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「欲は醜くてもいい。個性を大切にしながらも、同じ方向を向く組織を作りたい」——新パーパスに込められたMellowの想い

個性的なメンバーがそろう組織が1つの方向を向くために、MellowではPVVS(パーパス・ビジョン・バリュー・スタンス)を策定しました。ショップ・モビリティ事業が拡大し会社が成長していく中、Mellowは今後どんな組織を目指すのか。PVVSにどんな想いを込めたのか。管理担当役員兼CFOの山本(写真・左)、組織開発担当の天野(写真・中央)、島田(写真・右)に策定プロセスを振り返ってもらいました。

組織開発でMellowの企業価値向上に取り組む


——はじめに、三人がMellowでどんなことをしているか、それぞれ自己紹介をお願いします。

山本:山本と申します。私はもともと、Mellowの筆頭株主である株式会社イグニスの管理部長としてMellowにコミットし、管理部門の立ち上げに関わってきました。

2018年にMellowに籍を移し、現在は管理部門全体を統括する管理部長的な立ち位置で動きながら、CFOとして、代表の森口と二人三脚で資金調達に関連した役割を担っています。Mellowは積極投資を続けており、必要となる資金をエクイティ・デットを絡めて調達しています。

天野:私は以前、現在Mellow共同代表である石澤と一緒に、10年以上フードトラックの仕事をしていました。当時はフードトラック事業者さんの開業をサポートしたり、出店のアサインをしたり、売上向上の相談に乗ったり、そういったすべての流れを担当していたんです。

その後、一旦はフードトラック業界から離れていたんですが、Mellowが設立して半年ほどたった頃、石澤から「一緒にやらないか」と声をかけられました。

Mellowにジョインした直後はパートナー(フードトラック事業者)の獲得をするために、飲食店を回って営業をしました。その後、産休・育休を経て、現在はカルチャーを浸透させたり、パーパス・ビジョン・バリューを策定してそれを実行したりといった組織開発の業務を担当しています。

また、Mellowでは2020年6月にフードトラックのプラットフォームから「あらゆる移動型店舗の停留所 SHOP STOP」としてブランドのコンセプトアップデートを行い、フードトラック以外のコンテンツの拡大を始めました。一例を挙げると、豊洲市場の仲卸様とともに展開している鮮魚モビリティや、六本木のパン屋「ブリコラージュ」さんのパンモビリティなどです。そうしたいわゆる「ショップ・モビリティ」の開業サポートなど、コンサルタント業務も担っています。

島田:Mellowの創業間も無くエンジニアとしてジョインしました。それまでは携帯電話の組み込み系システム、Android/iOSアプリ、Webサービスのバックエンドなど、様々なレイヤーでエンジニアとしてのキャリアを10年ほど。

Mellowに参画後はビジネスで成功するために自分に何が出来るかを今まで以上に多く考えるようになりました。そんな折、コーチングという他者のパフォーマンスに貢献するコミュニケーション技法に出会い「これだ」と思ったのを覚えています。コーチングをどこで活かせるか考えた末、採用チーム立ち上げのときに全力で手を上げましたね。

そこから組織論や人事の領域にのめり込んで行き、気づいたら人事専任でフルコミットするようになってました。もう3年位経ちますね。

組織を運営するための「軸」がなく、カルチャーが浸透しづらかった

——今回、どんなきっかけがあってPVVSを策定したのでしょうか。

天野:会社として人事制度に力を入れて取り組んでいこうというタイミングで、あらためてメンバーが望んでいることや、自分たちの価値観として受け入れられる言葉ってなんだろうということをもう一度問いかけ、集約させようと考えたのが、PVVS策定のきっかけですね。

Mellowではこれまで「人を元気にする会社」というポリシーや、「愛・信頼・自立」といった価値観を掲げて部署や役職のない組織で事業を推進してきました。

島田:創業メンバーの思いとしても、組織に階層を作ったり、役割で人を定義づけてラベルをつけたりしたくないというのがあったんですね。「愛・信頼・自立」という価値観のもと、個々が裁量を大きく持ち、自己決定して責任を持ってやり抜くというプロセスを推奨していました。「自由に働ける」という権利がある一方、会社からのリクエストが抽象的な分、より「自分が何をすれば企業成長に寄与できるか」を自ら思考しなければならないという難易度の高さもありましたが、この期間があったからこそ愛と信頼を信じる、自由で優しいカルチャーの土壌ができたと思っています。

