カケハシには、現在350名を超えるメンバーが在籍しています。そんな数多くのメンバーが入社するまでの過程で必ず経験するのが、採用を担当しているメンバーとのコミュニケーション。ある意味「カケハシの顔」と称することもできる採用担当の彼らは、いったい日頃、どのような意思を持ちながら採用活動に取り組んでいるのでしょうか。
今回は、カケハシの採用担当として候補者との接点をもつリクルーターが、「候補者体験」をテーマに議論を交わしているとのことだったので、座談会に少しだけ同席させてもらいました。
目次
- 事業とカルチャーに惹かれ、カケハシへ
- さて、私たちが目指す“候補者体験”ってなんですか?
- リクルーターだからこそできる、候補者とのフラットな関係性構築
- カケハシとの出会いを、どう設計する?
事業とカルチャーに惹かれ、カケハシへ
石毛:普段からチームとして話をすることはあるけれど、こういう感じで面と向かって話す機会は久しぶりですね。まずは、それぞれの経歴やカケハシとの出会いを簡単に振り返りながら、カケハシの採用について話していきましょうか。入社の早い順っていうことで、満江さんから自己紹介をお願いできますか?
尾崎:今、絶対に「入社が早い順に」って言うと思いましたよ〜!(笑)
満江:本当ですね(笑)。じゃあ、ご指名をいただいたので僕から話しますね。もともとは新卒でメーカーの営業を担当していました。その後、人事異動で人事配属になって、未経験でこの仕事を始めたんです。最初は右も左もわからない状態でしたが、人事として働くうちに「この仕事、おもしろいな」って思うようになって。特に組織の活性化みたいなところに貢献できるのがいいなあ〜と。
石毛:なるほど。人事を介して、組織が変わる点に魅力を感じたんですね。
満江:そうですね、組織をサポートできる立場にあるっていうのが興味深かったし、僕自身のパーソナリティとも合っているなと感じたんですよね。けれども、長いこと同じ会社のみで働いていると、仕事の引き出しが増えていかないなあと思って、5年人事を担当したのちにカケハシにきました。
カケハシを選んだのは、子どもに誇れる仕事がしたいという思いと、カオスさを感じられる環境として歴史の浅い企業に移りたいという思いから。いくつか候補を見つけたなかで、一番フィットしたのがカケハシでした。尾崎さんも、たしか営業から人事っていう流れでしたよね?
尾崎:そうなんですよ。新卒では、店舗や施設の順番待ち・予約プラットフォームを展開する企業に営業職として入社したんですが、新規事業として薬局やドラッグストア検索サイト事業を立ち上げるタイミングでの入社だったので、カケハシはその当時から競合他社の一つとして認識していました。
そこで3年半くらい働いたあと、プロダクト開発人材に特化したエージェントに転職し、HR領域の仕事に携わるようになりました。5年半ほどマネージャーやシニアコンサルタントとしてエンジニアの方のキャリアに寄り添う仕事をさせてもらっていたんですが、在職中のラスト1年はカケハシのエンジニア採用を担うコンサルタントとして従事させてもらっていて。6〜7名ほどをカケハシへ送り出しましたかね。
石毛:いやあ、すごい縁ですよね。そこからカケハシに転職するっていうのも驚きですし。
尾崎:コンサルタントとして働いていると、送り出した方が無事に良い人生を歩めているのか、その先の未来のことまではなかなかわからないじゃないですか。だから支援側ではなくて、いずれ自社の人事としてメンバーの成長、ひいては会社の成長を促すような仕事をしたいなって思って。
10〜15社ほど候補の会社を挙げてカジュアル面談をしたんですが、そのなかでカケハシは社会的意義のある事業を行なっていて、社員の本気度も高い。カルチャーもマッチしたので入社しました。
石毛:僕も二人と似たような経緯でここにきました。カケハシは3社目なんですが、これまでは転職サイトの運営や人材紹介事業を行なっている会社での企業の採用支援や、デジタルマーケティングの会社でエンジニア専門の採用担当として働いてきました。
その後、社会に対して貢献できる事業に関わりたいと思うようになり、教育や医療業界の人事として転職活動をしていたんです。今、4人の子どもと一緒に暮らしているんですが、子育てを経験するなかで、そういった事業に対する興味関心が高まっていました。
そうして出会ったのが、カケハシでした。事業の意義、ミッションやバリューフィットなどを大切に選考活動をしていくなかで、カケハシが自分には合うなと思ったのが転職を決めた理由です。二次選考では満江さんとも話をしましたよね。そのとき「一緒に働きたい!」と感じたのを覚えています。
満江:おお、それは嬉しいですね。ありがとうございます。
さて、私たちが目指す“候補者体験”ってなんですか?
