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エンジニアからアクチュアリーへ|Product Development 渡辺良太

日々全力で前に進む justInCase の社員たち。この企画では、社員それぞれの想いや志、これまでの努力を、彼ら自身が語る言葉でお届けしていきます!

記念すべき第1回は、Product Development 渡辺良太です。

2018年4月に入社し、正式開業に向けた「スマホ保険」に関する監督官庁とのやり取りでも、アクチュアリーとしての知識・経験を存分に発揮し、大活躍してくれました!「justInCaseの商品の裏には必ずこの人あり」と言っても過言ではない...!そんな渡辺の背景には、きっとあなたに役立つ何かが隠されているはずです。

justInCase 私の履歴書 Vol.1
ー プロフィール
渡辺 良太(わたなべ りょうた)
職種:Product Development
趣味:プロレス観戦、猫と戯れること、仕事!!!


どんなロジック・システム設計を提案できるかが大事

私は今、エンジニアをしていた経験を活かしつつ、アクチュアリーとして保険商品・サービスの企画段階から実際に提供するまでを面倒見ています。

おおむね、
- 一緒に保険事業をやりたいパートナー企業と商品サービスの設計をし、
- 保険特有の基礎書類というものを作って監督官庁からOKをもらえるよう十分な説明をし、
- 適切な価格設定をし、
- エンジニアと議論しながらシステムを作り上げ、
- 商品提供後の運営を行う、
というステップです。

保険業界でアクチュアリーとして働いていると、「以前エンジニアだったんです」と言うだけでとても珍しがられますね(笑)

アクチュアリーは一般的なイメージだと、保険会社の中にいる複雑な計算をして保険料を算出するくらいの人に思われますが、計算自体はデータさえ集まってしまえば、プログラムを組んでボタン一つで計算結果が出てくるので、実際の計算部分は大した仕事ではありません。大事なのは、どういった計算ロジックを作るかだと思います。

計算ロジックというのは、単純に保険料を算出するための四則演算とかだけではなく、想像力を働かして、 契約者それぞれのリスクに対応した保険料水準になっているのか、 もし将来保険金請求が増加した場合に会社の財務状況に問題が生じない保険料水準か、 もし会社の財務状況が悪化する懸念が出てきたらどういう対応をして財務状況を健全化していくのか、 というところまでを含めたものです。この辺りは会社経営に直結するので、会社の経営層や監督当局などにも理解可能なロジックである必要があります。

いまだに通常の保険会社では、保険料の計算自体もアクチュアリーが手を動かして行うことが多いですが、justInCaseのスマホ保険はアクチュアリーが計算ロジックを作り、保険料計算自体は日々自動的に行われるようになっています。

※画像はjustInCaseアプリ内でスマホ保険を契約する際の保険料表示のイメージです。

また、実際には将来何が起こるのかは誰も知らず、何か起きたときにも事前の予想通りに対応できるとは限らないので、事後的に柔軟な対応が取れるシステム設計を提案できるアクチュアリーが重要だと私は思っています。

エンジニアにしても、アクチュアリーにしても、想像力はとても大切です。エンジニアは、出来上がったものをユーザーが使ったときにどう思うか、将来的にプラスアルファの開発や保守がしやすいかを見極めきれるか、が大事だと思っています。 アクチュアリーは、将来の保険金請求の見通しや契約者の行動をどこまで想像できるかが必要です。 それから、想像力の限界以上のことが起きたときの対応力も必要ですね。

ハードウェアに縛られないアクチュアリーへ

なぜエンジニアからアクチュアリーに?と思う方も多いかもしれません。私が以前やっていたエンジニアとは、ウェブ、アプリ、サーバー等のエンジニアリングではなく、昔ながらのものづくりです。 私はソフト寄りのエンジニアでしたが、ハードウェアを設計・開発するエンジニアもいる世界です。自社開発のハードウェアを動かすためのソフトを開発するというのが当時の私の仕事で、いわゆる組込みエンジニアという部類になると思います。

私がいたファナックという会社は、一般には産業用ロボットで有名ですが、元々はファクトリーオートメーション(FA)事業から始まった会社であり、私もFA関係の研究所に所属していました。数値制御装置(NC装置、Numerical Controller)というものを開発しており、これでモータを制御して機械の動作を決定します。 基本的にロボットもモータを制御してその動作を決定するので、制御の根幹は大きく変わりません。 ユーザーインタフェースの設計・開発をやり、時々制御の根幹開発に参加するという感じでした。

「NC装置って何?」と疑問を持たれる方が多いと思いますが、こちらの動画を見てもらうとイメージが湧くと思います。 動画の中で人が操作しているPCみたいなやつがNC装置です。世の中で大量生産されている金属製品の多くはこんな感じで作られています。 ちなみに、justInCaseのスマホ保険でカバーされているiPhoneのアルミ製のバックパネルは、ファナックの機械で製造されています!