山本:ただ、創業後3年くらいを十数人の小規模な組織でやってきたので、このやり方でやってこれた部分もあったと思います。

昨年2月にシリーズAの資金調達を終えて、よしこれからメンバーを増やし、いざ拡大していくぞというフェーズでリモートワーク突入となり、個々の裁量に任せるというだけでは合意形成に時間がかかりすぎてしまったりと、弊害も出てきてしまいました。

島田:そこで、組織として成果を出すためにやるべきことを明文化しよう、と代表の森口がMellowで働く上で意識するポイントを「権利と義務」としてまとめ、全社に向けて発信し、メンバーとの対話やワークショップを行いました。

ただ、メンバーも色々なポリシーや価値観には共感するけれど、どういう行動をすればいいのか明確にイメージできず、「結局どれにフォーカスをすればいいんだろう」という雰囲気もあったんです。

山本:言葉を変えて定義づけることはしてきたものの、それをどう浸透させていくか。そこがどうしても弱くなりがちでしたね。

ビジョンやバリューといったものは、人事制度や評価制度といったルールがあって初めて運用されていきますが、Mellowではそれが後回しになってしまっていたんです。

島田:Mellowはこれまでにない市場をつくりながら会社を成長させていっています。メンバーが人生のあり方や働き方を組み立てていくなかで望んでいることは、もちろん人それぞれ違う。新しいことに挑戦したい、ジョブローテーションしたい、ワークライフバランスを叶えたい、仮説を立てイシューをリードしていきたいなど様々だと思います。組織開発としては、どうするとそれぞれのメンバーが力を発揮しながら、この会社でもっと楽しく働いていけるかということを考え続けていきたいと思っています。

今後、メンバーが増えれば必要な工数も増えていきます。みんなが一律に理解できる人事制度、評価制度を設けるために、会社としてどういった軸でこの組織体を運営していくのか、どういう方向に向かっていくのか、言語化する必要性を感じました。

「個性」を大切にしながら、それぞれの強みを活かして成長していこうという想いを「軸」に

——そういった背景があり、Mellowでは次のようなPVVSが策定されました。これらはそれぞれ、どんな思いで作られたのでしょうか。


島田:パーパスへの思いはボディコピーに表現しています。

「それぞれの豊かさを、それぞれの想いで。

あらゆるものが比べられる時代、人々は誰かと比べた豊かさに囚われているように見えます。そんな時代だからこそ、わたしたちは誰かと比べた豊かさではなく、それぞれが自分らしい豊かさを見つけられることを願っています。

それぞれの豊かさを満たすのは、それぞれの想いです。「想い」とは、大企業であれ個人であれ、誰もが持っている原動力です。それぞれの豊かさを叶える気持ち、それこそが「想い」です。

それぞれの豊かさを、それぞれの想いで満たし続けられる社会を実現すること。
これがわたしたちの掲げる、Mellowの存在目的です。」

山本:ビジョンではMellowのビジネスの主軸そのものを表現しています。これまでの概念では、店舗はその場にあって、体験や購買がしたい場合はそこへ行かなければ得られないものでした。近年、ECが増えてきてはいますが、店舗には人が介在しているからこその付加価値があります。人とのコミュニケーションができる「店舗」がむこうからやってくるというイメージですね。

天野:山本が言うように、モビリティってお店という「モノ」がやってくるわけではないんですよね。Mellowではリアルの場所で「人」が介在することで生まれる体験価値を大事にしたいと考えているんです。

島田:その思いを「会いたい」という言葉にこめてますね。それぞれのお客さんにとっての「会いたい」サービスは一義的なものではないはずで、お客さんにとっての価値の源泉を生み出してくれるのは、こだわりを貫いた個人だったり、再現性高く商品を提供できる企業のだったりします。そこに共通するのは、熱量を持って生み出されたサービスであるということ。

天野:Mellowではよく、ショップ・モビリティの事業者さんに対しても社内でも「個性を大事にする」という言葉を使います。個性というと個人のことを連想しがちですが、弊社の事業は個人事業者さんだけでなく企業さんもビジネスパートナーになります。パーパスとビジョンには、個人であっても企業であっても、多様性を実現できてこそ価値になる。それぞれが思う個性や豊かさを追求したいという想いを込めています。

