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伊與 隆博 (いよ たかひろ) BaaSプラットフォーム事業部 ビジネス開発部 部長
2020年5月に入社。現在はBaaSプラットフォームのビジネス開発部の部長としてマネジメント・セールスを牽引。
藤間 達郎 (ふじま たつろう) Xard事業部 ビジネス開発チーム
2021年10月に入社。Xard事業部の営業の中心メンバーとして活躍。
今回は、インフキュリオンのメイン事業であるWallet StationとXardのビジネス開発部門を牽引する二人の対談をお届けします。それぞれの立場から、成長期にある2大サービスの営業戦略、今後の営業組織像などについて語っていただきました。
「決済、金融機能のオープン化」を市場に広げることがビジネス開発のミッション
―本日は、インフキュリオン各プロダクトのセールスを担うビジネス開発のお仕事について伺います。まずWallet Stationのビジネス開発部の組織体制について教えてください。
以下、伊與:インフキュリオンのメイン事業であるBaaS(Banking as a Service)(※)プラットフォームを提供するWallet Stationのセールスは、大きく分けて3つのチームに分かれています。見込み顧客を作るリードマネジメントと顧客開拓を行うアカウントマネジメント、また既存顧客を担当するカスタマーサクセスです。
(※)銀行が提供する各種サービスをAPIで各企業のアプリなどに連携し、アプリ上で銀行サービスを利用できるようにするもの
―チームの人数規模はどのくらいですか?
ビジネス開発部全体では15名程度です。その中に、セールスエンジニアも在籍しており、営業段階からしっかりと技術面での提案・サポートができるようにしています。
―専門性を高めて役割分担しているんですね。今はまさに組織づくりをはじめたという段階なんでしょうか?
そうですね。組織が急拡大しているフェーズなので、新たに加わるメンバーも組織づくりに関わっていっていただきたいと思っています。
インフキュリオンは、BaaSプラットフォームという世の中になかったサービスを開発しました。その意味では、そのセールスのあり方もまだ確立されていません。さまざまな業界、業種の顧客と会話をしながら、今までにないものを作り出す面白さが感じられる仕事だと思います。
これから入る方は、顧客から得たさまざまな意見を社内にフィードバックすることでサービスの開発や改善にも貢献していくこともできます。
ー次にWallet Stationのビジネス開発部門のミッションを教えてください。
インフキュリオンはもともとFintechのコンサルティング事業からスタートしました。そのなかで、市場に先駆けてBaaSの有用性に気づき、まだ世の中にない時代から自分たちの手で作って売り始めた会社です。
これまで一部の大企業や金融機関でしか扱えなかった金融サービスを、あらゆる企業が自社サービスとして提供できるようにすること、つまり「決済、金融機能のオープン化」を目指しています。それを確実に市場に広げていくことがビジネス開発部門のミッションです。
金融決済という機能自体をどう捉えるか、自社サービスにどういった形で組み込む(エンベデッドする)かの方針は顧客ごとに異なります。そこを咀嚼して、実際に企業が自社サービスに金融決済を組み込めるようにしていくのが僕達の仕事です。
Fintech SaaS領域の中でも高い独自性を誇るWallet Station
―なるほど、影響力の大きさがよく分かります。Wallet Stationのプロダクトの強みについてはどのように捉えていますか?
決済機能を簡単、低コストで導入できるのと同時に、個々のお客様の要望にも沿うことができるのがWallet Stationの他社にはない大きな強みです。
金融決済機能というのは、お客様ごとに導入する必要があるものとないもの、簡単にできることと出来ないことがあります。そこで我々は、マルチテナント方式(※)のWallet Stationを顧客の要望に合わせて部分的にカスタマイズするなどしてご提供しています。
(※)顧客がそのまま導入できる基本機能を備えたパッケージ。リソースや仕様を共通にすることで導入コストと期間を短縮することができる。
マルチテナント方式で基本機能を導入することで短納期やコストカットを実現しつつ、顧客ごとに発生する要望にはカスタマイズで対応するのです。
顧客がすでに使用している既存サービスとのシームレスな連携も可能で、このサービス立ち上げまでのスピードや価格、カスタマイズの柔軟性のバランスの良さが他にはない強みと言えます。
―プロダクトを売る際にしている工夫はありますか?
