正体は、たぶん「今の環境から学べることを学びきってしまった」ことなんですよ。自分の引き出しはもう全部使った。新しい経験が入ってこない限り、これ以上大きな成長は見込みづらい状態です。
であれば、たくさん新しい経験をして、自分の引き出しを増やせる場所に移った方がいいと思っています。伸びていて上を目指している会社は、正解のない課題が毎日降ってくるので、働いているだけで新しい経験ができます。どうせ頑張るなら、一番伸びていて、高みを目指す場所で勝負した方が面白いと思います。
こういう話に少しでも共感したり感情が動いた人は、ないけんぼーいずにマッチするかもしれないので、まずは是非カジュアルにお話しできたら嬉しいです。