ナマステ~
小西のバンガロール訪問記、とうとう最終章になります。
今回取り上げるのはiTips訓練校で生徒達を指導するインド人講師です。
「すべてのがんばる人に、幸せを」という私たちの理念を実現するためには、インドの若者たちが日本で本当に活躍できる”本物の力”を身につける必要があります。そして、その教育の質は「教える教員の質」にかかっています。
高いレベルの教育と高いレベルの教員を支える取り組みとして、私たちは独自に「教員育成プログラム」を実施しています。大変ありがたいことに入学する生徒数が増加し、教員数の拡充や教育の質の維持が求められており、本プログラムはその要でもあります。
私が取材したのは、ちょうど日本語教育経験の豊富な方がiTipsに加わったタイミングでした。「教員育成プログラム」を受けている真っ最中ということもあり、私たちのプログラムについて生の声をお届けします。
穏やかな雰囲気と温かいまなざしが印象的で、初めてお会いしましたがなんだか信頼できる恩師と話してるような、そんな気持ちにさせてくれるアショクさんです!
それでは、さっそくインタビューをスタートします。
小西:アショクさんは、日本語がとても流暢ですが、どこで習得されたのですか?
アショクさん:私は27年間、IT専門企業に勤務しており、その中で東京・横浜にも住んでいました。そこで日本語を取得したのです。いまはその会社を退職しましたが、日本語の指導に興味があり過去には二年ほど日本語の講師をしておりました。
そして、改めてセカンドキャリアとして日本語を本格的に指導したく、今、iTipsで「教員育成プログラム」を受けております。
こちらが教育プログラムになります。
アショクさんは今は「認定試験プログラム」の段階です。日本語教育のご経験をお持ちの方にも、いわゆる「国語」としての日本語だけでなく、「日本式」のコミュニケーションや姿勢についても学んでいただいたうえで、 iTipsの教壇に立っていただいています。
教育方法の違い
小西:いままで日本語を指導されたキャリアをお持ちとのことですが、当時の教育指導方法とiTipsの教育プログラムの違いはありますか?
アショクさん:「日本語を教える」という点では大きな違いはありませんが、一番の特徴は「規律」を大切にしているところです。特に毎朝のラジオ体操や朝礼は iTips ならではで、私も毎日、気持ちがシャキッと引き締まります。
時間を守ること、安全管理を徹底することへの意識がインド人には低い傾向があります。生徒たちは訓練校内ではピリっとした意識を維持するのですが、訓練校を一歩外に出てまで意識し続けることは簡単ではありません。ですので、訓練生たちがここで教わったマインドを維持し続けるのは難しいのは正直なところです。
小西:ありがとうございます。私たちが「規律」を大切にするのは、それが最終的に彼ら自身の安全と、日本での信頼に直結すると考えているからです。時間を守る、ルールを守る。その当たり前の積み重ねが、彼らが職場で愛され、より多くのチャンスを掴むための土台となる。まさに、彼らの”がんばり”が”幸せ”に繋がるための、一番大切な基礎だと信じています。アショクさんのような日本での実務経験が豊富な方から、その重要性を伝えていただくことは、何よりも説得力があります。
なにせ、まだ近い将来日本で働くことに実感を持てない訓練生が多いのかと推測します。数日インドで過ごした限りですが、バンガロールには日本の情報がほとんど入ってこないですからね。
アショクさん:そうですね・・
日本の文化やアニメに関心を持つ若者はいますが、残念ながらバンガロールでは日本の情報が多くは入らないのが現状です。またインドナンバーワンのITの町ですので、若者の多くはIT関連の職・技術職を目指すのも実情です。
個人的な意見ですが、このような海外で働く人材を育てる事業は、ビハール州やハリアナ州といった北インドに展開していくのが有効かと思います。
小西:アショクさんのように、現地の実情をご存じの方からのご意見はとても参考になります。日本で働いて頑張りたいというインドの若者たちにiTipsの訓練校を知っていただく機会はこれからまだまだ増やしていけそうです。
実際、日本政府としてもインドとの人材交流をさらに強化していく方針を打ち出しています。今年(2025年)8月に発表された外務省の情報「日印人材交流イニシアティブ」によると、日印間の相互補完的な人材の育成・交流・還流を促すため、今後5年間でインドから日本への専門人材5万人を含め、日印双方向でで50万人以上(※)の人材交流を目指す。と言われています。
(※)引用元:日印人材交流イニシアチブ(外務省)
アショクさんのように日本での経験を伝えてくださる方の存在と一緒にもっとたくさんの若者と出会い、人材交流を増やしていきたいと思いました。
頼もしいご経験と人脈をお持ちのアショクさん。これからも一緒に、インドと日本の懸け橋となるような活動を広げていければと思います。
アショク先生、本日はありがとうございました。
iTipsの教育はただ日本語や技術を教えるだけではありません。 一人ひとりの若者が、日本という異国の地で、人として成長し、幸せなキャリアを築くための「土台」そのものを創る教育です。
そのためには、私たち自身が教育に対してどこまでも誠実でなければなりません。教育の質の高さ、そしてそれを支える教員の育成に一切の妥協はありません。
このような「教育の質」への私たちのこだわりに共感し、インドと日本の未来を本気で創りたいと思ってくださる方がいれば、ぜひ一度お話ししませんか。
あなたからの「話を聞きに行きたい」をお待ちしています。