石毛:改めて、ここから本題について話をしていこうと思うんですが、僕たちが目指す「候補者体験」ってどういうものなんでしょう。普段の業務のなかでも最近よくこのフレーズについて話をするタイミングがあるけれど、二人は候補者体験について、どう考えていますか?
満江:まず候補者体験の定義から確認していきたいと思うんですが、僕としては候補者体験を「面接や面談での体験」だけでなく、採用活動・転職活動のフロー全体における体験だと考えるようにしています。というのも、「候補者体験」という言葉から受ける印象って、面接や面談での体験のみっていうニュアンスが強いのかなと思っているんです。
面接・面談というのはたしかに重要な場ですけれども、面接の前後の連絡であったり、納得感を持って話ができるかどうかであったり、候補者が知りたい情報をしっかりと得られる環境であったり、採用活動において重視されるポイントってほかにも随分ありますよね。
多くの方は複数の企業の選考を同時に進めているので、面接以外の印象も含めて企業を比較しているはず。そう考えると、面接以外の時間でも「この会社、いいなあ」と思ってもらえる体験を積み上げていくことが重要です。そうして生まれるのが、良い候補者体験なのではないかと考えています。
石毛:なるほど。僕もそのあたりは少し似ていて、候補者とカケハシ側の双方にとって、高い相互理解とコミュニケーションが実現できている状態を目指して候補者体験を考えています。選考活動は、候補者と企業側のそれぞれが高い満足度を得られることがなにより重要だと思っているんですが、それはお互いがフェアに情報を提供して判断できる状況をつくることから始まるので。
理想はカケハシの選考活動に良いイメージを持って、次の面接に進んでもらうことなんだけれども、仮に辞退する場合でもカケハシのファンになってもらっている状態をつくりたいなと思っていますね。
尾崎:企業が候補者を見極めて選ぶ時代から、企業が候補者に選ばれる時代へと、採用市場も変化していますからね。選考の結果のみにこだわるのではなく、「カケハシの選考を受けてよかった」と感じてもらうことも、採用に携わる人間が目指す一つのゴールではあるのだろうなと思います。わたし自身も、その思いのもと候補者体験の設計を考えていますね。
たとえば、カケハシでは面接官として面接に参加するメンバーに、事前のオンボーディングを実施しています。候補者の情報をただ共有するだけではなく、どういった情報を正しく伝えてほしいのか、候補者が感じている不安や疑問、そういったものを漏れなく伝えることが目的です。そうして、面接を通して、面接官と候補者の双方が有意義な時間を過ごせることを目指しています。
なかにはポジティブな話だけではなく、組織としての課題や事業としての難しい点など、ネガティブな情報を候補者に伝えなくてはならないことがあるかもしれません。そうした情報も開示することで、カケハシで働くイメージをより立体的なものにしてもらえたらと思っています。
候補者の描くキャリアプランとのミスマッチを防ぐためにも、お互いが持っている情報をオープンにできるような体験設計を意識できるといいですよね。
石毛:以前、カケハシの選考を辞退されたとある候補者の方が、時間を経てから「もう一度選考を受けたい」と連絡をくださったことがあるんですよね。カケハシの選考体験が良かったから、改めてキャリアを考えたタイミングでもう一度話したいと思ってくださったとのことで。
そういうふうに、選考を通してカケハシのファンになってもらえるような時間を提供することが、僕らには求められているんじゃないかなってそのエピソードから切に感じました。
候補者にはそれぞれの人生があるのだから、選考を受けてくださった瞬間にご縁があるかどうかはわからない。ただ、そのときの選考体験が良いものだったら、未来でまた縁がつながっていくかもしれない。短期的な目線だけではなくて、長期的な目線で体験を設計することは本当に重要だなと思っています。
リクルーターだからこそできる、候補者とのフラットな関係性構築
石毛:候補者と向き合うときに、人事として意識していることって二人はなにかありますか? 実際の業務に携わったり、働くイメージを持ってもらうのは、それぞれの面接官に任せている部分が大きいかなと思うんですが、人事ならではの観点で取り組んでいることがあれば教えてほしいです。
尾崎:まさにその観点から私自身が意識しているのは、候補者にとっての壁打ち相手でいられるようなコミュニケーションです。転職って人生においては転機になり得るものだし、人生の幸福度を左右する要素である可能性も高い。なので、一人ひとりの候補者が納得できるような環境をつくりたいんです。
そのために、たとえば選考と選考の間で1〜2時間くらいの相談の場を設けて、カケハシについて確認したいことや、キャリアを形成するうえで悩んでいることを話してもらう時間をつくることも少なくありません。候補者とカケハシの間に立つ存在というよりは、徹底的に候補者の目線に立っているのかな。キャリアのゴールを描いたうえで、そのための選択はカケハシがいいのか否か、一緒に考えさせてもらっている感覚です。
どういった結論になったとしても候補者の人生にとって良い選択が見つかるのであればそれがベストなので、無理にカケハシに入社してもらうような動きっていうのはないですかね。だからか、担当させてもらった候補者の方からも「カケハシを選んだ理由の一つには、尾崎さんの存在がありました」と言ってもらえることがあって、本当にありがたく思っています。
石毛:尾崎さんの徹底したパートナーシップ、とてつもないですよね。たしかに、候補者に寄り添うスタンスっていうのは、僕も強く意識しているところです。特に、候補者のご家族が抱える不安を拭いたいと思う機会が多いでしょうか。
というのも、カケハシはスタートアップの規模感ですが、平均年齢が35歳前後です。社員にも結婚している方、お子さんを育てられている方が多いですが、候補者もそういったケースが多くて。「家族の理解を得られるかどうか不安」という声を耳にする場合もあります。
満江:スタートアップへの転職だからこそ感じる不安や心配はありますよね。そういった声をもらったとき、どんなふうに対応しているんですか?