製造業とは常にそうかもしれませんが、私は組込みエンジニアだったので、ハードウェアの性能の壁にいつも悩まされていました。 現在のように技術の進歩が早い時代に、ハードウェアの性能に縛られていると、時代に取り残されていくのを感じます。

このとき、目先のハードやソフトの設計ではなく、既存製品の改廃を含めた中長期的な製品開発計画という経営的な視点は非常に重要だと感じました。 たまたまそんな考えを持っているときに、ハードウェアに縛られない保険商品を取扱い、会社経営に直結したアクチュアリーという職が頭に浮かび、キャリアチェンジをする決意をしました。

保険商品はハードには縛られないものの、規制に縛られているので、それはそれで如何ともしがたい難しさがありますが(笑)

アクチュアリーならではの悩みも経験

私の経験だと、エンジニアの時は直接製品を取り扱うお客さんと話をする機会がありましたが、保険会社のアクチュアリーがお客さんと話をする機会は非常に少ないです。 商品開発にあたっては、アクチュアリーがお客さんと話をできないというのは、ちょっと残念でした。

アクチュアリーというより保険会社の性質かもしれませんが、よくも悪くも大きな保険会社はきちんと分業されているので、仕事の領域は大体決まってしまっています。 それに対して、エンジニアをしていた時は、マーケティング・営業の一部から設計・開発、顧客対応、製造の一部くらいまでやっていました。会社によるかもしれませんが。

基本的に、アクチュアリーの方がエンジニアよりも「経営寄りの発想」を求められる仕事が多いと感じています。 製造業だと叩き上げのエンジニアが経営を行っていることも多いですが、現場は経営と常に直結しているという感じではありませんでした。

そういったことも含めて、個人的には長期的ビジョンをもったエンジニアリングとか、経営へのエンジニアの関与とかは、業種を問わずとても大事だと思っています。だからこそ、エンジニアの経験も活かしつつ、経営に近い仕事での提案をしていきたいと考えていました。

justInCaseでは、スタートアップということもあり、仕事の範囲がめちゃくちゃ広いです。話をする相手も、社内のいろいろな人はもちろんのこと、一緒に保険事業をしようというパートナー企業、当社の保険を契約している方、金融庁・財務局などの行政府の方、VCをはじめとする株主の方など、とにかく幅が広い。したがって、私自身はどんな事業もしくは商品・サービスを開発すべきなのかを、自ずと全体最適になるように検討できていると思っていますし、エンジニアの経験も活かしながら経営に関わる提案ができていると思います。デメリットがあるとすれば、部分最適より全体最適の方が明らかに難しいということでしょうか。

決め手は「人」、まだまだ可能性しかなかった

もともとメーカーにいたので、世界のあらゆる企業がライバルであって、経営戦略をちょっと誤ったり商品・サービスの競争力を少しでも落としてしまうと、たちまちここ数年で名前が消えていった大手電機メーカーなどと同じ道を歩むのではないか、という危機感を常に持っていました。

一方で、保険業界自体は、規制に守られているという面もあって「危機はない」と感じていたので、漠然と自分で何かはじめた方が良いのではないかと思っていました。そして、事業をはじめる上で徹底的に情報収集していたところ、justInCaseを知りました。

私がjustInCaseにjoinすることを決めた時は開業前で、人と技術とアプリくらいしかありませんでした。(オフィスもなかった!!)でも、すでに何かできそうなくらいにいいメンバーがある程度揃っていて、ここに自分が入ると色々前進するだろうなと感じました。

やりたいことはただ一つ

メーカーと金融機関という異業種を渡り歩いてきましたが、私のやりたいことは一つ。世の中を豊かにする商品・サービスを提供することです。

justInCaseはエンジニア、アクチュアリー、そしてデータサイエンティストがバランスよく参画している会社で、それぞれが今後の会社の方向性について提案し、作り上げていける組織だと思っていて、時代に即したいい商品を生み出していけると考えています。

今はまだ、justInCaseとして「スマホ保険」「保険API」しか表に出せていませんが、これから色んな商品・サービスを提供できるように準備しています。スマホ保険で、スマートフォンの使い方に応じた安全スコアをAIが算出し、それに沿って保険料が決められる仕組みが、皆さんに驚きを与えたように、今後も金融商品としての保険の価値だけでなく、保険を身近に感じられる新しい価値を付加した保険サービスを展開していきたいと思います。

自信をもって友達や家族へ紹介できる会社に

私が入社したころは個室のオフィスもないほどの人数でしたが、今では大企業出身、スタートアップ出身、海外在住、関西在住、外国籍など、様々なバックグラウンドを持ったメンバーが集まっています。様々なバックグラウンドを持っているからこそ、メンバーの個性や考え方はかなり違いますが、私は個性の強さや考え方の違いなどをうまく活かせる組織にしたいと考えています。もちろん、会社の中で意見が対立することは良くありますが、私は人の行動を見て、「あなたは何でも考えずに行動する」と非難しているより、「あなたは誰よりも行動が早いので、とにかく早くこれを成し遂げてほしい」と個性を活かせるチームにしていきたいと思っています。

今、justInCaseは新しい商品・サービスを生み出すとともに、それらをスケールさせていくというフェーズにあります。商品・サービスは思いついただけでは価値はゼロであって、形にしてこそ価値があると私は考えています。このようなフェーズで、自分の頭や手、それだけでなくまわりの人を動かして、自分の力で新しい商品・サービスを世の中に広めていきたいという志を持った仲間と仕事をしていきたいです。そして、社員全員が自分たちの商品・サービスを、自信をもって友達や家族へ紹介できる会社にしていきたいと思っています。

ジャストインケースグループでは、さまざまな職種を採用中です。

ご興味がある方はぜひ、採用ページよりお気軽にご応募ください!

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