Hacobu OCS (Operations & Customer Success)チーム/石川かほり氏
・Hacobuに入社する前は、どんなお仕事をされていましたか?
11年ほど、大手医薬品・医療機器メーカーの薬事部にいました。そこでは、海外で販売している医療機器などを、日本でも販売できるようにするために、厚生労働省に承認をもらう事務手続きなどを担当していました。
新製品だけでなく、実はすでに販売中のものでも、スペックや製造工場、製造工程などの変更があれば、その都度届出を行う必要があるんです。年間数百件にのぼる製品の変更届出をもれなく出す、というのが私のメイン業務でした。なので、営業事務に少し似ていますね。
・Hacobuを知ったきっかけと、入社した経緯を教えてください。
実は、前職を辞めようとは全く思っていなかったんです。いい人たちが多かったし、大手だから整った環境は整備されているし、自分のタイミングでアクセルが踏めるような業務だからほどよく楽しく働けるし、とても満足していたんです。だから11年も続いていましたし。
転機が訪れたのは、ある日、家具を買った時のことです。
5年ほど探し続け、ようやく見つけた理想のテレビボードでした。
それが福島県の家具屋さんのものだったので、福島から送ってもらったんです。
で、実際にそのテレビボードが我が家にやってきて、搬入・設置が終わった後、受領書の控えを渡されたのですが、その時になぜかドライバーさんが間違えて、本来渡すものではない、配送指示書(※配送に関する指示が書かれた紙)も一緒に渡してきたんです。
その時、初めて配送指示書というものを見たのですが、それが手書きのファックスで。
まだファックスなの!?という点も驚きましたが、それ以上に驚いたのが送信履歴でした。
ファックスって上に送信履歴も出ると思うんですが、そこにズラーっと履歴が並んでいて…あちこちの会社に転送されて転送されて、このドライバーさんはうちに来てくれたんだなあ、というのが強く印象に残ったんです。
・それは、なかなか起きない偶然の出来事ですね。
実は、まだ続きがあって。設置が終わってドライバーさんが帰った後、用事があって割とすぐに外に出たんです。そしたら、さっきのドライバーさんが駐車場に停めたトラックの中で、違う配送会社の制服に着替えている姿を目撃して…!
なんてアナログで非効率なんだろう、と思いました。それでもう「これは物流業界で働くしかない!」と責任感に燃えてきて(笑)。
それでまず物流業界で何か仕事がないかなと、リクナビに昔作ったアカウントが残っていたので、未経験OKな事務のポジションを検索したら、出てきたのがHacobuのバックオフィス募集のページだったんです。それで応募して、転職しました。
・すごく印象的なエピソードですね…!長く勤めた会社を辞めるほどの強い責任感について、もう少し教えてもらえますか?
私は、思い込んだら一直線なタイプなので(笑)。
その出来事で、シンプルに人手が足りていないんだなと思ったんです。
物流業界での人手不足については、ニュースで見聞きはしていましたが、ここまで逼迫しているのか、という衝撃がありました。
私には子どもがいますが、子どもの世代では人口はもっと減ってしまうのに、このままでは物流は破綻してしまうか、ものすごくコストが上がったり、使いづらくなったりして、不便な世の中になってしまったら可哀想だと思いました。
反対に、私のいるメディカル業界は、物流に比べれば足りていると感じました。特に私がいた職場は、大手だったのでたくさん人もいて。私ひとりいなくても平気だよな、と。
そう思ったら、「行かなきゃ」という使命感が湧いてきたんです。
・Hacobu以外に候補だった会社はありましたか?
実は、使命感に燃えてエントリーしたものの、年齢の問題や、それなのに未経験というハンデで、面接を突破できるとはあまり思っていなかったんです…。
転職の必要性に駆られていたわけでもなかったので、駄目で元々、という気持ちでまずHacobuにエントリーしました。
そこからさらにHacobuについて調べている時に、Wantedlyのインタビュー記事に出会ったのですが、とても素敵だなと思ったんです。
なんとかしないといけない業界に対して、皆が全力で、力を合わせて頑張っているんだなというのが伝わってきて、「一緒に働きたい」と思いました。
なので、競合他社も知らない状態で、決め打ちでした(笑)。
面接の際も、受かると思っていなかったので、「今のタイミングで適切なポジションがないのであれば、何年先でも良いので、ポジションが出来たり、空いたりした時点で教えて欲しい」とお願いしたのをおぼえています(笑)。
バックオフィスへの応募でしたが、数回の面接ののち、最終的にOCSとしての入社が決まりました。
これまでのキャリアを振り返ってみると、最初は予定していなかった職種に成り行きでたどり着くことが割と多かったんです。私は「絶対これがしたい!」というよりも、はまれる所にはまれたらそれでいいと思うタイプで、今その時にやらなくてはいけないことをやる、という生き方をしてきたのですが、選り好みしない分、自分が面白いと感じられる仕事が出来てきたと思うので、今回も迷いはなかったです。
・最初はどんな仕事から始まりましたか?
