こちらでインタビュー記事していただきました。以下内容になります!
今回は、JicooのCEOである鈴木さんにお話を聞きました。
常にプロダクト開発の最前線に立ち、自らも手を動かし続ける鈴木さん。そのキャリアは、一人のエンジニアがどうやって事業家へと進化し、仲間を惹きつけ、優れたプロダクトを生み出していくのか、その道のりそのものでした。
「良いプロダクトが良いチームを作り、良いチームが良いプロダクトを作る」
その言葉を体現する鈴木さんのキャリアを、過去から現在、そして未来への展望まで、余すところなく聞いていきます。
⚪︎インタビューされた人
鈴木真一郎(CEO)
エンジニアとしてヤフー(株)等で複数のサービス立ち上げに参画。ソーシャルアプリでのスタートアップ起業を経て、2014年1月、(株)スペースマーケットを共同創業。取締役/CPO,CTOとしてプロダクト全体を責任者として一貫して統括。2019年12月東証マザーズ(現東証グロース)上場。取締役退任後、2020年Jicoo創業。
⚪︎インタビューした人
佐々木 正将(社外取締役)
(株)スペースマーケットCFO/CHROを経て現在は同社の取締役副社長を務める。2021年6月より当社の支援に携わり、2024年12月社外取締役就任。
大角 萌寧(デザイナー)
コンサルティング会社にて、一人目のインハウスデザイナーとしてデザインチームのリーダーを務め、様々なスタートアップの支援に貢献。自社プロダクト開発に加え、サイト制作や採用ピッチ作成など、クライアントワークも幅広く担当。2024年ジクー(株)へ参画。
キャリアの原点と、連続する挑戦の時代
—— まずは、鈴木さんがIT・プログラミングの世界に足を踏み入れた「原点」について教えてください。
鈴木:学生時代に音楽が大好きで、特に好きだった海外のアーティストがいたんです。そのアーティストのファンページを自分で作りたいと思ったのが最初のきっかけですね。
当時は今のように簡単にホームページを作れる時代ではなく、HTMLやCGI(当時はPerl)を独学で学び、掲示板などを設置しました。自分で作ったサイトにファンが集まり、コミュニティが形成されていく様子を見て、「ITって面白いな」と強く感じたんです 。
就職活動では、営業のような仕事はあまり向いていないと感じていたこともあり、自然とエンジニアの道を志しました。最初に入社したのはNTT系列の会社で、金融系のシステムエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。
—— NTTではどのような経験をされたのでしょうか。
鈴木:配属されたのは、20年以上稼働しているようなレガシーシステムを扱う部署でした。ですが、幸運にも入社直後から新しい決済手段を開発する新規事業にアサインされたんです。
コードを書きたかった私にとっては面白い環境でしたが、とにかく多忙を極めました。残業は当たり前で、障害が起きれば土日もなく対応に追われる日々。その1年間は休みは週に1日あるかないかというような働き方でしたね。
ただ、その過酷な環境が自分を大きく成長させてくれたのも事実です。戦場のような中で必死にコードを書き、経験を積むうちに、どんどん出来ることが増えていきました。任される仕事の範囲も広がり、最終的にはプロジェクトのリーダー的なポジションを任されるまでになりました。
この時に、「困難な仕事(ハイボール)をやりきることで、人は大きく成長できる」という、自分の中での成功体験が生まれたんです。この原体験は、今でも私の仕事観のベースになっています。
—— その後、Web業界の巨人であるYahoo!に転職されます。どのような思いがあったのでしょうか。
鈴木:NTTでの経験は非常に有益でしたが、もともと「Web系の仕事がしたい」「自分の仕事が友人にも理解してもらえるようなサービスを作りたい」という思いが強くありました。そこで、当時Web業界で最も大きな存在だったYahoo!への転職を決意しました。
サッカーが好きだったのでYahoo!スポーツへの配属を希望したところ、運良くその通りになり、海外サッカーサイトのリニューアルなどを担当しました。その後、チームごとオリンピックの特設サイト開発プロジェクトに異動になったんです。
