お客様事例 | カゴメ株式会社 | SFA/CRMツールならMazrica Sales
農業から生産・加工・販売まで一貫したバリューチェーンを持つことを強みとするカゴメ株式会社は、1899年の創業以来120年以上にわたって日本の食のあり方を提案し続けてきた。同社がSFA/CRM(営業支援ツール)を導入した背景や目的について、業界全体が抱える課題を踏まえて語る。
https://product-senses.mazrica.com/case/kagome
「営業は属人的だ」──そんな課題意識からマツリカは始まりました。
創業から10年。次世代型営業DXプラットフォーム「Mazrica」を軸に、現場ファーストを貫いてきたマツリカが、今あらためて描いているのは“営業そのものの進化”です。
今回は、マツリカ創業者の一人であり、現在も取締役、そしてProduct Department Leaderとして全社の戦略・事業開発を担う飯作に、創業の原点から組織づくり、そして今後の展望までを伺いました。
〜この記事はこんな方におすすめです〜
・「現場ファースト」の思想で事業を推進したい方
・営業という職種の未来を変える挑戦に参加したい方
・営業組織の変革に本気で取り組みたい方
営業をもっと良くできないかという動機から始まった
現場ファーストでしかプロダクトは根づかない
現場ファーストが組織に根づくまで
現場から導く、SFA/CRMの次なる役割とは
営業という仕事の未来を変える
【プロフィール】 飯作 供史(いいさく ともふみ) 取締役/Product Department Leader/HR & Culture Department Leader 東京理科大学卒業後、アビームコンサルティング株式会社にて企業のIT戦略、システム導入、システム統合、IT運用等の全社BPRに従事。また営業チャネル・販路拡大を目的とした新規事業を立ち上げ後、株式会社ユーザベースへ技術統括執行役員として参画。プロダクト運営、製品開発に従事した後、2015年に株式会社マツリカ(Mazrica inc.)を共同設立。
—— マツリカはどのような課題意識から生まれたのでしょうか?
前職のユーザベースでお客様から「営業にも企業情報データベースを使わせたい」という声を聞いたことが、マツリカ創業のきっかけになりました。
前職時代、経営企画部門の方と企業情報データベースの商談をしていた際に、「営業にも使わせたい」という声をいただいたことがありました。しかし、営業の方にヒアリングしたところ、反応は人によってまったくバラバラ。この時に、小さな違和感が芽生えました。
あらためて営業現場を観察すると、顧客ごとに最適な提案を考えるための情報活用や、提案プロセスが、ほとんど属人的に行われていることに気づきました。営業という仕事は本来、顧客の課題や意向など会話により収集した内部情報と公開されている顧客の市場環境、今後の戦略といった外部情報を組み合わせ、顧客にとって最適な解決策を提案する“創造的な仕事”であるはずです。ところが現実には、「勘と気合と根性」「背中を見て学ぶ」といった非構造的な文化が根強く残り、創造的な仕事ができるようになるための教育やノウハウを継承する場がないため、できる営業に頼っている2:8理論(2割の営業が8割の営業数字を支える)となっている。この構造を変えて、2割に入っていない8割の営業の方々もより成果を出せる、そして創造的に営業ができる方法はないかと考えたのがきっかけです。
これを実現するためには、営業の方々がどのような活動をして成果を出しているのかを集める必要があるため、毎日使うSFA/CRMから着手しようと考えました。ここで蓄積された情報とマツリカが保持する企業データベースをかけ合わせ、各営業パーソンに必要なノウハウやスキルを提供できれば、蓄積された情報はただの履歴ではなく、組織の有形資産にできる。
このような構想を形にしたのが、MazricaやDealPodsなどマツリカが提供している営業DXツールです。
—— 初期のプロダクト開発では、どのような課題に直面されたのですか?