プロダクトそのものに独自性や強みがあることは、営業のしやすさにつながっています。さらに、当社はもともとコンサルティング事業からスタートしているため、決済サービスに関する多くの知見・ノウハウが蓄積されています。セールス担当がその知見・ノウハウを活かして、お客様の事業計画も含めてご提案するようにしています。ホスピタリティの高いご支援が顧客からの評価に繋がっていると思います。
ニーズの高まりに応えるべく、採用で組織を強化しFintech改革の波を起こす
―今後プロダクトをさらに市場に浸透させていくため、どのような営業戦略を取っていくのでしょうか?
Wallet Stationの立ち上げ当初のユーザーは金融業界がメインでしたが最近では、流通・小売、デジタルコンテンツ提供企業など金融サービスを自社サービスに取り込んでビジネスを拡大したいというユーザーが増えています。
直近(※22年11月現在)では、日本コカ・コーラ様と独自のポイント機能を持った電子マネー「Coke ON Wallet(コークオン ウォレット)」の取り組みを発表しました。
―デジタルコンテンツ提供企業とは具体的にどういった企業ですか?
例えば、ECやゲームなど、デジタルの商材やサービスを売っている企業です。こうしたサービスの決済手段は、これまではクレジットカードが中心でした。今は技術の進歩で交通系ICカードやPayPayのようなコード決済、ハウスプリペイドカードなど対面で使う決済手段も利用できるようになってきました。
こうした決済手段をデジタルコンテンツに普及させていくことが狙いです。
今後は、そうした幅広い業界・企業の支援を拡充していく予定です。多くの企業が、“何かできそうだけど何ができるかよく分からない”といった状況です。我々としては、決済、金融サービスを活用できそうな業種や価値提供のあり方をこちらで想定しながら、提案しています。
―お客様からの引き合いは強い状況なんでしょうか?
そうですね。
今引き合いがきているのは、流通・小売やデジタルコンテンツを扱う企業のなかでもDXに積極的に取り組んでいる企業で、いわゆる業界のリーディングカンパニーが中心です。今後はこの裾野を広げて、もう少し規模が小さい企業様も含めてお取引を始めていきたいと思っていますし、実際に声もかかり始めている状況です。
ただ、これだけ潜在的、顕在的に多くのニーズがありながらもチーム規模的にやれることの限界がある状態です。こうしたニーズをしっかり取り込んで、確実に事業成長に繋げていくためにもセールスを担うビジネス開発部門に優秀な人材を多く採用したいと考えています。
不可能を可能にした、未知の領域の新サービスXardを売る難しさと醍醐味
―ありがとうございます。次にXard(エクサード)のビジネス開発チームについて藤間さんにお伺いします。 Xardの組織体制はどのようになっていますか?
以下、藤間:XardはWallet Stationよりさらに新しく、2021年にローンチしたばかりのサービスです。ビジネス開発部門は、セールスとBizDev(マーケットニーズを捉えて、プロダクトの機能開発や改善を企画すること)が一緒になっていて、事業部長と僕を含めてまだ3人の組織です。セールス担当が僕です。
―Xardは革新的な新しいサービスですが、プロダクトの提供価値について教えてください。
まず簡単にXardとは何なのかご説明しますね。Xardは、顧客が自社オリジナルのVisa / JCBカードを簡単、低コストで発行できる次世代カード発行プラットフォームです。Fintech企業、金融機関、小売事業者、WEBサービス事業者など、さまざまな企業が自社のサービスにカード発行機能を取り込むことができます。
現状、企業が自社ブランドのカードを発行するには、それなりに大きな投資や手間がかかるため大企業しか参入できていません。
これを一般的な会社でも簡単にカード発行できるようにしたのがXardです。つまり、「カード発行のオープン化」と言えます。
このサービスそのものの独自性がとても高く、これまで不可能だったことを可能にしたというのがXardの提供価値です。
―競合サービスがない状態なんでしょうか?