このプロジェクトで、自分が作ったものが世の中の多くの人に見られるという、大規模トラフィックを扱う仕事の面白さを肌で感じました。
自分の仕事が見られるレベルが、それまでとは全く違ったのです。
—— Yahoo!在籍中にご自身でアプリを開発し、それが起業を意識するきっかけになったと聞きました。
鈴木:Yahoo!では新規事業を開発する部署に異動するなど、刺激的な日々を送っていましたが、もともと「30歳までに自分の会社を持ちたい」という思いがありました。
そんな中、個人でiPhoneアプリを作ってApp Storeで販売してみたんです。内容はシンプルなものでしたが、これが初月で50万円ほど売れて。「ああ、自分の発案したプロダクトで稼げるんだ」と、起業が一気に現実味を帯びてきました。
ただ、当時の私はエンジニアリングはできても、事業をどうやってお金儲けに繋げるのか、ビジネスの側面が全く分かっていませんでした。このまま独立しても成功はおぼつかないと感じ、ビジネスを学ぶためにリクルートへ転職しました。
—— 1度目の起業、そしてスペースマーケットの創業へと繋がっていくのですね。
鈴木:リクルートで1年弱働いた後、同僚と起業コンテストに応募したのが1度目の起業のきっかけです。私が出したアプリのアイデアが投資を受けられることになり、半ば無理やり起業する形でスタートしました。プロダクトは作れたものの、マーケットがまだ存在せず、残念ながら1年ほどで事業を畳むことになります。しかし、この経験を通じて、経営や事業開発、営業など、全てを現場で学ぶことができました。
その次に繋がったのが、スペースマーケットです。
1社目の投資担当者のパートナー(後の代表)から「一緒にやらないか」と誘われたのがきっかけでした。私はプロダクト作りはできても、ビジネス面で強い人と組む必要性を感じていたので、CTOとして参画することを決めました。
ここでは、ビジネスサイドの共同創業者とそれぞれの強みを活かし、役割分担することで「1+1が掛け算になる」ということを実感できました。この経験が、会社を大きく成長させる大きな要因になったと思います
Jicooの誕生と、プロダクトにかける情熱
—— スペースマーケットが上場したのは2019年12月。そのわずか4ヶ月後の2020年4月にJicooを創業されています。なぜこれほどまでにスピード感をもった起業だったのでしょうか。
鈴木:スペースマーケット時代、世間に先駆けてリモートワークを部分的に導入していました。その経験から「時間と空間に制約なく働ける世界」が来ると確信しており、そうした働き方を支援するようなプロダクトを作りたいと以前から考えていたんです。
そうこうしているうちに新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界中が一気にリモートワークへと舵を切りました。自分の考えていた未来が突然現実になったことで、「早くやらないと、他の誰かにやられてしまう」という強い焦りを感じたんです。スペースマーケットでは後任も育ち、自分がやるべきことの一つの区切りが見えたタイミングでもあったため、迷わず次の挑戦に進むことにしました。
—— Jicooは自己資金を元にしたPLG(Product-Led Growth)モデルで成長しています。
鈴木:外部の資本を入れるのではなく、まずは自己資金でプロダクトを徹底的に磨き上げ、その価値でユーザーを増やしていく方が、自分たちの作りたい世界観を実現する上で健全なのではないかと考えました 。
結果として、この選択はJicooの大きな強みになりました。PLGモデルを追求することで、私たちはユーザーの声に真摯に耳を傾け、プロダクトの本質的な価値向上に集中することができています。マンパワーのセールスに頼らず、プロダクトの力で成長してきたからこそ、エンタープライズ市場にも受け入れられるようになったのだと思います。
—— CEOでありながら、今も自らコードを書き、デザインもレビューされています。なぜそこまで現場にこだわるのでしょうか。
