自分のビハインドを理解した上でキャリアを考える
IT業界は中途未経験で入ってくる方も比較的多く、もれなく私も同じキャリアを歩んでいます。
私がIT業界で働き始めたのが2015年のこと(当時30歳)
それまで幼稚園児や小学生を対象とした体操の先生をやっていました(スポーツクラブみたいな感じです)
未経験で入社した会社はインフラエンジニアを主体とした大手派遣会社で、未経験採用も積極的に行なっており、未経験30歳の私でもなんとか内定をもらうことができました。
しかし、現実は厳しく年収も初年度は200万円台、賞与が全額もらえる2年目の試算も300万円台前半というものでした。(異例の出世で2年目には役職をもらいましたが、現実は厳しく…)
結果としては1年半ほどでこの会社を退職しました。
ちなみに退職の原因としては以下のものがあります。
- 大手だと給与テーブルがある程度決められており、どんなに成果を出しても一気に昇給しない
- 働けなくなった時の保証や、研修制度、待機となった時の保証はある程度充実していたが、その分普段の給与が低い
そもそも30歳未経験なんて、新卒で大手企業に入社した人と比較したらとてつもなく後ろからのスタートになる訳です。
大手SIerに新卒で入社した人が30歳になる頃には普通にPLやPMの最前線で活躍し始める頃です。
ここから大手企業の役職を目指そうとしてもなれない可能性の方が高いですし、なれたとしても10年以上かかる可能性だって十分にあります。
- 自分は新卒からIT業界にいる人間とは雲泥の差がある。
- 追いつくためには同じルートを歩んでいたら絶対に追い付けない
- 自分の強みを最大限に活かす→前職の経験でコミュニケーション能力は平均以上のものがあると思っていた
実力だけでは出世はできないことも多いけれど、実力さえあれば勝負できる環境で勝負しようと考え行動した結果、現在では約5年半プリセールスエンジニアとして生き残ることが出来ています。
上流工程に行けず悩むエンジニアは想像以上に多い
情報収集をしていく中でIT業界は業界の多重構造の世界や、ブラックな環境、定年35歳説といった様々な情報を得ていきました。
まず市場価値の高いスキルはどうやったら身に付けられるのか?というのを考えた時に、やはりビジネスの中心にいる必要があると考え、末端で仕事をもらうだけであれば、それは市場価値が高いとは言えないという結論に至りました。
その中で日本のITビジネスの中心である大手SIerは30歳未経験が中途正社員で正面から入ろうものなら門前払い確実だと思いましたが、比較的派遣社員の比率が高いことを知りました。(そして未経験も一定数入っている)
そして運用や保守、テストと言った工程から上流工程に行けず悩んでいる人が身の回り含め非常に多くいることを実感しました。
それと同時に、キャリアに悩める人たちと一緒にキャリアアップを実現しつつビジネスとしても勝負できるのではないかと考えて設立したのが株式会社ラワンセです。
どうしたら上流工程に行けるのか?
なぜ下積みを数年やっても上流工程に行けないのか?
他社のやり方や、現場に来ている他社の体制等を見れば一目瞭然で、多くの会社が若手でも単独常駐させているからです。
つまりキャリアアップが個人の力に完全依存していて、キャリアアップが成功すれば会社のおかげ、キャリアアップに失敗したらその人のせいみたいな状況になっていたからです。
若手が1人でSIerの業務を覚えていくことはめちゃくちゃ大変です。
本当に些細なことで時間を取られ、周りに聞けばすぐ解決することも中々聞けず…みたいな光景を散々見てきました。
そんな時に身近にサポートしてくれる人がいるだけで全然違うのに…と思いながら反面教師として考えることにしました。
そもそも組織の存在意義として全社員のキャリア成功を可能な限り実現すべきだと考えていますし、個人任せにするのであれば組織である必要が全く無いと考えています。
現在弊社では大手SIerに30名を超えるエンジニアが就業しており、プリセールス/要件定義/設計/構築/QAサポート/トラブルシューティングといった様々な工程を担当するエンジニアがリアルタイムで情報交換できるコミュニティが出来ています。
派遣やSES界隈でよく耳にする「自社の人とほぼ面識ないんですよね」と嘆いているエンジニアとどちらが成長する可能性が高いかなんて比べるまでもありません。
そして実績として弊社では約85%のエンジニアが上流工程の業務を行っています。
SESではまずあり得ない数字だと思います。
※豊富な経験者ばかり採用して上流工程にアサインしているのではなく、採用者の7割以上は経験2年未満です
ありがたいことに「ラワンセさんは現場で互いにサポートしあってくれるから多少経験足りなくても安心して契約できるよ」と現場からも評価いただいています。
なぜフリーランスやSESではなく派遣なのか?
