採用担当の末永です。私は採用と人材育成を担当しています。
今回は、あるチームの活動が非常に良かったので、共有致します。
1年目の若手社員が業務でミスが続いて悩んでいるので、先輩社員がサポートしてくれています。
以前より、先輩社員から相談を受けていたのですが、今回現場でミーティングの機会を設けてもらったので、参加させてもらいました。
★登場人物
若手社員Dさん、先輩社員Aさん、先輩社員Bさん、先輩社員Cさん
会議中の会話
先輩社員Aさん:
「じゃあ、今日の会議を始めましょう。Dさん、最近業務で少しミスが続いているって話をしてたけど、今日はそれを解決する方法を一緒に考える時間にしたいと思います。気楽に話してくださいね。」
Dさん:
「ありがとうございます。正直、自分でも何が問題なのかよくわからなくて…。申し訳ないです。」
先輩社員Bさん:
「問題ないよ。原因がわからないときは、こうしてみんなで一緒に整理するのが大事だ。今日は課題管理表を使って、課題を具体的に洗い出していこう。」
先輩社員Cさん:
「まず、最近の業務でどんな場面でミスが起きたのか教えてくれる?」
Dさん:
「えっと…全体的に手順が抜けてしまったり、作業の優先順位が間違っていたりしました。」
先輩社員Aさん:
「なるほど。どちらもよくあることだけど、一緒に解決策を考えてみよう。」
課題管理表を使った問題整理
先輩社員Bさん:
「手順が抜けてしまうっていうのは、進め方に原因があるかもね。Dさん、作業を始める前にどういう準備をしている?」
Dさん:
「えっと…とりあえず急いで取り掛かることが多いです。でも、全体像を確認できていないかもしれません。」
先輩社員Cさん:
「それなら、全体像を把握してから進めるために、タスクを細分化して、それぞれ確認ポイントを作るのがいいと思う。これが手順漏れを防ぐ基本だよ。」
Dさん:
「そうですね…。タスクを細かく分けるのは試してみたいです。」
先輩社員Bさん:
「次に、優先順位の問題についてはどうだろう?優先順位はどのように判断している?」
Dさん:
「判断が曖昧で、どうしても目の前の作業を優先しがちなんです。全体のバランスを見れていない気がします。」
先輩社員Aさん:
「Dさん、最近、業務量が多くてキャパオーバーになっていない?心の余裕も関係している気がするんだけど。」
Dさん:
「実はそうかもしれません。いっぱいいっぱいで焦ってしまって…。」
Dさんの本音を引き出す
先輩社員Cさん:
「それなら、焦りや余裕のなさが原因かもしれないね。Dさん、何が一番プレッシャーになっている?」
Dさん:
「先輩たちの期待に応えたいと思って、早く業務を完璧にこなせるようにならないと…と焦っています。でも、それが空回りしてしまう感じで。」
先輩社員Aさん:
「その気持ちはすごくよくわかるよ。でも、焦らなくて大丈夫。ミスをしても、それをどう改善するかが一番大事だからね。」
先輩社員Bさん:
「それに、優先順位を見失わないためのツールや、余裕を持つための仕組みを一緒に考えれば解決できる。ここからは具体策に移ろうか。」
新たな管理ツールの提案
先輩社員Cさん:
「これまでの課題管理表も役立つけど、Dさんが一人で進められるように、新しい仕組みを考えたよ。『タスク進捗表+優先順位リスト』だ。」
先輩社員Bさん:
「タスク進捗表には、タスクの具体的な内容、優先度、期限、確認ポイントを記入する。優先順位リストでは、全体のタスクを俯瞰できるようにして、優先順位の決定をサポートするよ。」
先輩社員Aさん:
「さらに、2週間に1回の振り返りミーティングも導入しようか。Dさんが一人で抱え込まないように、進捗を共有する場を作るのが目的だよ。」
Dさん:
「ありがとうございます…!それなら、自分でも進めやすいし、徐々に慣れていけそうです。」
最後の一言
先輩社員C:
「Dさん、焦らなくていいから、一つずつ確実にやっていこう。それが一人前への近道だよ。」
先輩社員B:
「困ったときは、必ず相談してね。私たちはDさんをサポートするのが仕事だから。」
先輩社員A:
「これからも一緒に頑張っていこうね!」
Dさん:
「はい!ありがとうございます、頑張ります!」
今回の会議を通じて、Dさんが業務において抱えている課題だけでなく、その背景にある焦りやプレッシャ
ーといった本音を共有してくれたことは非常に意義深いものでした。Dさんが『早く一人前になりたい』と
いう前向きな気持ちを持っている一方で、その気持ちが焦りにつながり、ミスの原因になっていたことが
明らかになりました。これは、多くの新人が経験する共通の壁とも言えます。
また、先輩社員それぞれが異なる視点でDさんをサポートしようとする姿勢が印象的でした。優しさをもっ
て精神的な支えを提供するAさん、ロジカルに課題を分析し改善策を提案するBさん、厳しさの中にも的確
なアドバイスで指導を行うCさん。それぞれの役割が調和し合い、Dさんが安心して課題解決に向き合える
環境が整いつつあると感じました。
具体的な改善策として提案されたツールや『振り返りミーティング』は、Dさんだけでなくチーム全体の業
務効率を高める可能性があると期待しています。これらを適切に活用することで、Dさんが手順漏れや優先
順位の混乱を防ぎ、一歩一歩着実に成長できる仕組みが構築されるでしょう。
最後に、今回の会議で得た一番の成果は、Dさんが抱える不安や課題を「一人で抱え込まずに共有する」こ
との大切さを改めて確認できた点です。この文化が根付けば、Dさんが自信を持って業務に取り組めるだけ
でなく、チーム全体がより強い絆で結ばれるはずです。
今後も、ミスを恐れず挑戦するDさんの成長を全員で支えながら、一人前の社会人として自立できるよう人
材育成担当としてサポートしていこうと思います。
もちろん、定例会議には私も参加するので、毎回成長していく過程を見れるのが楽しみです!