鈴木:第一に、「デザインが良いものを実装したい」というエンジニアとしての純粋な気持ちがあります。そして、少数精鋭のチームでスピードとクオリティを両立させるためには、私自身がプロダクトを理解していることが不可欠だと考えています。仕様の伝言ゲームは、プロダクトの精度を著しく落としますから。
私はデザインをビジュアルとしてではなく、ある種の「システム」として捉えています。
Appleのドキュメントを読み込んでiPhoneアプリを自作した経験から、ロジックやルールに基づいてデザインを考える思考法が身につきました。エンジニアリング、デザイン、ビジネス、それらが分断されずに地続きになっている。今はその状態が、良いプロダクトを作る上で最も効率的だと考えています。
—— 1人でも多くのことができてしまう時代に、あえてチームで開発する魅力とは何でしょうか。
鈴木:私自身、飽きっぽい性格なんです。一人でやっていると、自分の予測の範囲を超えるものは生まれません。それでは面白くないんです。
チームで働く魅力は、自分とは違う考え方やスキルを持った人たちとの出会いによって、想像もしていなかった化学反応が起きることです。特に、自分より優れた能力を持つ人がチームに加わってくれると、これ以上ないほど面白いですね。
Jicooを始めてから、若い世代の優秀なメンバーと働く機会が増えました。彼ら彼女らとの出会いや、そこから生まれる新しい発見こそが、今の私の最大のモチベーションになっています。AIが進化しても、この「リアルで人と働く面白さ」は決してなくならないでしょう。
—— 最後に、Jicooをこれからどんな会社にしていきたいですか? また、どんな方と一緒に働きたいか、メッセージをお願いします。
鈴木:Jicooは単なる日程調整ツールから、AIを活用した「ミーティングプラットフォーム」へと進化していきます。時間と空間の制約を取り払い、あらゆるビジネスコミュニケーションを効率化し、創造的な仕事に集中できる世界を実現したい。そのために、これからもプロダクトを磨き続けていきます。
一緒に働きたいのは、自発的なモチベーションを持っている人です。
現状に満足せず、自分でプロダクトをより良くしていきたい、この会社というプラットフォームを使って自分のやりたいことを実現したい、というような強い意志を持った方と出会いたいですね。Jicooには、プロダクトの成長と自身の成長をダイレクトに感じられる、刺激的な環境があります。私たちの挑戦に、ぜひあなたの力を貸してください。
おわりに
今回はJicoo CEOの鈴木さんに、そのキャリアの原点から、幾多の挑戦を経てJicooを創業するに至った経緯、そしてプロダクトに懸ける熱い想いを聞きました。
「困難な仕事をやりきることで、人は大きく成長できる」という原体験、そしてユーザーと真摯に向き合うPLG戦略。鈴木さんの言葉からは、プロダクトの本質的な価値を自らの手で追求し、チームの化学反応を楽しみながら事業を成長させていくことの醍醐味が、強く伝わってきました。
「自らの意志でプロダクトをより良くしたい」
「このプラットフォームを使って自分のやりたいことを実現したい」
このような強い意志を持つ方にとって、Jicooにはプロダクトの成長と自身の成長をダイレクトに感じられる、刺激的な環境があることも大きな魅力だと感じます。
Jicooでは、AIを活用した「ミーティングプラットフォーム」への進化を共に推進し、未来の働き方を創造していく仲間を積極的に募集しています。
- 現状に満足せず、自らの手でプロダクトをより良くしていきたい方
- エンジニアリング、デザイン、ビジネスの垣根を越え、本質的な価値創造に集中したい方
- 自分とは違う仲間との化学反応を楽しみ、チームで大きな目標を達成することに喜びを感じる方
もし、この記事を読んで少しでもJicooの挑戦に共感し、ご自身の経験やスキルを活かせるかもしれないと感じていただけたなら、ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか?
あなたのジョインを心からお待ちしています!