お客様向けのマニュアルなどを充実させたい、情報提供などのフォローを手厚くしたいと聞いたので、まずはマニュアル整備と、新しいリリースがあればリリースメモを作ってお客様に伝える体制を作っていくのが最初の仕事でした。あとは、営業ステータスや売上の数字などをまとめたりもしていましたね。
今は、営業データの部分は別の方に引き継いで、カスタマーサクセス一本に注力しています。
具体的には、新機能に対応したマニュアル更新や、MOVOを導入して頂いたお客様からの問い合わせ対応など。
それと、MOVO IDの発行対応ですね。
Hacobuが提供している物流プラットフォームMOVOは、利用するためにMOVO IDが必要になるのですが、
バース管理システムという機能が本格始動し、多くの運送会社が利用する大規模な物流拠点に導入された際に、かなりまとめての発行が必要になりました。
これが意外と工数がかかる作業で、なかなか大変でした…。時に泣きを入れつつ(笑)、みんなに励ましてもらいながら、なんとか乗り越えました。
今までになかったサービスを作り上げていくには、産みの苦しみというか、最初はどうしてもマニュアル作業が必要になったり、負担が大きくなるのは仕方がないことだと思います。
開発メンバーは、そこでの私の学びや気づきを、開発に生かしてくれるので、より良いサービスを作り上げていく上での大切なステップの一つという認識です。
それに最近、嬉しかったことがあって。
ある別の拠点でバース管理システムの導入が決まり、MOVO IDの発行が必要になったのですが、「すでにMOVO IDを持っている」という企業が複数社いらっしゃったんです。
これは、まさに今私たちが目指していることで。
今は、バースを利用するためには、それぞれの運送会社・ドライバーが、それぞれの拠点と個別にやりとりをしていますが、
全ての運送会社や物流拠点がMOVO IDを持つことでMOVOのプラットフォーム上で、すべての拠点の予約・管理ができ、業務が効率化される世界を実現したいと思っています。
目指している世界の、その一歩めを目の当たりにしたんだなと思うと、少しじーんとしてしまいました。
その後も同様の現象はどんどん起きるようになってきているので、MOVOのネットワーク効果が高まってきている実感がありますね。
・仕事にやりがいを感じる瞬間は?
インターネットを使った経験がほとんどないというお客様の導入サポートをさせて頂いた後に、「できました!」という連絡を頂いた時は嬉しかったですね。
あとはシステム部など、私よりも断然ITに詳しいお客様のお問い合わせに対応した際に、「このサービス良いですね」と言っていただいた時も嬉しかったです。
ITに明るい人も、そうでない人にも、MOVOというサービスが受け入れられている瞬間に出会うと、サービスが成長している実感というか、Hacobuみんなで目指している世界が近づいていることを実感して「やった!」と思います。
あとは、Hacobuでは自分の意見が製品改良にダイレクトにつながっていることも、やりがいを感じます。
以前の職場で、基幹システムが新しくなるタイミングがあったんですが、色々と意見をあげてみても、大きな組織なのもあり、却下されて「それは運用でカバーしてくれ」と言われるばかりで…苦労したんですよね。
サービスの根本に関わることであっても、自分の提案で変えていけるというのはやっぱり嬉しいですし、「もっと考えなきゃ」という責任感にも繋がっています。
・カスタマーサクセスとして、どんなことに気をつけていますか?
まずは、失礼がない対応を心がけています。
問い合わせがあるということは、お客様にとって何らかの不便がすでに生じているということですから、なるべく相手のお時間をこれ以上取らないように、早急な解決をしたいと思っています。
自分ひとりでは分からないことがあれば、すぐに開発メンバーに相談して、「どういう情報があれば今回の事象の原因が探れるか」を明らかにし、そのポイントを意識してお話を伺います。
次に、お客様のおっしゃりたいことをきちんとヒアリングできる話し方を意識すること。
パソコンが苦手な方は、ご本人もどう説明していいか分からないケースも多く、最初はお問い合わせ内容をしっかり把握できず、戸惑うことが多々ありました。
なのでそういう時は、私も同じ操作をしながらお話します。
そのためにはまず、お使いのブラウザやバージョンをお伺いしないといけないのですが、ここで「ブラウザは何を使っていますか?」とお聞きしても、かえって戸惑わせてしまう場合もあります。
なので、「Google Chromeをなんと説明するか」から考えることも必要です。
・ちなみに、そういう時はなんと説明するのですか?