冒頭に述べた通りビジネスの中心にいる必要があると考えた際、ターゲットは大手企業やSIerといったところが候補になります。
大手企業では監査の指摘内容や、コンプライアンス、下請け法といった各種監査が年々厳しくなっており、昨今では偽装請負の指摘も非常に厳しくなっているため、SESの1人常駐を禁止する方向に変わりつつあります。
つまり準委任契約を結ぶSESやフリーランスでは大手企業と直接仕事をすることができない時代になりつつあります。
そうなってくると派遣一択という結論から派遣事業許可の資格を取得し、創業してすぐに大手SIerと取引を実現しました。
そもそもSESでは二次請けの立場で一次請け企業向けのプロジェクトマネージャーを出来ることはあっても、エンドユーザーと直接やりとりしてプリセールスやプロジェクトマネージャーを出来る機会はほとんど無いということから選択肢から現状外しています。
(そもそも我々にとって重要な顧客に対してどこの誰かも分からないエンジニアをアサインすることはしません)
市場価値の高いスキルとは?
市場価値の高いスキルなんて山ほどありますが、組織としてみんなで身に付けていこうと考えた際に再現性というものが必要になってきます。
100人いて数人しか身に付けられないのであれば、それは限られた人にしか到達できない領域となってしまい、組織の強みが活かせているとは思えません。
- 訓練すればある程度誰でも出来るようになる
- 教育カリキュラムが組みやすい
- その上で市場価値が高い
これらの条件を考えた時に辿り着いたのが大手SIerでプリセールスエンジニアやプロジェクトマネージャーをやることが最も再現性高く、自社内の多くのエンジニアが市場価値の高いスキルを得られる可能性が高いという結論に至りました。
私が"あえて"派遣会社でエンジニアとして働く理由
なぜ私が大手企業の正社員としてではなく中小の派遣会社で正社員として働くという選択をしたのかまとめると、以下の様に考えているからです。
- ある程度決まった給与テーブルの中で相対的に評価される環境は自分に合わない
- 自分で実績を出した分を対価(給与)としてもらいたい(逆に成果が出せないなら給与はいらない)
- 自分の考えに賛同してくれる仲間と楽しく仕事がしたい
- 世間体や肩書きなんてどうでも良くて、大手企業の正社員よりも高い給与を稼ぎたい
ただし、派遣という働き方はリスクもゼロではありませんので、誰にも勧められる働き方かと言うとそうではないと考えています。
2018年9月に特定派遣は完全廃止(法律で禁止)となっており、契約終了とともに解雇ということはありませんが、実力が伴わないといつ契約解除されるか分からない、自分で好きな業務を選べないといったことが発生します。
市場から引く手数多のエンジニアであれば契約が途切れることを考える必要が基本的に無く、普段の給与も最大限まで高くすることができ、仕事も自分の好きなものを選べるという状態になります。
ここまで到達することが出来れば間違いなく普通の企業で正社員をやるよりメリットが出てきます。
我々は自社の社員全員がそのレベルに到達できるよう組織一丸となってキャリアアップをサポートしていくことに力を入れています。
株式会社ラワンセでは「自分の実力でどんどん勝負したい」、「ビジネスの中心で仕事をしたい」、「まだ経験が足りないかも…でも意欲だけは人一倍ある!」というインフラエンジニアを募集しています。
もしご興味お持ちいただけたら気軽にお話を聞きに来ていただければと思います!