山本:バリューが表しているのは、社内メンバーそれぞれの強みを発見するだけでなく、Mellowがビジネスパートナーとしている個人事業主さんや法人さんなど、社外の方に向けても一緒に強みを発見し、ビジネスに活かしていこうというメッセージです。

島田:わたしたちはバリューが示すように、個人ごと、企業ごと、それぞれにユニークな強みがあることを信じています。コラボレーションを促進し、時には自身で気づかない魅力や強みを発見し、社会に対して価値ある形にしていくことがビジョンやパーパスの示す姿であると考えています。

天野:わたしもふだんの業務で、社外に対しては「お互いの強みをあわせて、価値にしていきませんか?」という視点で商談を進めることが多いですね。社内のメンバーと1on1するときも、「あなたの豊かさに繋がる価値観は何かを一緒に見つけ、それを強みに変えて行きましょう」というこの視点を大事にしています。

バリューとスタンスの関係性については、個々がそのスタンスを目指すことで、最終的にチームとして描いたバリューが叶うことを念頭に置いています。たとえば、「それぞれの強みを発見して価値にする」には、お互いにオープンマインドでフラットな関わり方をし、人としてリスペクトを持つことを前提とする、という関係です。

「己を知り、他者を知る」というスタンスを表す取り組みの一例が、メンバー全員が作成するジョブディスクリプションですね。社内ではJDと皆呼んでます。一般的なジョブディスクリプションのように職務内容だけを記載するのではなく、「自分がどうありたいか(Being)」と、そのうえで「何がしたいか(Doing)」を記載していきます。

ジョブディスクリプションに記載した自分の価値観とMellowのパーパスやバリューが重なる部分を明確にすることで、「Mellowで働く」という動機付けになります。

半年間のオンボーディング期間中にメンターと共に自身の価値観を深く探っていき、それを言葉にしていく過程を経てJDのVer1が出来ます。今後はPVVSと個人のJDを連動させ、定期的にメンバーが再確認したり、自身の成長過程で見直したりを繰り返し行い、Verを更新していけるようにしていきたいです。

この取り組みはメンバー個人を知るきっかけになります。その人にとっての豊かさを知ることにもつながりますし、お互いに強みを発見しあって価値にしていこうというバリューにもつながっているんです。

島田:入社後も、役割変更の際にはメンバーのBeingを考慮して人事を行います。Slackなどで「◯◯さんのJD変更になります」みたいなアナウンスが流れたりしてますね。本当はジョブディスクリプションではなく「ライフ(人生)ディスクリプション」と呼んだほうがニュアンスが近いのですが、名前を変えてしまうと別のものとして扱われてしまい、業務記述であるDoingしか見なくなる恐れがあります。

セットにしておけば、例えばメンターが1on1などで役割変更の相談に乗る際にも自然とBeingに目を通しますよね、構造の問題です。「JDと言えばBeingとDoingがセットである」という認知が人が意識して努力するだけではなく構造上も保たれるようにするのが持続的な組織の強さにつながると思ってます。

このように、PVVSはパーパスからスタンスまでが一貫した軸になるように作られています。

詳細な背景を共同代表の2人が語ってくれているので、ぜひそちらも読んでほしいと思います。



「自分ごと」にするためにプロジェクトメンバー以外の社員もプロセスに巻き込んだ

——PVVSは、どんなメンバーで、どんなプロセスを通して策定されたのでしょうか。

山本:PVVSの策定に参加するメンバーは社内アンケートで募りました。共同代表の石澤、森口も合わせて10名ほどのメンバーが集まって、「なぜ私たちはMellowを存在させているのか」「社会に何を成し遂げたいのか?」「自分たちがどうありたいのか?」という問いを、各ステークホルダー視点でのビジネス的な価値や、各メンバーがどういう思いでジョインしているかなどから多角的に分解し、集約するというプロセスを繰り返していきました。

島田:丸一日ワークショップ形式で発散と集約を繰り返す過程を3回ほど行いましたね。様々なキーワードが出てくるなかで、創業以来大事にしてきた思いや、個人的な思い、各役割ごとに解像度の高い視点をのせていきました。

天野:そんなふうに、プロジェクトメンバーで集まってコンテキストを出し合う中で、少しまとまりかけた段階で社内のほかのメンバーにも進捗を報告しました。いま案として出ているワードを共有して、それについてどう思うか、どう感じるかといったフィードバックをもらいながら進めていったんです。