石毛:以前、そういった相談をもらったときは、ご家族に向けた手紙をつくってお渡ししました。どんな会社で、どんな仕事をしていて、どうしてそのご本人に入社してほしいのか。そういったことを伝えるための手紙です。
ご家族の心配をそのままに入社いただくのでは気持ちよく働いていただくことができないと思ったので、解決のためにできることがあればなんでもやろうという気持ちでした。そのときの候補者は、カケハシに入社を決めてくれましたし、今も一緒に働く仲間として頑張っていますよ。
満江:候補者やご家族に安心して入社してもらうってすごく大切なことですよね。僕もそういった相談をもらったら、候補者の方にあわせて資料を用意したり、カジュアル面談の場を再度設けたりすることもありますね。たとえば、フルリモートに対する不安を抱えている方に対しては、実際にフルリモートで活躍しているメンバーとの面談を設定しました。
カケハシとの出会いを、どう設計する?
石毛:ここまでの流れではカケハシの採用活動や自分たちのスタンスにおいて良い面に焦点を当ててきたけれど、反対に、もっと改善していきたいところについても話してみましょうか。
僕は候補者体験を良くするために、現状どんな改善点があるのかを知りたいなと思っています。具体的には、感情的にポジティブな選考だったり、円滑な進行だったりを目指して、選考に参加している候補者に向けて行なっているアンケートを再設計していきたいなと。つい先日、アンケートの再設計案をつくったばかりなので、実運用を行いながら、より良いものにアップデートしたいと思っています。
それから、カケハシとの“出会い”も一つの候補者体験だとするならば、どのようにカケハシと出会っていただくかにもこだわっていきたいです。カケハシは認知フェーズにもう少し力を注げると思っているから、そのあたりの認知設計も頑張っていきたいです。
尾崎:それ、前職でカケハシの採用支援をしていたときから思っていました。事業に関しても、メンバーに関しても、もう一歩深く伝えきれていないのが惜しいところなんですよね。
候補者がもっとスムーズにカケハシと出会うことができて、興味を持てて、選考を受けてみようと思える。そういう起点の設計は、今後の大きな課題になってくると思いますね。そのうえで、さきほど話したような双方にとって有意義な選考の実行に向けて、引き続き体験設計にも取り組んでいきたいです。
満江:採用活動って、究極は人と人とのコミュニケーションによって行われるものだから、正解がいくつもあるんですよね。それが難しくておもしろいところなんですけれど。
僕は今、リクルーターであると同時に、メールや電話などで候補者とコミュニケーションを取る採用オペレーションに携わるメンバーのマネジメントにも従事しているので、その観点からお話すると、丁寧さとスピードとのバランス取りにはまだまだ改善の余地があると思っています。
候補者の安心を引き出せるような丁寧な情報共有は必須だけれど、足取りは軽く。このあたりは、仕組みで少しずつ解決できる点だと思うので、知恵と工夫でより良いオペレーションを考えていきたいです。
石毛:お二人ともありがとうございます。理想的な候補者体験の実現に向けて改善を重ねていきたいので、選考について感じることがあれば候補者のみなさんには、ぜひ率直な意見をもらっていきたいですね。とはいえ、お互いの考え方や意識が垣間見える対話の時間で、とても楽しかったです。今日はありがとうございました!
満江・尾崎:こちらこそ、ありがとうございました!
カケハシでは現在も一緒に事業をつくる仲間を募集しています。今回の話やカケハシの発信を通して、「興味が湧いた」「話を聞いてみたい」と思ってくださった方は、お気軽にお声がけください!
株式会社カケハシ 採用サイト「⽇本の医療体験を、しなやかに」をミッションに、患者満足と薬局の働き方改革を支援する薬局体験アシスタント「Musubi」をrecruit.kakehashi.life
また、カケハシ人事担当・矢崎がカケハシのエンジニア採用について語ったPodcastも公開しております。こちらもあわせてご覧ください!