そうですね。もちろん、完全にゼロから作り込めば何でもできるので、そういう形でサービス提供をしている競合はあるかもしれません。ただ、現在営業をしている中で、競合として名前が上がるサービスはほぼありません。XardはAPIを提供しており、「API連携をすれば何でもできます」という状態で提供しています。開発力のある企業にこの提供方法が重宝されています。
―今はどういったユーザーに利用されていますか?
直近で引き合いが多いのは、経費精算、請求書発行、受け取りなど、法人決済に関するSaaSを展開している企業様です。代表的なのがマネーフォワード様です。
例えば、経費精算サービスでは決済に関するデータは持っていますが、決済自体には関わっていません。あくまでも決済と経費精算は別物です。請求書受け取りの場合も、請求書を受け取ったという情報は分かりますが、本当に精算されたかどうかまでは分かりません。
こうした企業にとっては、決済は隣りのエリアで、自社サービスと連携させることでUI、UX改善などさまざまなメリットを生み出せる可能性があります。そこで、Xardを活用してこのエリアに挑戦したいというニーズが増えているのです。
―お客様からのお問い合わせも増えているのでしょうか?
そうですね。今年の7月にLayerX様とのお取り組みについてプレスリリースを発表したのですが、それをきっかけにお問い合わせ数が5倍になりました。
人材採用を強化して、営業活動も加速させていきたいと考えています。
―Xardの営業の難しさや醍醐味はどういった所にありますか?
コモディティ化されている商材のように、競合を気にして営業する必要はありません。その意味ではやりやすいです。
その代わりXardの営業は、はっきりとした正解や前例がないなかで顧客と一緒にサービスをゼロから作る必要があるという難しさがあります。顧客にとっても未知の領域で、顧客と一緒にアイデアを出しながらサービスのあり方を考え、実際に形にして、サービスを成功に導いていく必要があるからです。
難易度はとても高いですが、個人的にはそれこそがXardの営業の面白さだと感じています。Wallet Stationもそうですが、お客様と一緒に新しいサービスを作る感覚のある仕事なんです。Xardの営業は、やりがいと難しさが表裏一体なところがありますね。
Wallet Station、Xardの営業組織が目指す未来とは
―ありがとうございました。今度はWallet StationとXardの営業組織を牽引するお二人の立場から、それぞれの組織が今後目指す姿について教えてください。
伊與:端的に言うと、インフキュリオンのビジネス開発部を各分野のプロフェッショナル集団にしたいと思っています。さまざまな経験を積んだ人がその分野を代表する人材になり、活躍できるようにしたいです。
採用による組織体制の強化をしながら、本来あるべき姿に早急にしていくつもりです。個人が成長を実感しながら、組織も成長していく。そうすることでインフキュリオンの人材価値を高めていきたいです。
藤間:Xardはまだ営業が少ない人数なので、組織にしていけるように採用していくことがまずは急務です。今後Xardの営業は、とにかく顧客と新しいビジネスを考えることにワクワクできる人材を集めたいと思っています。
決済にこだわらず、どうすれば顧客のARPU(ユーザー1人当たりの売上金額)が上がりそうかを考えて盛り上がれるような感覚が重要です。決済の知見があるにこしたことはないですが、なくても大丈夫です。
むしろ、「自分たちはカード発行やプロセシングサービスをやっているんだから、そこだけ考えればいい」とはしたくない。未知の領域のサービスを作る営業だからこそ、顧客のビジネスについて柔軟に一緒に考えて価値を発揮できるビジネス開発チームにしたいですね。
―ありがとうございます。それぞれの部門のあり方がよく分かりました。最後にインフキュリオンのビジネス開発職に興味のある方向けに代表して伊與さんからメッセージをお願いします。
インフキュリオンの営業は、すでにあるものを売るのではなく顧客と新しいサービスを作る仕事です。それがやりがいであり、難しさでもあります。
当社には社内で助け合う文化があるので、私たちと一緒にチャレンジを楽しみながら自己成長を実現したい方にぜひご応募いただきたいと思っています。