創業初期の私たちは、「営業ナレッジを蓄積し、共有できる仕組みがあれば営業組織を今よりも強化できる」と考えていました。しかし、理想だけを先行して開発した初期のプロダクトは、ビジョンには共感してもらえるものの、導入は微々たるもので散々の結果でした。
その理由は、営業現場の人たちが目の前で抱えている課題がクリアできていないのに、その先にある理想だけを提供していたからです。階段を飛ばして、頂上だけを提供していたようなイメージです。
そこで開発方針を大きく転換しました。お客様との対話を増やし、現場の課題に真摯に向き合って階段を1つ1つ作っていこう、今この瞬間、現場の営業パーソンが「助かる」と思える機能から着手していこうと決めたんです。たとえば初期設定が簡単にできる、入力の手間を減らす、商談記録がスムーズに残せる、営業に必要なレポートが自動で作成される、関係者に簡単に共有できる──プロダクトの思想を大事にしながらも、そうした現場にとっての使いやすさに徹底的にこだわるようになりました。
この転換がなければ、今のマツリカはありません。現場で使われて初めて、営業データは蓄積され、組織の力になります。どんなに構想が優れていても、現場に根づかなければ、価値にはなりません。
——「現場ファースト」という思想の背景には、どのような原体験があったのでしょうか?
私のキャリアは、コンサルティング会社でのシステム導入から始まりました。そこでは現場の声とシステム設計がかみ合わずに失敗するケースを何度も見てきました。
経営層やシステム管理者が「正しい」と信じて導入したシステムが、現場ではまったく使われなかったり、もしくは、強制的にシステムを利用する制約を課し、現場の営業担当者は「使わされる」状態になっていたり。そもそもシステムの使い方が複雑で、導入の目的も共有されていないなど…。
結果として、現場にとってメリットがないので定着しない。そんな現場を、肌で感じてきました。
その時から「システムは、現場で利用されて初めて価値を持つものだ」と意識するようになりました。
つまり、“経営層やシステム管理者による設計の正しさだけ“ではなく、“現場の納得感”の両方を実現したい。経営層やシステム管理者だけでなく、日々使っている現場のユーザーが困らずに使うことができ、やりたいことを実現できる。そのようなプロダクトを届けられるよう、ユーザーの声に耳を傾けてプロダクトに還元しています。
また、操作方法など、現場のユーザーが今困っていることをサポートする有人チャットをプロダクトをリリースした当初から導入したのも、上記の背景からです。このような姿勢の積み重ねが、「現場ファースト」の本質だと考えています。
—— マツリカでは「現場ファースト」の考え方が、どのように組織に根づいているのでしょうか?
マツリカでは、「現場ファースト」という共通認識の元、ユーザーと接点を持つ営業、カスタマーサクセス(CS)、マーケティングなど、あらゆる部門がユーザーとの接点で得た気づきを日々開発チームに届けています。これは創業時から今もずっと続いていて、自然と組織に根付いているんですよね。
Slack上にはユーザーフィードバックの専用チャンネルがあり、ユーザーとの会話の中で出た課題や要望が、日々蓄積されています。それは単に「この機能を追加してほしい」という要望ではなく、「どんな背景があり、何に困っていて、なぜその機能が求められているのか」といった本質的な課題まで丁寧に共有し、開発組織に共有されていきます。
さらに、新機能を作る際はペルソナ顧客に対してヒアリングを行うことはもちろんですが、100名規模のユーザーが集まるイベントで直接ヒアリングしたり、ユーザーコミュニティサイトに投げかけてフィードバックを集めたりということを、地道に行っています。営業、開発に関わらず、あらゆる部門において顧客の声を聞き続けることが、マツリカが「現場ファースト」を実現するうえで大切にしていることです。
すでに多くの競合他社が市場に存在するなかで、後発である私たちが選ばれるためには、ただ同じ機能を揃えるだけでは足りません。むしろ、既存製品では当たり前のように見過ごされてきた“使いにくさ”や“わかりにくさ”にこそ、後発ならではの改善余地があると考えています。
だからこそ、マツリカのプロダクトは、ユーザーの使い方を想定して直感的な操作やユーザーが理解できる設計思想に徹底してこだわります。ユーザーが「あーそうそう、これだよ」と思える体験を届けること。それが後発である私たちにとっての使命です。
実際、この「現場ファースト」を評価いただいた事例もあります。導入企業である食品大手のカゴメ様は、ある外資サービスからリプレイスされました。カゴメ様は、1000人を超えるユーザーに対して自社だけで運用し、現場に効果的に活用してもらうのは難しいという課題を抱えていましたが、「Mazricaだったらそれができると思えた」という理由から導入いただきました。
▼カゴメ社の事例
—— ”次世代型営業DXプラットフォーム”の今後の展望は?