PVVSができあがったときに「人が作ったもの」という雰囲気を作りたくなかったために、あえて過程の段階からフィードバックという形で全社員にかかわってもらい、自分たちが作ったものだと感じてほしかったためです。

PVVSを作って浸透させていくときに、他人ごとのような捉えられ方にならないよう、ほかのメンバーも参加できるような形を大事にしたいと思っていました。

その過程で、パーパスの最終キーワードについてはメンバーから出たいろんな要素をまとめたものを、代表二人に表現してもらいました。

――PVVSを策定していくプロセスで、葛藤や苦労はありましたか?

山本:私が印象に残っているのは、そもそも明文化をすべきなのかという議論ですね。PVVSを明文化することで、それに引っ張られてしまうのではないかという考えがあったんです。

会社としてこの方向に向かっていこうというときに、全メンバーがそうした認識を持ってくれることも必要ですが、一方で「もっとこうしたほうがいいんじゃないの?」という考え方がおろそかになってしまうのもよくない。

だからこそこれまで明文化がされてこなかったんだろうし、あえて明文化することはこれまでのMellowの考え方ややり方を否定する動きになるのではないか……。そういった議論があったのが印象的でした。

——それでもあえて明文化したのはなぜですか。

山本:これはあくまでも私の考えですが、事業が大きくなって人が増えていくと、組織や人事制度もセオリーとしてきちんと作っていかなければいけません。

そうしたときに軸が明文化されていることで制度設計や運用がしやすくなりますし、今後上場やグローバル進出を視野に入れたとき、そこに至るガバナンスを作るという観点からも必須だと思っていたんです。

組織としての持続性や継続性を誰かが言い続けるから考える、ではなく、チームに宿る、組織に宿るというふうになって初めてMellowが企業として、組織としての優位性を持っている状態になれるのではないでしょうか。

自分の強みを大事にしながら、PVVSをもとに「それぞれの豊かさ」を考えてほしい

――策定したPVVSを通じて、今後どういった組織を実現していきたいと考えていますか?

山本:1年前に比べると、運用しているスペース数も事業のポートフォリオも拡大してきています。

それによって、株主に対しては企業を成長させる責任が、モビリティ事業者などのコンテンツホルダーへはスペースの確保など営業機会を提供する責任が、スペースオーナーに対しては提供いただいた場所で安全に運営していく責任が、それぞれ大きくなってきています。

ビジネスや事業が成長していくことで、創業時の想いや今持っているような想いのような目に見えないものは、忘れ去られてしまう可能性があります。こうした想いをPVVSとして明文化することで、これを「軸」として浸透させ、全員が同じ方向を向いていけるような組織を作っていきたいですね。その結果、会社の健全な成長につなげていけたらと思っています。

天野:各メンバーが社内外に対して、それぞれの豊かさとは何か、発信できるような会社にしていきたいと思いますね。

「どうしたらお互いの豊かさが実現できるんだろう」「あなたの強みと私の強みを合わせて価値にすれば、こういうことができるかもしれない」とメンバーが考えて、社外に広げていけるような会社組織にしていきたいです。

——定義したPVVSを踏まえて、今後どんな方にチームにジョインしてほしいと思いますか。

山本: PVVSでは、Mellowで一緒にコラボレーションしながら会社を作っていく、事業を大きくしていくための必須条件を明文化していると思っています。PVVSに共感して、同じ思いを持って、同じスタンスで仕事をしてくれる方と一緒に働きたいですね。

天野:さらに、パーパスやビジョン、バリューを自分になりに解釈して考えてくださる方が理想ですね。自分の強みや感性を大事にしながら、PVVSをもとに「それぞれの豊かさってなんだろう」「自分の豊かさってなんだろう」と思考し、体現してくださる方と一緒に働きたいなと思います。

島田:絶対的な正しさなんてものは無いと思ってます。だから周りに迎合するのではなく、自らの感性で生きている人が良いですね。取り繕った綺麗事はいらないので採用面談の場では生々しい欲であったりと、「わたしはこういう人間である」という自己表現を聞かせてください。それが原動力であるはずなんです。欲は醜くて良いと思います。最終的に人から喜ばれるアウトプットにすればOK。Mellowであなたの感性をどう発揮するかをディスカッションしましょう。

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