最近、執行側の取締役たちとコミュニケーションをする中で、私が感じたことを言語化して書いてみようと思います。元は社内の人事メンバーに向けて書いたものですが、面談でお話しする方々にとっても思考をシェアするのは有益かなと思い、一部改変して公開してみます。
結論から言うと、人事メンバーのマインド・思考として「人事部」から「CHROチーム」になっていくことが求められているかなと思います。
まず、CHROとは?
CHROとは何かを考えながら、そのチームの役割を考えたいと思います。
CHROを検索すると次のように出てきます。
「CHRO」は日本語で最高人事責任者と訳されます。人事に関する一切の責任を負う立場であり、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)などとともに、経営幹部の一員として事業運営に携わります。これまでCHROは外資系企業を中心に配置されてきましたが、最近では日本でも役割が重視され、CHROを登用する企業が増えています。
ポイントは人事「部」の長だけではなく、経営幹部の一員であることかなと思います。
また、デロイトトーマツのレポートによると、CHROには以下のような役割が期待されます。
【CHROの役割期待】
CHROには、企業価値向上のための"攻め"の役割「ストラテジスト」「カタリスト」と、企業価値の毀損を防止する"守り"の役割「スチュワード」「オペレーター」の4つが求められる。
●ストラテジスト(strategist)攻め
戦略立案への参画
・人事戦略と事業戦略を結びつける
・評価と報酬配分の立案(人事評価制度構築・改善)
●カタリスト(Catalyst)攻め
戦略実行の推進
・組織文化の醸成
・チームビルディング
・異動(タレントマネジメント)
●スチュワード(steward)守り
統制環境の整備
・人材の定着、引き留め
・採用・雇用ブランドの構築
●オペレーター(operator)守り ※いわゆる人事部が担ってきた分野
効率的な運営
・人事オペレーション
・採用、労務
つまり、旧態の人事部の定義に当てはめると、事業部のお手伝い、リソースの問題で担っていただけな業務も、CHROチームとして再定義すると積極的にチームの業務になります。
特に攻め分野の業務を積極的に担うことで、現状のジラフをより強いチームに変革することができるかなと思います。
では、それを踏まえて何をすべきか?
当社で実行しているのは以下のような動きです。
・HRBP(Human Resource Business Partner)事業部側の人事人員
ビジネスパートナーというだけあって、より事業理解をしている人材の育成。事業部側のメンバーに異動をしてもらい、この役割を担ってもらっています。店舗現場のオペレーション・感覚がわかっていることが重要。タレントマネジメント的なことができれば所属は人事部でも事業部でも今はどちらでもいいかなと思っています。
・事業理解と数字での会話
ともすると現場からのオーダーが無いと採用も異動も検討しないような人事組織になっていないかを自問自答しつつ、適切な人員配置を積極的に考えられるように業務や数字について積極的に情報収集したい。
例えば、〇〇の業務は素人でもできるものとそうでないものにわかられないか?分けられるなら、コア業務以外は安価なアルバイトで回すことでよりスピーディに大量のタスクを捌けるようなチームにできないかなどを積極的に考えること。
また、オペレーションの改善や成績など数字を意識して会話したい。
例えば店舗別の人件費率を計測して、人材配置を考えるなど。
・「人」にかかわることはすべて自部署の責任範囲であるとのマインドセット
前述した「お手伝い」的な業務も「本来業務」であるとしてマインドを変えていきたい。
担当者=責任者であり細かいオペレーションまで考えるクセをつけたい。
上長が言ってるから、現場責任者の責任だからなどの言は減らしたい。
・チャレンジングな提案
「人」にかかわることの提案をチャレンジングにどんどん出していきたい。
ジラフ社長の麻生さんの言葉を借りると、常に改善案を100個用意する。
100個は象徴的な数字としても、常にチャレンジングな提案を出すクセをつけたい。
以上の考えを組織図に落とし込むと以下のイメージになります。正式な組織図になるかは別として、ジラフの人事メンバー内では以下のイメージを共有しています。
旧来の縦割り的な人事部のあり方
CHROチームのあり方
参考資料
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/articles/hcm/chro-survey-2023.html
参考書籍
「人的資本経営」ストラテジー