マツリカでは創業当初から「現場ファースト」を軸にプロダクトを磨いてきました。どの機能をつくるかは、自社の理想と顧客が本当に求めていることの両面から考える。そうした姿勢の積み重ねが、これまでのプロダクト開発を支えてきたと感じています。
その延長線上にある次のテーマが、営業活動そのものを「支援する」プラットフォームです。従来のSFA/CRMが担ってきたのは「記録」と「共有」ですが、いま求められているのは「次にどうすべきか」を導く仕組み。つまり、営業活動の行動変容を促すことです。
その実現に向けて、今マツリカが取り組んでいるのが、AIを活用して蓄積したデータを有効活用する支援です。先日リリースしたMazricaの新機能「サマリーエージェント」や新規プロダクトのDeal Agentはその第一歩です。今まで人間が行ってきた要約や顧客との定型的な活動を代替する、言わば、各営業に寄り添う“AIエージェント”のような存在を目指しています。
営業は長らく、属人的な仕事として語られてきました。経験や感覚が暗黙知として属人化し、それをチームや組織に還元する仕組みがない。結果として、再現が難しく、育成も引き継ぎも難しい。こうした構造が、営業という職種の再現性を狭めてきたと感じています。
私たちは、営業活動を画一化したいわけではありません。むしろ属人性を否定せず、それぞれの個性が活きる営業スタイルを支えるために、ベースとなる「型」が必要だと考えています。型があるからこそ、判断や工夫に余白が生まれる──自由で創造的なワークライフを実現することこそが、マツリカの目指す営業DXの姿です。
—— マツリカは今後、どのような未来を見据えて営業支援に取り組んでいくのでしょうか?
これからの時代はChatGPTを筆頭とするLLM(大規模言語モデル)を活用したパーソナライズされた支援が進んでいくと考えています。その際に重要になるのが、データの網羅性とリアルタイム性です。学習したデータが足りなかったり、古い情報を学習してしまったりすると、LLMは誤った解答をしてしまうからです。マツリカも、より多くのデータをリアルタイムで蓄積できるようにしていきたいと考えています。
そして、蓄積したデータを活用して、より多くの営業パーソンが「成果を出せる営業」として活躍できるようになる。そんな仕組みを、私たちは技術とプロダクトでつくっていきたいのです。
エンジニアの世界では、かつて属人化していた知識やノウハウが、GithubやQiitaなどといったナレッジ共有の文化によって情報がオープンになり、今では世界中で開発ノウハウが共有され、一定の型の上で開発が進められるようになりました。営業にも、それと同じような変化を起こせるのではないかと考えています。
営業という仕事を、もっと楽しく、創造的に。現場に寄り添い、顧客とともに歩む。その価値をさらに高めていく未来を、マツリカは本気で描いています。
そしてその挑戦は、まだ始まったばかりです。
営業に再現性を与えたい——。マツリカはこの想いを胸に、国内最後発でSFA/CRM市場というレッドオーシャンに飛び込み、「現場ファースト」でプロダクトを提供してきました。
実際に営業現場での使いやすさを評価いただき、導入いただくこともかなり多くなっています。
そんな自社プロダクトに誇りを持っている、そんな仲間が溢れるマツリカにあなたもジョインしませんか?
▼プロダクトマネージャー
▼AIエンジニア(データサイエンティスト)
▼UI/UXデザイナー
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