こんにちは!リトプラでアトラクション開発を担当しているエンジニアの渡邉です。
弊社は、「遊びが学びに変わる」をコンセプトに、全く新しい次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を企画・運営しており、デジタルコンテンツならではの体験の新しさ、可変性の高さを生かしたアトラクションを数多く生み出しています。
以前、「~アトラクションができるまで~」と題して、アトラクションを開発しているメンバーから実際にその裏側を話していく企画を始めました。
第二回の今回は先日、アプリとして配信を始めた 感情リズムフィットネスアプリ「EMORHYTHM / エモリズム」について開発の裏側を話していきます!
パークのアトラクションとは違い、モバイルアプリとして日常の中で遊べる形として配信を始めた本アトラクション。元々はモバイル向けとは別の形で開発したアトラクションがどういった形でモバイルアプリという形で生まれ変わったのか。その裏側を話していければと思います。
アトラクションの紹介
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「EMORHYTHM / エモリズム」は感情を表現する"表情"を使い、楽しくリズムに乗って遊べるアトラクションです。今回そのアトラクションがモバイルアプリとなって配信を開始しました!
リズムにあわせ、カメラに向かって「笑い」「泣き」「怒り」「驚き」の4種類の表情を作り、どれだけ指示どおりの表情を作れたのかで得点を競います。 リズムはだんだんとスピードアップ。
より速く表情を切り替えられるかが高得点のカギとなります。
最後には点数とベスト表情ショットが表示され、面白い表情が撮れることも?
元気いっぱいに表情を動かし、面白い表情を見せ合いながら、表情と感情を育むことのできる、アトラクションです。
どうやって実現しているのか
エモリズムの体験との肝となっているは「表情認識」です。
人によっては変化する様々な表情を認識するために「機械学習」を使って判別を行っています。
「機械学習」というのは、人がプログラムするアルゴリズムとは異なり、たくさんのデータを元に学習させ、人の感じる印象のように「笑顔っぽい」という表情を判別させる手法のことです。
今回このアプリを実装する上でも、たくさんの表情をデータを元に表情を判別できるようなモデルを作成し、それをモバイル上で動作させることで実現しています。
表情といっても様々な表情がありますが、いくつか認識の精度を検証していく中で、このアトラクションでは安定して判別がしやすい「笑顔」「驚き顔」「悲しみ顔」「怒り顔」の4つの表情を使う形にしています。
開発の背景
実はこの「エモリズム」、今回のモバイルアプリになる前に一度、別の形のアトラクションとして開発がされたものになります。
元々はサイネージ型の筐体で遊べるコンテンツとして、2020年初めに開発したアトラクションでした。
当時は新型コロナウイルスの流行し始めの時期であり、「非接触で遊べるアトラクション」として何か作れないか、と企画が始まり、"顔"を使ったアトラクションを作ろう! と始まったのがきっかけでした。
当時はそんな形で開発を行い、いくつかの施設さんにも導入いただいていました。
それから時がたち、2023年。
マスクをした生活が当たり前になって数年、そしてマスクをしない生活が戻ってきつつもある時期。
外で表情を見ることも、見せることも少ないことに慣れてしまった今、表情を外でも交わす時が戻りつつあります。
そんな今だからこそ、"表情"を豊かにするこのアトラクションで、表情で感情を表現する楽しさを取り戻す助けになるのではないか?
そう感じたこと、また後述する弊社でのパークのあり方の考えの二点が合わさり、今回、日常に届けられるモバイルアプリという形で配信するプロジェクトが立ち上がりました。
新型コロナウイルスの流行し始めの時期に生まれたコンテンツが、今度はその状況を落ち着き始めた今、また別の形で生まれ変わる、というのも感慨深いものがあります。
開発に当たって苦労したこと、こだわり
開発にあたってこだわった点は「誰でも楽しく」「恥ずかしがらずに」遊べるということでした。
プレイしてもらうユーザーに存分に顔を動かしてもらって、それによって表情を豊かにしてもらいたい。
でも表情を変える、となると誰だって恥ずかしくなってしまいますよね?