「メニューのところに、赤や黄や緑色の、目玉みたいなのがいませんか?」とお聞きします(笑)。
・目玉!たしかに言われてみると、馴染みのない方には分かりやすいかも。
バージョンについても、「こういう操作をしてショートカットキーを押してみてください、このあたりにこういうことが書いてあると思いますが、読めますか?」とお聞きします。
「困っているけどなんと説明したらいいかわからない」というお客様の場合は、出来るだけ、私からご質問させて頂くようにして、質問自体もお客様がなるべく「はい」「いいえ」で答えられるように意識しています。
・現在のOCS (Operations & Customer Success)チームについて教えてください。
一応、リーダーが私で、絢美さんとりっちゃんの合計3人で回しています。
でも、それぞれがリーダーでいいじゃん、と絢美さんは言っていて、私もその通りだと思っています。
メンバー全員が対応しているような業務についても相談しあいますし、誰か1人が担っている業務についても頻繁に皆で話し合っています。
・これから、どんなチームにしていきたいですか?
私達はお客様に気持ちよく末長くMOVOを使っていただくために動くチームだと思っているので、そのために必要なことであれば、例えば今はセールスなど他のチームが担っていたとしても、どんどん巻き取っていきたいですし、そのさらに前というか、まだ誰も対応できていないサポートも私たちが担っていけたら、と思っています。
導入後のサポートの質も高めていきたいですが、「この人たちがいるから安心だよね」と、導入決定のポイントにもなれたら、と思っています。
チームとしては、それぞれがチームに合わせるのではなく、ひとりひとりがそのまま個性を発揮できるような、長所を生かすチームにしていきたいです。
なので、新しく入ってくる方にも、恐れずに自分の「素」をどんどん出してほしいと思います。
・Hacobuに入社したら、どんな経験ができると思いますか?また、どんな人が合っていると思いますか?
Hacobuは、どのチームのメンバーも全員前向きに・貪欲に働いているので、自然と周りに引っ張られて、「気がついたら頑張れていた」という状態になると思います。
それと大企業だと、キャリアパスはあらかじめ用意されていることが多いですが、Hacobuはまだまだこれから大きくなっていくフェーズにあるので、
「自分はこうなりたい」というビジョンがあれば、自分自身の動きかた次第で、きっとそれを叶えられる場だと思います。
実際に、入社時とは違う職種に就いているメンバーも何人かいますし、私ももし、「別のチームに異動したいです」と言ったら動けると思うんです。その人の情熱があればチャンスが与えられる、そういうボーダーレスなところもいいなと思います。
そして、同じOCSチームであっても、実は3人とも全然違う道を走っているんですよ。やっていることも、自分の中で目指していることもみんな違いますし。
だけど、Hacobuという大きなサークルで捉えて見てみると、みんなでひとつのゴールに向かっていて。一人一人が道を作ることで、太く大きい一本の道を作っていっている。それがHacobuなんです。
だから、私達のビジョンやHacobu Valueに共感ができて、「私はこれをしたい、こうなりたい」という情熱を持っている方であれば、きっとマッチするんじゃないかなと思います。
OCSチームに絞って挙げるのであれば、聞く力と共感力のある方でしょうか。
まずは相手の話を聞いたりして、状況を把握しないことには仕事が始められないのがOCSなので。それに、先回りでお客様のサポートをしていくには、「こういう時にお客様はどう思うだろう?何を求めるだろう?」ということを、どれだけ想像できるかにかかってくると思うからです。
・ご自身は、これからどんなことをしていきたいですか?
現実的すぎるかもしれませんが(笑)、チームの体制を整えていきたいです。
現状は、それぞれの記憶に頼っていたり、属人的になってしまっている部分もまだまだあって。これからどんどん組織が大きくなっていくので、そのためには整備しなくてはいけないことがたくさんあると感じています。なので、まずはそこに注力したいなって。
目指しているのは、「お客様が困った時だけじゃなく、嬉しかった時も連絡してくれるカスタマーサクセス」。
それって、もうサポートの域は確実に出ていますが(笑)。お客様との信頼関係を、そのくらいの高さに引き上げたいんです。
今の良さは残しつつ、多くのお客様とそれだけの関係を構築できて、Hacobuのファンを増やしていけるOCSチームにしていきたいです。
一緒に作っていきたい!と思ってくださる方、お待ちしています。