子供にとってはよりなおさらです。親が見ているとより恥ずかしがってしまう。
どうしたら、恥ずかしがらずに思いっきり遊んでもらえるだろうか...
そこで目をつけたのが、皆さんも子供時代で見たであろう、「子供向けの歌番組」です。
お兄さん、お姉さんが出てきて、お手本の歌を歌いながらそれに合わせて歌う。
その子供番組を見ている時、子供たちが恥ずかしがらずにそこに参加していく姿を見て、これだと思いました。
基盤となる遊びとしては誰でも楽しめるリズム遊びをベースに、モチーフとして歌番組の要素を入れていくことに。
デザインの方向性も歌番組のような楽しげなものを目指し、歌番組でも重要な「ナビゲートするお姉さんポジション」のキャラクターとしてウサギのキャラクターをメインにおきました。
また、そのキャラクターがナビゲーションする声は、元幼稚園教諭を務め、現在はパークのナビゲーターを務めるメンバーが担当しています。子供たちを楽しく導くプロでもあったメンバーだからこそ、それこそ子供番組を見るような感覚で子供たちも楽しく、恥ずかしがらずに遊んでいただけるのではないかなと。
様々な職種のメンバーがいる弊社だからこそ、そういったアプローチがつながり、新しい体験を生み出すことにつながっていくことがある、弊社だからこそのコンテンツにもなったのではないかと、実感できた瞬間でもありました。
開発担当者からひとこと
今回紹介させていただいた「EMORHYTHM / エモリズム」
モバイルアプリとして配信させていただいていますが、ここまでこういった疑問を持つ方もいるかもしれません。
テーマパークを作っている会社がなんでモバイルアプリとしての配信を?
パークで使う会員アプリとかならまだしも、それとは別のアプリの配信。
理由は、わたしたちが運営しているテーマパーク「リトルプラネット」、
そのパークに来ていない時にも、パークで遊んでいるような感覚や体験を届けたい、と考えているからです。
弊社では今までもパークで描いた塗り絵を家に帰っても楽しめる「AR PLAYGROUND」 というARアプリや、同じくサイネージタイプで提供していたコンテンツである「みんなの昔話」というをアトラクションをモバイルアプリという形で配信してきました。
これも、「リトルプラネットの世界を家に帰ってからも楽しんでもらおう!」という気持ちを込めて、出させていただいたものでした。
リトルプラネットは、訪れるたびに新たな遊び(楽しさ)に出会える、「進化するテーマパーク」を目指しています。
リトルプラネットという場所としてのパークの遊びだけにとらわれず、もっと日常でもリトルプラネットという世界に触れていただけるような形に進化していく。
そのために、「日常使いできるアトラクション」という形で、皆さんの日々の中にアトラクションを提供もできるのではないかと考えました。
今後、それだけではなく、日常で遊んだ結果をパークに持ち込み、日常とパークとのつながりを強めていこうと考えています。
例えば、弊社ではパークでのアトラクションの体験結果を残せる仕組みを持っています。
アプリで遊んだ履歴も、パークで遊んだ履歴も溜まり、日常の延長でパークの体験があるような、常にリトルプラネットに触れている体験を作りたいと考えています。
今回の「EMORHYTHM / エモリズム」だけではなく、日常からリトルプラネットの世界に触れる入り口を作り、「いつでもそばに寄り添っているようなテーマパーク」という姿も見せていけるよう、進化していければと考えています。
リトプラではこのように日々、新しいアトラクションやテーマパークを作り続けています。
新しい体験だからこそ、決まった遊びの形というものはありません。
日々いろんな遊びの種を仕込み、アトラクションにして行っています。
今後も続々と「新しい遊びの形」を提供できたらと考えています。
少しでもご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にエントリーください!